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歩美の秘密
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なぜか洋服が大量に梱包されて、お直し以外のものが店員の手によって地上に出入り口がある駐車場まで運ばれる。まだ車の用意ができるまで、そのVIPルームで待機になった。
「代金はどうなったんでしょうか?」
と、さっき大量の服を着たのに、さらに靴なども試着させられどっぷりと疲れた様子の美代が不安そうに聞くと、ジャスティンが「I don't know……」と言い、七瀬も、「俺もさっぱりわかんねえ」という。
美代が歩美に近づいた。
「歩美ちゃん、これみんな払ってないよね……なんで……」
歩美に肩をがっちりと掴まれた。
「美代、黙ってて、ごめん。実は………」
歩美が言葉を終える前に、歩美の目に背の高い白髪交じりの男が美代の後ろに立っているのが映る。
その背の高いスーツを着こなした男を美代の肩越しに凝視した。
歩美の目が少し見開かれていた。
「歩美様、大変お久しぶりでございます……」
「……連絡、やっぱり早いわね。貴方の部下の男、高橋を駐車場にいるのを見かけたから、遅かれ早かれとは思ったけど……」
「本社の方がちょっと立て込んでいまして、少し出遅れました。いま到着したもので……」
「長崎さん、今日の買い物、衣装の件、よろしくお願いします……」
「もちろんで、ございます……」
(おい、誰なんだよ。このオジさん。どういう知り合い?)
七瀬の遠慮のない視線を感じたのか、長崎がみんなに挨拶をし始めた。
「大変失礼いたしました。私、この日本ヴィラルの代表取締役の長崎と申します。本日はご来店ありがとうございました」
「ヴィラルってここのブランドの社長さんってこと? おい……マジで? 歩美、お前さっきからソワソワしていたけど、こういう人と知り合いとは知らなかった……もしかして、歩美、すごいお嬢様?」
「……家族の知り合いよ……」
歩美は小さな声で答える。
ジャスティンは、歩美をチラ見する。
七瀬の言葉をジャスティンは思い出す。うーーん、それはあるかもと彼は思う。さっきも英国流の英語だった。この世界に入って、色々な人に会い、かなりこのブロンクス訛りを茶化された。今は誇りに思っているが、当時は、なんだよ、普通に話しているだけだよっとふてくされた。
だったら、どんな英語が上品なんだよっと、あるセレブな奴に聞いたら、「やっぱり、意外とアメリカ人は皮肉ってても英国英語が好きなんじゃない?」と言われた。
マジかよっと思う。
そして、ちょうどその辺りで、映画のコメディの撮影で英国貴族の役をやってくれと言われた。俺はシンガーなんだよっと思ったが、ブロンクス育ちのお前が、英国貴族やったら、面白いだろっとマネージャーに押されて、役を引き受けた。でも、コメディだからこそ、本格的にやらないと面白くないと言われ、英語の発音が難しかったが、仲間と頑張った。
貴族階級の人達だけが話す英国英語の中のさらに独特な言い回しの英語。
歩美の英語はそんな感じがした。
フランス語も堪能なように見えたが、ジャスティンにはそれは全然わからない。
普通の外国人でそんな英語を話す奴なんていない。彼の知る限り。
「……こ、こんにちは。初めまして。私は土屋美代と申します。今日は色々お世話になりました。あの社長さんみたいなので、お聞きしていいですか? 」
美代は心配そうに、この洋服の代金を支払っていないのに、ここを出ることに物凄い違和感を感じていたので、返事が曖昧な歩美に代わって直接聞いてみた。
「これら、本当にお代を払っていないんですけど、大丈夫ですか?」
またさらに下に運ばれる様子の衣装を指差す。
その直接的な質問を聞いて、長崎は答えた。白髪混じりの紳士は優しげな顔だ。
「美代様とおっしゃるのですか? ご説明いたします。我が社では稀なんですが、時より会社から衣装提供という形で、テレビや、雑誌、映画などに我が社の商品を貸し出しするんですよ……」
「え、そんなこと出来るんですか?」
「……もちろん、普通のお客様に対しては申し訳ありませんが、いたしておりません……」
長崎の声色が微妙に変化する。
「今回はとても信頼がおける方のお頼みなので、私が許可をしました……」
歩美が俯く。
「気に言って頂ければ、もちろん買取もできますので、どうぞご連絡を下さい……」
長崎が深くお辞儀をする。
『ふーーん、衣装提供ね、なるほどね……でも……』
ジャスティンが片手を顎に当てて話す。
長崎はもちろんジャスティンにも挨拶を怠らない。
七瀬などは、この貸し出しはジャスティンのおかげなのかと思い、「歩美の知り合いもすごいけど、やっぱり、すげーな、ジャスティン、流石だ。You are amazing!!」なんて、言っている。
普通ならそう思うのが当然だ。ジャスティンの方がこの中で一番知名度があるのだから……。
でも、何か美代は違和感を感じた。
特に歩美に対してだった。
「歩美ちゃん、一体!」
何か隠してない?っと美代は言いたかった。
歩美はただ、ちょっと残念そうな顔をして、
「美代、今日はちょっとその質問は待ってくれる? 全部終わったら話すから……元々そのつもりだったし……」
と言われた。
その真剣でちょっと無理しながら笑っている歩美に美代も親友として何かを感じたようだった。
「わかった。いいの。別に説明しなくても……でも、無理しないで……」
二人はちょっと見つめあった。
ジャスティンが、歩美に話しかけた。
『君は非常に面白い人だね……。秘密がありそうだけど、あえて詮索しないよ。それがセレブリティーの嗜みだからね』
歩美はただジャスティンに対してふんっと顔を背けた。
そして怒涛の買い物? は、だいたい終わりを告げた。
ジャスティンはこれからまた生音楽番組の撮影があるからと言う。
「……せめて、僕の車に移動して……最後に返してくれればいいから………」
そんなことを言われて困っていると、係の者が「お車の準備が出来ました…」と言いに来た。
これからは、七瀬はバイトでいなくなる。
エレベーターで下に降りて駐車場への入り口へのドア開けたら、そこにはジャスティンの専用の車ではなく、あの見慣れた黒塗りにベントレーが転車台の上に待っていた。
もちろん、運転手の伊勢崎さんが白手袋を嵌めた手で後部座席のドアを開けていた。
「美代様、歩美様、どうぞお乗りくださいませ。荷物は全てこちらに入りましたし、もし他の場所に移動でも私を自由に使っていいとの、蓮司様からのご伝言です。七瀬さんもよかったら、どうぞお乗りください。最寄り駅までで宜しければ、お送り致します」
『うーん、やっぱりすぐに食いつくね、あの禿鷹男は……』
あの睨まれた目を思い出して、ジャスティンが言葉を漏らす。
美代はご伝言という言葉が、蓮司のこの車使わないとどうなるかわかっているだろうなーっ的な脅迫にも感じられた。でも、別に嫌じゃない。今までだったら、ムカついていただろう。だってこの変身も、元々は蓮司に、あっと驚いてもらって、相応しくなりたかったのだ。
ああ、どうしよう。
蓮司会長って名前を聞いただけで、胸がドキドキする。
そんな顔を赤らめている美代をジャスティンがじっと見ていた。
なんかちょっとふっとため息をついていたようだった。
「……ミヨ、どうやら僕たちは出会うのが遅かったのかな……。明日のコンサート、出来れば、今日の服着て、ボーイフレンドを誘いなよ。絶対にサクセスするから!」
「え、ジャスティン、コンサートあるの?」
「あれ、聞いてなかったの? 話……?」
「ごめん、聞いてなかったよ。すごいじゃん、観に行くよ。前座とかでしょ? コブシに気をつけてね! 先輩には必ず九十度でお辞儀するんだよ! 」
「コブシ? ゼンザ? なにそれ、まあいいよ。わかった。まだそれについては勉強不足かもしれない。お辞儀もわかったよ。明日来てよ。アユミにもう教えてあるから……」
「……え、歩美ちゃんに? うん、わかった」
「……でも、最後に、君の名前の意味教えて? ミヨってどう言う意味?」
「うーーん、美しい時代とか、美しい人生をって感じかな?」
「……素晴らしい名前だね……」
「……名前負けしてるけどね」
『君の顔だけ見ているだけで、なんだかもう失恋気分だよ。ここまで手伝ったお駄賃だけ頂戴……』
「え? ジャスティン、なんか言った? 英語が速すぎて意味がわからない」
その時、歩美は何か長崎と話し込んで真剣な顔をしていた。七瀬は伊勢崎さんに駅の場所を確認のため、カーナビを一緒にセットしていた。長崎の計らいで店員達は全て店内に返されていた。プライバシーを重視した彼の計らいだった。だが、それはジャスティンにとっては絶好のチャンスだった。
そう言った瞬間、美代の頬にキスが降りた。
「唇が欲しかったけど、彼氏に遠慮したよ……」
突然のことで、美代がびっくりして赤面する。
「な、なんで?」
(しっーー! 君がカワイイからだよ。いつでも、ぼくに乗り換えたいなら、連絡して。でも、明日は必ずね。キスは二人の秘密だよ……)
そう言いながら、美代と歩美、七瀬を車に押し込んだ。
「はやく、君たちが出ないと俺の車が出せないから……」
そう言ってジャスティンと別れたのだった。美代は多少パニックになりながらも、デートの段取りを組んでくれたジャスティンに感謝した。
あ、でも、蓮司会長、演歌好きかなーー、あれ、民謡だっけ。
美代はちょっと車の中で考えていた。
「代金はどうなったんでしょうか?」
と、さっき大量の服を着たのに、さらに靴なども試着させられどっぷりと疲れた様子の美代が不安そうに聞くと、ジャスティンが「I don't know……」と言い、七瀬も、「俺もさっぱりわかんねえ」という。
美代が歩美に近づいた。
「歩美ちゃん、これみんな払ってないよね……なんで……」
歩美に肩をがっちりと掴まれた。
「美代、黙ってて、ごめん。実は………」
歩美が言葉を終える前に、歩美の目に背の高い白髪交じりの男が美代の後ろに立っているのが映る。
その背の高いスーツを着こなした男を美代の肩越しに凝視した。
歩美の目が少し見開かれていた。
「歩美様、大変お久しぶりでございます……」
「……連絡、やっぱり早いわね。貴方の部下の男、高橋を駐車場にいるのを見かけたから、遅かれ早かれとは思ったけど……」
「本社の方がちょっと立て込んでいまして、少し出遅れました。いま到着したもので……」
「長崎さん、今日の買い物、衣装の件、よろしくお願いします……」
「もちろんで、ございます……」
(おい、誰なんだよ。このオジさん。どういう知り合い?)
七瀬の遠慮のない視線を感じたのか、長崎がみんなに挨拶をし始めた。
「大変失礼いたしました。私、この日本ヴィラルの代表取締役の長崎と申します。本日はご来店ありがとうございました」
「ヴィラルってここのブランドの社長さんってこと? おい……マジで? 歩美、お前さっきからソワソワしていたけど、こういう人と知り合いとは知らなかった……もしかして、歩美、すごいお嬢様?」
「……家族の知り合いよ……」
歩美は小さな声で答える。
ジャスティンは、歩美をチラ見する。
七瀬の言葉をジャスティンは思い出す。うーーん、それはあるかもと彼は思う。さっきも英国流の英語だった。この世界に入って、色々な人に会い、かなりこのブロンクス訛りを茶化された。今は誇りに思っているが、当時は、なんだよ、普通に話しているだけだよっとふてくされた。
だったら、どんな英語が上品なんだよっと、あるセレブな奴に聞いたら、「やっぱり、意外とアメリカ人は皮肉ってても英国英語が好きなんじゃない?」と言われた。
マジかよっと思う。
そして、ちょうどその辺りで、映画のコメディの撮影で英国貴族の役をやってくれと言われた。俺はシンガーなんだよっと思ったが、ブロンクス育ちのお前が、英国貴族やったら、面白いだろっとマネージャーに押されて、役を引き受けた。でも、コメディだからこそ、本格的にやらないと面白くないと言われ、英語の発音が難しかったが、仲間と頑張った。
貴族階級の人達だけが話す英国英語の中のさらに独特な言い回しの英語。
歩美の英語はそんな感じがした。
フランス語も堪能なように見えたが、ジャスティンにはそれは全然わからない。
普通の外国人でそんな英語を話す奴なんていない。彼の知る限り。
「……こ、こんにちは。初めまして。私は土屋美代と申します。今日は色々お世話になりました。あの社長さんみたいなので、お聞きしていいですか? 」
美代は心配そうに、この洋服の代金を支払っていないのに、ここを出ることに物凄い違和感を感じていたので、返事が曖昧な歩美に代わって直接聞いてみた。
「これら、本当にお代を払っていないんですけど、大丈夫ですか?」
またさらに下に運ばれる様子の衣装を指差す。
その直接的な質問を聞いて、長崎は答えた。白髪混じりの紳士は優しげな顔だ。
「美代様とおっしゃるのですか? ご説明いたします。我が社では稀なんですが、時より会社から衣装提供という形で、テレビや、雑誌、映画などに我が社の商品を貸し出しするんですよ……」
「え、そんなこと出来るんですか?」
「……もちろん、普通のお客様に対しては申し訳ありませんが、いたしておりません……」
長崎の声色が微妙に変化する。
「今回はとても信頼がおける方のお頼みなので、私が許可をしました……」
歩美が俯く。
「気に言って頂ければ、もちろん買取もできますので、どうぞご連絡を下さい……」
長崎が深くお辞儀をする。
『ふーーん、衣装提供ね、なるほどね……でも……』
ジャスティンが片手を顎に当てて話す。
長崎はもちろんジャスティンにも挨拶を怠らない。
七瀬などは、この貸し出しはジャスティンのおかげなのかと思い、「歩美の知り合いもすごいけど、やっぱり、すげーな、ジャスティン、流石だ。You are amazing!!」なんて、言っている。
普通ならそう思うのが当然だ。ジャスティンの方がこの中で一番知名度があるのだから……。
でも、何か美代は違和感を感じた。
特に歩美に対してだった。
「歩美ちゃん、一体!」
何か隠してない?っと美代は言いたかった。
歩美はただ、ちょっと残念そうな顔をして、
「美代、今日はちょっとその質問は待ってくれる? 全部終わったら話すから……元々そのつもりだったし……」
と言われた。
その真剣でちょっと無理しながら笑っている歩美に美代も親友として何かを感じたようだった。
「わかった。いいの。別に説明しなくても……でも、無理しないで……」
二人はちょっと見つめあった。
ジャスティンが、歩美に話しかけた。
『君は非常に面白い人だね……。秘密がありそうだけど、あえて詮索しないよ。それがセレブリティーの嗜みだからね』
歩美はただジャスティンに対してふんっと顔を背けた。
そして怒涛の買い物? は、だいたい終わりを告げた。
ジャスティンはこれからまた生音楽番組の撮影があるからと言う。
「……せめて、僕の車に移動して……最後に返してくれればいいから………」
そんなことを言われて困っていると、係の者が「お車の準備が出来ました…」と言いに来た。
これからは、七瀬はバイトでいなくなる。
エレベーターで下に降りて駐車場への入り口へのドア開けたら、そこにはジャスティンの専用の車ではなく、あの見慣れた黒塗りにベントレーが転車台の上に待っていた。
もちろん、運転手の伊勢崎さんが白手袋を嵌めた手で後部座席のドアを開けていた。
「美代様、歩美様、どうぞお乗りくださいませ。荷物は全てこちらに入りましたし、もし他の場所に移動でも私を自由に使っていいとの、蓮司様からのご伝言です。七瀬さんもよかったら、どうぞお乗りください。最寄り駅までで宜しければ、お送り致します」
『うーん、やっぱりすぐに食いつくね、あの禿鷹男は……』
あの睨まれた目を思い出して、ジャスティンが言葉を漏らす。
美代はご伝言という言葉が、蓮司のこの車使わないとどうなるかわかっているだろうなーっ的な脅迫にも感じられた。でも、別に嫌じゃない。今までだったら、ムカついていただろう。だってこの変身も、元々は蓮司に、あっと驚いてもらって、相応しくなりたかったのだ。
ああ、どうしよう。
蓮司会長って名前を聞いただけで、胸がドキドキする。
そんな顔を赤らめている美代をジャスティンがじっと見ていた。
なんかちょっとふっとため息をついていたようだった。
「……ミヨ、どうやら僕たちは出会うのが遅かったのかな……。明日のコンサート、出来れば、今日の服着て、ボーイフレンドを誘いなよ。絶対にサクセスするから!」
「え、ジャスティン、コンサートあるの?」
「あれ、聞いてなかったの? 話……?」
「ごめん、聞いてなかったよ。すごいじゃん、観に行くよ。前座とかでしょ? コブシに気をつけてね! 先輩には必ず九十度でお辞儀するんだよ! 」
「コブシ? ゼンザ? なにそれ、まあいいよ。わかった。まだそれについては勉強不足かもしれない。お辞儀もわかったよ。明日来てよ。アユミにもう教えてあるから……」
「……え、歩美ちゃんに? うん、わかった」
「……でも、最後に、君の名前の意味教えて? ミヨってどう言う意味?」
「うーーん、美しい時代とか、美しい人生をって感じかな?」
「……素晴らしい名前だね……」
「……名前負けしてるけどね」
『君の顔だけ見ているだけで、なんだかもう失恋気分だよ。ここまで手伝ったお駄賃だけ頂戴……』
「え? ジャスティン、なんか言った? 英語が速すぎて意味がわからない」
その時、歩美は何か長崎と話し込んで真剣な顔をしていた。七瀬は伊勢崎さんに駅の場所を確認のため、カーナビを一緒にセットしていた。長崎の計らいで店員達は全て店内に返されていた。プライバシーを重視した彼の計らいだった。だが、それはジャスティンにとっては絶好のチャンスだった。
そう言った瞬間、美代の頬にキスが降りた。
「唇が欲しかったけど、彼氏に遠慮したよ……」
突然のことで、美代がびっくりして赤面する。
「な、なんで?」
(しっーー! 君がカワイイからだよ。いつでも、ぼくに乗り換えたいなら、連絡して。でも、明日は必ずね。キスは二人の秘密だよ……)
そう言いながら、美代と歩美、七瀬を車に押し込んだ。
「はやく、君たちが出ないと俺の車が出せないから……」
そう言ってジャスティンと別れたのだった。美代は多少パニックになりながらも、デートの段取りを組んでくれたジャスティンに感謝した。
あ、でも、蓮司会長、演歌好きかなーー、あれ、民謡だっけ。
美代はちょっと車の中で考えていた。
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