25 / 200
真田側のストーリー 子リス捕獲保護作戦
しおりを挟む
<前書き by 苦悩している補佐>
私、真田です。
皆様読んでいただいてありがとうございます。
毎日、猛獣系俺様でマジ恋愛超初心者のウルトラ美形の御曹司の上司と、とっても天然系で素直な真面目の子リスちゃんの仲に挟まって、お仕事頑張っております。
本来ならもっとクールなイメージの私ですが、どうやらこの恋愛ドタバタに挟まれて特に子リスちゃんには、下着のパンツを渡した時には、『真田さんの変態、目が笑ってる!』とまで言われました。
あ、子リスちゃんと呼んだことは、蓮司会長にだまっていてください。あの方が来てから自分との関係を明確にするため、美代様っとお呼びしています。
心の中で子リスちゃんと呼んでいるのがバレたら、かなりやばいです。世界最果ての地まで蓮司会長に飛ばされそうです。
子リスちゃん!
変態なのはわたしではありません!
あのブラだって! 蓮司会長、持ってかえりたいといいだしたのを止めたのは私です! あ! 私は見てませんよ! その、気になされているところだとは思いますが……。
え、蓮司会長ですか? 彼が着替えさせたのかって!?
すいません。いまここでそれを言ったらたぶん、火星ぐらいまで飛ばされます。ご勘弁ください。
みなさんだけにいままでの経緯をお話しします。
ちょっと長いですが、お付き合いください。
***
夜中の3時に蓮司会長からの電話が鳴る。
緊急事態なのか? っと電話に出たのはいいが、聞いた言葉を理解するのに時間がかかった。
「あの申し訳ございません。あの……会長は、その清掃とコンビニの深夜のバイトをしている女性に興味があると……」
「真田、悪い。ああ、ただ調べてほしい。彼女がどういう状況なのか」
「もし、その身辺調査をしまして、なにも問題がなければそのままでいいですか?」
「……そうだな。そうするべきだ……」
「わかりました。お調べいたします」
そうするべきだっという会長の言葉が何か含みをもっているのを感じる。何も問題なければ、会長はその女をそのままそっとしておくのか?
「会長、すみません。再び……あの、その女性が不審人物かどうか調べればよろしいのでしょうか?」
「……っ。真田……子リスがそんなわけないじゃないか……」
「こ 、りすですか? 可愛らしい方なんですね」
「おい、真田。先に言っておく。手を出すなよ。もし、そのような仕草でも見せてみろ、お前は僻地への左遷だからな。日本の地に再び戻れると思うな」
え、さっきと全然お話が違うではないですか……さっきは問題ないなら、ほっとくみたいなことを……電話口から蓮司会長の冷気を感じる。
「畏まりました。よく肝に命じます」
真田家は代々この大原家に支えている執事の家系だ。年齢も近いことからは小学生の蓮司と取っ組み合いの喧嘩をもしたことがある。昔の蓮司はどちらかというと正義感が強く、みんなのリーダーシップをとるような明るい性格だった。だが、この大原という恐ろしく大きな組織のプレッシャーが彼を変えてしまった。もちろんその基本的な性格は変わっていないと思うが、極端に冷徹になったのだ。もしかしたら先代の愛人の件もあったからもしれない。イギリスから帰国し日本の高校に通うぐらいから彼の性格が変わってきた。それは総裁になることを決心した15歳の少年の意思の表れのように見えた。
いつもあった屈託のない笑みが彼から消えた。
「真田。おれはこれからいばらの道を歩む決心をした。この大原を継ぐ。この組織には魔物がいる。それは人間の権力に対する欲や金に対する執着だ。でも、おれはこの組織をそれだけにしたくない。まだ、おれは子供だ。悪いがそれに付き合ってくれないか?」
3歳年下の子供にこんなことを言われて、心が動かされないものなどいない。
18歳で正式に蓮司つきの補佐になる。実情は執事に近い何でも屋だ。彼を支えることが主な任務だ。
いままである程度の蓮司の女遊びも見てきた。蓮司は来るものをあまり拒まない。だが、ある種の女だけが彼の苦手であるというのは真田はよく知っていた。
化粧が濃く香水の匂いが強く漂うような女だ。たぶん、亡くなった先代が残した負の遺産の一つだ。先代にはある愛人がいた。妻に先立たれ心身ともにやつれていた60代の先代は、かなりタチの悪い女に引っかかった。その女はまだ若かった。30代であったようだ。だが、その愛人がこともあろうに、まだ10代の蓮司に性的に迫っていたと聞いている。幸い大事にはならなかったと聞いているが、それから、働きすぎの過労とそのような女の類がよってくると、かならず発作を彼は起こす。もちろん、日常の彼の社交場はそんな女で溢れている。いつもの蓮司なら大丈夫だ。問題は一切ない。ときどき自分の発作を克服するがために、わざとそれらの女からのキスを受けていると真田は思っていた。
あんな自己放棄的な方法で治るはずがないじゃないか……
補佐の真田は悩んでいた。
それでこの電話だ!
「この**町の角に位置している深夜のコンビニと白石製作の深夜の清掃にはいっている女の身元を調べてほしい……」
一瞬、真田は驚きのあまり電話を落としそうになった。プライベートなことで女を調べてほしいだと!!!
これは!!もしや王子に遅い春がきたのかぁああ!!と補佐としての腕がなる。
美代の身元を調べ上げた。両親がすでに他界。両親がかなりの負債があったが美代はすべての相続を放棄してそれを免れたらしい。一時、両親がヤミ金まで手を伸ばしていた時期があり、それによって美代も一時身に危険があったところまで調べ上げだ。勤勉であった少女は見事に自力で生活しながら大学に通っていた。
美代の父が経営していた会社は真田も知っている会社名だった。
土屋工業株式会社。自動車の金型の小物部品を専門にやっている製造業の中小企業の会社だった。かなりのインテリで、しかも変わり者だった土屋社長は、車だけではなく家具やまたは飛行機の部品までいろいろ手がけるようになる。土屋工業は自社で金型製作から大量生産までできるちょっと特殊な中小企業だった。普通はどちらかを専門にやっているところが多かった。金型の品質が素晴らしく、あまり単価が高くないというところも魅力的で海外注文も多く大手企業が買収を狙っていると聞いていた。
その後の話をよく聞いていないが、なにか会社が詐欺に合い、多額の債務に追い込まれて倒産した話までは知っていた。
この少女があの土屋工業の娘なのか……
両親の教育が良かったのか、それとも美代自身の天然の性格なのか、この少女は人生を前向きに生きているように見えた。ただ問題は働きすぎだ。学校と深夜のバイトを2つも掛け持ちしている。これは殺人的なスケジュールだ。しかも彼女は若い女性だ。寝ている時間を考えているだけで真田は心配になる。
それを自分の主人に伝えたが、思った通りの反応が返ってくる。
「真田。美代を連れてこい。いま直ぐだ!」
「蓮司会長。そんな急に連れてこいなんて無理ですよ。誘拐になります」
「おい、お前が連れてこないなら俺が行く。説得して辞めさせる」
「会長。それでどうするんですか? お金を渡して彼女に仕事を辞めさせるように説得するんですか? 私が思うに彼女はそういう女性ではありませんよ。しかも、会長は彼女にとって全く赤の他人です」
「彼女が納得するような理由を用意しなければなりませんね」
そんな中、ちょうど美代の様子を自分の目で確かめようと、真田は車を伊勢崎に走らせていたら、その美代自身が車の前で倒れこんだ。
まずい! 遅かったのか! と真田は倒れこんでいた美代を抱きかかえ救急車を呼ぶ。
作戦変更。子リス緊急保護が必要。実行許可願う。
それをタイプし蓮司会長に送る。
速攻返事が返ってくる。
許可。実行に移せ。
本来ならあのまま病院から介護のため館に連れてくる手立てだった。そして、うまく懐柔して、この大原の館にずっと住まわせる予定だった。
だが、美代は自分が想像する以上に真面目な人間だった。だから、その捕獲作戦は変更をさせざる得なかった。
それから清掃会社に根回しをしメディファクトの清掃へと変更してもらう。コンビニはこっちから操作しなくても、あちらのアホな店長のおかげで美代が首になったことでホッとした。まずは自分たちの近くで働いてもらう。それが最初だった。だが、美代がメディファクトで働き始めたと聞いた蓮司会長は、まるでだだをこねた子供のように、見に行くっと言って聞かない。
「だめです。今晩は接待の会合があります。すでに3回も予定を変えていただいた方です。これだけは申し訳ありませんがでてくれと矢崎からの伝言をいただいています」
「4回目になってもいいだろ!」
「蓮司様! あなたは総裁なんですよ。忘れましたか?」
「……」
蓮司はかなりふてくされながらその夜の接待に出かけた。ただ相手が悪かった。取引相手の銀行の頭取が、なぜか自分の娘まで連れてきてむりやり蓮司に引き合わせたのだ。しかも、その女性が蓮司の苦手なタイプ。化粧濃いめの香水プンプン型の女だ。
再び言うが、いつもの蓮司会長なら大丈夫だったはずだ。美代に会えないというストレスとあの女の匂いが蓮司を追い込ませた。
矢崎から急に連絡がくる。
「真田さん。すみません!! 緊急事態です。蓮司会長が急に会合を抜け出し目下逃亡中です!! やられました。でも最悪なのは、どうやら、その後をあの頭取の娘が尾行しているみたいで行き先がまだ不明なんです」
真田は『はあ~~~~っ』とため息をついた。
「矢崎。大丈夫だ。会長の方は私がなんとかする。取引先のほうをなんとか取り繕ってください」
「あああー、さすが会長の右腕と言われる真田さんですね。そうなんです。大変なんです。では、会長のほうよろしくお願いします。あとあの頭取の令嬢にもすいませんが、お手柔らかによろしくお願いします」
それから、5分も経たずに美代から電話がある。
蓮司が美代の腕のなかで倒れていると……。
どんだけ会いたかったんだ。子リスちゃんに。蓮司会長………。
私、真田です。
皆様読んでいただいてありがとうございます。
毎日、猛獣系俺様でマジ恋愛超初心者のウルトラ美形の御曹司の上司と、とっても天然系で素直な真面目の子リスちゃんの仲に挟まって、お仕事頑張っております。
本来ならもっとクールなイメージの私ですが、どうやらこの恋愛ドタバタに挟まれて特に子リスちゃんには、下着のパンツを渡した時には、『真田さんの変態、目が笑ってる!』とまで言われました。
あ、子リスちゃんと呼んだことは、蓮司会長にだまっていてください。あの方が来てから自分との関係を明確にするため、美代様っとお呼びしています。
心の中で子リスちゃんと呼んでいるのがバレたら、かなりやばいです。世界最果ての地まで蓮司会長に飛ばされそうです。
子リスちゃん!
変態なのはわたしではありません!
あのブラだって! 蓮司会長、持ってかえりたいといいだしたのを止めたのは私です! あ! 私は見てませんよ! その、気になされているところだとは思いますが……。
え、蓮司会長ですか? 彼が着替えさせたのかって!?
すいません。いまここでそれを言ったらたぶん、火星ぐらいまで飛ばされます。ご勘弁ください。
みなさんだけにいままでの経緯をお話しします。
ちょっと長いですが、お付き合いください。
***
夜中の3時に蓮司会長からの電話が鳴る。
緊急事態なのか? っと電話に出たのはいいが、聞いた言葉を理解するのに時間がかかった。
「あの申し訳ございません。あの……会長は、その清掃とコンビニの深夜のバイトをしている女性に興味があると……」
「真田、悪い。ああ、ただ調べてほしい。彼女がどういう状況なのか」
「もし、その身辺調査をしまして、なにも問題がなければそのままでいいですか?」
「……そうだな。そうするべきだ……」
「わかりました。お調べいたします」
そうするべきだっという会長の言葉が何か含みをもっているのを感じる。何も問題なければ、会長はその女をそのままそっとしておくのか?
「会長、すみません。再び……あの、その女性が不審人物かどうか調べればよろしいのでしょうか?」
「……っ。真田……子リスがそんなわけないじゃないか……」
「こ 、りすですか? 可愛らしい方なんですね」
「おい、真田。先に言っておく。手を出すなよ。もし、そのような仕草でも見せてみろ、お前は僻地への左遷だからな。日本の地に再び戻れると思うな」
え、さっきと全然お話が違うではないですか……さっきは問題ないなら、ほっとくみたいなことを……電話口から蓮司会長の冷気を感じる。
「畏まりました。よく肝に命じます」
真田家は代々この大原家に支えている執事の家系だ。年齢も近いことからは小学生の蓮司と取っ組み合いの喧嘩をもしたことがある。昔の蓮司はどちらかというと正義感が強く、みんなのリーダーシップをとるような明るい性格だった。だが、この大原という恐ろしく大きな組織のプレッシャーが彼を変えてしまった。もちろんその基本的な性格は変わっていないと思うが、極端に冷徹になったのだ。もしかしたら先代の愛人の件もあったからもしれない。イギリスから帰国し日本の高校に通うぐらいから彼の性格が変わってきた。それは総裁になることを決心した15歳の少年の意思の表れのように見えた。
いつもあった屈託のない笑みが彼から消えた。
「真田。おれはこれからいばらの道を歩む決心をした。この大原を継ぐ。この組織には魔物がいる。それは人間の権力に対する欲や金に対する執着だ。でも、おれはこの組織をそれだけにしたくない。まだ、おれは子供だ。悪いがそれに付き合ってくれないか?」
3歳年下の子供にこんなことを言われて、心が動かされないものなどいない。
18歳で正式に蓮司つきの補佐になる。実情は執事に近い何でも屋だ。彼を支えることが主な任務だ。
いままである程度の蓮司の女遊びも見てきた。蓮司は来るものをあまり拒まない。だが、ある種の女だけが彼の苦手であるというのは真田はよく知っていた。
化粧が濃く香水の匂いが強く漂うような女だ。たぶん、亡くなった先代が残した負の遺産の一つだ。先代にはある愛人がいた。妻に先立たれ心身ともにやつれていた60代の先代は、かなりタチの悪い女に引っかかった。その女はまだ若かった。30代であったようだ。だが、その愛人がこともあろうに、まだ10代の蓮司に性的に迫っていたと聞いている。幸い大事にはならなかったと聞いているが、それから、働きすぎの過労とそのような女の類がよってくると、かならず発作を彼は起こす。もちろん、日常の彼の社交場はそんな女で溢れている。いつもの蓮司なら大丈夫だ。問題は一切ない。ときどき自分の発作を克服するがために、わざとそれらの女からのキスを受けていると真田は思っていた。
あんな自己放棄的な方法で治るはずがないじゃないか……
補佐の真田は悩んでいた。
それでこの電話だ!
「この**町の角に位置している深夜のコンビニと白石製作の深夜の清掃にはいっている女の身元を調べてほしい……」
一瞬、真田は驚きのあまり電話を落としそうになった。プライベートなことで女を調べてほしいだと!!!
これは!!もしや王子に遅い春がきたのかぁああ!!と補佐としての腕がなる。
美代の身元を調べ上げた。両親がすでに他界。両親がかなりの負債があったが美代はすべての相続を放棄してそれを免れたらしい。一時、両親がヤミ金まで手を伸ばしていた時期があり、それによって美代も一時身に危険があったところまで調べ上げだ。勤勉であった少女は見事に自力で生活しながら大学に通っていた。
美代の父が経営していた会社は真田も知っている会社名だった。
土屋工業株式会社。自動車の金型の小物部品を専門にやっている製造業の中小企業の会社だった。かなりのインテリで、しかも変わり者だった土屋社長は、車だけではなく家具やまたは飛行機の部品までいろいろ手がけるようになる。土屋工業は自社で金型製作から大量生産までできるちょっと特殊な中小企業だった。普通はどちらかを専門にやっているところが多かった。金型の品質が素晴らしく、あまり単価が高くないというところも魅力的で海外注文も多く大手企業が買収を狙っていると聞いていた。
その後の話をよく聞いていないが、なにか会社が詐欺に合い、多額の債務に追い込まれて倒産した話までは知っていた。
この少女があの土屋工業の娘なのか……
両親の教育が良かったのか、それとも美代自身の天然の性格なのか、この少女は人生を前向きに生きているように見えた。ただ問題は働きすぎだ。学校と深夜のバイトを2つも掛け持ちしている。これは殺人的なスケジュールだ。しかも彼女は若い女性だ。寝ている時間を考えているだけで真田は心配になる。
それを自分の主人に伝えたが、思った通りの反応が返ってくる。
「真田。美代を連れてこい。いま直ぐだ!」
「蓮司会長。そんな急に連れてこいなんて無理ですよ。誘拐になります」
「おい、お前が連れてこないなら俺が行く。説得して辞めさせる」
「会長。それでどうするんですか? お金を渡して彼女に仕事を辞めさせるように説得するんですか? 私が思うに彼女はそういう女性ではありませんよ。しかも、会長は彼女にとって全く赤の他人です」
「彼女が納得するような理由を用意しなければなりませんね」
そんな中、ちょうど美代の様子を自分の目で確かめようと、真田は車を伊勢崎に走らせていたら、その美代自身が車の前で倒れこんだ。
まずい! 遅かったのか! と真田は倒れこんでいた美代を抱きかかえ救急車を呼ぶ。
作戦変更。子リス緊急保護が必要。実行許可願う。
それをタイプし蓮司会長に送る。
速攻返事が返ってくる。
許可。実行に移せ。
本来ならあのまま病院から介護のため館に連れてくる手立てだった。そして、うまく懐柔して、この大原の館にずっと住まわせる予定だった。
だが、美代は自分が想像する以上に真面目な人間だった。だから、その捕獲作戦は変更をさせざる得なかった。
それから清掃会社に根回しをしメディファクトの清掃へと変更してもらう。コンビニはこっちから操作しなくても、あちらのアホな店長のおかげで美代が首になったことでホッとした。まずは自分たちの近くで働いてもらう。それが最初だった。だが、美代がメディファクトで働き始めたと聞いた蓮司会長は、まるでだだをこねた子供のように、見に行くっと言って聞かない。
「だめです。今晩は接待の会合があります。すでに3回も予定を変えていただいた方です。これだけは申し訳ありませんがでてくれと矢崎からの伝言をいただいています」
「4回目になってもいいだろ!」
「蓮司様! あなたは総裁なんですよ。忘れましたか?」
「……」
蓮司はかなりふてくされながらその夜の接待に出かけた。ただ相手が悪かった。取引相手の銀行の頭取が、なぜか自分の娘まで連れてきてむりやり蓮司に引き合わせたのだ。しかも、その女性が蓮司の苦手なタイプ。化粧濃いめの香水プンプン型の女だ。
再び言うが、いつもの蓮司会長なら大丈夫だったはずだ。美代に会えないというストレスとあの女の匂いが蓮司を追い込ませた。
矢崎から急に連絡がくる。
「真田さん。すみません!! 緊急事態です。蓮司会長が急に会合を抜け出し目下逃亡中です!! やられました。でも最悪なのは、どうやら、その後をあの頭取の娘が尾行しているみたいで行き先がまだ不明なんです」
真田は『はあ~~~~っ』とため息をついた。
「矢崎。大丈夫だ。会長の方は私がなんとかする。取引先のほうをなんとか取り繕ってください」
「あああー、さすが会長の右腕と言われる真田さんですね。そうなんです。大変なんです。では、会長のほうよろしくお願いします。あとあの頭取の令嬢にもすいませんが、お手柔らかによろしくお願いします」
それから、5分も経たずに美代から電話がある。
蓮司が美代の腕のなかで倒れていると……。
どんだけ会いたかったんだ。子リスちゃんに。蓮司会長………。
0
お気に入りに追加
1,782
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
御機嫌ようそしてさようなら ~王太子妃の選んだ最悪の結末
Hinaki
恋愛
令嬢の名はエリザベス。
生まれた瞬間より両親達が創る公爵邸と言う名の箱庭の中で生きていた。
全てがその箱庭の中でなされ、そして彼女は箱庭より外へは出される事はなかった。
ただ一つ月に一度彼女を訪ねる5歳年上の少年を除いては……。
時は流れエリザベスが15歳の乙女へと成長し未来の王太子妃として半年後の結婚を控えたある日に彼女を包み込んでいた世界は崩壊していく。
ゆるふわ設定の短編です。
完結済みなので予約投稿しています。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる