腐女子 異界で悶絶する【改訂版】

逆ハーレム編 忍の変態愛と憂鬱

　

　ああ、お腹すいた。
　セックス三昧の時間が過ぎた。
　でもなぜかわたしは肉体的にはまだ処女だ。

　奇跡？

　あれから、散々自分の股を舐められまくり、指も入れまくりられた。
　忍自身も自分のローブを脱いで忍さんのソレを出そうと準備していたところ、思いっきりわたしのお腹が鳴った。

　ぐうーーーーーーーっ。

　う、う、う。涙目のわたし。
　さっきから言いたかったけど、言えなかった。

　「し、しのぶぅ……お腹すいた」

　忍の舌にはわたしの愛液がつきまくりで、カピカピのべちゃべちゃの繰り返しだったから、かなり美男の口のまわりは悲惨なことになっていた。

　「あ、、忍の口のまわり、ちょっとすんごいことになっているよ」

　ふーーっと深いため息をつかれた。

　「ふふふふ。カナって悪女なのかもね、天性の。こんなところまできて、僕におわずけを食らわせるなんて」

　先ほど脱ぎかけた為に見えた、色気たっぷり上半身の裸をまたローブの中にしまう。

　「わかったよ。カナ。ご飯つくってあげる。でも、それには時間を進めないとご飯は作れない。だから、止めていた時間を進める」
　「うん。わかった。え、ちょっと待って。この状態……どう、皆様にお伝えすればいいのでしょう」

　　そういえば、フェリスもケヴィンも実は執務室におきっぱなしだ。

　「あれ、やばいんじゃない。あのふたり、私たちが消えてびっくりして腰ぬかすかも」
　「まあ　そうだね。どうしようか」 

　（まあ　フェリスは違うことのほうで、もっと驚くよ）忍の口角がいびつに笑う。

　「カナはどうしたい？」

　　美しい紫の瞳が自分を覗く。

　「うーーーーーん。みんなにあんまり迷惑はかけたくない」
　「ふふふ。それもまたカナらしいね。いいよ。そういうことにしよう」
　「じゃあ時間を進める前に、ちょっと僕はシャワーをあびるよ。これじゃーちょっとね。カナも一緒に入る？」

　軽くウィンクをして、微笑む忍。

　「い、いいです。遠慮します」

　わたしは赤面しながら、シーツの中に隠れる。

　ちょっと待って。そうだよ。
　わたし。忍とあんなことや、こんなこと！
　あそこ舐められちゃったし、指入れられちゃったし……。
　何本までいれられた？
　いやーーん。
　だって、あんな甘い声で、あんなこんな迫ってくるんだもん。

　シーツの中でごろごろと悶える。
　あーーどうしよう。どうやって、フェリスとかケヴィンに顔をみせたら、いいんだろう。なんか超恥ずかしい。
　シャワーの音がする。あれ、水って止まらないんだ。
　まあ忍のことだから、うまくやっているんだろうなっと思いながら、お腹をすかせていると、突然睡魔が襲ってきた。
　うとうとしていると、知らないうちにシーツに包まって寝てしまった。

　「カナ？」

　シャワーから出てきて、半身だけタオルを包んで出てきた色っぽい忍は、そのシーツの中にくるまって静かにしているカナを見つけた。
　上手に顔だけ赤ちゃんのように外に出して、後はすっぽり白いシーツに包まっている。
　ほっぺたはピンクだった。

　ああ、なんてかわいらしい。
　僕だけのカナ。
　やさしく頬にキスをする。

　「愛してる……」

　カナはきっとあいつらのことも好きにちがいない。
　それが何なのか彼女自身もわからないんだ。
　きっとカナのことだから、僕が頼めば、やめてくれるだろう。
　僕だけのカナでいてくれるにちがいない。

　でも、もしカナが実は本当にあいつらのことが好きだったらどうしよう。
　俺はあいつらをつぶせばいいのか？
　この世からなくせばいいのか？ それは一番カナが悲しむ。
　カナみたいな女を横にして平然と友達ぶる男なんて信用ならない。

　それなら、カナを俺のように愛するやつで固めるべきか？
　俺はそれが許せるのか？
　試されるときがきたみたいだな。

　忍はふっと笑みをうかべて、そっとシーツに包まれている彼の最愛なる人を大事そうに持ち上げた。

　勝負時だな。

　カナを抱きながら、忍は別の部屋へと向かった。