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3章 王国誕生!!

邪神の秘密

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「ちくしょう!倒しても倒しても湧いてきやがるぜ!」

佐藤Aが、魔物を叩きながら叫んだ。

俺達は191階まで降りてきていた。

「ノークールタイムのデスバトルだにゃ~!」
「最下層に魔物の復活地点があって、倒しても一瞬で復活している様です」
「復活って、普通は6時間位かかりませんこと?一瞬なんておかしいですわっ」

最下層にある神器ゴッドコアのせいか、それとも別の何かがあるのか?

「ミミ!倒すのをやめて喰って行くぞ!」
「はい!なのですわ!」
「エーコも、倒さないで【愛の鉄槌】で行動不能にしていってくれ!」
「りょ~かい!」
「他の皆も、不殺(ころさない)系スキルで頼む!」
「「「了解!!」」」


俺達は、魔物を殺さず、食べ、押し潰し、吹っ飛ばし、どん引きさせ、おもいおもいの方法で無力化しながら全速力で進んだ。

「おい兄ちゃん!あの階段で196階、最下層だ!あの魔物の塊を突破するぞ!」

皆、階段を埋め尽くす魔物に飛びかかり押さえ込み吹っ飛ばす。階段にわずかな隙間が生まれた。

「ミスターリョー!ナウにゴーにゃ~!」

俺は隙間に飛び込み魔物をかきわけた。

そして、196階にたどり着いた、その時だった。

ベキッ!ベキベキッ!!

激痛と共に胸がおかしな音を立てた。

みてみると、禍々まがまがしい破滅のオーラが突き刺さり、魂を砕こうとしていた。

「「ふん!妾をはかった罪は重いぞよ?」」

前をみると、ひしめき合う魔物の中に邪神が2人、こちらを向き立っていた。

「何で邪神が2人もいるんだよ!?」

俺はあまりの事に驚き叫んだ。

邪神とクソ女神が一緒にいるのだと、一瞬思ったけど違う、邪神が確かに2人いる。

邪神が、神器ゴッドコアを放置して攻め上がって来る事ができた事、魔物を倒しても最下層からすぐ復活してきた事、それは全て、邪神が2人いるからできる事だったのだ。

1人は俺達と戦い、もう1人は最下層の復活地点で復活作業を高速でおこない、魔物を即復活させていて、邪神が1人倒されても、もう1人が即効で復活させる事ができたのだ。

「「【破滅のくさび】!!」」

2人の邪神の手から、破滅の閃光がほとばしり俺の胸を貫いた。

「グファッ!?」

あぁ、これで俺は死ぬ、いや消滅するのか……、この異世界、皆がいて楽しかったけど、やっぱりクソだったな……。

……あれ?……何ともない?

俺の胸元で、王の証である勾玉が光っていた。

「「ぐっ貴様!それは神代の祭器!ヤツらの力を秘めた忌々しい物!妾が打ち砕いてやる!!」」

邪神達が、勾玉を壊そうと手を伸ばす。

「そうはさせないよぉ~!」

俺の後ろからエーコが飛び出し、王妃の証、鏡を邪神達に向けた。エーコの水色の髪が真っ赤に染まり、灼熱しゃくねつの太陽のオーラがあふれ出し、鏡を反射して邪神を包み込んだ。

「「バカな!?太陽神の末裔(まつえい)か!!グアァアアアアアアッ!!」」

邪神が光にかき消され、消滅した。

「リョーたん!女神は2人いたんだポン!気をつけるポン!ってあれ?いないポン」

タヌーが凄い勢いで入ってきた。

「タヌーさん、女神はエーコ様が倒しました」

クルゥリーがタヌーに説明した。

「ふぅ~」
「おいエーコ!大丈夫か!?」

エーコが倒れかけたので、俺が支える。

「大丈夫、ちょっと気が抜けただけだから、怖かったぁ~」

エーコの髪は元の水色に戻り、汗でびっしょりだった。

「おつかれさま」

俺はエーコの頭をでてやり、ギュッと抱きしめた。
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