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3章 とこしえの大地亀ベルガド攻略編
263 さらなる地下へ
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「まあ、お前がどういう理由でそこにいたとか、どういう理由でそんなもん身に着けているとかはどうでもいい。さっきからそこにいたってことは、お前にも俺たちの話は聞こえてたんだろ? ザックが迷子なんだ。せっかくだし、お前も捜索に協力しろ」
俺はルーシアに言ったが、
「そうですね。しかしその前にやるべきことがあるでしょう」
と、何やら用事があるようだ。
「やるべきことって何だよ? あんなやつだけど、一応、人の命がかかってるんだぞ」
「……これです」
と、ルーシアは制服のポケットから何か取り出し、掲げた。見るとそれは、レースがついた紫色の布切れのようだが……?
「なんだそれ、ハンカチか?」
「いえ、パンツです」
「パン……ツ、だと……」
「はい、それもメンズです」
「男物……」
なぜそんなものが、ひょいっとポケットから出てくるんだ、お前は。
「先ほどの話、私も確かに聞いていました。リュクサンドール先生は、こちらの乱暴者に斬りつけられたせいで、コート以外の衣服を失ったそうですね。それは大変、ゆゆしき事態です。せめてこの下着だけでも着用してください」
「おお、ありがとうございます。ちょうど下がスースーするなーって思ってたんですよ」
リュクサンドールは素直にそれを受け取り、デザインなどを確かめるようにランタンの光にかざした。見ると、Tバックのパンツのようだ。色はもちろんセクシーな紫色。なぜよりによってこんなパンツなんだ。
「でも、ルーシア君はなんでこんなの持ち歩いていたんですか?」
リュクサンドールもさすがに俺と同じ疑問を口にしたが、
「たまたまです」
「ああ、なるほど。そういうことってありますよねー」
一瞬で流されてしまった。ないよ、そんなこと!
やつはさっそく、渡されたパンツをその場で履いた。そして、
「さすがクラス委員長のルーシア君です。サイズ、ぴったりですね」
と、コートの前を持ち上げて、ルーシアに股間を見せつけた。ルーシアは一瞬「きゃあ」と、小さく悲鳴を上げたものの、それをガン見しているようだ。後ろからその様子見ていると、マジで露出狂の痴漢にしか見えなかった。何やってんだよ、こいつら。ザックの安否よりこんな変態プレイのほうが大事なのかよ。まあ、俺もぶっちゃけ、あいつのことはかなりどうでもいいんだが。もうすでに、あいつの死体を見つけたときの、ユリィの前でのカッコつけ方をイメトレしてるんだが。R.I.Pとかそれっぽいこと言えばいいんだろ、的な。
「おい、そろそろ行くぞー」
用事も終わったようだし、俺はみんなに声をかけ、すぐにその広間のようなところを出た。
そして、ふと思いつき、ゴミ魔剣に言った。
「おい、お前は確か、周囲の人間とか動物とかの精神に干渉できるんだろ? だったら、その機能でザックがどこにいるのかわからないか?」
そうそう、この妖怪アンテナにはこういう機能もあったんだよなっと。これを使えば迷子の捜索も楽勝のはず……と、思われたが、
『エー、まだワタシをコキ使う気ですかい?』
なんかめっちゃイヤそうな声が聞こえてきた。
『マスター、ワタシついさっき、超絶タダ働きさせられたんですケド? 超疲れてるんですケド?』
「ただ働き? なんの話だよ」
『ワタシさっき、そこのウスラトンカチ☆ティーチャーの物理障壁、ちゃんと破ってやったじゃないですカァ?』
「ああ、そういえばそうだな」
『ワタシィ、前にちゃんとお伝えしましたよネー? あのウスラトンカチは人間混じってるから、ワタシは食えないって。それなのに、物理障壁だけ破らされるってどんだけタダ働きなんですかい? なんせ、腐ってもロイヤルクラスのレジェンドの物理障壁っすよ? 破るのめっちゃカロリー使うんですケド!』
「カロリーって」
どういうシステムで動いてんだよ、お前は。
「うっせーな。お前、昨日までのトレハンでモンスターたっぷり食っただろ」
『それじゃ全然足りないっすネー。レジェンド食いたいっす。超でかい亀さんとか』
「いや、ベルガドはダメだから!」
俺たちのいる島を食ってどうする。
「ここにまだ男たちを襲ったレジェンドがいるんだろ。それ食えばいいだろ」
『いや、ここにはウスラトンカチ以外にレジェンドなんていないっすヨ?』
「え」
『ここからさらに地下の層に、正体不明の高エネルギー反応がありますから、あのボンクラどもはこれをレジェンドと勘違いしただけでしょうネー?』
「何かいることは間違いないのか」
レジェンドじゃない何かか。
「じゃあ、ザックはどこに行ったんだよ?」
『知らねっす。あのチビは魔法耐性が微妙に高いので、遠距離だと追跡できないんだな、これが』
「なんだよ、それ。相変わらず使えねえゴミだな」
まあいい。この下に目的のモンスターがいることは間違いなさそうだ。それを討伐してとっとと村に帰ろう。ザックのことはもう知らん。
俺たちはそのまま、さらなる地下を目指して歩き出した。
俺はルーシアに言ったが、
「そうですね。しかしその前にやるべきことがあるでしょう」
と、何やら用事があるようだ。
「やるべきことって何だよ? あんなやつだけど、一応、人の命がかかってるんだぞ」
「……これです」
と、ルーシアは制服のポケットから何か取り出し、掲げた。見るとそれは、レースがついた紫色の布切れのようだが……?
「なんだそれ、ハンカチか?」
「いえ、パンツです」
「パン……ツ、だと……」
「はい、それもメンズです」
「男物……」
なぜそんなものが、ひょいっとポケットから出てくるんだ、お前は。
「先ほどの話、私も確かに聞いていました。リュクサンドール先生は、こちらの乱暴者に斬りつけられたせいで、コート以外の衣服を失ったそうですね。それは大変、ゆゆしき事態です。せめてこの下着だけでも着用してください」
「おお、ありがとうございます。ちょうど下がスースーするなーって思ってたんですよ」
リュクサンドールは素直にそれを受け取り、デザインなどを確かめるようにランタンの光にかざした。見ると、Tバックのパンツのようだ。色はもちろんセクシーな紫色。なぜよりによってこんなパンツなんだ。
「でも、ルーシア君はなんでこんなの持ち歩いていたんですか?」
リュクサンドールもさすがに俺と同じ疑問を口にしたが、
「たまたまです」
「ああ、なるほど。そういうことってありますよねー」
一瞬で流されてしまった。ないよ、そんなこと!
やつはさっそく、渡されたパンツをその場で履いた。そして、
「さすがクラス委員長のルーシア君です。サイズ、ぴったりですね」
と、コートの前を持ち上げて、ルーシアに股間を見せつけた。ルーシアは一瞬「きゃあ」と、小さく悲鳴を上げたものの、それをガン見しているようだ。後ろからその様子見ていると、マジで露出狂の痴漢にしか見えなかった。何やってんだよ、こいつら。ザックの安否よりこんな変態プレイのほうが大事なのかよ。まあ、俺もぶっちゃけ、あいつのことはかなりどうでもいいんだが。もうすでに、あいつの死体を見つけたときの、ユリィの前でのカッコつけ方をイメトレしてるんだが。R.I.Pとかそれっぽいこと言えばいいんだろ、的な。
「おい、そろそろ行くぞー」
用事も終わったようだし、俺はみんなに声をかけ、すぐにその広間のようなところを出た。
そして、ふと思いつき、ゴミ魔剣に言った。
「おい、お前は確か、周囲の人間とか動物とかの精神に干渉できるんだろ? だったら、その機能でザックがどこにいるのかわからないか?」
そうそう、この妖怪アンテナにはこういう機能もあったんだよなっと。これを使えば迷子の捜索も楽勝のはず……と、思われたが、
『エー、まだワタシをコキ使う気ですかい?』
なんかめっちゃイヤそうな声が聞こえてきた。
『マスター、ワタシついさっき、超絶タダ働きさせられたんですケド? 超疲れてるんですケド?』
「ただ働き? なんの話だよ」
『ワタシさっき、そこのウスラトンカチ☆ティーチャーの物理障壁、ちゃんと破ってやったじゃないですカァ?』
「ああ、そういえばそうだな」
『ワタシィ、前にちゃんとお伝えしましたよネー? あのウスラトンカチは人間混じってるから、ワタシは食えないって。それなのに、物理障壁だけ破らされるってどんだけタダ働きなんですかい? なんせ、腐ってもロイヤルクラスのレジェンドの物理障壁っすよ? 破るのめっちゃカロリー使うんですケド!』
「カロリーって」
どういうシステムで動いてんだよ、お前は。
「うっせーな。お前、昨日までのトレハンでモンスターたっぷり食っただろ」
『それじゃ全然足りないっすネー。レジェンド食いたいっす。超でかい亀さんとか』
「いや、ベルガドはダメだから!」
俺たちのいる島を食ってどうする。
「ここにまだ男たちを襲ったレジェンドがいるんだろ。それ食えばいいだろ」
『いや、ここにはウスラトンカチ以外にレジェンドなんていないっすヨ?』
「え」
『ここからさらに地下の層に、正体不明の高エネルギー反応がありますから、あのボンクラどもはこれをレジェンドと勘違いしただけでしょうネー?』
「何かいることは間違いないのか」
レジェンドじゃない何かか。
「じゃあ、ザックはどこに行ったんだよ?」
『知らねっす。あのチビは魔法耐性が微妙に高いので、遠距離だと追跡できないんだな、これが』
「なんだよ、それ。相変わらず使えねえゴミだな」
まあいい。この下に目的のモンスターがいることは間違いなさそうだ。それを討伐してとっとと村に帰ろう。ザックのことはもう知らん。
俺たちはそのまま、さらなる地下を目指して歩き出した。
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