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マスクの中を見られるのは人見知りには地獄と等しい。
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気づけば朝になっていた。満はきっちり朝6時近くに目覚めた。体内時計は極めて正常である。そして、希望はというと_____。
「うわっ。」
満が起きるのが5秒遅ければ恐らく希望がダイレクトアタックしてきただろう。もし、そんなことがあったなら女性の身体に触れたことの無い満は発狂していただろう。自分の布団に落ちてきた希望を見て、次から気をつけなければと満は思った。……どうやって?希望は寝ているようなので先に歯磨きと洗顔を済ますことにする。コンビニで購入を頼んだ歯ブラシで歯を磨く。その前に黒いマスクを外す。昨日からマスクを付けっぱなしだったことを忘れていた。食べる時や飲む時もマスクしながら器用に行っていたため、外す必要が無かった。というより、マスクの中を覗かれるのが嫌だった。どうしても。久々にマスクを外して、息を吸う。マスクとはなんて呼吸しにくいように出来ているのだろう。いや、本来の用途を考えれば当たり前なのだが。
「マスク買ってもらうの忘れたな。」
そんなことを呟きながら、歯を丁寧に磨く。本当は歯を磨いた後にフロスで歯間掃除が出来たら完璧だったのだが、そんな高級なことは言ってられない。仕方が無いので、最低限の歯ブラシと歯磨き粉で済ませる。意外と使い心地は悪くない。とはいえ、フロスが無いのは落ち着かないが_____。などと思いながら、また最低限の洗顔を済ませる。そして、顔を近くのタオルで拭き、鏡を覗く。満の後ろに女性の顔があった。
「あああああああああっ!」
「おはようございます......。」
まさかの希望の登場である。ちなみに、希望の寝起きの悪さは恋人出来ないランキング第七位ほどに匹敵する。しかも、満はこの時眼鏡をかけていないため、鏡に何かが映ったというパニックで精一杯であり、もう一つ大切なことに気づいて無いのである。
「満さんって、マスクの下はそうなってるんですね、少し想像と違ったかも_____。」
冷静に言葉を吐き捨て、希望は歯を磨く。満はというと超超高速移動でマスクをして布団を被っていた。イルカのクッションと共に。満は改めて、人生が終わったと思った。なんなら、裸を見られた方がマシだとすら思った。
「どうしようどうしようどうしよう。」
残念ながら、どうしようもないことは人生にありがちのため、諦めろとしか言わざるを得ない。
「満さーん。」
歯磨きなどの朝支度を終えた希望は、先ほどよりはいつものテンションに戻っていた。そして、満の被っていた布団を思い切り、引き剥がす。
「あああああああああああっ!」
本日二度目の満の叫びである。恐らく夜であれば良くて壁ドン、悪くて通報案件だった。
「おはようございます。」
「お、おはようございます。」
ここで、本日初めての満の叫び以外の台詞が出てきた。
「布団被って何してるんですか?」
「あ、えっと、気にしないでください......。」
絶妙な空気感の中、希望は部屋のカーテンを開けて、身体を伸ばす。なんて、晴れやかな朝なんだろう!近くにまた布団をかぶった何かが居るが。
「満さーん。ちゃんと陽の光を浴びないと駄目ですよー?」
色々と面倒だったので逃げる布団を被った塊を陽の当たるところに追い詰めて、日光を浴びせる。悲鳴をあげそうな動きを一瞬したものの数秒経った頃には日向ぼっこをしている猫のようになっていた。本当に不思議な人だなと感じた。まるで光が苦手なモンスターを扱っている気分になる。よく見ると布団を被っていた満はすやすやと寝息を立てていた。昨日の疲れが溜まっていたのだろうと希望は思った。しかし、実際のところは単に満は希望を避けたり、叫んだりなどしたため、疲れただけなのであった。
「この人、これでも御曹司なんだよね......?」
目の前ですやすやと眠っている男性は金持ちというイメージはそこまで無く、ただ幼い顔で眠る白い肌の引きこもりにしか見えなかった。イルカのクッションを抱き締めている姿はまるで幼稚園児である。ある意味、世の中を知らないという意味では、幼稚園児と同じなのかもしれない。そんなことを考えていると、いきなり両目を開いて希望を覗いていた。
「どうして起こしてくれないんですか......?」
「思ったより、気持ち良さそうに寝てたので_____。」
「ああ、もうお終いだ。終わった。全部終わった。」
満の羞恥心メーターは振り切っており、穴があったら入ってそのまま土をかけて生き埋めになりたい気分だった。満はイルカのクッションを大切に抱き締めながら、顔を埋める。
「そのイルカのクッション、」
「クーちゃんです。」
どうやら、そのイルカには名前がついているらしい。茨城県民に「いばら『ぎ』」と言った瞬間並みの怒涛の勢いで訂正が行われた。
「そのクーちゃんは大切な子なんですか?」
ここでモノと言ってしまうと何が起きるかわからないので、とりあえず子と呼んで誤魔化した。
「クーちゃんは僕が幼い時に水族館で母に買って貰った大切な思い出、なんです。」
満の声が少しずつ小さくなった。言われてみれば、この満という男の母親についての話は今のところ、一切聴いていない。ということは既に彼の母親はもう_____。
「満さんにとって、大切なお母さんだったんですね......。」
部屋が静寂に包まれる。そうか、お母さんはやっぱりもう居ない_____。
「今も一ヶ月に二回程度、電話するんですけど、」
いや、生きてるんかい。心の中で希望は叫びかけた。今の流れは完全に母親がお亡くなりになった流れじゃん!
「幼い頃に両親が離婚してから、電話しか出来てなくて、いや、本当は電話も禁止されてたんですけど、なんとか電話出来るようにしました。」
「なんか、色々大変なんですねー......。」
もはや、なんとも言えない気持ちで希望は居た。そういえば、これからこの御曹司をどうしようなどと考えようとする。
「そういえば、これから満さんがしたいことってあります?」
「えっ?」
「だって、もうあの家から脱出した訳だし、自由を楽しまないと損かなぁって思いまして。」
「確かに。」
「行きたいところあります?」
「いや、僕は特に_____。」
希望は満を見つめる。ただ見つめる。別に引きこもりを家から出してみたいとか、車を運転したいとか、そういうことは期待していないが、とりあえず見つめる。
「じ、じゃあ、す、水族館に行きたい、です。」
希望の眼力というプレッシャーに負けた満は呟いた。
「昔、満さんのお母さんと行った水族館でも行きましょうか?」
「い、良いんですか?」
そして、満からその水族館の情報を聞いてネット検索をするとそこまで大規模な水族館ではないということが分かった。強いていうのなら、とある珍しいイルカが展示されていることで一時期話題になったらしい。希望の住むアパートから車片道2時間程度で行ける距離にあった。なお、現在の時刻は7時半であった。
「じゃあ、行きますか!」
「はい?」
「水族館。」
「え、今から、」
「今じゃなかったらいつ行くんですか?」
そう言いながらメイク用具を取り出し、メイクを始める希望。
「あの、別に今日じゃなくても大丈夫です、」
「はい、メイク終わりましたー。着替えるので壁の隅っこにいてください。」
「ひぇっ。」
満はそういえば今いる部屋は女性の部屋だったことを思い出し、気を失いそうになる。
「はい、着替え終わりましたー、って満さん!?」
車を運転する前に軽く気絶する満。満の頬をつねる希望。
「ほら、行きますよ!」
「は、はい。」
水族館に強制連行される御曹司。これが、誘拐者が誘拐された側の扱いの発端になるとは知る由も無かった。
「希望さん、今日こそは安全運転、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
満の叫びがまた響き渡った。
次回作に続く?
「うわっ。」
満が起きるのが5秒遅ければ恐らく希望がダイレクトアタックしてきただろう。もし、そんなことがあったなら女性の身体に触れたことの無い満は発狂していただろう。自分の布団に落ちてきた希望を見て、次から気をつけなければと満は思った。……どうやって?希望は寝ているようなので先に歯磨きと洗顔を済ますことにする。コンビニで購入を頼んだ歯ブラシで歯を磨く。その前に黒いマスクを外す。昨日からマスクを付けっぱなしだったことを忘れていた。食べる時や飲む時もマスクしながら器用に行っていたため、外す必要が無かった。というより、マスクの中を覗かれるのが嫌だった。どうしても。久々にマスクを外して、息を吸う。マスクとはなんて呼吸しにくいように出来ているのだろう。いや、本来の用途を考えれば当たり前なのだが。
「マスク買ってもらうの忘れたな。」
そんなことを呟きながら、歯を丁寧に磨く。本当は歯を磨いた後にフロスで歯間掃除が出来たら完璧だったのだが、そんな高級なことは言ってられない。仕方が無いので、最低限の歯ブラシと歯磨き粉で済ませる。意外と使い心地は悪くない。とはいえ、フロスが無いのは落ち着かないが_____。などと思いながら、また最低限の洗顔を済ませる。そして、顔を近くのタオルで拭き、鏡を覗く。満の後ろに女性の顔があった。
「あああああああああっ!」
「おはようございます......。」
まさかの希望の登場である。ちなみに、希望の寝起きの悪さは恋人出来ないランキング第七位ほどに匹敵する。しかも、満はこの時眼鏡をかけていないため、鏡に何かが映ったというパニックで精一杯であり、もう一つ大切なことに気づいて無いのである。
「満さんって、マスクの下はそうなってるんですね、少し想像と違ったかも_____。」
冷静に言葉を吐き捨て、希望は歯を磨く。満はというと超超高速移動でマスクをして布団を被っていた。イルカのクッションと共に。満は改めて、人生が終わったと思った。なんなら、裸を見られた方がマシだとすら思った。
「どうしようどうしようどうしよう。」
残念ながら、どうしようもないことは人生にありがちのため、諦めろとしか言わざるを得ない。
「満さーん。」
歯磨きなどの朝支度を終えた希望は、先ほどよりはいつものテンションに戻っていた。そして、満の被っていた布団を思い切り、引き剥がす。
「あああああああああああっ!」
本日二度目の満の叫びである。恐らく夜であれば良くて壁ドン、悪くて通報案件だった。
「おはようございます。」
「お、おはようございます。」
ここで、本日初めての満の叫び以外の台詞が出てきた。
「布団被って何してるんですか?」
「あ、えっと、気にしないでください......。」
絶妙な空気感の中、希望は部屋のカーテンを開けて、身体を伸ばす。なんて、晴れやかな朝なんだろう!近くにまた布団をかぶった何かが居るが。
「満さーん。ちゃんと陽の光を浴びないと駄目ですよー?」
色々と面倒だったので逃げる布団を被った塊を陽の当たるところに追い詰めて、日光を浴びせる。悲鳴をあげそうな動きを一瞬したものの数秒経った頃には日向ぼっこをしている猫のようになっていた。本当に不思議な人だなと感じた。まるで光が苦手なモンスターを扱っている気分になる。よく見ると布団を被っていた満はすやすやと寝息を立てていた。昨日の疲れが溜まっていたのだろうと希望は思った。しかし、実際のところは単に満は希望を避けたり、叫んだりなどしたため、疲れただけなのであった。
「この人、これでも御曹司なんだよね......?」
目の前ですやすやと眠っている男性は金持ちというイメージはそこまで無く、ただ幼い顔で眠る白い肌の引きこもりにしか見えなかった。イルカのクッションを抱き締めている姿はまるで幼稚園児である。ある意味、世の中を知らないという意味では、幼稚園児と同じなのかもしれない。そんなことを考えていると、いきなり両目を開いて希望を覗いていた。
「どうして起こしてくれないんですか......?」
「思ったより、気持ち良さそうに寝てたので_____。」
「ああ、もうお終いだ。終わった。全部終わった。」
満の羞恥心メーターは振り切っており、穴があったら入ってそのまま土をかけて生き埋めになりたい気分だった。満はイルカのクッションを大切に抱き締めながら、顔を埋める。
「そのイルカのクッション、」
「クーちゃんです。」
どうやら、そのイルカには名前がついているらしい。茨城県民に「いばら『ぎ』」と言った瞬間並みの怒涛の勢いで訂正が行われた。
「そのクーちゃんは大切な子なんですか?」
ここでモノと言ってしまうと何が起きるかわからないので、とりあえず子と呼んで誤魔化した。
「クーちゃんは僕が幼い時に水族館で母に買って貰った大切な思い出、なんです。」
満の声が少しずつ小さくなった。言われてみれば、この満という男の母親についての話は今のところ、一切聴いていない。ということは既に彼の母親はもう_____。
「満さんにとって、大切なお母さんだったんですね......。」
部屋が静寂に包まれる。そうか、お母さんはやっぱりもう居ない_____。
「今も一ヶ月に二回程度、電話するんですけど、」
いや、生きてるんかい。心の中で希望は叫びかけた。今の流れは完全に母親がお亡くなりになった流れじゃん!
「幼い頃に両親が離婚してから、電話しか出来てなくて、いや、本当は電話も禁止されてたんですけど、なんとか電話出来るようにしました。」
「なんか、色々大変なんですねー......。」
もはや、なんとも言えない気持ちで希望は居た。そういえば、これからこの御曹司をどうしようなどと考えようとする。
「そういえば、これから満さんがしたいことってあります?」
「えっ?」
「だって、もうあの家から脱出した訳だし、自由を楽しまないと損かなぁって思いまして。」
「確かに。」
「行きたいところあります?」
「いや、僕は特に_____。」
希望は満を見つめる。ただ見つめる。別に引きこもりを家から出してみたいとか、車を運転したいとか、そういうことは期待していないが、とりあえず見つめる。
「じ、じゃあ、す、水族館に行きたい、です。」
希望の眼力というプレッシャーに負けた満は呟いた。
「昔、満さんのお母さんと行った水族館でも行きましょうか?」
「い、良いんですか?」
そして、満からその水族館の情報を聞いてネット検索をするとそこまで大規模な水族館ではないということが分かった。強いていうのなら、とある珍しいイルカが展示されていることで一時期話題になったらしい。希望の住むアパートから車片道2時間程度で行ける距離にあった。なお、現在の時刻は7時半であった。
「じゃあ、行きますか!」
「はい?」
「水族館。」
「え、今から、」
「今じゃなかったらいつ行くんですか?」
そう言いながらメイク用具を取り出し、メイクを始める希望。
「あの、別に今日じゃなくても大丈夫です、」
「はい、メイク終わりましたー。着替えるので壁の隅っこにいてください。」
「ひぇっ。」
満はそういえば今いる部屋は女性の部屋だったことを思い出し、気を失いそうになる。
「はい、着替え終わりましたー、って満さん!?」
車を運転する前に軽く気絶する満。満の頬をつねる希望。
「ほら、行きますよ!」
「は、はい。」
水族館に強制連行される御曹司。これが、誘拐者が誘拐された側の扱いの発端になるとは知る由も無かった。
「希望さん、今日こそは安全運転、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
満の叫びがまた響き渡った。
次回作に続く?
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