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友達の輪

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夏休みも終盤に差し掛かったその日、僕達はボウリングに行った。
木下は驚くほどボウリングが得意でストライクを出し続けた。
「木下の一人勝ちにはさせないからな!!」
そう言って将吾と春日井は奮闘した。
僕はビギナーズラックがあるかもしれないと期待したが期待は期待だった。
れみちゃんがゴスロリファッションでストライクを着々と出していく。
木下とは接戦だ。
笠村と僕は静かに話した。
「皆何でも出来るんだねぇ…。」
「駿河君だって勉強出来るって木下言ってたよ。」
「勉強しかできないんだよ。」
そう言ってふたりで笑った。最終的に木下が1番を取ってゲームは終了した。
僕は花火大会では皆とあまり話せなかったから、今回のボウリングはとても有意義だったと思った。
「この後、どうする?」
僕は木下に尋ねた。
「駆け込み寺だ。」
そう言って木下はニヤリとした。

木下は自宅に皆と向かった。家には夏休みの課題が用意してあった。それぞれの苦手分野のプリントだ。れみちゃんが顔を真っ青にしてガタガタ震えている。
「学生の本分は勉強だからなぁ…。」
そう言って木下は笑った。僕はサラサラとプリントを解いて木下に返した。
「さすが学年トップの雅貴だな。」
「2番だよ。」
「どうせすぐ巻き返すよ。宮下は基本がないからな。」
そう言って木下はプリントの採点をしていく。
れみちゃんが怖ず怖ずとプリントを提出していく。視線が定まっていない。
「れみはこの服自分で作るんだぞ。」
木下がそう言うと、僕はれみちゃんを2度見した。どう見たってお店レベルだ。
「勉強だけ出来てもなぁ…。」
僕はそう話した。
「高専なんてどうだ?」
「高専か坂牧高校って言われるんだけど高専って何なのか良く分からないんだよね。」
「うちのおじさんが高専を出ていて製図と機械の組み立てが出来るんだ。頭が良くないと出来ないだろう?」
「僕にそんな事が出来るとでも?」
「雅貴なら出来るよ。」
そう言って木下は冷凍庫からアイスを人数分出してきた。
夏休みももう終わりだな~と皆しみじみしていた。
僕はその日、家に帰ってパソコンで高専について調べた。勉強しか出来ない僕にも何かが出来るのかもしれない。
そう思って夜遅くまで勉強に励んだ。
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