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ご飯が美味しい
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私がドライヤーで髪を乾かしているとキッチンでは橋口が料理を始めた。どうせパスタとかカレーだろう。私は自分が作れるレパートリーの中から勝手に憶測した。
しかし、橋口はレベルが違った。そう思うのは何回目だろう。
白身魚のムニエルに、かぼちゃのポタージュ、アヒージョ…。
途中から私は日本語ってそんなに複雑だっただろうか…そう思った。
「ああ、スプーンとフォークないんですね。」
「あ、ごめんね。」
「割り箸貰って良いですか?今度来る時に一緒に買いに行きませんか?」
今度…今度があるのか…。
「橋口君。あのね。」
「職場以外で橋口君呼びは心外だなぁ。」
私は君がうちでこうしていることが心外です。
おっと…口にはしてなかったようだ…。
「職場の人に噂になったら…。」
「僕、来年には父の会社に移るんです。その時、本条先輩も変わればいいですよ。」
「私は今年も新人研修を受け持っていて来年もたぶんそうなると思うからまだ今の会社で働きたい。」
橋口は私を抱きしめた。
「変わってないですね。その責任感と正義感。だから好きなんですよ。本条先輩…善子って呼んで良いですか?」
「いやいやいや何か罰ゲームでもあったの?」
「好きなんですよ。昔からね。」
橋口はセットされてない前髪をクシャとしながら笑った。
「僕に寄ってくる女の子たちってうんうん分かるよーとか言って話聞いてないんですよね。その点、善子は皮肉たっぷりに返してくる。」
善子ーとお母さんか呼ぶ声が聞こえた気がした。
「私は橋口君とは付き合えないわよ。」
「なんでですか?」
「跡取り息子なんて若い女の子のほうがいいに決まってるでしょう。」
「そこは父と母を説得します。」
「私じゃなくたって…。」
そう言うと橋口は私に近寄ってハグをしてキスをした。
「えええー!!」
「まさか初めてじゃないですよね…?」
私は顔を真っ赤にしながらそんな事はあわわと言葉にならない言葉を話した。
「はじ、め、て。」
私は聞き取れるか否かの微弱な声で話した。
橋口は私を強くハグして高らかに笑い出した。
あー橋口が作るご飯は美味しいな。そう思いながらご飯を平らげた。
しかし、橋口はレベルが違った。そう思うのは何回目だろう。
白身魚のムニエルに、かぼちゃのポタージュ、アヒージョ…。
途中から私は日本語ってそんなに複雑だっただろうか…そう思った。
「ああ、スプーンとフォークないんですね。」
「あ、ごめんね。」
「割り箸貰って良いですか?今度来る時に一緒に買いに行きませんか?」
今度…今度があるのか…。
「橋口君。あのね。」
「職場以外で橋口君呼びは心外だなぁ。」
私は君がうちでこうしていることが心外です。
おっと…口にはしてなかったようだ…。
「職場の人に噂になったら…。」
「僕、来年には父の会社に移るんです。その時、本条先輩も変わればいいですよ。」
「私は今年も新人研修を受け持っていて来年もたぶんそうなると思うからまだ今の会社で働きたい。」
橋口は私を抱きしめた。
「変わってないですね。その責任感と正義感。だから好きなんですよ。本条先輩…善子って呼んで良いですか?」
「いやいやいや何か罰ゲームでもあったの?」
「好きなんですよ。昔からね。」
橋口はセットされてない前髪をクシャとしながら笑った。
「僕に寄ってくる女の子たちってうんうん分かるよーとか言って話聞いてないんですよね。その点、善子は皮肉たっぷりに返してくる。」
善子ーとお母さんか呼ぶ声が聞こえた気がした。
「私は橋口君とは付き合えないわよ。」
「なんでですか?」
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「えええー!!」
「まさか初めてじゃないですよね…?」
私は顔を真っ赤にしながらそんな事はあわわと言葉にならない言葉を話した。
「はじ、め、て。」
私は聞き取れるか否かの微弱な声で話した。
橋口は私を強くハグして高らかに笑い出した。
あー橋口が作るご飯は美味しいな。そう思いながらご飯を平らげた。
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