2 / 11
誕生日会
しおりを挟む
スーパーで真凛ちゃんのお母さんに会った翌日、叶太と一緒に真凛ちゃんの家に行った。誕生日会だ。叶太以外にも男の子が何人かいて、この年から魔性の女なのか…そんな事を思った。
真凛ちゃんは真凛ちゃんのお母さんが作った白雪姫のドレス姿で現れた。
「叶太君、来てくれてありがとう!!」
そう言って真凛ちゃんは叶太の頬にキスをする。
「これ、僕からお誕生日プレゼント。」
そう言って叶太は家で焼いたクッキーを差し出す。毎日、お母さんに手作りのものを出されている真凛ちゃんの口に合うわけがない。私は何度もそう言ったが叶太は何度も試作して1番美味しく焼けた時のクッキーをプレゼントした。しばらくはクッキーは食べたくない。
真凛ちゃんのお母さんは人数分のコップを用意してスムージーを注いだ。
ブルーベリーベースのスッキリした味だった。
「アレルギーのある子は教えてくださいね。」
真凛ちゃんのお母さんはそう言って微笑んだ。私以外のお母さんはなんとも言えない顔をした。招かれたと言うことは招く側にもなるのだろう。このクオリティを自分には出せないだろうな、みんなそんな事を思っているのだろう。
真凛ちゃんはニコニコしながらお母さんの側で手伝いをする。
「主役何だから貴女は座ってなさい。」
真凛ちゃんのお母さんがそう言うと真凛ちゃんはテレビを付けてゲームを始めた。
対戦型のゲームで、『協力プレイだ』、などと子ども達が言っていたので皆知っている物なんだろう。
真凛ちゃんのお父さんは結構なお偉いさんだと皆噂していた。真凛ちゃんのお母さん自身、若いとは言えない。だが心配りは、やはり年相応のものだと思った。
うちの叶太はお陰様でアレルギーのない子だった。米アレルギーや、水アレルギーの話をテレビで見た時、可哀想な人たちだなと思った。
そうしてテーブルにはケーキやご馳走が並んだ。
「真凛ちゃんのお母さんは本当にお料理上手だねぇ…。」
叶太はうっとりしている。
「あら、真凛が叶太君のお母さんも料理上手って言ってましたよ。」
私は間の抜けた顔をした。私の料理なんて食べたことも無いだろうに。
「お弁当に巻き寿司のチューリップが入っていたと聞きましたよ。」
私は笑いながら、
「あれは主人が作ったんです。キャンプ飯くらいなら主人も教えられますよ。」
「ああ、道理で。」
私はそこでかちんと来た。しかし顔には出さなかった。真凛ちゃんのお母さんは前々から失言が多い。周りのお母さんに馴染もうとジーンズなども履いているが正直似合っていない。
だからと言って何が似合うのかと問われれば多分私には分からない。
叶太は真凛ちゃんの横であーんをして貰いながらご飯を食べる。私は叶太を引き寄せて小さな声で、
「よしなさい。」
と、たしなめた。叶太は何を止めるように言われたのかわからずにキョトンとして真凛ちゃんと話し込んだ。少しして、真凛ちゃんはお母さんに、
「私もバレエ習いたい。」
そう言ってお母さんの服を掴んだ。
「お父さんに聞いてみるわね。」
そう言って真凛ちゃんのお母さんはニコニコとしていた。
真凛ちゃんは真凛ちゃんのお母さんが作った白雪姫のドレス姿で現れた。
「叶太君、来てくれてありがとう!!」
そう言って真凛ちゃんは叶太の頬にキスをする。
「これ、僕からお誕生日プレゼント。」
そう言って叶太は家で焼いたクッキーを差し出す。毎日、お母さんに手作りのものを出されている真凛ちゃんの口に合うわけがない。私は何度もそう言ったが叶太は何度も試作して1番美味しく焼けた時のクッキーをプレゼントした。しばらくはクッキーは食べたくない。
真凛ちゃんのお母さんは人数分のコップを用意してスムージーを注いだ。
ブルーベリーベースのスッキリした味だった。
「アレルギーのある子は教えてくださいね。」
真凛ちゃんのお母さんはそう言って微笑んだ。私以外のお母さんはなんとも言えない顔をした。招かれたと言うことは招く側にもなるのだろう。このクオリティを自分には出せないだろうな、みんなそんな事を思っているのだろう。
真凛ちゃんはニコニコしながらお母さんの側で手伝いをする。
「主役何だから貴女は座ってなさい。」
真凛ちゃんのお母さんがそう言うと真凛ちゃんはテレビを付けてゲームを始めた。
対戦型のゲームで、『協力プレイだ』、などと子ども達が言っていたので皆知っている物なんだろう。
真凛ちゃんのお父さんは結構なお偉いさんだと皆噂していた。真凛ちゃんのお母さん自身、若いとは言えない。だが心配りは、やはり年相応のものだと思った。
うちの叶太はお陰様でアレルギーのない子だった。米アレルギーや、水アレルギーの話をテレビで見た時、可哀想な人たちだなと思った。
そうしてテーブルにはケーキやご馳走が並んだ。
「真凛ちゃんのお母さんは本当にお料理上手だねぇ…。」
叶太はうっとりしている。
「あら、真凛が叶太君のお母さんも料理上手って言ってましたよ。」
私は間の抜けた顔をした。私の料理なんて食べたことも無いだろうに。
「お弁当に巻き寿司のチューリップが入っていたと聞きましたよ。」
私は笑いながら、
「あれは主人が作ったんです。キャンプ飯くらいなら主人も教えられますよ。」
「ああ、道理で。」
私はそこでかちんと来た。しかし顔には出さなかった。真凛ちゃんのお母さんは前々から失言が多い。周りのお母さんに馴染もうとジーンズなども履いているが正直似合っていない。
だからと言って何が似合うのかと問われれば多分私には分からない。
叶太は真凛ちゃんの横であーんをして貰いながらご飯を食べる。私は叶太を引き寄せて小さな声で、
「よしなさい。」
と、たしなめた。叶太は何を止めるように言われたのかわからずにキョトンとして真凛ちゃんと話し込んだ。少しして、真凛ちゃんはお母さんに、
「私もバレエ習いたい。」
そう言ってお母さんの服を掴んだ。
「お父さんに聞いてみるわね。」
そう言って真凛ちゃんのお母さんはニコニコとしていた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

世界の端に舞う雪
秋初夏生(あきは なつき)
現代文学
雪が降る夜、駅のホームで僕は彼女に出会った
まるで雪の精のように、ふわりと現れ、消えていった少女──
静かな夜の駅で、心をふっと温める、少し不思議で儚い物語
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる