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バス
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貴方のことを忘れてしまって夏になりました。この頃の私は、持病で入退院を繰り返し、久しぶりに街に出ました。
デパートでお気に入りのお茶さんに行って、抹茶を買いました。
帰りのバス停で、観光客らしい人達がバスの運転手に観光名所に行くバスか何度も尋ねていました。
こんな時、地元のバス会社は不親切で、
「行きませんよ。」
としか言わないものでした。私はふたりにそうっと近づいてどこに行きたいのか聞き出しました。しかし、それほどバスに詳しくない私は数年前の知識で、ここより5分ほど歩いた所にあるバス停が目的地に着くと教えました。
しかし私の言葉に不安を感じたのかふたりは黙りました。
その時、後ろから貴方が来ました。
「あのバスとあのバスは20分置きに来るんです。さっき行ったばかりだからあと20分待つか最寄りのバス停まで歩くかです。」
そう言うとふたりはじゃあ歩くか、と言って歩き出しました。
この時、私は貴方があの警備員さんだと気付かず御礼を言いました。
「私も障がい者なのでバスばかりで詳しくなったものです。では失礼します。」
そう言って到着したバスに貴方は乗って帰っていきました。
姿形は変われど確かに貴方はあの日あった警備員さんそのものでした。
デパートでお気に入りのお茶さんに行って、抹茶を買いました。
帰りのバス停で、観光客らしい人達がバスの運転手に観光名所に行くバスか何度も尋ねていました。
こんな時、地元のバス会社は不親切で、
「行きませんよ。」
としか言わないものでした。私はふたりにそうっと近づいてどこに行きたいのか聞き出しました。しかし、それほどバスに詳しくない私は数年前の知識で、ここより5分ほど歩いた所にあるバス停が目的地に着くと教えました。
しかし私の言葉に不安を感じたのかふたりは黙りました。
その時、後ろから貴方が来ました。
「あのバスとあのバスは20分置きに来るんです。さっき行ったばかりだからあと20分待つか最寄りのバス停まで歩くかです。」
そう言うとふたりはじゃあ歩くか、と言って歩き出しました。
この時、私は貴方があの警備員さんだと気付かず御礼を言いました。
「私も障がい者なのでバスばかりで詳しくなったものです。では失礼します。」
そう言って到着したバスに貴方は乗って帰っていきました。
姿形は変われど確かに貴方はあの日あった警備員さんそのものでした。
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