【完結】君から出た嘘

九時せんり

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高校受験

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俺たち4人は学力的に横並びだったので、同じ高校を受験することにした。
雅之は数学が得意で、鶴賀は英語が得意だった。杏奈は国語が得意で、俺は社会が得意だった。
お互いに足りないものを補うように俺たちは分からないところを教え合った。
学校が済むと誰かのうちで演奏し、学校では受験勉強と言う日々が続いた。
この頃、俺たちが知らなかっただけで杏奈は俺たち3人とヤッてると噂になっていた。
今なら俺たちは犯人を見つけて殴り飛ばしていたことだろう。杏奈は何も言わなかった。
その内にラストスパートに入ると演奏は保留で勉強に勤しんだ。
「絶対全員合格だからね。」
杏奈はそう言ってプリントをコンビニでコピーしていた。俺はコーヒーを買って杏奈がプリントするのを待った。
「正楽だったら今の学力で充分受かるよ。」
そう言って俺はあくびした。
「正楽は中間だけど倍率が高いから油断できないのよ。」
杏奈はコピー機の前でピリピリしていた。
「雅之は本当に国語ダメだからね。」
「そうかなぁ?」
「典型的な理系脳よ。勉強してると宇宙人かと思うわ。」
「杏奈は厳しいなぁ。」
そんな話をしながら俺たちは買い出しとコピーを終えてコンビニを後にした。

学校に戻ると雅之と鶴賀は帰っていた。
一言くらい言ってくれても…俺はそう思ったが杏奈はさほど気にすることなくふたりのプリントをホチキスで止めて冊子にしていった。
その後、要点を蛍光ペンで塗り分けていく。
時刻は5時半を回った。
俺は杏奈にもう帰ろうと言って、カバンに荷物を詰めてコーヒーを飲み干した。
もう随分寒くなったな俺はそう思いながら杏奈と帰路についた。
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