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魔族に捕まった殺し屋が触手に産卵される話
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「おっ、いいじゃん」
ベッドの上でスマートフォンをいじりながらコスティは呟いた。
風呂に入っていた間に仕事の依頼が来ていたのだ。
濡れたピンク色の波打った髪をタオルで拭きながら、詳細を確かめる。
マフィアの幹部の暗殺。報酬は前金2500万、成功報酬2500万、計5000万の稼ぎになる。
この都市クリティアスは世界一の栄華を極めていたが、同じように裏社会も世界一の混沌に覆われていた。
人間と魔族が入り混じり、手段を問わず日々金と権力を争っている。
コスティはその中で、普段は裏社会の人間向けのクラブを経営し、仕事の仲介人をしている。そして、人間でありながらどこの組織にも属さないフリーの殺し屋だった。
トゥイスクという名前で活動する優れた狙撃手であり、この都市の裏社会にいるならその実力は誰もが知っている。
メッセージの詳細を読み、コスティは承認の返事をした。
メッセージは送信され、履歴から消去される。
相手はすぐに目を通したようで、標的の詳細と三日後にある地点で狙撃をするための情報が送られてきた。
「見たことねえ顔だ。最近魔族側は出入りが激しいからな……」
スーツ姿に帽子を被った魔族の写真を見て、コスティは呟く。
その直後だった。
ベッド脇で充電していた私用のスマートフォンが震えて着信を告げる。
恋人のクルキからだった。
『コスティ、今大丈夫か?』
クルキは幼馴染で、この都市で刑事として働いている。
コスティが悪者の集まるクラブを経営していることは知っているが、殺し屋をしていることまでは知らない。言うつもりもない。
早く店を閉めろと言われているが、父から継いだ店だからとかわしている。
「平気。どうした?」
『十五日、休みが取れたんだ。食事でも行かないか?』
それは奇しくも三日後。つい先ほどタスクを入れたばかりだ。
しかし一旦受けた仕事をキャンセルすることは信用に関わる。
「わりぃ、予定があるんだ。また今度な」
それから小一時間、他愛もないことを話してその日は終わった。
三日後。
送られてきた情報を元にコスティは殺しの手段を整えた。
七百メートル離れたビルの屋上に陣取る。
標的は魔族であるため、弾頭に銀を用いた専用弾を使用する。
今日の午後九時頃に拠点から出て会食に向かう。
建物から出て車に乗るまでの数メートル。そこを確実に狙い撃つ。
余裕をもって八時頃から狙撃の体勢に入った。
一月の冷たいコンクリートの上に伏せ、息を潜める。
いくつもの計器を並べ、気温、気圧、湿度、風向き、風速を計測する。
ただ照準を合わせて引き金を引けばいいというわけではない。
いくつもの不確定要素が織りなす環境の中で微調整を行う必要がある。
コスティは幼い頃から猟銃を玩具代わりに鳥を撃っていた。それが今活かされている。
八時半頃、予報通りに雪が降り始めた。
それでも身動ぎ一つせずにコスティは標的を待つ。
雪が降るのはわかっていた。ならばいい。それに雪によって風向きと風速が感覚的にわかる。
コスティが恐れているのは想定外のことだ。
ビルのエントランスに黒いリムジンが停まる。
時間より標的が出てくるのが早いか。
しかし、ビルから誰も出てこないまま九時を迎えた。
冬の夜。一時間もじっとしているだけで体温が奪われる。防寒の備えはしているが、それでもじわじわと体の先から冷たくなっていく。特に指先は。
感覚を確かにするために剥き出しの人差し指を、時折曲げ伸ばす。ずっと動かさないでいると凍ってしまいそうだった。
それでもコスティは待った。
やがて十時になった。
――おかしい。
会食というからには相手がいるはずなのに、一時間も遅れている。
何かあったか。狙撃に気付かれている?
そう思った瞬間だった。
ビルの自動ドアが開いて標的が姿を現した。
トリガーを引くためにコスティが息を吐き出し、止めた瞬間だった。
その化け物が真っ直ぐにこちらを見た。
スコープ越しに視線が合う。コスティは驚きで目を見開いた。
――な、んだと……!
紫色の瞳に見入られるだけで体が石のように動かなくなる。
そして魔族は帽子を取ってコスティに一礼した。
露わになった頭部には髪の代わりに蛇が生えており、神話に伝えられる石化の魔眼を持つ怪物そのものであった。
その姿を目にして、罠にかかったのは自分のほうだと気付いた直後、コスティの意識は闇に落ちた。
「ん、う……」
脳を鷲掴みにされたような不快感と共にコスティは目覚めた。
「なん、だ、これ……」
着ていた服は剥ぎ取られ、下着だけの姿で後ろ手に手錠で拘束されている。気分が悪くてコンクリートの床から起き上がれない。
部屋は裸電球一つで照らされていて薄暗い。
やがて硬い足音が響いてこちらに近付いてくる。
「脳が石化した気分はどうかね、トゥイスク君」
ノイズ交じりの耳障りな声が聞こえ、目の前に男が立つ。
見上げるとあの蛇頭の魔族だった。
「最悪、だ……」
虚勢を張って魔族に言い放つ。しかし思った以上に弱弱しい声が口から出た。
「では、まんまと捕まった気分はどうだ」
「……同じことを……、二度、言わせんな……」
「思ったより消耗しているようだな。まあいい、これから苦しいことには変わりない」
「何だと……?」
拷問でもする気か。
どうすればいい。どうしたらここから逃げ出せる。
ぐらぐらと揺れる頭で考える。
すると、奥から部下の魔族が点滴スタンドのようなものとステンレスのワゴンを運んできた。スタンドにはチューブのついた大きなビニール袋がぶら下げられ、中は毒々しいピンク色の液体で満たされている。ワゴンの上には金盥にガラス管のようなものとビデオカメラが乗せられていた。
怪訝に思っていると、蛇頭の魔族が床を踏んだ。
それに合わせて魔法陣が展開され、中からゼリー状の触手が何本も溢れ出てくる。
「なっ……」
突然現れた異形に気を取られているうちに、触手はあっという間にコスティの体に絡み付いた。体を軽々と持ち上げ、器用にも唯一纏っていた下着を脱がせ、足を大きく開かせる。
「っ……!」
性器が露わになってコスティは羞恥で顔を赤く染める。触手の戒めを振り解こうとしたがぬるぬるとした表面はそんな力など受け流し、拘束する力を強めた。
「心配するな、すぐに気にならなくなる」
魔族は言うと、袋から伸びたチューブを手に取る。チューブの先端には金具が取り付けられており、丸く膨らんでいた。
「これはな、こう使うんだ」
魔族は遠慮なしにチューブの先端をコスティの後孔に押し当て、ぐいと先端を飲み込ませた。
「ひっ……」
後孔に当たる冷たい金属の感触と、無造作に入れられた異物にコスティは声を漏らす。指一本程度のものだが、それでも異物を挿入されるのは気持ち悪いものだった。
「お前の腹は汚いからな。まず掃除をさせてもらう」
言って魔族はチューブを挟んでいたクリップを外す。するとピンクの液体がチューブを通ってコスティの体内に侵入する。
そして魔族はワゴンの上に置かれていたカメラを操作し、録画ボタンを押す。ピッという電子音が鳴った。
「あ、っ……つめた……っ」
冷たい液体が腹の中に入り込む。しかしコスティにはどうすることもできない。
「う、ぁ……っ」
腹の中が液体で満たされるうちに、コスティの体に異変が訪れた。
ぐぎゅ、ぎゅる……。
コスティの腸が音を立てて蠕動を始め、腹の痛みと共に排泄感が湧き上がってくる。
こんなところで排泄しろというのか。
コスティは尻の穴に力を込めて便塊を押し留めようとする。
「んっ……ぅ、う……」
「もう催したのかね。だがまだ半分も入っていないぞ」
コスティの様子が変わったのを察して魔族が声をかける。
しかしそんな言葉はコスティには届いていなかった。
便意を我慢することに夢中で魔族の言葉など理解する余裕などなかった。
コスティは最早周囲の様子を観察することなどできなかったが、袋にはまだ液体が半分ほど残っている。
その液体も徐々にコスティの腹の中に入っていく。それと共に便意も強まっていく。
「あ……っ、やだ、トイレ……っ」
我慢できないほどの便意に、思わず自分を監禁している相手にトイレに行かせてくれと懇願してしまう。
「どの面下げて頼み事などする。君は我々の同胞を何人も殺しているのだぞ」
魔族は冷たい声でコスティの望みを断った。
「は、ぁ……っ、うっ……」
腹の中は液体と便塊でいっぱいになり、それらが肛門という出口から一気に出ようとしている。コスティはそれを必死になって堪えていた。
いつの間にか体には脂汗が浮かんでいた。
嫌だ、息をしたくない。息をすると勝手に体がいきんでしまう。
「あっ、で、る……、いやだ……っ、な、トイレ……」
「駄目だ」
コスティはまたトイレに行かせてくれと頼むが、同じように断られる。
「まだ薬を入れてから三分と経っていないのだぞ。狙撃手というのは我慢強いのが売りではなかったのかね」
「は、ぁ……っ、んぅ……」
呆れたような魔族の言葉もコスティには意味のある言葉として届かなかった。
たった一言、トイレに行っていいという言葉だけが聞きたいのだ。
その時、魔族のスーツのポケットから電子音がした。
「おっと、我が首領からだ。少し黙っていてくれ。ああ、栓もだ」
魔族が言うとゼリーの触手が二本伸びてきて、一本は半開きになっていたコスティの口に強引に入り込んだ。
「んぐぅ……っ!」
そしてもう一本はコスティの後孔に入り込む。
「むぅ、んんんっ……!」
口と尻穴を同時に触手に犯されてコスティは悶える。
今までは指一本ほどの異物だったが、今度は指三本はあろうかという太さの触手だ。そして、中で膨らんで抜けないように瘤を作った。
「んんんぅっ! ぐ、むぅ……っ!」
触手によって開きっぱなしになった肛門だが、今度は瘤のおかげでどんなにいきんでも排泄ができない状態になった。
「はい、トゥイスクは計画通りに。……本当に?」
魔族はポケットからスマートフォンを取り出し、誰かと話している。
「承知しました。では」
魔族は通話を切るとスマートフォンをワゴンの上に置いた。
「まったく君は。運がいいのか悪いのか」
そう言うと魔族はコスティに歩み寄ってきて、額を包むように頭を掴んだ。
「んんぅ……っ!」
頭が熱い。その異変にコスティは身を固くする。
「安心しろ、殺すわけじゃない。少し記憶を読み取るだけだ。普段は自我のガードが固いが、こういう状態だと緩くなるのでね」
そして十秒ほど手をやったあと、魔族は離れた。
「なるほど。君はコスティ・コイヴ・マルヤクーシネンというのか」
その声はエコーがかかったように頭の中に響いた。
「コスティ君。魔族に名を知られることの恐ろしさ、知らぬわけではあるまい。君は魂すらも我々に掌握されたわけだ」
「んんんっ! んぐ、ぅ、ふっ……んっ!」
名前を呼ばれると脳が揺れるような感覚がする。しかし、それすら排泄を無理に堰き止められている状況では些末事に過ぎなかった。
「おっと失礼、口を塞いだままだったな」
魔族が言うと口に侵入していた触手がずるりと引き抜かれた。
「が、はっ……」
粘液と唾液にむせてコスティは咳き込む。
「さて、もういい時間だろう。先程から苦しそうにしているし、楽にさせてやる」
とぼけたように魔族は言い、肛門に咥えこまれた触手がわずかに抜かれる。
「あっ、やめ、ろ……っ!」
今この触手を抜かれたら便塊が止められずに出てしまう。そんな羞恥心がコスティにやめろと言わせた。
「おや、君はずっとこのままがいいのかね? だったら続けようじゃないか」
言うと魔族はワゴンからガラス管を取った。それは大きな注射器のような形をしている。浣腸に使うエネマシリンジだ。
そしてワゴンの下段にあったタンクから同じピンク色の薬液を吸って入れると、それを持ってコスティに歩み寄る。
もう空になって役目を終えたチューブを強引に引き抜いた。
「あ、ああっ……!」
異物が力任せに抜かれ、ピンクの薬液が少しひり出される。
「一リットルは入った。追加で五百ミリリットルだ」
魔族は言うと肛門と触手の間にエネマシリンジの嘴管を捻じ込み、ピストンを押して薬液を注入する。
すでに軽く膨らんでいた腹が、気持ちばかり膨らんだ気がした。そして便意がさらに強くなる。
魔族は薬液を注入し終わるとまた下がった。
「や、……、なん、で……っ!」
「君は排泄を見られるのが嫌なのだろう。だが、こちらもいつまでも待っていられるほど気が長くはないのでね。君の腹が破裂するまでこの薬をぶち込んでもいいのだぞ」
コスティは嫌だと言うように首を横に振った。
しかし、いつまでもこのままではいられない。人間の体はいつまでも便を我慢できるようにはできていない。
「あれも嫌だこれも嫌だ、とは。まったく、君もいい年をした大人だろう。さあ、カメラが回っている。君が糞をひり出すところを一瞬も逃さず記録してくれる。一片も残さず出すといい」
言うと、魔族はワゴンに置かれていた金盥を触手の上に置く。この中に便を出せというのだ。
コスティの肛門に捻じ込まれていた触手は中にある瘤をなくす。
「あ、あああっ……!」
瘤がなくなったおかげで開きっぱなしになった肛門は、便と同じように触手ごと排泄を始める。
びちゃりとピンクの薬液を吹き出しながら触手が抜けると、次は触手より太い便塊がむりむりと肛門から溢れ出てきて、金盥にぼとりと落ちる。それと同時に便臭が部屋に満ちた。
「あっ、やだ、やめ……っ」
コスティは羞恥で涙目になりながら、排泄を止めようと肛門に力を込める。
それによって一時は便塊が止められたものの、一度漏れた便を留めるほどの力はコスティに残っていなかった。
ぶぶ、ぶちゅっ、ぶっ。
汚い破裂音と共に太い便塊が肛門を押し広げて排泄される。
ずっと我慢していたものを排泄する解放感と、失態を犯したという羞恥心が同時にコスティに襲い掛かる。
「見る、な、ぁ……っ!」
最早自分の力では排泄を抑えきれない。
肛門から太い便塊を垂れ流しながら、コスティは見ないでくれと懇願することしかできなかった。
大きな便塊が排泄されたあとは、べちゃべちゃの軟便が肛門から溢れ出す。
びちゃ、ぶち、ぶぶ、ぶぅ、ぶちゃ。
先程よりも大きな破裂音がし、コスティは顔を真っ赤にして目を閉じて羞恥に耐えていた。
軟便が金盥の底をびちゃびちゃと叩く音がする。
それが少し続いたあと、やっと永遠とも思える排泄が終わった。
「全部出たかね? まったく、その体のどこにこれだけの糞を溜め込んでいたのか。それにひどい臭いだ。何を食べたらこんな臭いになる」
「や、めろ……っ」
コスティはもう子供のように同じことを繰り返して泣くしかできなかった。
「触手より太い糞だな、五センチはあるか?」
魔族は金盥の中でこんもりと盛り上がった便塊を見て言う。
「言う、な、ぁ……!」
「まったく、君に殺された同胞が不憫でならない。この程度で子供のように泣き喚くとは。これから先が思いやられる」
そう言って魔族は溜息をついた。
これから先?
そう聞いてコスティが怪訝に思ったときだった。
足の間に置かれた金盥は触手によってどかされ、いつの間にか魔族が割って入ってきている。
「君はまだ気付いていないのか?」
そう言われて魔族はコスティの陰茎に手を伸ばす。
いつからかわからないが、陰茎は熱をもって膨らんでいた。
「やだ、なん、で……」
性行為をしたわけでもないのに自分の意に反して勃起した事実にコスティは動揺する。
「あの薬液には催淫作用もあるのだよ。何、麻酔みたいなものだ」
言うと魔族はズボンの前を寛げて、自身の陰茎を出す。
「ひっ……」
その異形を前にコスティは脅えた声を漏らした。
柔らかい棘がびっしりと生えた性器が二本、魔族の股間にあったからだ。
「そう怖がるな、すぐに気持ちよくなる」
魔族はそう言って有無を言わさず性器をコスティの後孔に押し当てた。
「やめろっ……! 入れる、な……あ、ぁっ!」
柔らかい棘が肛門を刺激しながら一つに束ねた性器が中に入ってくる。
「あれだけ太い糞をしていたのだ、これくらいは簡単に入るな?」
「あっ! ううぅ、は、ぁっ……!」
触手より太い性器を受け入れて、直腸の中がいっぱいになる。
それに加えて、入れるときはまとめていた二本の性器が中では広がって質量を増す。
おかしい。
人間の男どころか、魔族のグロテスクな形をした性器をあっさり受け入れてしまうなんて。コスティには信じ難かった。
「ああ、いい子だ。よく入ったな」
そうして魔族は子供にするようにコスティの頭を撫でた。
「動くぞ」
魔族は言って腰を動かす。
「やめっ……! ああっ、はぁ、んんっ……!」
性器が動く度に表面の棘が肛門を刺激し、性器が抜かれると排泄感にも似た感覚が襲ってきて不思議な感覚になる。
そして魔族はある一点を突き上げた。
「あああっ!」
今までに感じたことのない、暴力のような快感がコスティの体を襲った。
そして、触れられてもいないのにコスティの陰茎は精を吐き出す。
「面白いな、人間は。生殖器でもないのに快感を得る器官があろうとは。君達を設計した神とやらは何を考えていたのだろうな」
「あっ、は、あっ……! ああっ、あっ……!」
コスティは異形の性器を体に収めながら喘いだ。
まさかこんなもので快楽を感じるとは。
押し寄せる快楽に思わず声が漏れる。
「そう声を出すものではない。はしたない」
魔族が言うと、コスティの近くに生えていた触手がまた口の中に侵入する。
「むぐ、ぅっ!」
「それでいい」
「う、むぅ……っ! んぐ、むぅ! んんんっ!」
魔族が腰を突き上げるたびにコスティは喘ぐ。
「いい具合だ、コスティ君。誰もが恐れるあのトゥイスクが惨めに糞を撒き散らし、こうして私に犯されて喘いでいるとは。いい気分だ」
「んぅ、ぐう、ぅっ! んむぅ!」
腸壁を擦られ、性器の柔らかい棘は肛門を出入りするたびに前立腺とは違った快楽を与える。
「さぁ、私の精液だ。よく味わうといい」
「んんんんっ! んぐぅっ1」
言うと性器が一段と膨らみ、今まで届かなかった結腸を突かれる。
これまでとは比べ物にならない快楽がコスティを襲う。
溝をどろっと粘性のある精液が伝い、腹の中に生温かいものが入ってくるのがわかる。
それはやがて直腸を満たし、さらに奥まで入り込む。
「んぐぅ、ううっ……」
段々と腹に液体が溜まっていくのは先程の浣腸にも似て、その感覚にコスティは呻く。
「コスティ君。どうして君がこんな目に遭っているのかわかるかね」
「んん、んぅ……」
排泄の我慢で力を使い果たし、快楽に溺れるコスティは聞いているのかいないのか曖昧な喘ぎで返す。
「君は私たち魔族を殺しすぎた。本来ならば殺すところだが、先程我が首領から連絡があってね。馬鹿と鋏は使い様というやつだ。君にはまだ使いどころがある」
「むぅ、んんっ……、うぅっ」
言いながら魔族はゆるゆると腰を動かす。
コスティはされるがままに快楽を受け止めるしかできなかった。
「さて、こんなところか」
魔族は射精を終えて窄まった性器を抜く。
「んんっ、んぅ……」
腹の中に収まっていた性器が抜かれると、排泄感にも似た快楽がある。
そして、完全に閉じていない後孔からごぶり、と精液が流れ出す。
「まだこれからだ」
着衣を整えた魔族が言うと、今度は粘液に塗れた不思議な生き物が地面の魔法陣から生えてきた。
それは蛸のような形をしていて、頭部からぬめぬめとした粘液がまとわりついた何本もの太い触手が生えている。先端は哺乳類の亀頭のような膨らみがあった。
「君にはしばらくこれの相手をしてもらう。何、すぐにかわいくなるさ」
魔族が言い、触手はまだ精液の零れるコスティの後孔に入り込んだ。
「んんんんっ……!」
今までのものより太い触手が無理矢理入り込み、ついにコスティの後孔が切れて血を流す。しかし、そんな痛みは快楽によってかき消された。
「うぐ、んんんっ! むぅ、うんんっ……!」
触手はコスティのことなどお構いなしに容赦ないピストンの動きで責め立てる。
「ほら、気に入っただろう。声でわかる」
魔族は触手に襲われているコスティを見ながら嘲う。
「だが本番はこれからだ」
「ん、むぅっ⁉」
触手が大きく膨らんだかと思うと、触手の中を何かゴムの塊のようなものが通り抜けてコスティの中に入ってくる。
「卵だよ。この生き物は哺乳類に産卵して生殖するのだが、成人男性が一番都合がいい。一度に十五、六個の卵を産むのだが、丁度それが腹に収まる大きさなのだ」
魔族は冷めた声で言う。
「んんっ! んむぅ、んぐ……っ!」
コスティは嫌だと首を振るも、また更に一個卵が産みつけられる。
「んぅっ……!」
卵が肛門を押し広げて腸内に入るたび、コスティは快楽交じりの声を漏らす。
「んんんんっ! んんぐぅっ!」
もう一つ卵が体内に入り、いっぱいになった腹が結腸を圧迫する。しかし卵はまだ三つだ。
コスティは快楽に溺れて何も考えられなくなっていた。
四つ目の卵がぐい、と押し込まれる。
「んぐうぅっ! むぅっ! ぐううっ!」
狭い結腸を卵が強引に押し広げて通っていく。
コスティはごりごりと結腸を責め立てられて陰茎から射精する。催淫効果のある浣腸液のせいか、まだ萎えることはない。
「っぐ、ぐ、ううっ!」
卵が結腸を通過するたびにコスティは体をのけぞらせて絶頂を迎える。
やがて触手は十六個の卵をコスティに産みつけた。下行結腸、横行結腸どころか上行結腸まで卵が詰め込まれている。
「んぐ、むぅ、んんんっ……!」
腹一杯に卵を入れられ、またもコスティは便意を催した。
大量の便を排泄するかのように勝手に体がいきんでしまうのだ。
だが媚薬を盛られた体はそれすら快楽に変えてしまう。
体がいきんで直腸の卵を締め付けるたび、前立腺が刺激されて勝手に快感を得て達する。
「むぅ、んんんんっ! ぐ、ぐぅ……っ!」
肛門にはまだ太い触手が入れられている。どんなにいきんでも出すことは叶わない。
「卵から幼生が孵るまで約一時間だ。その間、自分の行いを反省でもしているのだな。私は用があるので席を外す。すぐ戻るさ」
「んんぐっ⁉」
一時間もこの状態で放置されるというのか?
置いていかないでくれという叫びも触手が口に詰め込まれているのでは叶わない。
そして、魔族は部屋から出て行ってしまった。
「んぐぅ、ふ、う……っ、うっ」
腹が苦しい。しかし、みちみちに詰まった卵で快楽を得てしまっているのも事実だ。
「んんんっ! んぅ、むう……っ!」
いくらいきんでも体内のものは排泄されない。
部屋には電球と点滴スタンド、ワゴン以外何もない。
地獄のような一時間が始まった。
「む、ぅ……っ、うぅ、うっ……」
どれくらい放置されているのかわからない。
コスティは体力を消耗していたが、それでも体内にあるものを排泄しようと体は勝手にいきみ、直腸で卵を締めあげては前立腺を刺激されて達するのを繰り返していた。
頭がぼうっとする。何も考えられない。
すると部屋のドアが開いて魔族が戻って来た。
「そろそろ一時間だ。頃合いだろう」
言って魔族はかつんと床を踏む。それが合図となったようにコスティの肛門を塞いでいた触手がずるりと引き抜かれる。
「んんっ! んぐっ……!」
「そら、存分に出すといい」
そうして、コスティの開ききった肛門からぬちゃぬちゃと水音を立てて蛞蝓のような幼生がひり出される。
「んんんんっ! む、んんむっ……!」
一匹、また一匹と異形の幼生を産み、腸壁を擦り、肛門が刺激されてコスティは嬉しがるように喘いだ。
しかし、それも三匹で止まってしまった。
「むぅ、んっ……、んぅ……」
いくらいきんでも幼生は出てこない。
「育ちすぎたか」
体内で生まれ育った幼生はコスティの肛門以上に大きくなっていたのである。
「しょうがない、また浣腸だ」
「んんんっ!」
浣腸と聞いてコスティは嫌がるように首を振る。
しかしそんなコスティのことを見向きもせずに、魔族はまたエネマシリンジに薬液を満たし、コスティに近付いてきた。
「このまま排泄できないと腹から食い破られるのだぞ」
そう言って魔族は乱暴にシリンジの嘴管を突っ込み、薬液を注入した。
「んむぅっ! んんっ……!」
また冷たい薬液が腹に流れ込み、コスティはびくりと体を震わせる。
そして、薬によって再び強力な便意が催される。
「んぅっ! んむっ……! ぐうっ……!」
どこにこんな力が残っていたのか、コスティの体は一際強くいきむ。
一回、二回、三回といきんでやっと幼生が肛門から排泄された。
「んんんんっ!」
勢いは止まらず、次々と肛門から幼生を産み落としていく。
ぬちゃぬちゃと淫らな音を響かせながら何匹もの幼生を産み、コスティは体を震わせて絶頂を迎えた。
それと共に萎えた陰茎から小便が漏れる。
「なんだ、まだ出すものがあったのかね」
前から後ろから排泄しながら快感に悶えるコスティを見ながら魔族は言った。
そして全ての幼生を産み落とし、開き切った肛門から薬液、魔族の精液、触手の粘液が混ざったものがどろりと零れる。
ようやくコスティは役目を終えた。
ずっと口を塞いでいた触手も抜かれ、粘液と唾液を吐き出しながら咽る。
「まだだ、まだ終わらんぞ」
言うと魔族はワゴンから太いディルドと黒革のベルトを取り出し、開き切った肛門に突っ込まれ、ベルトで抜けないように固定される。
「や、あっ……、何……」
「コスティ君、君には一週間この触手の苗床になってもらう。殺されるより慈悲があると思わんかね。まあ、今日はここまでだ。明日から触手の相手を頑張ってくれ。では、褒美のディナーだ」
魔族はワゴンから銀のボウルを出すと、中に入っていたものをスプーンで掬ってコスティの口に捻じ込んだ。
「なっ……げほっ……」
コスティが咽るのも構わず魔族はスプーンを押し込んでくる。
味のないマッシュポテトのようなものだ。
コスティは口いっぱいに入れられたそれをただ飲み込んだ。もう反抗する意志さえ残っていなかった。
大量のそれを腹に入れると、魔族は満足したように頷いてボウルをワゴンに戻す。
そしてまた音を立てて床を踏むと、コスティの体を絡めとっていた触手が離れる。
手を拘束されていたコスティは成す術もなく硬い床に体を打ち付けた。
「ぐっ、ああっ……」
その衝撃で体に力が入り、ディルドを締め付けて達してしまう。
「では、また明日」
魔族はそう言い残して部屋から去った。
媚薬で昂った体はディルドでは物足りず、もっと強い刺激を求める。
しかしこの部屋には誰もいない。
物欲しげにきゅう、とディルドを締め付けてもさらに欲求が強まるだけだった。
「おはよう、コスティ君」
いつから眠っていたのか、水をかけられてコスティは強引に起こされた。
「あ、ぁ……」
コスティは最早魔族には恐怖の感情しか抱かなかった。
「そう脅えずともよい。君を生かして返すのだ、優しいというものだろう」
言ってかつんと床を踏む。同じように魔法陣が現れ、中からゼリー状の触手が何本も伸びてくる。
それは昨日と同じくコスティに巻き付き、体を持ち上げて足を大きく開いた態勢で固定した。
「では、まずは掃除からだ」
言って魔族はまたピンクの薬液が入ったチューブをディルドの隙間から肛門に捻じ込んだ。
「や、だ……、浣腸やだ……」
しかしそう言っている間にもコスティの腹の中には冷たい薬液が流れ込み、便意を催す。
ぐぎゅ、ぎゅる……。
「うっ、ふ、んんっ……」
腸の蠕動の音が部屋に響く。
ディルドを加えこんだままいきむと、スイッチを押されたかのように快楽が体に走る。
そして、触れられてもいないのに陰茎が屹立していた。
「ああっ、やっ……、も、ぅ、無理……っ!」
コスティの訴えを聞き届けたのか、魔族は無言でディルドを抑え込んでいたベルトを外す。
するとディルドが吐き出され、また悪臭を放つ太い便塊がひり出される。
「や、だ……、見る、なっ……!」
二度目の排泄でも羞恥を覚えるのかコスティは魔族に見るなと懇願する。
「この生き物の好物は糞だ。君には餌を作ってもらうし、苗床として幼生を産んでもらう。一日一回、たったの七回だ。それで命が助かるのだから安いものではないかね」
魔族はまた生き物を召喚し、その太い産卵管が便を排泄したばかりの肛門に捻じ込まれる。
「あ、あああっ……! や、だ……、もう、やめ……!」
しかし言葉とは裏腹にコスティの体は挿入されただけで絶頂を迎える。
「おっと、忘れていた」
コスティが嫌がって声を出すと、魔族は懐からある物を取り出した。
「口枷だ。君の喘ぎ声は大きいからな」
そう言って魔族はコスティにボールギャグを噛ませた。
「んむぅ、んんんっ……!」
また口を塞がれ、コスティは意思表示すらできなくなる。
そして、再び卵が一つ、二つと腸内に産みつけられるのだった。
浣腸で便意の残る中の産卵はより厳しく、いきんでいるのに異物が入り込んでくるという不快感が強かった。それすら快楽にかき消されたが。
そしてまた腹に卵がいっぱい詰まったまま放置され、苦しさと快楽が押し寄せるのを必死に耐えた。
今度は最初から浣腸を使われた。
「んんんっ! んんぅ!」
再びエネマシリンジを持ち出してきた魔族にコスティは嫌がって首を振る。
しかし魔族はコスティに構わず触手と肛門の間に嘴管を捻じ込んで薬液を注ぎ込んだ。
「んむぅ! ふ、ぐぅ……! むう、ぅっ!」
強制的にもたらされる強い便意。押し寄せる快感。
そして五分ほど経った頃、ずるりと触手が抜かれ、コスティは肛門から薬液と共に幼生を産み落とした。
「んんんんんっ! んんっ! むぅっ……!」
体を震わせながら絶頂を迎え、コスティは意識を失った。
「ん、ぅ……」
気が付くとコスティは服を着せられて街のごみ捨て場に倒れていた。
悪臭のするゴミ袋の山に放置されていたのである。
あれから七日間、確かにコスティは七回の排便と幼生の排泄をして、無事に解放されたのだった。
力の入らない体でよろよろと立ち上がると、何かがはらりと落ちた。
メモのようなそれを拾うとこう書いてあった。
――これから我々の命令に従うこと。それ以外は自由にしてよい。逆らえば命はない。
自分はとんでもない境遇に陥ってしまったという恐怖と、それでもなお快楽を求めうずく体を抱え、コスティは立ち尽くした。
ベッドの上でスマートフォンをいじりながらコスティは呟いた。
風呂に入っていた間に仕事の依頼が来ていたのだ。
濡れたピンク色の波打った髪をタオルで拭きながら、詳細を確かめる。
マフィアの幹部の暗殺。報酬は前金2500万、成功報酬2500万、計5000万の稼ぎになる。
この都市クリティアスは世界一の栄華を極めていたが、同じように裏社会も世界一の混沌に覆われていた。
人間と魔族が入り混じり、手段を問わず日々金と権力を争っている。
コスティはその中で、普段は裏社会の人間向けのクラブを経営し、仕事の仲介人をしている。そして、人間でありながらどこの組織にも属さないフリーの殺し屋だった。
トゥイスクという名前で活動する優れた狙撃手であり、この都市の裏社会にいるならその実力は誰もが知っている。
メッセージの詳細を読み、コスティは承認の返事をした。
メッセージは送信され、履歴から消去される。
相手はすぐに目を通したようで、標的の詳細と三日後にある地点で狙撃をするための情報が送られてきた。
「見たことねえ顔だ。最近魔族側は出入りが激しいからな……」
スーツ姿に帽子を被った魔族の写真を見て、コスティは呟く。
その直後だった。
ベッド脇で充電していた私用のスマートフォンが震えて着信を告げる。
恋人のクルキからだった。
『コスティ、今大丈夫か?』
クルキは幼馴染で、この都市で刑事として働いている。
コスティが悪者の集まるクラブを経営していることは知っているが、殺し屋をしていることまでは知らない。言うつもりもない。
早く店を閉めろと言われているが、父から継いだ店だからとかわしている。
「平気。どうした?」
『十五日、休みが取れたんだ。食事でも行かないか?』
それは奇しくも三日後。つい先ほどタスクを入れたばかりだ。
しかし一旦受けた仕事をキャンセルすることは信用に関わる。
「わりぃ、予定があるんだ。また今度な」
それから小一時間、他愛もないことを話してその日は終わった。
三日後。
送られてきた情報を元にコスティは殺しの手段を整えた。
七百メートル離れたビルの屋上に陣取る。
標的は魔族であるため、弾頭に銀を用いた専用弾を使用する。
今日の午後九時頃に拠点から出て会食に向かう。
建物から出て車に乗るまでの数メートル。そこを確実に狙い撃つ。
余裕をもって八時頃から狙撃の体勢に入った。
一月の冷たいコンクリートの上に伏せ、息を潜める。
いくつもの計器を並べ、気温、気圧、湿度、風向き、風速を計測する。
ただ照準を合わせて引き金を引けばいいというわけではない。
いくつもの不確定要素が織りなす環境の中で微調整を行う必要がある。
コスティは幼い頃から猟銃を玩具代わりに鳥を撃っていた。それが今活かされている。
八時半頃、予報通りに雪が降り始めた。
それでも身動ぎ一つせずにコスティは標的を待つ。
雪が降るのはわかっていた。ならばいい。それに雪によって風向きと風速が感覚的にわかる。
コスティが恐れているのは想定外のことだ。
ビルのエントランスに黒いリムジンが停まる。
時間より標的が出てくるのが早いか。
しかし、ビルから誰も出てこないまま九時を迎えた。
冬の夜。一時間もじっとしているだけで体温が奪われる。防寒の備えはしているが、それでもじわじわと体の先から冷たくなっていく。特に指先は。
感覚を確かにするために剥き出しの人差し指を、時折曲げ伸ばす。ずっと動かさないでいると凍ってしまいそうだった。
それでもコスティは待った。
やがて十時になった。
――おかしい。
会食というからには相手がいるはずなのに、一時間も遅れている。
何かあったか。狙撃に気付かれている?
そう思った瞬間だった。
ビルの自動ドアが開いて標的が姿を現した。
トリガーを引くためにコスティが息を吐き出し、止めた瞬間だった。
その化け物が真っ直ぐにこちらを見た。
スコープ越しに視線が合う。コスティは驚きで目を見開いた。
――な、んだと……!
紫色の瞳に見入られるだけで体が石のように動かなくなる。
そして魔族は帽子を取ってコスティに一礼した。
露わになった頭部には髪の代わりに蛇が生えており、神話に伝えられる石化の魔眼を持つ怪物そのものであった。
その姿を目にして、罠にかかったのは自分のほうだと気付いた直後、コスティの意識は闇に落ちた。
「ん、う……」
脳を鷲掴みにされたような不快感と共にコスティは目覚めた。
「なん、だ、これ……」
着ていた服は剥ぎ取られ、下着だけの姿で後ろ手に手錠で拘束されている。気分が悪くてコンクリートの床から起き上がれない。
部屋は裸電球一つで照らされていて薄暗い。
やがて硬い足音が響いてこちらに近付いてくる。
「脳が石化した気分はどうかね、トゥイスク君」
ノイズ交じりの耳障りな声が聞こえ、目の前に男が立つ。
見上げるとあの蛇頭の魔族だった。
「最悪、だ……」
虚勢を張って魔族に言い放つ。しかし思った以上に弱弱しい声が口から出た。
「では、まんまと捕まった気分はどうだ」
「……同じことを……、二度、言わせんな……」
「思ったより消耗しているようだな。まあいい、これから苦しいことには変わりない」
「何だと……?」
拷問でもする気か。
どうすればいい。どうしたらここから逃げ出せる。
ぐらぐらと揺れる頭で考える。
すると、奥から部下の魔族が点滴スタンドのようなものとステンレスのワゴンを運んできた。スタンドにはチューブのついた大きなビニール袋がぶら下げられ、中は毒々しいピンク色の液体で満たされている。ワゴンの上には金盥にガラス管のようなものとビデオカメラが乗せられていた。
怪訝に思っていると、蛇頭の魔族が床を踏んだ。
それに合わせて魔法陣が展開され、中からゼリー状の触手が何本も溢れ出てくる。
「なっ……」
突然現れた異形に気を取られているうちに、触手はあっという間にコスティの体に絡み付いた。体を軽々と持ち上げ、器用にも唯一纏っていた下着を脱がせ、足を大きく開かせる。
「っ……!」
性器が露わになってコスティは羞恥で顔を赤く染める。触手の戒めを振り解こうとしたがぬるぬるとした表面はそんな力など受け流し、拘束する力を強めた。
「心配するな、すぐに気にならなくなる」
魔族は言うと、袋から伸びたチューブを手に取る。チューブの先端には金具が取り付けられており、丸く膨らんでいた。
「これはな、こう使うんだ」
魔族は遠慮なしにチューブの先端をコスティの後孔に押し当て、ぐいと先端を飲み込ませた。
「ひっ……」
後孔に当たる冷たい金属の感触と、無造作に入れられた異物にコスティは声を漏らす。指一本程度のものだが、それでも異物を挿入されるのは気持ち悪いものだった。
「お前の腹は汚いからな。まず掃除をさせてもらう」
言って魔族はチューブを挟んでいたクリップを外す。するとピンクの液体がチューブを通ってコスティの体内に侵入する。
そして魔族はワゴンの上に置かれていたカメラを操作し、録画ボタンを押す。ピッという電子音が鳴った。
「あ、っ……つめた……っ」
冷たい液体が腹の中に入り込む。しかしコスティにはどうすることもできない。
「う、ぁ……っ」
腹の中が液体で満たされるうちに、コスティの体に異変が訪れた。
ぐぎゅ、ぎゅる……。
コスティの腸が音を立てて蠕動を始め、腹の痛みと共に排泄感が湧き上がってくる。
こんなところで排泄しろというのか。
コスティは尻の穴に力を込めて便塊を押し留めようとする。
「んっ……ぅ、う……」
「もう催したのかね。だがまだ半分も入っていないぞ」
コスティの様子が変わったのを察して魔族が声をかける。
しかしそんな言葉はコスティには届いていなかった。
便意を我慢することに夢中で魔族の言葉など理解する余裕などなかった。
コスティは最早周囲の様子を観察することなどできなかったが、袋にはまだ液体が半分ほど残っている。
その液体も徐々にコスティの腹の中に入っていく。それと共に便意も強まっていく。
「あ……っ、やだ、トイレ……っ」
我慢できないほどの便意に、思わず自分を監禁している相手にトイレに行かせてくれと懇願してしまう。
「どの面下げて頼み事などする。君は我々の同胞を何人も殺しているのだぞ」
魔族は冷たい声でコスティの望みを断った。
「は、ぁ……っ、うっ……」
腹の中は液体と便塊でいっぱいになり、それらが肛門という出口から一気に出ようとしている。コスティはそれを必死になって堪えていた。
いつの間にか体には脂汗が浮かんでいた。
嫌だ、息をしたくない。息をすると勝手に体がいきんでしまう。
「あっ、で、る……、いやだ……っ、な、トイレ……」
「駄目だ」
コスティはまたトイレに行かせてくれと頼むが、同じように断られる。
「まだ薬を入れてから三分と経っていないのだぞ。狙撃手というのは我慢強いのが売りではなかったのかね」
「は、ぁ……っ、んぅ……」
呆れたような魔族の言葉もコスティには意味のある言葉として届かなかった。
たった一言、トイレに行っていいという言葉だけが聞きたいのだ。
その時、魔族のスーツのポケットから電子音がした。
「おっと、我が首領からだ。少し黙っていてくれ。ああ、栓もだ」
魔族が言うとゼリーの触手が二本伸びてきて、一本は半開きになっていたコスティの口に強引に入り込んだ。
「んぐぅ……っ!」
そしてもう一本はコスティの後孔に入り込む。
「むぅ、んんんっ……!」
口と尻穴を同時に触手に犯されてコスティは悶える。
今までは指一本ほどの異物だったが、今度は指三本はあろうかという太さの触手だ。そして、中で膨らんで抜けないように瘤を作った。
「んんんぅっ! ぐ、むぅ……っ!」
触手によって開きっぱなしになった肛門だが、今度は瘤のおかげでどんなにいきんでも排泄ができない状態になった。
「はい、トゥイスクは計画通りに。……本当に?」
魔族はポケットからスマートフォンを取り出し、誰かと話している。
「承知しました。では」
魔族は通話を切るとスマートフォンをワゴンの上に置いた。
「まったく君は。運がいいのか悪いのか」
そう言うと魔族はコスティに歩み寄ってきて、額を包むように頭を掴んだ。
「んんぅ……っ!」
頭が熱い。その異変にコスティは身を固くする。
「安心しろ、殺すわけじゃない。少し記憶を読み取るだけだ。普段は自我のガードが固いが、こういう状態だと緩くなるのでね」
そして十秒ほど手をやったあと、魔族は離れた。
「なるほど。君はコスティ・コイヴ・マルヤクーシネンというのか」
その声はエコーがかかったように頭の中に響いた。
「コスティ君。魔族に名を知られることの恐ろしさ、知らぬわけではあるまい。君は魂すらも我々に掌握されたわけだ」
「んんんっ! んぐ、ぅ、ふっ……んっ!」
名前を呼ばれると脳が揺れるような感覚がする。しかし、それすら排泄を無理に堰き止められている状況では些末事に過ぎなかった。
「おっと失礼、口を塞いだままだったな」
魔族が言うと口に侵入していた触手がずるりと引き抜かれた。
「が、はっ……」
粘液と唾液にむせてコスティは咳き込む。
「さて、もういい時間だろう。先程から苦しそうにしているし、楽にさせてやる」
とぼけたように魔族は言い、肛門に咥えこまれた触手がわずかに抜かれる。
「あっ、やめ、ろ……っ!」
今この触手を抜かれたら便塊が止められずに出てしまう。そんな羞恥心がコスティにやめろと言わせた。
「おや、君はずっとこのままがいいのかね? だったら続けようじゃないか」
言うと魔族はワゴンからガラス管を取った。それは大きな注射器のような形をしている。浣腸に使うエネマシリンジだ。
そしてワゴンの下段にあったタンクから同じピンク色の薬液を吸って入れると、それを持ってコスティに歩み寄る。
もう空になって役目を終えたチューブを強引に引き抜いた。
「あ、ああっ……!」
異物が力任せに抜かれ、ピンクの薬液が少しひり出される。
「一リットルは入った。追加で五百ミリリットルだ」
魔族は言うと肛門と触手の間にエネマシリンジの嘴管を捻じ込み、ピストンを押して薬液を注入する。
すでに軽く膨らんでいた腹が、気持ちばかり膨らんだ気がした。そして便意がさらに強くなる。
魔族は薬液を注入し終わるとまた下がった。
「や、……、なん、で……っ!」
「君は排泄を見られるのが嫌なのだろう。だが、こちらもいつまでも待っていられるほど気が長くはないのでね。君の腹が破裂するまでこの薬をぶち込んでもいいのだぞ」
コスティは嫌だと言うように首を横に振った。
しかし、いつまでもこのままではいられない。人間の体はいつまでも便を我慢できるようにはできていない。
「あれも嫌だこれも嫌だ、とは。まったく、君もいい年をした大人だろう。さあ、カメラが回っている。君が糞をひり出すところを一瞬も逃さず記録してくれる。一片も残さず出すといい」
言うと、魔族はワゴンに置かれていた金盥を触手の上に置く。この中に便を出せというのだ。
コスティの肛門に捻じ込まれていた触手は中にある瘤をなくす。
「あ、あああっ……!」
瘤がなくなったおかげで開きっぱなしになった肛門は、便と同じように触手ごと排泄を始める。
びちゃりとピンクの薬液を吹き出しながら触手が抜けると、次は触手より太い便塊がむりむりと肛門から溢れ出てきて、金盥にぼとりと落ちる。それと同時に便臭が部屋に満ちた。
「あっ、やだ、やめ……っ」
コスティは羞恥で涙目になりながら、排泄を止めようと肛門に力を込める。
それによって一時は便塊が止められたものの、一度漏れた便を留めるほどの力はコスティに残っていなかった。
ぶぶ、ぶちゅっ、ぶっ。
汚い破裂音と共に太い便塊が肛門を押し広げて排泄される。
ずっと我慢していたものを排泄する解放感と、失態を犯したという羞恥心が同時にコスティに襲い掛かる。
「見る、な、ぁ……っ!」
最早自分の力では排泄を抑えきれない。
肛門から太い便塊を垂れ流しながら、コスティは見ないでくれと懇願することしかできなかった。
大きな便塊が排泄されたあとは、べちゃべちゃの軟便が肛門から溢れ出す。
びちゃ、ぶち、ぶぶ、ぶぅ、ぶちゃ。
先程よりも大きな破裂音がし、コスティは顔を真っ赤にして目を閉じて羞恥に耐えていた。
軟便が金盥の底をびちゃびちゃと叩く音がする。
それが少し続いたあと、やっと永遠とも思える排泄が終わった。
「全部出たかね? まったく、その体のどこにこれだけの糞を溜め込んでいたのか。それにひどい臭いだ。何を食べたらこんな臭いになる」
「や、めろ……っ」
コスティはもう子供のように同じことを繰り返して泣くしかできなかった。
「触手より太い糞だな、五センチはあるか?」
魔族は金盥の中でこんもりと盛り上がった便塊を見て言う。
「言う、な、ぁ……!」
「まったく、君に殺された同胞が不憫でならない。この程度で子供のように泣き喚くとは。これから先が思いやられる」
そう言って魔族は溜息をついた。
これから先?
そう聞いてコスティが怪訝に思ったときだった。
足の間に置かれた金盥は触手によってどかされ、いつの間にか魔族が割って入ってきている。
「君はまだ気付いていないのか?」
そう言われて魔族はコスティの陰茎に手を伸ばす。
いつからかわからないが、陰茎は熱をもって膨らんでいた。
「やだ、なん、で……」
性行為をしたわけでもないのに自分の意に反して勃起した事実にコスティは動揺する。
「あの薬液には催淫作用もあるのだよ。何、麻酔みたいなものだ」
言うと魔族はズボンの前を寛げて、自身の陰茎を出す。
「ひっ……」
その異形を前にコスティは脅えた声を漏らした。
柔らかい棘がびっしりと生えた性器が二本、魔族の股間にあったからだ。
「そう怖がるな、すぐに気持ちよくなる」
魔族はそう言って有無を言わさず性器をコスティの後孔に押し当てた。
「やめろっ……! 入れる、な……あ、ぁっ!」
柔らかい棘が肛門を刺激しながら一つに束ねた性器が中に入ってくる。
「あれだけ太い糞をしていたのだ、これくらいは簡単に入るな?」
「あっ! ううぅ、は、ぁっ……!」
触手より太い性器を受け入れて、直腸の中がいっぱいになる。
それに加えて、入れるときはまとめていた二本の性器が中では広がって質量を増す。
おかしい。
人間の男どころか、魔族のグロテスクな形をした性器をあっさり受け入れてしまうなんて。コスティには信じ難かった。
「ああ、いい子だ。よく入ったな」
そうして魔族は子供にするようにコスティの頭を撫でた。
「動くぞ」
魔族は言って腰を動かす。
「やめっ……! ああっ、はぁ、んんっ……!」
性器が動く度に表面の棘が肛門を刺激し、性器が抜かれると排泄感にも似た感覚が襲ってきて不思議な感覚になる。
そして魔族はある一点を突き上げた。
「あああっ!」
今までに感じたことのない、暴力のような快感がコスティの体を襲った。
そして、触れられてもいないのにコスティの陰茎は精を吐き出す。
「面白いな、人間は。生殖器でもないのに快感を得る器官があろうとは。君達を設計した神とやらは何を考えていたのだろうな」
「あっ、は、あっ……! ああっ、あっ……!」
コスティは異形の性器を体に収めながら喘いだ。
まさかこんなもので快楽を感じるとは。
押し寄せる快楽に思わず声が漏れる。
「そう声を出すものではない。はしたない」
魔族が言うと、コスティの近くに生えていた触手がまた口の中に侵入する。
「むぐ、ぅっ!」
「それでいい」
「う、むぅ……っ! んぐ、むぅ! んんんっ!」
魔族が腰を突き上げるたびにコスティは喘ぐ。
「いい具合だ、コスティ君。誰もが恐れるあのトゥイスクが惨めに糞を撒き散らし、こうして私に犯されて喘いでいるとは。いい気分だ」
「んぅ、ぐう、ぅっ! んむぅ!」
腸壁を擦られ、性器の柔らかい棘は肛門を出入りするたびに前立腺とは違った快楽を与える。
「さぁ、私の精液だ。よく味わうといい」
「んんんんっ! んぐぅっ1」
言うと性器が一段と膨らみ、今まで届かなかった結腸を突かれる。
これまでとは比べ物にならない快楽がコスティを襲う。
溝をどろっと粘性のある精液が伝い、腹の中に生温かいものが入ってくるのがわかる。
それはやがて直腸を満たし、さらに奥まで入り込む。
「んぐぅ、ううっ……」
段々と腹に液体が溜まっていくのは先程の浣腸にも似て、その感覚にコスティは呻く。
「コスティ君。どうして君がこんな目に遭っているのかわかるかね」
「んん、んぅ……」
排泄の我慢で力を使い果たし、快楽に溺れるコスティは聞いているのかいないのか曖昧な喘ぎで返す。
「君は私たち魔族を殺しすぎた。本来ならば殺すところだが、先程我が首領から連絡があってね。馬鹿と鋏は使い様というやつだ。君にはまだ使いどころがある」
「むぅ、んんっ……、うぅっ」
言いながら魔族はゆるゆると腰を動かす。
コスティはされるがままに快楽を受け止めるしかできなかった。
「さて、こんなところか」
魔族は射精を終えて窄まった性器を抜く。
「んんっ、んぅ……」
腹の中に収まっていた性器が抜かれると、排泄感にも似た快楽がある。
そして、完全に閉じていない後孔からごぶり、と精液が流れ出す。
「まだこれからだ」
着衣を整えた魔族が言うと、今度は粘液に塗れた不思議な生き物が地面の魔法陣から生えてきた。
それは蛸のような形をしていて、頭部からぬめぬめとした粘液がまとわりついた何本もの太い触手が生えている。先端は哺乳類の亀頭のような膨らみがあった。
「君にはしばらくこれの相手をしてもらう。何、すぐにかわいくなるさ」
魔族が言い、触手はまだ精液の零れるコスティの後孔に入り込んだ。
「んんんんっ……!」
今までのものより太い触手が無理矢理入り込み、ついにコスティの後孔が切れて血を流す。しかし、そんな痛みは快楽によってかき消された。
「うぐ、んんんっ! むぅ、うんんっ……!」
触手はコスティのことなどお構いなしに容赦ないピストンの動きで責め立てる。
「ほら、気に入っただろう。声でわかる」
魔族は触手に襲われているコスティを見ながら嘲う。
「だが本番はこれからだ」
「ん、むぅっ⁉」
触手が大きく膨らんだかと思うと、触手の中を何かゴムの塊のようなものが通り抜けてコスティの中に入ってくる。
「卵だよ。この生き物は哺乳類に産卵して生殖するのだが、成人男性が一番都合がいい。一度に十五、六個の卵を産むのだが、丁度それが腹に収まる大きさなのだ」
魔族は冷めた声で言う。
「んんっ! んむぅ、んぐ……っ!」
コスティは嫌だと首を振るも、また更に一個卵が産みつけられる。
「んぅっ……!」
卵が肛門を押し広げて腸内に入るたび、コスティは快楽交じりの声を漏らす。
「んんんんっ! んんぐぅっ!」
もう一つ卵が体内に入り、いっぱいになった腹が結腸を圧迫する。しかし卵はまだ三つだ。
コスティは快楽に溺れて何も考えられなくなっていた。
四つ目の卵がぐい、と押し込まれる。
「んぐうぅっ! むぅっ! ぐううっ!」
狭い結腸を卵が強引に押し広げて通っていく。
コスティはごりごりと結腸を責め立てられて陰茎から射精する。催淫効果のある浣腸液のせいか、まだ萎えることはない。
「っぐ、ぐ、ううっ!」
卵が結腸を通過するたびにコスティは体をのけぞらせて絶頂を迎える。
やがて触手は十六個の卵をコスティに産みつけた。下行結腸、横行結腸どころか上行結腸まで卵が詰め込まれている。
「んぐ、むぅ、んんんっ……!」
腹一杯に卵を入れられ、またもコスティは便意を催した。
大量の便を排泄するかのように勝手に体がいきんでしまうのだ。
だが媚薬を盛られた体はそれすら快楽に変えてしまう。
体がいきんで直腸の卵を締め付けるたび、前立腺が刺激されて勝手に快感を得て達する。
「むぅ、んんんんっ! ぐ、ぐぅ……っ!」
肛門にはまだ太い触手が入れられている。どんなにいきんでも出すことは叶わない。
「卵から幼生が孵るまで約一時間だ。その間、自分の行いを反省でもしているのだな。私は用があるので席を外す。すぐ戻るさ」
「んんぐっ⁉」
一時間もこの状態で放置されるというのか?
置いていかないでくれという叫びも触手が口に詰め込まれているのでは叶わない。
そして、魔族は部屋から出て行ってしまった。
「んぐぅ、ふ、う……っ、うっ」
腹が苦しい。しかし、みちみちに詰まった卵で快楽を得てしまっているのも事実だ。
「んんんっ! んぅ、むう……っ!」
いくらいきんでも体内のものは排泄されない。
部屋には電球と点滴スタンド、ワゴン以外何もない。
地獄のような一時間が始まった。
「む、ぅ……っ、うぅ、うっ……」
どれくらい放置されているのかわからない。
コスティは体力を消耗していたが、それでも体内にあるものを排泄しようと体は勝手にいきみ、直腸で卵を締めあげては前立腺を刺激されて達するのを繰り返していた。
頭がぼうっとする。何も考えられない。
すると部屋のドアが開いて魔族が戻って来た。
「そろそろ一時間だ。頃合いだろう」
言って魔族はかつんと床を踏む。それが合図となったようにコスティの肛門を塞いでいた触手がずるりと引き抜かれる。
「んんっ! んぐっ……!」
「そら、存分に出すといい」
そうして、コスティの開ききった肛門からぬちゃぬちゃと水音を立てて蛞蝓のような幼生がひり出される。
「んんんんっ! む、んんむっ……!」
一匹、また一匹と異形の幼生を産み、腸壁を擦り、肛門が刺激されてコスティは嬉しがるように喘いだ。
しかし、それも三匹で止まってしまった。
「むぅ、んっ……、んぅ……」
いくらいきんでも幼生は出てこない。
「育ちすぎたか」
体内で生まれ育った幼生はコスティの肛門以上に大きくなっていたのである。
「しょうがない、また浣腸だ」
「んんんっ!」
浣腸と聞いてコスティは嫌がるように首を振る。
しかしそんなコスティのことを見向きもせずに、魔族はまたエネマシリンジに薬液を満たし、コスティに近付いてきた。
「このまま排泄できないと腹から食い破られるのだぞ」
そう言って魔族は乱暴にシリンジの嘴管を突っ込み、薬液を注入した。
「んむぅっ! んんっ……!」
また冷たい薬液が腹に流れ込み、コスティはびくりと体を震わせる。
そして、薬によって再び強力な便意が催される。
「んぅっ! んむっ……! ぐうっ……!」
どこにこんな力が残っていたのか、コスティの体は一際強くいきむ。
一回、二回、三回といきんでやっと幼生が肛門から排泄された。
「んんんんっ!」
勢いは止まらず、次々と肛門から幼生を産み落としていく。
ぬちゃぬちゃと淫らな音を響かせながら何匹もの幼生を産み、コスティは体を震わせて絶頂を迎えた。
それと共に萎えた陰茎から小便が漏れる。
「なんだ、まだ出すものがあったのかね」
前から後ろから排泄しながら快感に悶えるコスティを見ながら魔族は言った。
そして全ての幼生を産み落とし、開き切った肛門から薬液、魔族の精液、触手の粘液が混ざったものがどろりと零れる。
ようやくコスティは役目を終えた。
ずっと口を塞いでいた触手も抜かれ、粘液と唾液を吐き出しながら咽る。
「まだだ、まだ終わらんぞ」
言うと魔族はワゴンから太いディルドと黒革のベルトを取り出し、開き切った肛門に突っ込まれ、ベルトで抜けないように固定される。
「や、あっ……、何……」
「コスティ君、君には一週間この触手の苗床になってもらう。殺されるより慈悲があると思わんかね。まあ、今日はここまでだ。明日から触手の相手を頑張ってくれ。では、褒美のディナーだ」
魔族はワゴンから銀のボウルを出すと、中に入っていたものをスプーンで掬ってコスティの口に捻じ込んだ。
「なっ……げほっ……」
コスティが咽るのも構わず魔族はスプーンを押し込んでくる。
味のないマッシュポテトのようなものだ。
コスティは口いっぱいに入れられたそれをただ飲み込んだ。もう反抗する意志さえ残っていなかった。
大量のそれを腹に入れると、魔族は満足したように頷いてボウルをワゴンに戻す。
そしてまた音を立てて床を踏むと、コスティの体を絡めとっていた触手が離れる。
手を拘束されていたコスティは成す術もなく硬い床に体を打ち付けた。
「ぐっ、ああっ……」
その衝撃で体に力が入り、ディルドを締め付けて達してしまう。
「では、また明日」
魔族はそう言い残して部屋から去った。
媚薬で昂った体はディルドでは物足りず、もっと強い刺激を求める。
しかしこの部屋には誰もいない。
物欲しげにきゅう、とディルドを締め付けてもさらに欲求が強まるだけだった。
「おはよう、コスティ君」
いつから眠っていたのか、水をかけられてコスティは強引に起こされた。
「あ、ぁ……」
コスティは最早魔族には恐怖の感情しか抱かなかった。
「そう脅えずともよい。君を生かして返すのだ、優しいというものだろう」
言ってかつんと床を踏む。同じように魔法陣が現れ、中からゼリー状の触手が何本も伸びてくる。
それは昨日と同じくコスティに巻き付き、体を持ち上げて足を大きく開いた態勢で固定した。
「では、まずは掃除からだ」
言って魔族はまたピンクの薬液が入ったチューブをディルドの隙間から肛門に捻じ込んだ。
「や、だ……、浣腸やだ……」
しかしそう言っている間にもコスティの腹の中には冷たい薬液が流れ込み、便意を催す。
ぐぎゅ、ぎゅる……。
「うっ、ふ、んんっ……」
腸の蠕動の音が部屋に響く。
ディルドを加えこんだままいきむと、スイッチを押されたかのように快楽が体に走る。
そして、触れられてもいないのに陰茎が屹立していた。
「ああっ、やっ……、も、ぅ、無理……っ!」
コスティの訴えを聞き届けたのか、魔族は無言でディルドを抑え込んでいたベルトを外す。
するとディルドが吐き出され、また悪臭を放つ太い便塊がひり出される。
「や、だ……、見る、なっ……!」
二度目の排泄でも羞恥を覚えるのかコスティは魔族に見るなと懇願する。
「この生き物の好物は糞だ。君には餌を作ってもらうし、苗床として幼生を産んでもらう。一日一回、たったの七回だ。それで命が助かるのだから安いものではないかね」
魔族はまた生き物を召喚し、その太い産卵管が便を排泄したばかりの肛門に捻じ込まれる。
「あ、あああっ……! や、だ……、もう、やめ……!」
しかし言葉とは裏腹にコスティの体は挿入されただけで絶頂を迎える。
「おっと、忘れていた」
コスティが嫌がって声を出すと、魔族は懐からある物を取り出した。
「口枷だ。君の喘ぎ声は大きいからな」
そう言って魔族はコスティにボールギャグを噛ませた。
「んむぅ、んんんっ……!」
また口を塞がれ、コスティは意思表示すらできなくなる。
そして、再び卵が一つ、二つと腸内に産みつけられるのだった。
浣腸で便意の残る中の産卵はより厳しく、いきんでいるのに異物が入り込んでくるという不快感が強かった。それすら快楽にかき消されたが。
そしてまた腹に卵がいっぱい詰まったまま放置され、苦しさと快楽が押し寄せるのを必死に耐えた。
今度は最初から浣腸を使われた。
「んんんっ! んんぅ!」
再びエネマシリンジを持ち出してきた魔族にコスティは嫌がって首を振る。
しかし魔族はコスティに構わず触手と肛門の間に嘴管を捻じ込んで薬液を注ぎ込んだ。
「んむぅ! ふ、ぐぅ……! むう、ぅっ!」
強制的にもたらされる強い便意。押し寄せる快感。
そして五分ほど経った頃、ずるりと触手が抜かれ、コスティは肛門から薬液と共に幼生を産み落とした。
「んんんんんっ! んんっ! むぅっ……!」
体を震わせながら絶頂を迎え、コスティは意識を失った。
「ん、ぅ……」
気が付くとコスティは服を着せられて街のごみ捨て場に倒れていた。
悪臭のするゴミ袋の山に放置されていたのである。
あれから七日間、確かにコスティは七回の排便と幼生の排泄をして、無事に解放されたのだった。
力の入らない体でよろよろと立ち上がると、何かがはらりと落ちた。
メモのようなそれを拾うとこう書いてあった。
――これから我々の命令に従うこと。それ以外は自由にしてよい。逆らえば命はない。
自分はとんでもない境遇に陥ってしまったという恐怖と、それでもなお快楽を求めうずく体を抱え、コスティは立ち尽くした。
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