斬り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ

藤間背骨

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第25話

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 言うと鹿島は脇に置いていた革紐を手に取り、それに香油を塗りたくる。
 よく見れば革紐は薄い革を丸めて作った中空の管になっている。片方には漏斗のような金具がついていた。
 鹿島は精を吐き出して萎れた親則の陽根に手を添える。
 何をされるのかと警戒して親則の体が強張った。

「少し痛いですが我慢してくださいね。大丈夫です、すぐに気持ちよくなりますから」

 言うと鹿島は革の管を短く持ち、何もついていないほうの先端を白濁に塗れた鈴口に押し当てると狭いそこに強引に押し込んだ。

「んんんんっ……!」

 本来固形物を入れるようにはできていないそこに無理矢理異物をねじ込まれ、親則は激しい痛みと異物感に体をのけぞらせながら苦悶の声を上げる。それも口枷に阻まれ、くぐもった響きにしかならない。

「痛いのは最初のうちですよ」
「んううっ……! んん……!」

 鹿島は少しずつ尿道に革の管を押し入れていく。
 狭い尿道を無理にこじ開けられる痛みと不快感に親則は体を捩って耐えようとする。

「う、んんっ……! う、むぅ……っ! んんんっ!」

 鹿島は親則がどんなに苦しむ様子を見せようとも顔色ひとつ変えることなく、更に奥へと管をねじ込む。
 七寸ばかり管をねじ込んだ頃、硬い手応えを感じて鹿島は手を止めた。

「んんっ、んんうぅっ……!」

 親則の体がびくりと跳ねる。
 親則は自分でも何が起こったのかよくわからなかった。急に頭が真っ白になるような強い快楽を感じたのである。

「ああ、ここですね」

 言いながら鹿島は管をゆるゆると抜き差しした。

「んんっ! んむ、ぅぅ……っ! ううっ!」

 管を抜き差しされるたびに親則の体はびくりと震える。尿道を広げられている痛みも異物感も、全て快楽が塗りつぶしていく。

「どうですか、犬吠森殿。気持ちよいでしょう?」
「んぅぅっ! う、うぅ! むぅ、んんっ……!」

 今まで味わったことのないほど強い快楽を一方的に与えられ、それを拒むように親則は首を振る。
 しかし鹿島はそれが見えていないかのように管の抜き差しを繰り返し、親則が喘ぐのを楽しげに見つめていた。

「魔羅にこんなものをねじ込まれて気持ちがよくなるなどと、なんて変わった御人でしょう」
「んうぅぅ、んんんんっ……!」

 ごりごりと前立腺を刺激され続け、一際大きく体を震わせて親則は達した。
 それにも構わず鹿島は管を動かし続ける。

「こうすると気持ちよいのですか? ならばもっとしてあげます」
「んんんぅっ……! んぅっ!」

 大きな声をあげてまた親則は達した。

「んんん……っ! んう、ううぅ……っ!」

 強制的にいかされ続ける苦しみに親則はやめてくれと懇願しそうになったが、縛られて急所を押さえ込まれ、口枷をされているのではろくな抵抗もできなかった。
 何度も繰り返し達し続け、親則が失神する寸前で鹿島はやっと手を止めた。

「う、ぅ……」
「まだ終わりではありませんよ」

 息も絶え絶えにぐったりとした様子の親則に言い、陽根に深々と入れられた管をさらに奥へと押し込んだ。

「んんんっ……!」

 尿道の奥、膀胱との境にある弁を押され、尿の漏れそうな感覚に親則は喘いだ。

「おや、犬吠森殿は小便がしたいのですか? いいですよ、ここに出してください」

 言うと鹿島はそばに置いていた枡を親則の前に置き、漏斗の付いているほうの管の先を枡の中にやった。

「んぅ……! んんっ……!」

 鹿島は何回か弁を突くようにすると、力を込めて弁を無理矢理こじ開けた。

「んんぅっ……!」

 弁を力づくでこじ開けられた親則は苦悶の声を漏らす。
 管は膀胱まで達し、やがて枡の中の管からちょろちょろと尿が出始める。尿は次第に勢いを増し、枡の中を満たしていった。

「んぅ、んっ……」

 己の意思と関係なく膀胱に溜まっていた尿が排泄され、押し留めようと抵抗するも管を締め付けるだけだった。
 枡を八割ほど満たしたところで尿は全部出たようで、管から何も出てこなくなった。

「おお、沢山溜まっていましたね」

 鹿島は尿の入った枡をまじまじと眺めながら言い、枡を手に取った。
 そして管の先の漏斗を持つと、親則の耳元で囁く。

「これを注いだらどうなると思います?」
「んっ……!」

 親則が抵抗するより先に、鹿島は枡を傾けて、今出したばかりの尿を漏斗の中に注いだ。

「んんぅ……!」

 管を通って膀胱に尿が注がれ、膀胱が膨らんで尿意を催す。
 一度体の外に出した尿を体内に戻される不快感に親則は嫌がるように呻く。

「では、また出してみましょうか」

 言うと鹿島は枡を床に置き、その中に管の先を向けた。
 びちゃびちゃと水音を立てながらまた尿が排泄される。

「はは、面白いですね。勝手に小便が出てくるとは。ほら、もう一度」

 鹿島は再び枡に溜まった尿を漏斗に注いだ。

「んんっ、んんっ……!」

 親則は体を捩って抵抗してみせたが、鹿島はびくともしなかった。
 じわじわと膀胱が膨らみ、親則の意思とは関係なく尿意が湧き出てくる。

「また小便をしたくなってしまいますね。こうしてみるのはどうでしょう」

 言って鹿島は懐から小指の先ほどの小さな楊枝を取り出した。片側は中ほどまで割かれており、二股になっている。
 二股に分かれたほうを開いて管を挟みこむと、管を押し潰すような形になる。
 鹿島はそろりと親則の脇腹に手を伸ばして力を込めた。

「んんんっ……!」

 尿でいっぱいになった膀胱を刺激されても、尿道も、膀胱から尿道に至る弁もこじ開けられているというのに尿を出すことはできなかった。

「んんっ! んむ、ぅっ!」

 膀胱を押されるたびに親則は上擦った声を上げてひいひいと喘ぐ。

「小便を出したいですか、犬吠森殿。俺を楽しませてくれたら出してよいですよ」

 鹿島はそう言うと足の上から親則をどかしてうつ伏せに転がした。
 親則の前に膝立ちになると、着物の上からでもわかるほど大きく怒張した陽根を見せつけるように撫でる。それから裾と下帯をはだけて陽根を露わにした。
 鹿島は親則の髪を掴んで顔を上げさせ、口枷を取る。
 口の中に溜まっていた唾を吐き出しながら親則がせき込むと、その開いた口に陽根を捩じ込んだ。

「んんぅ……っ!」
「歯を立てたら、犬吠森殿の魔羅を切り落として犬に食わせますよ」

 言いながら鹿島は腰を動かし、親則の口内を蹂躙する。

「んぅっ、んむ、んんっ……ぅ」

 喉の奥まで陽根を突き入れ、抜いてはまた奥深くまで突き上げる。
 力尽くで行われる口淫だったが、親則の体は疼き始めていた。
 股に縄をかけられて結び目が後孔に当たり、じわじわと入り口だけが刺激され続けているのだ。
 後孔に異物を埋め込んで快楽を得ることを覚え込まされ、媚薬で浮かされた体は何でもいいから入れてほしいと言っている。
 口に入れられた鹿島の陽根の大きさを感じ、これを後孔にねじ込まれたいという欲で親則の頭はいっぱいだった。
 それがどんなに浅ましいことかわかっていながら、それしか考えられぬのである。

「う、んっ……、むっ、んんぅっ……!」
「そろそろ出しますよ、犬吠森殿」

 息を荒げた鹿島は言うと、親則の右目を塞いでいた眼帯の紐に手をかける。
 眼帯をずらし目玉のなくなった眼窩を露わにすると、口から陽根を引き抜き眼窩に突っ込んだ。

「あ、あああああっ……!」

 どくりと鹿島の陽根から吐き出された精は親則の眼窩を汚した。眼窩に収まりきらずにこぼれた精が、涙の雫のように頬を伝う。
 鹿島は親則の髪を掴んでいた手を離すと、親則は力なく床に倒れた。

「失礼。穴があったら入れたいと思うのが男の性ですから」

 鹿島は言うと親則を仰向けに転がし、陽根に入れられたままの管に手を伸ばした。

「あ、ああっ……!」

 管をゆっくりと引き抜かれ、我慢していた尿を一気に出すような感覚に襲われて親則は声を漏らす。

「う、んっ……!」

 時間をかけて管を全て抜き取ると、鹿島は不思議そうな顔をして親則を見やった。

「おや、あれほど小便をしたかったというのにしないのですか?」

 鹿島にはこれ以上ないほどの痴態を見られたが、それでも人前で排泄するのは大きな抵抗がある。
 そんな親則の心のうちを知ってか知らずか、鹿島は言葉を続けた。

「では手伝って差し上げます」

 言うと鹿島は足を上げ、親則の下腹部をぐりぐりと踏みつけた。

「あ、ああっ……!」

 最初のほうこそ耐えていたものの、大量の尿を溜め込んだ膀胱はいつまでも排泄を我慢できるものではなく、萎れた親則の陽根から尿が噴き出した。
 親則はそれを押しとどめようとしたが勢いは止まらなかった。
 尿は板張りの床を濡らして水溜まりを作り、段々とそれを広げていく。
 それから逃げるように鹿島は身を引いた。

「う、ぅっ……」

 やがて尿をすべて出し切り、また鹿島に排泄を見られたという羞恥と屈辱に親則は目を伏せた。

「沢山出しましたね、犬吠森殿。部屋も汚れてしまいましたし、今日はこの辺で終わりにしましょう」

 言って鹿島は部屋から出ようと歩き出した。

「っ……」

 媚薬で高ぶった体はまだ刺激を求めている。縄の結び目で刺激されるだけでは足りぬと後孔が疼いているというのに、このまま放っておかれるというのか。
 その背に向かって思わず口を開きかけたが親則に残った矜持がそれを止めた。
 鹿島は振り返りもせずに部屋から出ていき、それと入れ替わりに鹿島の部下が入ってきた。
 尿に濡れた親則の体に水桶の水をかけると、牢の中まで引きずっていった。
 親則の手を縛っていた縄を解くとその手に袋をかぶせて錠をかける。
 それから親則の陽根の根元を締め付けすぎないよう革紐で縛った。
 股に掛けられた縄はそのままだった。
 作業を終えた部下は牢に錠を下ろし、部屋から出ていった。

「ん、ぅ……」

 半端に焦らされ、欲を持て余した親則の呻きだけが暗い部屋に響いた。
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