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第7話
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「見間違いだったのかな……」
ロニーが見たという人影を探していたアウレリオだったが、しばらく探してもそれらしい人間は見当たらなかった。
収穫のないまま帰るのかとアウレリオはため息をついた。
「……イングヴァルさん、急にどうしたんだろう。俺には優しかったのに」
あの二人に出会ってからのイングヴァルは、まるで威嚇でもするかのように刺々しい雰囲気をまとっていた。
――僕が言えた義理じゃないが、この森に来るのはろくな奴じゃない。
確かに、その言葉には一理ある。
教会の言葉を無視して勝手にこの森に入る冒険者は、竜の持つ宝を狙っている。あの二人とて同じだろう。
しかし、だからといって怪我人を見捨てることはしたくなかった。
それにイングヴァルはアウレリオによくしてくれたのだ。
「怪我も演技だなんて、そんな……」
アウレリオは俯きながら三人の元に戻ろうとしていた。
その時、不意に禍々しい魔力を感じて顔を上げた。
イングヴァルのものではないし、マルクもロニーも魔法が使えるようには見えなかった。
何かがおかしい。
アウレリオは駆け出した。
そして森を抜けて川岸に辿り着く。
倒れたイングヴァルを引きずっているロニーに、こちらに気付くと変な笑い方をして歩み寄ってくるマルク。
「ど、どうしたんですか……。ロニーさん、足、怪我してたんじゃ……」
何が起きているのかわからず、アウレリオは震えた声で二人に尋ねた。
自分はとんでもない間違いを犯してしまったのではないか、という点だけははっきりしていた。
「違うんです坊ちゃん、魔物が突然襲ってきて、旦那がやられちまったんですわ。こっちに逃げましょう」
マルクが手を差し出す。
アウレリオは距離を取るように一歩下がった。
「嘘、嘘だ……」
この状況全てが嘘であってほしいと願うように口にする。
「俺たちが嘘つきだって今更気付いたんですか、坊ちゃん」
感情のない声でマルクは言い、腕を振り上げる。
その手に持っているのはナイフだった。刃が陽の光を反射して白く輝く。
呆然とする。
自分の力は人間に向けてはいけない。
師匠は自分にそう教えた。
しかし、目の前の男は自分にナイフを向けている。
イングヴァルを置いて逃げることもできない。
白刃が振り下ろされるのがやけにゆっくりに見えた。
その瞬間、駆け出してきたイングヴァルが庇うように自分の前に立った。
そして、今までに見たことのないほどの力を使い、マルクとロニーを瞬く間に氷漬けにした。
イングヴァルが呻き声をあげて地面に崩れ落ちる。
アウレリオは慌ててその体を抱き起こした。
「イングヴァルさん!」
アウレリオはイングヴァルを抱き起こして声をかける。
腹部には深々とナイフが刺さっていた。
ナイフから染み出した赤黒い呪いが根を張っており、今も少しずつ根を伸ばしている。
これほどの呪いは高位の祈祷師でないと扱えない。
自分にはどうしようもない。
しかし、早く呪いを解かないと彼の命が尽きてしまうのも明白だった。
自分が間違ったからだ。
自分が彼の言うことを聞いていればこんなことにはならなかった。
後悔と絶望に体が冷えていく。
「あぁ、アウレリオ……。僕としたことが、あんな奴らにやられてしまったよ……」
弱弱しい声でイングヴァルは言い、力なく笑った。
その目は焦点が合っていない。
「ごめんなさい、俺が、俺が……」
アウレリオの視界が滲み、透明な滴が頬を伝う。
「泣かなくたって、いいじゃないか。僕が君を泣かしたみたいだ」
拗ねるようにイングヴァルは言う。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
壊れたように泣きじゃくりながら謝罪の言葉を繰り返すアウレリオを、イングヴァルは見つめていた。
「やだ、死なないで……!」
アウレリオの言葉を聞き、イングヴァルは一瞬だけ意外そうな顔をして、穏やかな笑みを見せて目を閉じた。
「イングヴァルさん!」
アウレリオは慌てて口元に手をやって呼吸を確認する。
まだ息がある。
アウレリオは決意したように涙を拭って立ち上がった。
「待ってて、あと少しだから……!」
アウレリオはいよいよ意識を失ったイングヴァルに肩を貸すようにして、洞窟の中を進んでいた。
自分より背の高いイングヴァルはどうしても持ち上げられなくて、その足をずるずると引きずってしまう。
自分がもっと大人だったら、こんなこともなかったのに。
自分がもっと大人だったら、この人が傷を負うこともなかったのに。
「待ってて……」
何を言ってもイングヴァルには聞こえていないのはわかっているけれど、自分のために言わずにいられなかった。
道標のように鈍く光る水晶の明かりを頼りに、アウレリオは奥へと進んでいく。
早く進まなくてはいけないのに視界はずっと滲んでいるし、勝手に喉の奥から漏れる嗚咽が洞窟の中に響いて、一層心細くなる。何をしても無駄だと諦めそうになる。
――君はいい人間だ。
この人はそう言ってくれたのに。
――助けられた僕が言おう。君はいいことをしたんだよ。
こんな終わり方ってない。
こんなんじゃ全然、胸を張れない。
「初めて、褒めてくれたのに……」
師匠以外の教会の人間は自分を遠巻きに眺めるばかりで、誰も口をきいてくれなかった。
師匠の言うとおりにしていれば一人前になれると思っていた。
そんな自分が、初めて自分で考えて行動した。
たまたま会っただけの人を見捨てることができなくて、咄嗟に手を差し出した。
それを褒めてくれたのだ。
なのに、なんで。
どうして自分の誤りでこの人がこんな目に遭わなくてはいけないのだ。
正しくないかもしれないけど、正しいことを言っていたのに。
自分はそれを信じられずにこの人を一人にしてしまった。
この森に来る人間は確かにみんな悪い連中かもしれない。
でも、この人は優しくしてくれたから勘違いしてしまった。
それに、困っている人を助けるのはいいことだと思っていたから。
それを裏切る人間には会ったことがなかったから。
何が早く大人になりたい、だ。
自分は何も知らない、何もできない子供じゃないか。
「何だっていい、この人だけは……」
絞り出すように言い、アウレリオは先に進んだ。
そして、アウレリオは家に辿り着いた。
視界が開け、そこには大きな空間が広がっている。
辺りを埋め尽くすほどの金貨に、山のように積まれた金塊、細かい彫刻の施された宝飾品。それらが魔力を帯びて金色に輝く光に、宝石が照らされて煌めいていた。
その中に巨大な骨があった。
翼を持つ巨竜の骨が宝に囲まれて眠っている。
アウレリオは空いている場所にイングヴァルの体をそっと横たえる。
その胸に手を当て、わずかに上下しているのを確かめるとほっと息をついた。
それから頬を撫でるようにそっと触れた。
彼の体は相変わらず氷に触れているように冷たい。
全部が終わったら、その秘密を知りたいと思った。
アウレリオは立ち上がって竜の骨まで駆け寄った。一際大きい頭蓋骨に縋るように抱きつき、口を開く。
「お父さん、俺、どうしてもあの人を助けたい。だから使うね」
アウレリオはそういうと、金貨の山を頂上目指して登り始めた。
崩れる金貨に足を取られてなかなか進めなかったものの、這うようにしてなんとか辿り着いた。
竜の集めた財宝の中で一番の宝。
あらゆる願いをかなえる琥珀。
神の血を閉じ込めたと言われるそれは、燃える炎のように輝いていた。
手のひらほどのそれを取ると、すぐにイングヴァルの元に取って返した。
アウレリオはイングヴァルの横に膝をつくと、彼に話しかけた。
「ごめんなさい、あなたにも叶えたいものがあったのに……」
アウレリオは自分のわがままを詫びると、手に持った琥珀に魔力を流した。それを受けて、琥珀は一層燃え盛るように輝いた。
「この人を助けて……!」
琥珀はその願いを聞き届けたように輝きを増し、辺りを眩い光が覆った。
ロニーが見たという人影を探していたアウレリオだったが、しばらく探してもそれらしい人間は見当たらなかった。
収穫のないまま帰るのかとアウレリオはため息をついた。
「……イングヴァルさん、急にどうしたんだろう。俺には優しかったのに」
あの二人に出会ってからのイングヴァルは、まるで威嚇でもするかのように刺々しい雰囲気をまとっていた。
――僕が言えた義理じゃないが、この森に来るのはろくな奴じゃない。
確かに、その言葉には一理ある。
教会の言葉を無視して勝手にこの森に入る冒険者は、竜の持つ宝を狙っている。あの二人とて同じだろう。
しかし、だからといって怪我人を見捨てることはしたくなかった。
それにイングヴァルはアウレリオによくしてくれたのだ。
「怪我も演技だなんて、そんな……」
アウレリオは俯きながら三人の元に戻ろうとしていた。
その時、不意に禍々しい魔力を感じて顔を上げた。
イングヴァルのものではないし、マルクもロニーも魔法が使えるようには見えなかった。
何かがおかしい。
アウレリオは駆け出した。
そして森を抜けて川岸に辿り着く。
倒れたイングヴァルを引きずっているロニーに、こちらに気付くと変な笑い方をして歩み寄ってくるマルク。
「ど、どうしたんですか……。ロニーさん、足、怪我してたんじゃ……」
何が起きているのかわからず、アウレリオは震えた声で二人に尋ねた。
自分はとんでもない間違いを犯してしまったのではないか、という点だけははっきりしていた。
「違うんです坊ちゃん、魔物が突然襲ってきて、旦那がやられちまったんですわ。こっちに逃げましょう」
マルクが手を差し出す。
アウレリオは距離を取るように一歩下がった。
「嘘、嘘だ……」
この状況全てが嘘であってほしいと願うように口にする。
「俺たちが嘘つきだって今更気付いたんですか、坊ちゃん」
感情のない声でマルクは言い、腕を振り上げる。
その手に持っているのはナイフだった。刃が陽の光を反射して白く輝く。
呆然とする。
自分の力は人間に向けてはいけない。
師匠は自分にそう教えた。
しかし、目の前の男は自分にナイフを向けている。
イングヴァルを置いて逃げることもできない。
白刃が振り下ろされるのがやけにゆっくりに見えた。
その瞬間、駆け出してきたイングヴァルが庇うように自分の前に立った。
そして、今までに見たことのないほどの力を使い、マルクとロニーを瞬く間に氷漬けにした。
イングヴァルが呻き声をあげて地面に崩れ落ちる。
アウレリオは慌ててその体を抱き起こした。
「イングヴァルさん!」
アウレリオはイングヴァルを抱き起こして声をかける。
腹部には深々とナイフが刺さっていた。
ナイフから染み出した赤黒い呪いが根を張っており、今も少しずつ根を伸ばしている。
これほどの呪いは高位の祈祷師でないと扱えない。
自分にはどうしようもない。
しかし、早く呪いを解かないと彼の命が尽きてしまうのも明白だった。
自分が間違ったからだ。
自分が彼の言うことを聞いていればこんなことにはならなかった。
後悔と絶望に体が冷えていく。
「あぁ、アウレリオ……。僕としたことが、あんな奴らにやられてしまったよ……」
弱弱しい声でイングヴァルは言い、力なく笑った。
その目は焦点が合っていない。
「ごめんなさい、俺が、俺が……」
アウレリオの視界が滲み、透明な滴が頬を伝う。
「泣かなくたって、いいじゃないか。僕が君を泣かしたみたいだ」
拗ねるようにイングヴァルは言う。
「ごめんなさい、ごめんなさい……」
壊れたように泣きじゃくりながら謝罪の言葉を繰り返すアウレリオを、イングヴァルは見つめていた。
「やだ、死なないで……!」
アウレリオの言葉を聞き、イングヴァルは一瞬だけ意外そうな顔をして、穏やかな笑みを見せて目を閉じた。
「イングヴァルさん!」
アウレリオは慌てて口元に手をやって呼吸を確認する。
まだ息がある。
アウレリオは決意したように涙を拭って立ち上がった。
「待ってて、あと少しだから……!」
アウレリオはいよいよ意識を失ったイングヴァルに肩を貸すようにして、洞窟の中を進んでいた。
自分より背の高いイングヴァルはどうしても持ち上げられなくて、その足をずるずると引きずってしまう。
自分がもっと大人だったら、こんなこともなかったのに。
自分がもっと大人だったら、この人が傷を負うこともなかったのに。
「待ってて……」
何を言ってもイングヴァルには聞こえていないのはわかっているけれど、自分のために言わずにいられなかった。
道標のように鈍く光る水晶の明かりを頼りに、アウレリオは奥へと進んでいく。
早く進まなくてはいけないのに視界はずっと滲んでいるし、勝手に喉の奥から漏れる嗚咽が洞窟の中に響いて、一層心細くなる。何をしても無駄だと諦めそうになる。
――君はいい人間だ。
この人はそう言ってくれたのに。
――助けられた僕が言おう。君はいいことをしたんだよ。
こんな終わり方ってない。
こんなんじゃ全然、胸を張れない。
「初めて、褒めてくれたのに……」
師匠以外の教会の人間は自分を遠巻きに眺めるばかりで、誰も口をきいてくれなかった。
師匠の言うとおりにしていれば一人前になれると思っていた。
そんな自分が、初めて自分で考えて行動した。
たまたま会っただけの人を見捨てることができなくて、咄嗟に手を差し出した。
それを褒めてくれたのだ。
なのに、なんで。
どうして自分の誤りでこの人がこんな目に遭わなくてはいけないのだ。
正しくないかもしれないけど、正しいことを言っていたのに。
自分はそれを信じられずにこの人を一人にしてしまった。
この森に来る人間は確かにみんな悪い連中かもしれない。
でも、この人は優しくしてくれたから勘違いしてしまった。
それに、困っている人を助けるのはいいことだと思っていたから。
それを裏切る人間には会ったことがなかったから。
何が早く大人になりたい、だ。
自分は何も知らない、何もできない子供じゃないか。
「何だっていい、この人だけは……」
絞り出すように言い、アウレリオは先に進んだ。
そして、アウレリオは家に辿り着いた。
視界が開け、そこには大きな空間が広がっている。
辺りを埋め尽くすほどの金貨に、山のように積まれた金塊、細かい彫刻の施された宝飾品。それらが魔力を帯びて金色に輝く光に、宝石が照らされて煌めいていた。
その中に巨大な骨があった。
翼を持つ巨竜の骨が宝に囲まれて眠っている。
アウレリオは空いている場所にイングヴァルの体をそっと横たえる。
その胸に手を当て、わずかに上下しているのを確かめるとほっと息をついた。
それから頬を撫でるようにそっと触れた。
彼の体は相変わらず氷に触れているように冷たい。
全部が終わったら、その秘密を知りたいと思った。
アウレリオは立ち上がって竜の骨まで駆け寄った。一際大きい頭蓋骨に縋るように抱きつき、口を開く。
「お父さん、俺、どうしてもあの人を助けたい。だから使うね」
アウレリオはそういうと、金貨の山を頂上目指して登り始めた。
崩れる金貨に足を取られてなかなか進めなかったものの、這うようにしてなんとか辿り着いた。
竜の集めた財宝の中で一番の宝。
あらゆる願いをかなえる琥珀。
神の血を閉じ込めたと言われるそれは、燃える炎のように輝いていた。
手のひらほどのそれを取ると、すぐにイングヴァルの元に取って返した。
アウレリオはイングヴァルの横に膝をつくと、彼に話しかけた。
「ごめんなさい、あなたにも叶えたいものがあったのに……」
アウレリオは自分のわがままを詫びると、手に持った琥珀に魔力を流した。それを受けて、琥珀は一層燃え盛るように輝いた。
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