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第2話
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「さて、どうするか……。森に入って二日は歩いていたからな。今日中に最寄りの街まで行くのは無理だ。近くに教会の拠点はないのかい?」
「ここから北の川沿いに、調査するときに使っている拠点があったはずです」
言ってアウレリオは湖の対岸を指した。
そして二人は湖を見て考え込んだ。
この湖は東西に細長く、対岸に行くのに湖沿いを進むと夜までかかりそうだった。
野宿もできないではないが、魔物がうろついている中では安心して眠れそうもない。拠点があるというならそれを利用しないわけにはいかなかった。
「こう、まっすぐ進めればいいわけだ」
イングヴァルはこう進みたい、と進路を示すように湖の対岸を手で指した。
「すみません、思ったより傷が深くて……。しばらくは飛べそうにない」
アウレリオはしゅんと落ち込んだように言う。
「いいさ。鳥の翼は芸術品のように繊細だ。無理はさせないよ。ところで、君は魔法か何か使えるかい?」
「……炎の魔法なら、いくつか……」
歯切れ悪くアウレリオは答えた。苦手なのかもしれない。
「なるほど、なるほど」
イングヴァルは一人でうんうんと頷くと、アウレリオのほうに向き直った。
「まっすぐ進む方法、あるよ」
「あるんですか?」
「ああ」
アウレリオの問いかけにイングヴァルは自信ありげに頷いた。
「どうやって……」
「条件がある」
「条件?」
首をかしげながらおうむ返しにアウレリオが言う。
イングヴァルは頷いて口を開いた。
「一つ、僕を見逃してほしい。そしてもう一つ、僕のことを誰にも言わないでもらいたい。教会の仲間たちにもね」
イングヴァルの提案に、アウレリオは少し考える素振りを見せた。
「僕からも、いいですか」
「何だい?」
「あなたは、俺の翼を見たでしょう。誰にも言わないで。あなたの命を助けたんだから、それくらいはしたっていいはずです」
イングヴァルはわずかに驚いたように眉を上げたが、長い前髪がそれを隠していた。
「じゃあ話は簡単だ。無事に事が済んだら僕たちは出会わなかったことにしよう。拠点には時間差で入って、知らないふりだ。それで君も、僕も安心できる」
アウレリオはイングヴァルの言葉を咀嚼するように考え、やがては頷いた。
「そうしましょう。不法侵入者を見逃すのは残念ですが……」
「無事に帰れたら、僕に偽の許可証を売った奴を教えるよ」
「それはいいですね。師匠が喜ぶ」
言って、アウレリオは目を細めて微笑んだ。
日差しを浴びてきらきら輝く金髪に、宝石のような青緑の目。
髪を後ろに撫でつけているおかげで凛とした印象を受けたが、笑みを見せると途端に人懐こく感じる。
彼の見せる初めての笑顔だった。
その笑顔につられてイングヴァルも口の端を釣り上げた。
「よし、じゃあ始めよう」
イングヴァルは水際まで近付くと、水面に足を踏み出した。
まさか泳ぐのではあるまいな、とアウレリオが声を上げようとした。
イングヴァルの足が水面に触れると湖の水は音を立てながら凍り始め、対岸までの最短距離を結ぶように一直線に氷の道ができた。
「ほら、行こう」
イングヴァルは氷の道を顎で示した。
「…………」
アウレリオは目をぱちくりさせながらイングヴァルと氷の道を交互に見ていた。
「早く。日が暮れてしまうよ」
イングヴァルはそう言ってアウレリオを促すと、氷の道に足を踏み入れた。
アウレリオもイングヴァルに続いて、恐る恐る氷の道に足を乗せた。分厚い氷は体重をしっかりと受け止め、割れる心配もなさそうと判断して次の一歩を踏み出す。
氷の道には暑い密林には縁がない冷気が満ちており、その涼しさが心地よかった。
アウレリオは滑らないように小走りでイングヴァルの隣に並ぶと、自分より背の高い彼の顔を不思議そうに見つめていた。
「こんなに大がかりな魔法を呪文なしで、どうやって……。魔法使いには見えないのに」
「君の翼の秘密を教えてくれたら答えよう」
イングヴァルは言ってアウレリオを牽制した。
詮索されたくないのならば詮索するな、不可侵であれということだ。
それを察したのか、アウレリオはそれ以上言うことはなかった。
「北の拠点とやらはどの程度のものなんだい?」
「幕舎が何個かあって、治療師も含めて十人ほどが常駐してます。食料や薬も蓄えがあります。明日か明後日には交代する人が来ますから、あなたも一緒に森を出ればいいでしょう」
「それはいい。屋根があるのは心強い。それで温かいスープが飲めたら最高だ」
翼を使って飛んで汗ばんでいたアウレリオは、寒くもないのに熱いスープを飲む気なのかと訝しげにイングヴァルを見ていた。
「……あなたも森から出るんですよ」
ちゃんとわかっているのかとアウレリオは念押しした。
「それは困る。僕だって目的があってこの森に来たんだ」
「どうせ宝探しでしょう。ありませんよ、そんなもの」
「それを誰が確認したんだい? まさか神様と言うんじゃあるまいな」
「…………」
上手い返しが見つからなかったのか、アウレリオは黙り込んでしまった。
「拠点には行くが、それまでだ。僕は僕でやらせてもらう」
「命を助けてあげて、食べ物や寝る場所まで用意するのに」
アウレリオの言葉に、イングヴァルは苦い顔をした。
それを好機と見たのかアウレリオは言葉を続ける。
「こっちだって迷惑してるんですよ。立ち入り禁止だって言ってるのに無断で入るし、偽の許可証を作って売り捌くし……。それで怪我した冒険者は毎日のように駆け込んでくる。死体で見つかる。回収して、ちゃんとお葬式を出してお墓に埋めてる。お金ももらってないのに」
良心に訴えかけるようなアウレリオの言葉にイングヴァルは後ろめたいものを感じるのか、ひきつった笑みを浮かべていた。
「困っているなら許可証を売ればいいじゃないか。禁止というから破りたくなるんだ、人間ってものは。ルールを整備してその中で管理すればいい。金も儲かる。いいこと尽くめじゃないか」
「お金を稼ぐようになると、そのお金で悪いことをする人が出るからやらないんだって、師匠が言ってました」
「教会の人間が性悪説を説くとはね」
「……教会だって、いい人ばかりではないですよ」
不満げにアウレリオは言った。
アウレリオの様子でこの話題は潮時だと判断したイングヴァルは、何か話題がないものかと辺りを見渡した。
日差しは橙色に染まりつつある。
湖は心地よい水の音に満ち、その光が水面に反射してきらきらと輝いていた。遠くには水鳥が泳いでいて、時折魚が跳ねている。
こんな状況でなければ素直に綺麗と思えるものを。イングヴァルは残念がった。
不意に、水面が大きく波打って音を立てた。見れば近くでいくつかの波紋が広がっている。
その中心に何があるのかと見つめていると、突然巨大な水柱が吹き上がった。
「走れ!」
言うが早いかイングヴァルは駆け出した。
アウレリオも異変を察知して走り出そうとする。しかし、つるつるとした氷に靴底が負けてしまい一歩目から滑って尻餅をついてしまった。
「いたた……」
「大丈夫か!」
イングヴァルはアウレリオに手を差し出しながら水柱の様子を窺った。
すると、一際大きな水柱が吹き上がる。
その中に大きな影が揺らめいていた。
水が重力に従って落ちると、影の正体があらわになる。
異様な化け物だった。見上げるほど巨大な乳白色の蛞蝓に何個もひれが生えたような形をしている。
頭部には水を集めたような青色の石が埋まっていた。
蛞蝓は体を持ち上げると、勢いをつけてうねりながら体を水面に叩きつけた。まるで鯨のようだ。
大きな体がぶつかって派手に水飛沫が上がり、水面は大きく波打つ。
水面のうねりによって氷の道は砕け、二人は伏せて重心を低くして今いる氷の上から落ちないようにする。
二人はぽつんと浮かぶ氷の上で完全に孤立してしまった。
「ど、どうすれば……」
アウレリオが不安そうな顔でイングヴァルに尋ねる。水の中では魔物が圧倒的に有利で、ここからすぐに、かつ無事に脱出できる方法はなさそうだった。
「……すまない、魔物を刺激してしまったようだ。君はここにいてくれ。僕が何とかしよう」
言ってイングヴァルは水に足を踏み出すと、また氷の道を作りながら駆け出した。
「何とかって……」
また大きな波が押し寄せ、氷が揺れるのをアウレリオは落ちないように気を付けた。
どの道、これでは何もできまい。
「まあ、いかにも怪しい男だし。もっと力を使えば何かわかるかもしれないな……」
そしてアウレリオはある可能性に思い至った。
「これであの人が魔物に負けたら、俺はどうなるんだ?」
湖にぽつんと浮かぶ氷の浮島の上で、アウレリオは不安に駆られた。
「ここから北の川沿いに、調査するときに使っている拠点があったはずです」
言ってアウレリオは湖の対岸を指した。
そして二人は湖を見て考え込んだ。
この湖は東西に細長く、対岸に行くのに湖沿いを進むと夜までかかりそうだった。
野宿もできないではないが、魔物がうろついている中では安心して眠れそうもない。拠点があるというならそれを利用しないわけにはいかなかった。
「こう、まっすぐ進めればいいわけだ」
イングヴァルはこう進みたい、と進路を示すように湖の対岸を手で指した。
「すみません、思ったより傷が深くて……。しばらくは飛べそうにない」
アウレリオはしゅんと落ち込んだように言う。
「いいさ。鳥の翼は芸術品のように繊細だ。無理はさせないよ。ところで、君は魔法か何か使えるかい?」
「……炎の魔法なら、いくつか……」
歯切れ悪くアウレリオは答えた。苦手なのかもしれない。
「なるほど、なるほど」
イングヴァルは一人でうんうんと頷くと、アウレリオのほうに向き直った。
「まっすぐ進む方法、あるよ」
「あるんですか?」
「ああ」
アウレリオの問いかけにイングヴァルは自信ありげに頷いた。
「どうやって……」
「条件がある」
「条件?」
首をかしげながらおうむ返しにアウレリオが言う。
イングヴァルは頷いて口を開いた。
「一つ、僕を見逃してほしい。そしてもう一つ、僕のことを誰にも言わないでもらいたい。教会の仲間たちにもね」
イングヴァルの提案に、アウレリオは少し考える素振りを見せた。
「僕からも、いいですか」
「何だい?」
「あなたは、俺の翼を見たでしょう。誰にも言わないで。あなたの命を助けたんだから、それくらいはしたっていいはずです」
イングヴァルはわずかに驚いたように眉を上げたが、長い前髪がそれを隠していた。
「じゃあ話は簡単だ。無事に事が済んだら僕たちは出会わなかったことにしよう。拠点には時間差で入って、知らないふりだ。それで君も、僕も安心できる」
アウレリオはイングヴァルの言葉を咀嚼するように考え、やがては頷いた。
「そうしましょう。不法侵入者を見逃すのは残念ですが……」
「無事に帰れたら、僕に偽の許可証を売った奴を教えるよ」
「それはいいですね。師匠が喜ぶ」
言って、アウレリオは目を細めて微笑んだ。
日差しを浴びてきらきら輝く金髪に、宝石のような青緑の目。
髪を後ろに撫でつけているおかげで凛とした印象を受けたが、笑みを見せると途端に人懐こく感じる。
彼の見せる初めての笑顔だった。
その笑顔につられてイングヴァルも口の端を釣り上げた。
「よし、じゃあ始めよう」
イングヴァルは水際まで近付くと、水面に足を踏み出した。
まさか泳ぐのではあるまいな、とアウレリオが声を上げようとした。
イングヴァルの足が水面に触れると湖の水は音を立てながら凍り始め、対岸までの最短距離を結ぶように一直線に氷の道ができた。
「ほら、行こう」
イングヴァルは氷の道を顎で示した。
「…………」
アウレリオは目をぱちくりさせながらイングヴァルと氷の道を交互に見ていた。
「早く。日が暮れてしまうよ」
イングヴァルはそう言ってアウレリオを促すと、氷の道に足を踏み入れた。
アウレリオもイングヴァルに続いて、恐る恐る氷の道に足を乗せた。分厚い氷は体重をしっかりと受け止め、割れる心配もなさそうと判断して次の一歩を踏み出す。
氷の道には暑い密林には縁がない冷気が満ちており、その涼しさが心地よかった。
アウレリオは滑らないように小走りでイングヴァルの隣に並ぶと、自分より背の高い彼の顔を不思議そうに見つめていた。
「こんなに大がかりな魔法を呪文なしで、どうやって……。魔法使いには見えないのに」
「君の翼の秘密を教えてくれたら答えよう」
イングヴァルは言ってアウレリオを牽制した。
詮索されたくないのならば詮索するな、不可侵であれということだ。
それを察したのか、アウレリオはそれ以上言うことはなかった。
「北の拠点とやらはどの程度のものなんだい?」
「幕舎が何個かあって、治療師も含めて十人ほどが常駐してます。食料や薬も蓄えがあります。明日か明後日には交代する人が来ますから、あなたも一緒に森を出ればいいでしょう」
「それはいい。屋根があるのは心強い。それで温かいスープが飲めたら最高だ」
翼を使って飛んで汗ばんでいたアウレリオは、寒くもないのに熱いスープを飲む気なのかと訝しげにイングヴァルを見ていた。
「……あなたも森から出るんですよ」
ちゃんとわかっているのかとアウレリオは念押しした。
「それは困る。僕だって目的があってこの森に来たんだ」
「どうせ宝探しでしょう。ありませんよ、そんなもの」
「それを誰が確認したんだい? まさか神様と言うんじゃあるまいな」
「…………」
上手い返しが見つからなかったのか、アウレリオは黙り込んでしまった。
「拠点には行くが、それまでだ。僕は僕でやらせてもらう」
「命を助けてあげて、食べ物や寝る場所まで用意するのに」
アウレリオの言葉に、イングヴァルは苦い顔をした。
それを好機と見たのかアウレリオは言葉を続ける。
「こっちだって迷惑してるんですよ。立ち入り禁止だって言ってるのに無断で入るし、偽の許可証を作って売り捌くし……。それで怪我した冒険者は毎日のように駆け込んでくる。死体で見つかる。回収して、ちゃんとお葬式を出してお墓に埋めてる。お金ももらってないのに」
良心に訴えかけるようなアウレリオの言葉にイングヴァルは後ろめたいものを感じるのか、ひきつった笑みを浮かべていた。
「困っているなら許可証を売ればいいじゃないか。禁止というから破りたくなるんだ、人間ってものは。ルールを整備してその中で管理すればいい。金も儲かる。いいこと尽くめじゃないか」
「お金を稼ぐようになると、そのお金で悪いことをする人が出るからやらないんだって、師匠が言ってました」
「教会の人間が性悪説を説くとはね」
「……教会だって、いい人ばかりではないですよ」
不満げにアウレリオは言った。
アウレリオの様子でこの話題は潮時だと判断したイングヴァルは、何か話題がないものかと辺りを見渡した。
日差しは橙色に染まりつつある。
湖は心地よい水の音に満ち、その光が水面に反射してきらきらと輝いていた。遠くには水鳥が泳いでいて、時折魚が跳ねている。
こんな状況でなければ素直に綺麗と思えるものを。イングヴァルは残念がった。
不意に、水面が大きく波打って音を立てた。見れば近くでいくつかの波紋が広がっている。
その中心に何があるのかと見つめていると、突然巨大な水柱が吹き上がった。
「走れ!」
言うが早いかイングヴァルは駆け出した。
アウレリオも異変を察知して走り出そうとする。しかし、つるつるとした氷に靴底が負けてしまい一歩目から滑って尻餅をついてしまった。
「いたた……」
「大丈夫か!」
イングヴァルはアウレリオに手を差し出しながら水柱の様子を窺った。
すると、一際大きな水柱が吹き上がる。
その中に大きな影が揺らめいていた。
水が重力に従って落ちると、影の正体があらわになる。
異様な化け物だった。見上げるほど巨大な乳白色の蛞蝓に何個もひれが生えたような形をしている。
頭部には水を集めたような青色の石が埋まっていた。
蛞蝓は体を持ち上げると、勢いをつけてうねりながら体を水面に叩きつけた。まるで鯨のようだ。
大きな体がぶつかって派手に水飛沫が上がり、水面は大きく波打つ。
水面のうねりによって氷の道は砕け、二人は伏せて重心を低くして今いる氷の上から落ちないようにする。
二人はぽつんと浮かぶ氷の上で完全に孤立してしまった。
「ど、どうすれば……」
アウレリオが不安そうな顔でイングヴァルに尋ねる。水の中では魔物が圧倒的に有利で、ここからすぐに、かつ無事に脱出できる方法はなさそうだった。
「……すまない、魔物を刺激してしまったようだ。君はここにいてくれ。僕が何とかしよう」
言ってイングヴァルは水に足を踏み出すと、また氷の道を作りながら駆け出した。
「何とかって……」
また大きな波が押し寄せ、氷が揺れるのをアウレリオは落ちないように気を付けた。
どの道、これでは何もできまい。
「まあ、いかにも怪しい男だし。もっと力を使えば何かわかるかもしれないな……」
そしてアウレリオはある可能性に思い至った。
「これであの人が魔物に負けたら、俺はどうなるんだ?」
湖にぽつんと浮かぶ氷の浮島の上で、アウレリオは不安に駆られた。
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