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第47話 オッサン齢53歳にして頓挫する。
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募集人員はすぐに埋まって翌朝にはダンジョンに集合していた。
「良いですね、皆さんくれぐれも勝手な行動を取らないように!
強制解雇になるような事態になった人には罰則金の支払いも発生します!」
笹かまが新しい人に説明してた。
前回の事を踏まえて罰則金が発生するようにしたらしい。
そんな俺たちを尻目にクビになった探索者達が次々とプレートを使ってダンジョンに潜って行く。
てっきり自分たちが活動してたダンジョンに戻るのかと思ったら、誰1人戻らなかった。
ボスをクリアしているので、他のダンジョンよりも下の階層に行きやすいのが理由らしい。
「それじゃあすぐに俺たちに追いつくんじゃないか?」
って聞いたら
「剣崎さんって自分の事過小評価し過ぎっすよ」
って言われた。
他の事はよく分からないが、うちのレベルの上がり方はかなり早いらしい。
そして、新しい人達との探索なので改めて1階から探索して行くのだが。
「ボスオーク居ないね」
「居ないっすね、申請無しのボス狩りは禁止なんすけど、俺が今こんな感じでダンジョン入っちゃってるから、強く言えないんすよねぇ」
「でも、他の人ボス倒す必要無いよね?」
「100パー嫌がらせっすね」
「次何時間後?」
「2時間っすね」
「それくらいならオーク狩りして時間潰して待とうか?」
「そっすね」
笹かまが皆んなに説明して、オーク狩りをすることにした。
オークに対抗出来る人達は個人で動いて魔石稼ぎ、そうじゃ無い人は俺たちと行動して少しでもレベルを上げるようにしようと思ったら、全員オークは厳しいと言い出した。
先に参加してた人達も俺たちと一緒に行動すると言う。
なぜに?
「普通はオークでもそれぐらい脅威な存在なんすよ、剣崎さんは一瞬で倒しちゃうから実感ないだけっす」
俺が首を傾げていたら、笹かまが説明してくれた。
「うーん」
「前に推奨レベル10くらいって言ったの覚えてないっすか?
あれって、ソロじゃなくてパーティ平均の話っすからね、ソロで推奨以下のレベルなのに余裕で倒せる剣崎さんが特殊な例っすからね」
俺がイマイチ納得してない顔をしてたら、笹かまからさらに説明が入った。
「あと、前から思ってたんすけど、剣崎さんのクラス特性かなんか知らないっすけど、ダメージの量もだいぶ少ないっすからね、ステータスで見れないんではっきりした事言えないっすけど、体感的にはすでにかなり上位のタンク並みに耐えられるようになってるっすよ」
「流石にそれは言い過ぎ、嬉しいけどそこまでじゃ無いよ」
褒められ慣れてないから、褒められるとニヤニヤしてしまう。
その後、オーク狩りをして時間を潰してボスオークのそばまで戻ってきた。
「ん?」
千紗が俺の服の裾をクイックイッと引く。
「何人かの人がボスの辺りに居ますよ」
いつもより小さめの声で話す。
「どうする?」
笹かまにも聞いてみる。
「無視っすね、こっちが5m以内に入ってしまえば関係ないんで」
「そうだな、千紗は一応牽制できるように注意しててくれ」
「はい」
リポップ場所に俺と笹かまが待機して、その5m以内に他の人間が待機する。
オークのスーパーアーマーを使わせないために出た瞬間いきなり奇襲する予定だ。
奇襲失敗の保険に笹かまがスタンできるように一緒に待機してる。
出た瞬間殴って、一瞬で終わった。
「倒した瞬間にゲート潜って行った人いました」
やっぱり、前回の解雇組が何やら妨害工作しているようだ。
そのまま下を降りて行く。
10階のボスまで来た。
「なんじゃこりゃ!」
ボス周辺は無数のジャイアントラットだらけだった。
「何人かの人がゲートを出たり入ったりしてるみたいですね」
千紗が天網恢恢のスキルで探知してくれる。
どうやら、ボスに挑み救援使わせたら、ゲートに戻るを繰り返してネズミで埋め尽くそうとしているらしい。
「よくもまぁ、そんな面倒な事するな」
「アホっすね、レベル上げも金稼ぎもしないで、ここのネズミ増やしてたんすからね。
あー、多分あいつら倒しきれなくて作戦変えたんすよ」
「ちょうど良いんで、ストーム系の魔法の試し打ちします」
「いきなりゲートからあいつら出てきて巻き込んだりしない?」
「嫌がらせでこんな事する方が悪いんです!
それにストーム系って威力だけなら、バレルくらいなんで死なないと思いますし」
本当に大丈夫?って視線を笹かまに向ける。
笹かまは首を傾げている。
若干不安はあるけど、時間が経てば経つほどネズミは増える。
いや、増やされる。
手っ取り早く千紗に処理してもらおう。
あと、千紗が戦力無いって言う誤解が生まれないように能力を見せつけよう。
「じゃあ、頼む」
「はい!」
その後は、鬱憤を晴らすかのように次々と各ストームを放っていった。
人の形をしたものが転がったりはしていないので、どうやら巻き込み事故は起きなかったらしい。
無駄に時間を取られてしまった。
なんとか、バンシーの所までやってきた。
ここはいきなり奇襲や突然の遭遇戦は絶対避けなければならないので、他の階より慎重になる。
結果、今日はマミーを倒したところで探索は終了になった。
ー翌朝ー
ダンジョンに着くと、新規で入った18名のうち12名が参加を辞退してきた。
罰則金として50万とられるにも関わらずだ。
「解雇組に丸めこまれたみたいっす」
再々募集のため今日の探索は笹かま抜きの13名で行う事になった。
俺もドロップ用の装備に変えても52%までにしかならない。
色々な思いをグッと飲み込んで、今日の探索を始める。
見えない悪意に捕まれたような、嫌な気持ちが俺の中に溜まっていく。
「良いですね、皆さんくれぐれも勝手な行動を取らないように!
強制解雇になるような事態になった人には罰則金の支払いも発生します!」
笹かまが新しい人に説明してた。
前回の事を踏まえて罰則金が発生するようにしたらしい。
そんな俺たちを尻目にクビになった探索者達が次々とプレートを使ってダンジョンに潜って行く。
てっきり自分たちが活動してたダンジョンに戻るのかと思ったら、誰1人戻らなかった。
ボスをクリアしているので、他のダンジョンよりも下の階層に行きやすいのが理由らしい。
「それじゃあすぐに俺たちに追いつくんじゃないか?」
って聞いたら
「剣崎さんって自分の事過小評価し過ぎっすよ」
って言われた。
他の事はよく分からないが、うちのレベルの上がり方はかなり早いらしい。
そして、新しい人達との探索なので改めて1階から探索して行くのだが。
「ボスオーク居ないね」
「居ないっすね、申請無しのボス狩りは禁止なんすけど、俺が今こんな感じでダンジョン入っちゃってるから、強く言えないんすよねぇ」
「でも、他の人ボス倒す必要無いよね?」
「100パー嫌がらせっすね」
「次何時間後?」
「2時間っすね」
「それくらいならオーク狩りして時間潰して待とうか?」
「そっすね」
笹かまが皆んなに説明して、オーク狩りをすることにした。
オークに対抗出来る人達は個人で動いて魔石稼ぎ、そうじゃ無い人は俺たちと行動して少しでもレベルを上げるようにしようと思ったら、全員オークは厳しいと言い出した。
先に参加してた人達も俺たちと一緒に行動すると言う。
なぜに?
「普通はオークでもそれぐらい脅威な存在なんすよ、剣崎さんは一瞬で倒しちゃうから実感ないだけっす」
俺が首を傾げていたら、笹かまが説明してくれた。
「うーん」
「前に推奨レベル10くらいって言ったの覚えてないっすか?
あれって、ソロじゃなくてパーティ平均の話っすからね、ソロで推奨以下のレベルなのに余裕で倒せる剣崎さんが特殊な例っすからね」
俺がイマイチ納得してない顔をしてたら、笹かまからさらに説明が入った。
「あと、前から思ってたんすけど、剣崎さんのクラス特性かなんか知らないっすけど、ダメージの量もだいぶ少ないっすからね、ステータスで見れないんではっきりした事言えないっすけど、体感的にはすでにかなり上位のタンク並みに耐えられるようになってるっすよ」
「流石にそれは言い過ぎ、嬉しいけどそこまでじゃ無いよ」
褒められ慣れてないから、褒められるとニヤニヤしてしまう。
その後、オーク狩りをして時間を潰してボスオークのそばまで戻ってきた。
「ん?」
千紗が俺の服の裾をクイックイッと引く。
「何人かの人がボスの辺りに居ますよ」
いつもより小さめの声で話す。
「どうする?」
笹かまにも聞いてみる。
「無視っすね、こっちが5m以内に入ってしまえば関係ないんで」
「そうだな、千紗は一応牽制できるように注意しててくれ」
「はい」
リポップ場所に俺と笹かまが待機して、その5m以内に他の人間が待機する。
オークのスーパーアーマーを使わせないために出た瞬間いきなり奇襲する予定だ。
奇襲失敗の保険に笹かまがスタンできるように一緒に待機してる。
出た瞬間殴って、一瞬で終わった。
「倒した瞬間にゲート潜って行った人いました」
やっぱり、前回の解雇組が何やら妨害工作しているようだ。
そのまま下を降りて行く。
10階のボスまで来た。
「なんじゃこりゃ!」
ボス周辺は無数のジャイアントラットだらけだった。
「何人かの人がゲートを出たり入ったりしてるみたいですね」
千紗が天網恢恢のスキルで探知してくれる。
どうやら、ボスに挑み救援使わせたら、ゲートに戻るを繰り返してネズミで埋め尽くそうとしているらしい。
「よくもまぁ、そんな面倒な事するな」
「アホっすね、レベル上げも金稼ぎもしないで、ここのネズミ増やしてたんすからね。
あー、多分あいつら倒しきれなくて作戦変えたんすよ」
「ちょうど良いんで、ストーム系の魔法の試し打ちします」
「いきなりゲートからあいつら出てきて巻き込んだりしない?」
「嫌がらせでこんな事する方が悪いんです!
それにストーム系って威力だけなら、バレルくらいなんで死なないと思いますし」
本当に大丈夫?って視線を笹かまに向ける。
笹かまは首を傾げている。
若干不安はあるけど、時間が経てば経つほどネズミは増える。
いや、増やされる。
手っ取り早く千紗に処理してもらおう。
あと、千紗が戦力無いって言う誤解が生まれないように能力を見せつけよう。
「じゃあ、頼む」
「はい!」
その後は、鬱憤を晴らすかのように次々と各ストームを放っていった。
人の形をしたものが転がったりはしていないので、どうやら巻き込み事故は起きなかったらしい。
無駄に時間を取られてしまった。
なんとか、バンシーの所までやってきた。
ここはいきなり奇襲や突然の遭遇戦は絶対避けなければならないので、他の階より慎重になる。
結果、今日はマミーを倒したところで探索は終了になった。
ー翌朝ー
ダンジョンに着くと、新規で入った18名のうち12名が参加を辞退してきた。
罰則金として50万とられるにも関わらずだ。
「解雇組に丸めこまれたみたいっす」
再々募集のため今日の探索は笹かま抜きの13名で行う事になった。
俺もドロップ用の装備に変えても52%までにしかならない。
色々な思いをグッと飲み込んで、今日の探索を始める。
見えない悪意に捕まれたような、嫌な気持ちが俺の中に溜まっていく。
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