オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将

文字の大きさ
上 下
43 / 52

第43話 オッサン齢53歳にしてマンチキンになる 2

しおりを挟む
 28階のバンシーのいる所まできた。
 …
 …
 …
「あ!」
 魅夢が本当に出来るか1回試すって言ってたのに忘れてた!

「どうしたんすか?」

「い、いや、なんでも無い…」
 今更言えないよなぁ

「あ、鉄也さん!このまま真っ直ぐ歩いたらバンシーに遭遇しますよ」
 千紗の天網恢恢の精度がどんどん凄くなっている。

 全く相手の姿が見えない位置から当たり前にモンスターを発見する。

「私の出番だね!」
 えっへんて感じにそう宣言すると、ふよふよと飛んで行った。

 結構遅いな。

 結果的に俺が能力封印したみたいなもんだもんなぁ。

 なんとか返してあげる事は出来ないのかな?

「あ、みーちゃんが誘導してくれてますね、もう大丈夫です」
 そんな事を考えているうちに作業は終了したようだった。

 うちにメンバーって優秀だよなぁ。

 なんだかなぁ…俺だけアイテム効果頼りの落ちこぼれって感じなんだよなぁ。

 しかも、回復量がどんどん増えていつまでこれでいけるか怪しくなってきてるしなぁ。

 いけない、いけない、最近考えるとついネガティブになってしまう。

 今は目の前の事に集中しないとな。

 ボスマミーもあっさり屠って、ロックゴーレム階だ。
 最初に取り決め通りボスのレアドロップは俺がもらった。

「これだけの人数を連れてロックゴーレムから逃げるの難しくないか?」
 俺は短剣から、いつものシールドに装備を変えながら、笹かまに相談してた。
 ボス以外のドロップは全く期待していないので、ボス戦以外はいつもの装備で行動してる。
 ボスの時は魅夢のサポートを受けながら短剣で攻撃している。

 ここまで来る間に全員がレベルが上がった!と喜んでる姿を見た。
 だがそれは逆に僅かな数でレベルが上がるほど、元のレベルが低いっていう証拠でもある。

「そっすねー1撃で死んじゃうでしょうし、確実に倒しながら下がった方がいいと思うっす」

 次のゲートまで最短距離で移動し途中のモンスターは俺が駆逐することで話が決まった。

 みんな経験値が欲しいせいか、なんとか5m以内に入ろうとするために、戦いづらい。

 気持ちは分かるだけに特に何も言わずに下の階に降りていく。

 ウッドゴーレムの次がフレッシュゴーレム、そしてクリスタルゴーレムと続き、最後のボス階がアイアンゴーレムだった。

 この階はレアドロップが望めないので、さっさと倒して下に降りる。

 俺の装備効果の特性上、動きが遅く防御力が高いゴーレムとの相性がすこぶる良い。

 36階でアメジストゴーレムに遭遇した。

「よっしゃ!当たりっす!」
 本来下の階で当たるはずのモンスターが上の階で当たる現象がダンジョンのランクが上がれば頻繁に起こる。

 一部のフロアのモンスターだけじゃなく、ボスのすぐ下から次のボスまでが全て上に移動すると、そこに生まれた隙間を埋めるように特殊な階層が発生する事がある。

 その特殊な階層ではレアドロップも起こり、希少性が高いため価格が高い傾向が多い。

 ボスマミーが現れたエリアも特殊階だ。

 そして、このゴーレム階もそういう特殊エリアで金額が高いレアドロップを見込める当たりフロアだ。

「あたりも確認できたし、今日はこの辺で撤収で良いっすか?」

「そうだな」
 かなり強行軍でここまで進んで来ているので、一緒についてきた強制執行組は疲労が激しい。

 ただついて来ただけだが、何があるか分からないダンジョンで、通常じゃ絶対来ることのない階層まで来ている。

 精神的疲労は相当だろう。

 ある程度モンスターを倒しながら進んでいるのでレベルも上がっては来ているが、それでもレベル差が相当ある。

 今日はここまでで、初日の探索は終わった。

 あと29日、まだまだ焦るような時期じゃない。

 ー2日目ー

 36階 アメジストゴーレム
 37階 ゴールドゴーレム
 38階 プラチナゴーレム
 39階 ルビーゴーレム

「思ったより強くないな」
 そう言いながら、40階に移動する。

「それは剣崎さんが防御力とHP無視出来るからっすよ。
 だいたいゴーレムは強くなるほど硬くなって、タフになるんすけど、スピードと攻撃力はそこまで上がらないっすから」

「なるほど」

「そろそろ、モンスターに遭遇しますよ」
 千紗が指をさした方向に白く輝くゴーレムが現れた。

「あー、残念!小当たりっすね」
 このエリアのゴーレムの通常ドロップは名前についている宝石や貴金属が含有されている拳大の鉱石がドロップする。

 その含有量は様々だが50%を超える事は無いし、10%を超えるのもなかなか無い。
 抽出するのにも手間がかかるので金額もかなり安い上に、含有量が判明するまでお金も振り込まれて来ない。

 それに対してレアドロップは大きさは小指大だが含有量は100%だ。
 しかも、ボスのレアドロップならばサイズは親指大になる。

「パールゴーレムっすね、レアドロップ品は買取で20万っす」

「あれ?思ったより安いな」

「そっすね、大外れのカッパーゴーレムよりましっすけど、ミスリルゴーレムなら1個1000万すからね、さらに下に降りるの確定っすね」

「更に下かぁ…下層のモンスターだよね」

「順当に行けば、動物エリアっすね、爬虫類なら特殊確定なんで、チャンス到来っすね」

「今日中に確認だけしておこうか?」
 流石に今まで到達してない階層を移動したので、思った以上に時間かかっているし、他の人の疲労度も今まで以上になってる。

「そうっすね、じゃあボスよろしくっす」

 次のエリアこそ!
 そう思いながら、白く輝くボスに向かっていく。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します

あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。 異世界パルメディアは、大魔法文明時代。 だが、その時代は崩壊寸前だった。 なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。 マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。 追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。 ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。 世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。 無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。 化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。 そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。 当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。 ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

処理中です...