オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将

文字の大きさ
上 下
39 / 52

第39話 オッサン齢53歳にして懸命になる。

しおりを挟む
 気合いを入れたものの、やっぱり怖いものは怖い。

 もの凄い勢いで近づいてくるデュラハンをしっかりと見る。

 怖いからと言って目を瞑ってしまえば防御のタイミングがわからなくなる

「うわぁぁ!ブロックゥゥ!」
 車に追突された時を思い出すくらいの衝撃を必死に止めた。

「シールドバッシュ!」

 突進を受け止めると、硬直するらしくその隙にシールドバッシュを叩き込む事が出来た。
 相手の巨体が消える。

「なっ!ブロック!」
 最初から説明されていた。

 デュラハンは馬と合わせて2体だという事を。

 馬部分を倒した事で一瞬気持ちが緩んでしまった。

 デュラハンの本体が手に持っているグレイブで攻撃してきたのを間一髪で受け止めた。

「ほい!」
 笹かまが後ろに回り込み警棒を叩き込む。

 それで怯んだところにシールドバッシュを叩き込んだ。

「…ふう」

「どうしたんですか?」
 千紗が俺の雰囲気が変わったのを察したらしい。

「あのモンスター、攻撃とHPのバランス悪いんだよね、ブロックで止めてもダメージ喰らっちゃうんだけど、それを攻撃した時にこちらが回復仕切る前に倒してしまって、戦闘後も少しHP削れたままになってしまう」

「リトルヒールかけます?」

「うーん、もう少し戦ってからにしようかな、すぐにどうにかなるほどのダメージじゃ無いし」

 その後も下のゲートまでに何体か遭遇した。

 突進を止めるのもその後の追撃に耐えるのも、かなり厳しいがそれでもなんとかこなしていく。

「リトルヒール」

「ありがとう」

「この階では私何もして無いですから、気にしないでください!」

 こうして、やっと30階までやってきた。

「おー当たりっすよ!この辺で出るアンデッドで1番なんとかなりそうなの出たっす!炎弱点持ちのマミーっす」

 当たり宣言通り、千紗のファイヤーブリッツ1発で倒せた。

 武芸百般の効果のせいで、とんでもないダメージを与えるらしくまさに『鎧袖一触このことか!』という感じだ。

 ボスもこんなに簡単に倒せて良いのかというくらい簡単に倒せた。

 そして、31階

「流石にこれ以上は上も認めてくれないんで、何いるか確認だけしたら帰るっすよ」

「分かった」
 そう言って、千紗に索敵してもらい、モンスターだけ確認する。

「あーこりゃ、ここからゴーレムゾーンすね」

「よく無いのか?」

「上がってるんでレアドロ無しになるんで、あんま美味く無いっすね。
 ただ、ゴーレムゾーンは続く可能性割とあるんで、5階下がってまだゴーレムだったら、大チャンスっすよ」

「じゃあ、まずはそれを目標だな!でも31階だしなぁ、確実にレベル上げながら降りていくかな」

「あーこの階ロックゴーレムだから面倒っすよ、ウッドゴーレムかフレッシュゴーレムなら火が効くし楽なんで、そっちでレベル上げした方が良いっすよ。
 あとは、ロックとアイアインとクリスタルっすけど、あ、クリスタルは土効くからクリスタルでも良いっす」

「そうか、分かったありがとう」

「なんにせよ今日は帰るっすよー」

 自宅に帰ってから、これからのモンスターについて予習することにした。

「なぁ、千紗あのプレートから上あがったらもう一回ボス倒せるのか?」

「マナー違反ですけど出来ますよ」

「マナー違反なの?」

「はい」

 俺以外に誰も来ないダンジョンだから気にしてなかったが、他のダンジョンでは何階まで行くか申請して、そこでボス戦やるなら、許可もらってからしないといけないらしい。

 言われてみれば毎回、笹かまに何階まで行くか聞かれていたな。

 ボスは1日4回しか出ないのでタイミング合わせてみんなで倒して下行けるようにしないといけないらしく、勝手に倒すと色々問題になって、最悪協会から除名されるらしい。

 そっか、言われてみればそうだな、そうでもしないと何百人もの人が下にいけなくて混雑するか取り合いになるもんな。

「でも、突然どうしたんですか?」

「いや、マミーボスのレアドロップがかなり高額らしいだよね」

「あぁ、それなら、他の探索者も来てないですし、1回上に上がってから探索しますか?」

「うん、そうしよう」

 打ち合わせが終わったところで晩飯になって、その後一緒にお風呂に入る事にした。

 魅夢に
「人間のする事なんて気にしないから、今まで通りにして」
 って言われたのだ。

 魅夢なりに気を使われてるのが嫌だったらしい。

 年齢的には魅夢が1番歳上だったしな。

 気にしない事にした。

【後書き】
 お読み頂き、ありがとうございます。
 この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と少しでも思ってくださった方はお気に入り登録していただけると作者が喜びます。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~

川嶋マサヒロ
ファンタジー
 ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。  かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。  それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。  現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。  引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。  あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。  そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。 イラストは ジュエルセイバーFREE 様です。 URL:http://www.jewel-s.jp/

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...