オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将

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第31話 オッサン齢53歳にして欲張る。

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 26階に着いた。

 25階とほとんど変わらない光景だ。

「CU確定っすね」

「そ、そうか」
 うおっしゃー!一攫千金チャンス第一関門突破!
 あとは、リビングデッド!
 こい!

「なんか嬉しそうっすね、リビングデッドで一攫千金とか考えてないっすか?」

「ナ、ナンデワカッタ!」
 動揺して、イントネーションがおかしくなった。

「剣崎さんって妙にがめついとこあるっすからねぇ、目先に欲の勝てないでしょ」

「そ、そんなことは…」
 あるな!
 彼女との事でも色々身に覚えがありすぎる!
「俺は探索者になるって決めてから後先考えるのやめたんだ!」

「やだなぁ、元々後先考えられる人は探索者なんかしないっすよ」
 ぐぬぬ、ぐうの音も出ない。

「くっそーおぼ…「あ、敵っす」」

「グールっすね、まぁ、元気なゾンビくらいのノリで良いっすよ、毒持ちとかもあんまり変わらないんで」

「じゃあ、いつもの戦闘のやり方で大丈夫だな」
 そう言うと俺が相手がこちらに反応するまで近づく。

 そして、相手がこちらに気づいて向かってくる所を迎撃する。

 …わけなんだけど、速く無いか?

「うぉぉう!」
 え!一撃も鋭いし、激しいぞ

「わ!を!ブロック!ご、ごめん千紗!バッシュする余裕ない!」
 相手の攻撃を凌ぐのが精一杯で全然反撃出来ない。

「分かりました!任せてください!」
『気配消し、隠密移動、一点穿孔、正鵠、剛投、バレルジャベリン!』

 パン!と言う音と一緒にグールが弾けた。

「ひゃー凄いっすね!不完全とはいえ、トップランカーの動き出来てるっすよ」

「…めちゃくちゃ相手強かったんだけども」
 俺は少し痺れた手を振りながら文句を言った。

「元気なゾンビって言ったじゃないっすか」

「元気がすぎるだろう!」

「何言ってんすか、ここはもう26階っすよ、人によっちゃとっくに来るの諦める階層っす、あれくらいは普通っすよ」
 普通なのか…。

 ここまでが余りにもあっさり来てしまったせいで感覚狂ってるな。

 もう少し慎重に行動しないといけないな。

「すまんかった、少し調子に乗っていた。
 もう少し慎重に行動するよう気をつけるよ」

「この辺からキツくなるっすからね、取り敢えず降りれるとこまで降りて確認したら1回戻るっすね」

「ああ、そうしてくれ」

 そうして、次の27階に降りていった。

「あーリビングデッドっすね。
 剣崎さん的には当たりっすね」

「いよっしゃー!来た来た!千紗!俺が引きつけるからさっきみたいに後からワンパンしてくれ!」

「え!あ、はい」

「いくぞ!うりゃー!レアドロップしろぉぉぉ!」

「剣崎さぁぁぁん!慎重な行動って話どうなったんすかー!」
 何やら後から声が聞こえたが、気にしない!

 目の前のリビングでは、赤黒い西洋風の全身甲冑にハルバードという装備だった。

「ブロックゥゥ!」
 相手のハルバードの一撃を、渾身の力を込めてブロックする。

 足を止めて他の行動を全て犠牲にして全力でブロックする。
 そうしないと攻撃を受け止めきれない。

 バンッ!
 ほど無くして千紗のバレルジャベリンがリビングデッドの背中に当たる。

 なんと一撃で倒せんなかった。

 だが問題ない!

 敵が気を取られた隙にシールドバッシュを決める。

 ドロップ品は甲冑の右足の脛当てだけ出てきた。

 くっそーハズレだ。
「次行くぞ、次!」

「オッサン落ち着けっす」

「誰がオッサンじゃ!あ、俺か」
 脊髄反射で反応したけど、普通にオッサンだった。

「そういうのは依頼終わってからっす、先に下降りるっすよ」

「あ、ああ、すまん、取り乱した」

「なんか、こういう展開になる気がしてたんで、いいっす」

「あ、うん、さ!下行こうか!」

 後ろ髪を引かれながら、28階に移動した。

 しばらく歩くと、遠くに半透明な少女が佇んでいた。

「…よし!戻るっす」

「ん?どうした?あれは放置でいいのか?」

「あーむしろ、気付かれないうちに撤退っす」
 そういう時踵を返して元きた道を歩き出した。

「あれはそんなにやばいのか?」

「バンシーっすね、物理無効、聖属性以外無効、近くに寄ると叫び声あげるんすけど、状態異常ありえないくらいかかるっすよ、あと呪いって攻撃と透過っつーので盾すり抜けて攻撃するっす」

「そんな奴にどうやって勝つんだ?」

「専用のアイテムか聖属性の浄化系の魔法っすね、あれはマジで厄介っすよ」

「アイテム届くまで、上の階でレベル上げしてて良いか?」

「あーここで探索終わりでも良いかなって思ってたんすけど、んー、ま、いいか!ボス倒して下の階行ったら終わりで」

「分かった、それでよろしく」

「今日はここまでにして、戻るっすよ」

「いやいや、まだ時間に余裕あるし、少しレベル上げしてもいんじゃないか?」

「うわー剣崎さん目がドルマークっすよ」

「な、な、レベル上げ大事だろ?」

「あー、ま、いっか、じゃあレベル上げしてから帰るで」

「ああ、よろしく」

 一攫…じゃなくてレベル上げを頑張らねば!
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