オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将

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第30話 オッサン齢53歳にして無双する。

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 21階に降りた。

 今まで同じような古戦場跡のようなダンジョンが続く。

「アンデッド出る階って大体こんな感じなんすよねぇ」

「じゃあ、DUは確定って事か?」

「まぁ、そっすね」

「でも、どうしてダンジョンを探索する事にしたんだ?」

「あー協会に任せておくと遅いんすよ、調査隊なんて偉そうにしてるっすけどレベル1桁とか普通にいるっすからね。
 ガンガン探索出来るなら自分で探索者やるんで、協会に飼われてる奴らとか同レベルでも弱い奴多いっすから、ちょっと変わった事あるとすぐビビって準備準備、要員要員ってなるし、あいつら何あっても絶対20階までしか調査しないから二度手間っすし」

「遅いとまずいのか、アンデッドだと」

「あーまずいって程でも無いっちゃ無いんすけど、アンデッドって対策しておけばどうって事ないけど、対策しないと詰むって奴多いんで、個体の把握はしておきたいっすね」

「え、詰むって俺たちは大丈夫なのか?」

「あー俺割とレベル高いんで、それに2人と俺ってパーティ的にバランス良いんで大丈夫じゃ無いっすか?」
 こういう時のヘラヘラ笑いは大丈夫が全然全然信用できなくなるな。

「しかし、ちゃんとした考えがあって潜ったんだな。
 てっきり俺はあそこで受け付けするの飽きたから、色々理由つけてダンジョン潜りたかっただけかと思ってたよ」

「あー…それも、あったちゃぁ、あったっていうか」
 明後日の方向向いて鼻をポリポリ書いてる。

「あー主にそっちがメインだろ」
 笹かまの口癖を真似して返事をする。

「ま、そっすね」
 笹かまがニカッと笑う。

 そんな話をしながら歩いていると、うっすらと光るボロボロのフードを被ったような物体が空中をフヨフヨ浮いていた。

「あーレイスっすね、めっちゃザコっすけど、物理無効っす、ついでに増えるっす」

「増える?」

「物理攻撃すると分裂するっすよ」

「めちゃくちゃ厄介じゃないか」

「その代わり魔法にめっちゃ弱いっす。魔法あったらマジザコっすよ」

「魔法に弱いんだ…千紗、ウォータードロップ入った水鉄砲まだある?」

「あ、はい!ありますよ!」
 そう言って水鉄砲を渡してくれる。

 それを受け取ってレイスに近づいた。

 向こうがこちらに気づいて襲ってくる。

 …遅っ!

 充分引き付けて、水鉄砲発射!

 ちゃんと攻撃として認識してくれたようで、スキルが発動した。

 一瞬で倒す。

「ネズミの時は攻撃として認識してくれなくてスキルが発動しなかったけれど、こっちは大丈夫だったよ」

「その辺の線引きが曖昧ですね」

「しかし、魔石小さいな」

「アンデッド皆んなそうっすよ、虫とアンデッドは稼げないっす。
 そう考えるとこのダンジョン最悪っすね」
 笹かまのヘラヘラ笑いはこういう時は、引っ叩きたくなるな。

 22階に降りるまでに遭遇したレイスは全部水鉄砲で処理した。

 22階も変わり映えしない風景だ。

「あーこの階はワイトっすね、状態異常色々持ってるので、噛まれるのと引っかかれるの厳禁で、あと物理無効っす」

「物理無効多いな!」

「あー多分すけど、ボスまで物理無効ばっか出てくると思うっすよ、こういう時って同じような特徴ある奴固まるの割とあるあるなんすよ」

「水鉄砲効くかな?」

「いけるんじゃないすか?あれも魔法に弱いっすし」

 ワイトに近づいて、水鉄砲で攻撃。
 あ、効いた。

 そうなると、もうこの階も余裕だな。

 水鉄砲無双出来る。

 魔石しか出なくて、その魔石も小さいから全然嬉しく無いけど。

 23階
「あーウィルオーウィプスっつーか、人魂っすね。
 物理と火属性と光属性無効っす。
 あ、水は有効っす」

 はっはー圧倒的ではないか我が水鉄砲は!

 24階
「あーファントムっすね。
 光と聖以外無効っす」

 無双はあっさり終わった。

「しかし、これだけ物理無効が続くと魔法がないパーティは通り抜けるのも困難じゃないか?」

「そっすねぇ、対アンデッド用のアイテム手配しないと、これはヤバいっすね」

「全部持ってきたって言ってなかったか?」

「ワイトとかレイスは特殊なんで、対策アイテム常備してないんすよ、申請出して取り寄せて貰わないとならないっす」

 俺と笹かまは役立たずなので、千紗に頑張って貰ってこの階層を抜ける。

 そして、25階。
 今までより、暗くなったというか、夜がふけたというか。

 まだ視界的には大丈夫だけど、前よりも警戒しながら移動しないと、敵がいても見逃すかもしれない。

「アンデッド出る階は暗くなるほど厄介なのが出るっす。
 それで、1回暗くなるとその先は明るくなるって事は無いと思って間違いないっす。
 ちょっと予想より暗くなるの早いっすけどね」

 その言葉でより一層俺たちは周囲を警戒して進む。

 周囲を警戒…笹かまだけは警戒してる感じしないんだよなぁ。

 ほど無くしてモンスターを発見する。

 大きなひとつ目にコウモリの翼を取り付けたようなモンスターだ。
「あーイビルアイっすね。
 光魔法耐性とそれ以外の魔法無効、その代わり物理効くんすけど…」

「空飛んでるな」

「ま、そういう事っす」

「厄介だな」

「弓とか飛び道具あれば良いんだけど」

「あーここは俺は空中機動で叩き落とすんで、トドメよろしくっす」
 なるほど、そういう手があったか。

「空中機動ってどうやって覚えるんだ?」

「立体機動と風魔法で生えてくるっすよ」

「立体機動ってどうやって覚えるんだ?」

「軽業と何かしらの移動スキルで生えてくっるすよ」

「軽業ってどうやって覚えるんだ?」

「あー簡単なのは器具使って訓練すね」

「その器具はどうやって揃えるんだ?」

「あーそっか、そうっすね、個人で揃えるにはちょっと高いんでうちの施設に置けるように申請してみるっす」

「よろしく」

「じゃあ、ちょっと引っ叩きますんで、トドメよろしくっす」
 そう言うと、相手が気づく前に一気に近づいて、不意打ちで1発イビルアイに警棒を叩き込む。

 衝撃でふらふらと落ちてきたやつにドタドタと俺が近づきシールドバッシュを叩き込む。

「ボスも同じ要領なんで、サクッと倒して下降りるっす」

「もの凄い勢いで下に降りてるが、大丈夫なんだろうか?」

「剣崎さんの攻撃力がハンパ無いんで出来る事っすよ、工兵系は相手の動き止めるのは得意っすけど、トドメさすの苦手っすから、あと逢真さんが魔法なんでもいけるんで、浅層や中層の序盤くらいなら軽いっす」

「なるほど、俺のアイテム頼りの歪な戦闘も役に立ってるんだな」

「そうっすよ、ただ、ここから先は相手次第では気合い入れないとならないので、慎重に行くっす」

「了解した」

 いよいよ、26階だ!
 頼むぞ一攫千金!l
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