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第26話 オッサン齢53歳にしてビビる。
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「おはようっすー、久々にガチ装備してきたんすけど、ちょっと太ったみたいで、少しきついんすよー!
動き悪くなると思うんで、先に謝っておくっす」
日頃の着崩しただらしないスーツ姿と違いコンバットスーツの笹かまは凛々しかった。
「いやぁ、そうやって見るとやっぱり、探索者って感じで凛々しいな」
日頃のヘラヘラ笑いもなんか余裕ある人みたく見えて頼もしく感じるから不思議だ。
笹かまが準備中とプリントアウトした張り紙を出入り口貼って鍵をかける。
「本当にこれで大丈夫なんだよね?」
「あーぶっちゃけヤバいっす、バレたらめっちゃ怒られるっす、なんで内緒でお願いっす」
ヤバいって言う割には相変わらずヘラヘラ笑ってる。
そのまま3人でダンジョンに向かい、転送用のプレートの方へ行こうとした。
「あ、ちょっとストップっす、俺ボス倒してないんで、そのプレート使えないっすよ」
「え!あ、そっか協会の職員がボス倒す必要ないもんな」
「そっす、ここのダンジョンには今日が初めてっすね」
あれほど苦労したボスにまた挑戦しなきゃならないのか…。
笹かまに気を使わせるわけにもいかないから、努めて平静に5階まで向かう。
「あ、ボス居たっすね、剣崎さん大丈夫っすか?なんか動きおかしいっすよ、リラックスリラックス!」
流石にボスを目の前にして平常心のままでいられなかった。
「大丈夫だ、とりあえず3分耐えてくる」
「あ、最初の3分は俺がするんで大丈夫っすよ、俺のせいでワープ使えなかったんすから、それくらいの仕事は任せてくださいっす」
手の中で海外で見るような特殊警棒を器用にクルクル回し、ブンって1度振って警棒を伸ばす。
後ろ姿が様になってる。
余裕の足取りで近づくとこちらを振り返り。
「あ、俺空中機動持ってるんで動き見てくださいね、参考になると思うんで」
「笹かま!前!前!」
既にボスが臨戦状態で向かって来ていた。
振り向きざまに空中を蹴ると、そのままトンッ!トンッ!トンッ!とまるで足場があるように上に登っていき横の壁を蹴るような動作をしてボスの後頭部辺りに回り込む。
そして、そのまま警棒で頸椎の辺りを叩く。
ボスがビクッと痙攣したかと思うと、ドォンという音と共に前のめりに倒れた。
「え?あれ?スーパーアーマーは?」
「スタンしてるだけっすよ、ダメージ通らないっすけど、状態異常通るんで、俺ら工兵系はダメージよりこういう状態異常の方が得意っすから、これで毒かまして弱体化がセオリーっすけど、剣崎さん居るんでそこまで要らないかなって」
「このまま3分待つ感じなのか?」
「1分すね、麻痺率100パーじゃないんで、もう少し離れてて欲しいっす」
それから、笹かまは相手が起き上がる度にスタンをさせた。
だんだんスタンしづらくなるらしく、最後はの3発目はかなり手こずっていたが、空中機動をうまく使いボスを翻弄し相手に掠りもさせない。
そして何度目かの攻撃でスタンさせる。
「いやぁ、3発目は3割くらいしか麻痺らないんでちょっと手間かかっちまったっす」
「いやぁ、充分凄いよ!全然当たる気配無かったし!」
「空中機動は相手の攻撃避けやすいっすから、あんなもんすよ、とりあえずトドメよろしくっす」
「あ!ああ、そうだね、ダメージ的には無傷なんだった」
シールドバッシュでトドメを刺した。
「そんじゃ、サクッと10階行って実験結果の確認っすね」
本当にサクッと10階まで到達した。
ボス戦の動きもそうだが、笹かまってかなりレベルの高い探索者じゃないだろうか?
モンスターに遭遇しても、自然な動きでドンドン倒していく。
戦闘が始まったと思って身構えると倒し終わる。
俺自身がレベル低すぎる上に他の探索者全然見た事無いせいもあるけど、ある程度強い探索者だとみんなこうなるのか、笹かまがメチャクチャ強いのかの判断がつかない。
俺よりずっと強いのは間違いないんだけど。
「こんなに強いなら、現役でも充分いけるんじゃないか?」
「いやぁ無理っすね、流石にこの辺の階層なら余裕っすけど、ビビりなんで本来の探索階層行くと震えて動けなくなるっす。
使いもんにならんくて、心折れたんで、もう1回行け言われても厳しいっすね」
「ところで、笹かまって何レベルあるんだ?」
「え、あ、俺っすか?んー内緒っす!」
そう言ってヘラヘラ笑う。
「そうなのか、同じくらいのレベルまで上がったら一緒に探索者やらないか?って誘っても良いか?」
「良いっすよ、同じレベルになったら教えるっすね」
「よし!笹かまのレベル教えてもらうっていう目標が出来たな!」
「応援してるっす!俺も剣崎さんとならやっていける気がするっす!」
そんな話をしながらジャイアントラットを見つけた。
「あ、記録用にドローン飛ばすんで、ちょっと待ってくださいっすね」
今回は実験結果の確認という理由なので、これ飛ばさないと、バレた時に怒られるじゃ済まないらしい。
これを見せてうやむやにして、怒られるのを回避するとか。
なかなかタイトロープな仕事ぶりだな。
普通思いつきでクビかけるか?
やっぱり探索者の方がこいつは向いてるんじゃなかろうか?
今回は俺がスライム液、笹かまがウォータードロップ入り、千砂が補充役兼着火役ですることになった。
そして、ジャイアントラット狩りが始まった。
「よし!そろそろ着「まあまだっすよ!救援信号使わせてもっとバンバン集めるっす!」あ、ああ、そうか、笹かまがそう言うなら」
笹かまがノリノリだ!
「あ!今順番逆だったのに粘着でたっす!俺がめっちゃ水かけるんで、バンバン液よろしくっす!」
空中機動まで使い出した。
時々固まりを蹴飛ばして別の固まりにぶつけて、1つの大きなネズミ玉にしていく。
「お、おい、流石にもういいんじゃないか?」
ネズミの固まりがとんでもない大きさになった。
「そうっすね、どうなるかわからないから限界まで離れてから魔法っすね」
その言葉を合図に全員で離れる。
「よし!千紗、今だ!」
「はい!」
ドグァァァァン!
「うぉぉぉ!」
「キャァァァァ!」
「ヒャッハァァァァァ!」
とんでもない大爆発が起こった。
動き悪くなると思うんで、先に謝っておくっす」
日頃の着崩しただらしないスーツ姿と違いコンバットスーツの笹かまは凛々しかった。
「いやぁ、そうやって見るとやっぱり、探索者って感じで凛々しいな」
日頃のヘラヘラ笑いもなんか余裕ある人みたく見えて頼もしく感じるから不思議だ。
笹かまが準備中とプリントアウトした張り紙を出入り口貼って鍵をかける。
「本当にこれで大丈夫なんだよね?」
「あーぶっちゃけヤバいっす、バレたらめっちゃ怒られるっす、なんで内緒でお願いっす」
ヤバいって言う割には相変わらずヘラヘラ笑ってる。
そのまま3人でダンジョンに向かい、転送用のプレートの方へ行こうとした。
「あ、ちょっとストップっす、俺ボス倒してないんで、そのプレート使えないっすよ」
「え!あ、そっか協会の職員がボス倒す必要ないもんな」
「そっす、ここのダンジョンには今日が初めてっすね」
あれほど苦労したボスにまた挑戦しなきゃならないのか…。
笹かまに気を使わせるわけにもいかないから、努めて平静に5階まで向かう。
「あ、ボス居たっすね、剣崎さん大丈夫っすか?なんか動きおかしいっすよ、リラックスリラックス!」
流石にボスを目の前にして平常心のままでいられなかった。
「大丈夫だ、とりあえず3分耐えてくる」
「あ、最初の3分は俺がするんで大丈夫っすよ、俺のせいでワープ使えなかったんすから、それくらいの仕事は任せてくださいっす」
手の中で海外で見るような特殊警棒を器用にクルクル回し、ブンって1度振って警棒を伸ばす。
後ろ姿が様になってる。
余裕の足取りで近づくとこちらを振り返り。
「あ、俺空中機動持ってるんで動き見てくださいね、参考になると思うんで」
「笹かま!前!前!」
既にボスが臨戦状態で向かって来ていた。
振り向きざまに空中を蹴ると、そのままトンッ!トンッ!トンッ!とまるで足場があるように上に登っていき横の壁を蹴るような動作をしてボスの後頭部辺りに回り込む。
そして、そのまま警棒で頸椎の辺りを叩く。
ボスがビクッと痙攣したかと思うと、ドォンという音と共に前のめりに倒れた。
「え?あれ?スーパーアーマーは?」
「スタンしてるだけっすよ、ダメージ通らないっすけど、状態異常通るんで、俺ら工兵系はダメージよりこういう状態異常の方が得意っすから、これで毒かまして弱体化がセオリーっすけど、剣崎さん居るんでそこまで要らないかなって」
「このまま3分待つ感じなのか?」
「1分すね、麻痺率100パーじゃないんで、もう少し離れてて欲しいっす」
それから、笹かまは相手が起き上がる度にスタンをさせた。
だんだんスタンしづらくなるらしく、最後はの3発目はかなり手こずっていたが、空中機動をうまく使いボスを翻弄し相手に掠りもさせない。
そして何度目かの攻撃でスタンさせる。
「いやぁ、3発目は3割くらいしか麻痺らないんでちょっと手間かかっちまったっす」
「いやぁ、充分凄いよ!全然当たる気配無かったし!」
「空中機動は相手の攻撃避けやすいっすから、あんなもんすよ、とりあえずトドメよろしくっす」
「あ!ああ、そうだね、ダメージ的には無傷なんだった」
シールドバッシュでトドメを刺した。
「そんじゃ、サクッと10階行って実験結果の確認っすね」
本当にサクッと10階まで到達した。
ボス戦の動きもそうだが、笹かまってかなりレベルの高い探索者じゃないだろうか?
モンスターに遭遇しても、自然な動きでドンドン倒していく。
戦闘が始まったと思って身構えると倒し終わる。
俺自身がレベル低すぎる上に他の探索者全然見た事無いせいもあるけど、ある程度強い探索者だとみんなこうなるのか、笹かまがメチャクチャ強いのかの判断がつかない。
俺よりずっと強いのは間違いないんだけど。
「こんなに強いなら、現役でも充分いけるんじゃないか?」
「いやぁ無理っすね、流石にこの辺の階層なら余裕っすけど、ビビりなんで本来の探索階層行くと震えて動けなくなるっす。
使いもんにならんくて、心折れたんで、もう1回行け言われても厳しいっすね」
「ところで、笹かまって何レベルあるんだ?」
「え、あ、俺っすか?んー内緒っす!」
そう言ってヘラヘラ笑う。
「そうなのか、同じくらいのレベルまで上がったら一緒に探索者やらないか?って誘っても良いか?」
「良いっすよ、同じレベルになったら教えるっすね」
「よし!笹かまのレベル教えてもらうっていう目標が出来たな!」
「応援してるっす!俺も剣崎さんとならやっていける気がするっす!」
そんな話をしながらジャイアントラットを見つけた。
「あ、記録用にドローン飛ばすんで、ちょっと待ってくださいっすね」
今回は実験結果の確認という理由なので、これ飛ばさないと、バレた時に怒られるじゃ済まないらしい。
これを見せてうやむやにして、怒られるのを回避するとか。
なかなかタイトロープな仕事ぶりだな。
普通思いつきでクビかけるか?
やっぱり探索者の方がこいつは向いてるんじゃなかろうか?
今回は俺がスライム液、笹かまがウォータードロップ入り、千砂が補充役兼着火役ですることになった。
そして、ジャイアントラット狩りが始まった。
「よし!そろそろ着「まあまだっすよ!救援信号使わせてもっとバンバン集めるっす!」あ、ああ、そうか、笹かまがそう言うなら」
笹かまがノリノリだ!
「あ!今順番逆だったのに粘着でたっす!俺がめっちゃ水かけるんで、バンバン液よろしくっす!」
空中機動まで使い出した。
時々固まりを蹴飛ばして別の固まりにぶつけて、1つの大きなネズミ玉にしていく。
「お、おい、流石にもういいんじゃないか?」
ネズミの固まりがとんでもない大きさになった。
「そうっすね、どうなるかわからないから限界まで離れてから魔法っすね」
その言葉を合図に全員で離れる。
「よし!千紗、今だ!」
「はい!」
ドグァァァァン!
「うぉぉぉ!」
「キャァァァァ!」
「ヒャッハァァァァァ!」
とんでもない大爆発が起こった。
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