オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将

文字の大きさ
上 下
17 / 52

第17話 オッサン齢53歳にしてキョどる。

しおりを挟む
「あ、いや、あ、えっと全然構わないんだけど、ほら、俺も男だしね、あ、いや、その、あ、嫌じゃないんだよ、でも、ほら、万が一って事もあるし、ね!」
 一体なにが、ね!なんだろうか?
 自分で言ってて恥ずかしくなる。

「私なら、大丈夫ですよ!大人の女ですから」

「あっと、その気持ちは非常に嬉しんだけど、おじさんだから、年齢がね、思ってるほど頑張れないっていうか、多分だけど、薬のお世話にならないと元気になってこないっていうか、いや、決して千紗さんが魅力的じゃないってわけじゃなく、年齢的な、身体的な、その、親子ほど離れてるし、ね!」
 一体なにが、ね!なんだろうか?
 自分で言ってて恥ずかしくなる。

 そうすると、千紗さんが俯いてしまった。

 そして部屋の畳にポタっと雫が落ちる。

「え!あの、本当にそういう事言ってくれて嬉しいんだよ!決して嫌なわけじゃなく!」

「最低ですよね」

「あーいやいや、誤解しないでくれ!その、やましい気持ちも無いとは言わないが、決して行動しようとか、そんなつもりは無く、あ、いや、そう思われたなら、私が悪かった!すまん!」

「違うんです、私なんです!最低なの。
 パーティを解散されるのが怖くて、身体を使って、剣崎さんを繋ぎ止めようってして…」

「え?あれ?どうしてそんな事考えたの?むしろ解散してくれって言われるのは俺のほうだよ」

「だって、私、戦闘で何も役に立ってないし…」

「何言ってるの、今スキルとレベル上げてる最中なんだし、初日だよ!それに相手の数多い時に牽制したりしてくれて凄い助かったよ!」

「でも、すぐ独り立ち出来るねとか、他のパーティで戦う時は後方が良いかもねとか、ゴブリンのナイフ渡された時も、接近戦も覚えておいた方がソロでやる時いいと思うよって…
 もう、早く解散したいのかなって…」

 しまったーーーーーーー!
 褒めてるつもりだったのが裏目に出た!

 なんか帰り急に大人しくなったなって思ったけど、こんな事考えていたのか。

「違うんだ!違うんだよ!君があまりにも優秀過ぎて、俺なんかじゃ釣り合い取れなくてなるから、むしろ、俺の方が捨てられるって思ってたから、自分に言い聞かせるっていうか、心の準備みたいな気持ちがあって!
 優秀だねってつもりで、言ってたんだ!
 誤解させてすまない!」

「え!じゃあ、お互い誤解してたって事ですか?」

「そういう事だね!
 断じて俺の方からパーティ解散してくれと言うことはない!
 それは約束する!」

「良かったー、不束者ですがよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」

「それはそれとして、今日ここで寝ちゃダメですか?」

「あ、いやぁ、俺も男だしね、いやらしい気持ちを抑えていられるか自信がない」

「良いですよ、その覚悟はしたんだし、それに私って結構エッチなんです。
 戦闘の興奮が残っているせいなのか、なんか抑えきれてなくて。
 そういう女の子っていやですか?」

「いえいえいえ、大好きなんだけど、いかんせん歳なんで、おそらく頑張れないんじゃ無いかと」

「あ、でも探索者になってステータス上がるとそっちも元気になりやすいって聞いた事ありますよ
 試してみて大丈夫そうだったらお願いしていいですか?」

「それこそ、こっちこそお願いしますだけど」
 俺は夢を見てるのか?

 え?ここから怖いお兄さん出てきて脅される?

 鍵はかったよな?

 周りに人の気配もないし、え?こんな展開ってあるの?

「待ってくれ、君みたいな可愛い子がこんなオッサンとこんな事するのが信じられなくて、どうしてしてくれるんだ?
 あ、もちろん嬉しいし、ぜひしたいけど、どうにも疑問で」

「嬉しかったんです。
 このクラスとって、ステータスとスキル確認すると本当に誰もパーティ組んでくれなくて、試しに1人でダンジョンに潜ったんですけど、すぐにやられてしまって。
 なけなしのお金で買った装備もダメにしてしまって、武器も落としてしまって。
 怖くて1人で入れなくて、どこかパーティ組めないかお願いした時に、せめて盾使えれば囮くらいは出来るのにって言われて…。
 それで盾の講座に出てたんです。
 そんな時に一緒にパーティ組んでくれるってなって嬉しかったんです。
 それで、どうしても解散されたく無くて、既成事実で別れられなくしようって思って。
 そんな私を怒るでもなく、優しくしてくれて。
 だから、私の身体で喜んでくれるなら、喜んで欲しいんです」

 あーダメだ。
 この瞳で見つめられながら、こんな事言われたら、断るとか無理だよ。

 きっと親子ほど違うのにみっともないって言われる。

 周りから気持ち悪いとか言われるに違いない。

 でも無理だ。

 彼女の気持ちに応えるって大義名分があるのに、欲望を抑えることができるのか?
 いや、出来ない。

「分かった、ありがとう、その気持ちに応えたいって思う。
 ただ、本当に使いものになるかどうか分からないんだよね」

「じゃあ、試してみます?」

「お、お、あ、うん」
 リアルな発言に思わず、変な反応してしまった。

 ー翌朝ー

 探索者って、身体的能力上がるんだなぁ。

 そんな俺の横で全裸で寝ている彼女を揺り起こす。

「もうそろそろ、ダンジョン向かうけど、俺は君の事を彼女って思って良いのかな?」

「うーん、私ちょっとMっ気あって、出来れば俺の女って言われたいかな?」
 ちょっとはにかんだ顔でこちらを眺める。

 体制的に下から上目遣いでこちらを見る感じになる。

 たまらなく可愛い。

「じゃあ、誰かにどんな関係か聞かれたら、俺の女の千紗だって言うね」
 彼女なコクンと頷く。

 我慢できずに出発が1時間ほど遅れてしまった。

「笹かまおはよう」

「おはようっす…
 …
 …
 なんで、すでにちょっと疲れてるんっすか?
 昨日どころか、さっきまでお楽しみでしたねってやつっすか?」

「あー俺の女の千紗だ」

「さっさとダンジョン入ってオークにボッコボコにされれば良いっすよ!」

 俺たちは、そそくさとダンジョンに潜った。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~

川嶋マサヒロ
ファンタジー
 ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。  かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。  それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。  現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。  引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。  あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。  そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。 イラストは ジュエルセイバーFREE 様です。 URL:http://www.jewel-s.jp/

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...