オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将

文字の大きさ
上 下
10 / 52

第10話 オッサン齢53歳にして履習する。

しおりを挟む
 ボス戦の翌日。

「ふぅ、思ったより大変だな」
 戦闘自体はそうでもないが、獲物を探してダンジョン内を移動するのが、オッサンには体力的にきつい。

 俺はダンジョンでオークを相手にしていた。

 講習の予約が取れたのは取れたが、来週の週末まで埋まっていたそうだ。

 で、その間にレベル6まで上げるようにアドバイスされた。

 ボスモンスターは討伐失敗した場合その日1日は徘徊するらしいが、1日経ったので元の場所に戻っているそうだ。

「色々面倒な事になるんで、ここ以外のダンジョンで勝てるか分からないボス挑むのは辞めた方が良いっすよ。
 ここなら、誰もいないんで気にしないでいいっすけど」
 と、言われた。

 その時に、ボスにさえ挑まなければ充分戦えるだろうから、出来るだけレベル上げといた方が良いという話になった。

 だったら、いっそ10レベルまで上げてしまえば良いと思ったのだが、そうは上手くいかないらしい。

 レベルアップに必要な討伐数が、レベルと同じ階層のモンスター100匹で、階層が違えば倍、もしくは半分になるらしい。

 レベル1が1階で100匹、2階で50匹、3階で25匹、4階で13匹、5階で7匹で2に上がる。
 レベル5が5階で6になるのに100匹、7で200匹、8で400匹、9で800匹、10で1600匹。
 なのでレベル5までは割とすぐなれるが、10になろうとしたら、そこから3100匹倒さないとならない。

 これはモンスターの差は無く階層が同じであればどのダンジョンでも同じ数だそうだ。

 ドロップ品で報酬に差は出るが、それも低階層ならたかが知れてるので、ボスの出る5、10、15、20のモンスターが弱いダンジョンの方が人気があるそうだ。

 そりゃそうだ、最低でも中層で活動しないと一般職以下の稼ぎにしかならない。

 俺はソロだからまだなんとかなる金額だが、これが5人パーティになれば、いっきに収入が落ちる。

 浅層で1番稼げるモンスターのオークもボスの出る5階じゃなく、6階以降で出てくれた方が儲かるし楽だ。

 とはいえ、自分で見つけたダンジョンだし、近いし、他の探索者が来ないのも気楽で良いし、このままここで活動したいと思ってる。

 そんな事を考えながら次に獲物を探す。

「2体かぁ」

 見つけた相手が複数の時は見つからないようにそっとその場を離れるようにしている。

 笹かまから、複数の相手はするなと言われたからだ。

「シールドバッシュ覚えるまで2体相手とか、何かあった時にリカバリーきかないっす。
 マジ辞めておいた方が良いっすよ」
 との事だ。

 なんとかなりそうという自分の判断よりも、慎重な笹かまの判断を信じることのした。

 経験者の意見は大事だ。

 そのせいで、単体のオークを探すためにダンジョンを徘徊する事になっているが、ボス戦で反省した俺は慎重に行動する事にした。

 幸い他の探索者が居ないので、見つけたオークを誰かに取られるという事も無い。

 それから2日ほどでレベル5まで上がった。

 剣崎鉄也 レベル5
 クラス 堪忍者
 クラス解説 ▽

 強さ 11 物理的攻撃力
 器用 12 命中率
 素早さ 7回避率、移動速度
 知性  9 魔法的攻撃力
 耐久力43 物理防御
 賢さ 25 魔法防御
 HP 430
 MP 250
 パーソナルスキル 堪忍
         HP50%以下の時に発動、戦闘中敵に攻撃した時にHPを1回復

 能力上昇値 5レベル毎 強さ5 器用5 素早さ3 知性4 耐久力23 賢さ10

「レベルも上がったし、そろそろ2体相手にしてもよくないだろうか?」
 受け付けまで戻ってきて、笹かまに相談する。

「うーん、スリングショットが接近戦にクソ弱いんすよねぇ」
 俺のステータスを確認しながら、なんとも言えない顔をしてる。

「正直、1体だけのを探して歩くのが億劫になっている。
 2体までならいけると思うんだが」
 変に格好をつけないで本音を正直にいう事にした。

「あー気持ちはわかるんすけど、うーん、じゃあ、なんか靴下とかで良いから石入れて簡易の接近武器持つってのどうっすか?」

「そんな装備で大丈夫か?」
 思わず聞いてしまった。

「大丈夫、問題ないっす。
 2枚盾やるの決まってるのに他の武器揃えても意味ないし、どんなチャチな武器でも当たればスキル発動すりゃ問題ないんすから。
 あ、でも、2体までっすよ、
 3体以上は絶対ダメっす」

「ああ、分かった約束する」

 そのまま、講習の当日まで順調に探索を行った。

 レベルも無事6に上がり、もう少しで7になりそうなくらいまでモンスターを倒していた。

 その中でパチンコの接近戦での使い勝手の悪さを痛感した。

 あと、どうやら1体に効果が発動してる時に別のモンスターに攻撃が当たっても、効果が発動しないようだ。

 誤差と言えば誤差なんだが、頭の隅には置いておこう。

 講習の日の当日、笹かまも所に寄って挨拶してから行く事にした。

「じゃあ、行ってくるよ」

「いってらっしゃいっす、あ!多分スキル売ってると思うんすけど、買っちゃダメっすよ。
 あ、買っても良いけど、使っちゃダメっすよ。
 盾術なんて使ってりゃ生えてくるんで、5くらいまでなって伸びなくなってから使う方が良いっすから」

「そうか分かった、ありがとう!」

 俺はまだレンタル期限の残っているレンタカーに乗って、講習会場へと向かった。

【後書き】
 お読み頂き、ありがとうございます。
 この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と少しでも思ってくださった方はお気に入り登録していただけると作者が喜びます。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~

川嶋マサヒロ
ファンタジー
 ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。  かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。  それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。  現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。  引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。  あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。  そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。 イラストは ジュエルセイバーFREE 様です。 URL:http://www.jewel-s.jp/

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

処理中です...