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第7話 オッサン齢53歳にして調子に乗る。
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初挑戦の翌日、パチンコじゃなくてスリングショットの命中精度を上げるべく、スライムを的に練習していた。
動きが鈍いので練習にはちょうど良い。
やってて、疑問に思ったのが最初のスリングショットの0ダメージに乾坤一滴の効果が乗らない。
なんでだろう?
カードゲームでよく言う、タイミングを逃すなのかな?
攻撃、回復、ダメージを与えるまでに乾坤一滴の効果が割り込めて無い。
うん、なんかそんな気がする。
そんな事を考えながらスライムを倒していく。
モンスターの強さは個体というより階層の影響が強いらしい。
同じスライムでも、1階で出るより5階に出る方が強い。
当たり前と言われればそうなんだが、この辺のどのモンスターが何階に出るかがダンジョン毎に違うらしく、素材集めなどでは、何階以下の〇〇の素材みたいな指定があるらしい。
ちなみに1階に出るスライムの素材、スライム液は無価値だそうだ。
魔石しか価値が無いらしい。
その魔石も1個10円って言われたんだけどね。
サイズが極々小になるらしい。
スリングショットにも慣れたし、2階に行くかな。
協会では3階まで調査は終了してるらしく、モンスターの情報も貰っている。
現状の暫定ダンジョンランクはGだそうだ。
下から2番目のランクで、初心者用になるらしい。
「こんな僻地の初心者用にわざわざ来るもの好きも居ないから、殆ど剣崎さん専用っすね!」
と、笑顔で言われたが、なんかバカにされた気がするのは考えすぎか?
2階はヴァルチャーで、素材の羽は10円、魔石も10円だそう。
1階よりは狭いがここのセーフティゾーンも広い。
そこを抜けると、見晴らしの良い草原だった。
誰も討伐していないせいか早速襲ってくる。
ヴァルチャーの攻撃は空中から一直線にこちらに突撃してくるので、狙いやすい。
そして当たれば、1秒もかからずに削り切る。
スリングにも慣れたし、特に大きな問題もなく探索を終える。
問題はないが収入もない、今日の稼ぎは720円だった。
早い段階でもう少し下の階層に行かなければ生活できなくなる。
若干の焦りを感じつつ帰宅した。
翌日、注文していた装備が届く。
『連撃の鉢巻』
効果 10連打する毎にダメージを倍にする。
解説 10回攻撃が当たればダメージが倍になる。
しかも効果は重複するという夢のようなアイテムである。
では、なぜ地雷なのか?
“連打”の基準に問題がある。
連打とは1秒以内に当たった攻撃の数なのである。
現状発見されているスキルで可能な組み合わせは格闘系のクラスが習得する、5連衝、3連打、双牙を集中をかけて発動までの時間を縮めた上で、間髪入れず放つだけである。
どれも発動MPが大きいスキルなので、1戦闘での消費MPが非常に多くなる。
しかも、ここまで与えたダメージは通常通り、10連打が確定しただけなので、これ以降のダメージからが倍なのである。
これだけの手間をかけるなら、単発でダメージの大きいスキル使った方が手っ取り早い。
更にこの装備は鉢巻なのだが、これはアクセサリーではなく頭部の防具になるのである。
他のヘルメットなどを付ければこの効果は発動しない。
頭部の防御を犠牲にして得る効果としては割に合わなすぎる。
まるで俺の為にあるような装備だ。
意気揚々とダンジョンに向かう。
「あ、剣崎さん今日はどこまで潜る予定っすか?」
相変わらず軽い。
「うーん特に決めていないけど、1回どこまで行けるか試してみようかなとは思っている」
「あーそうなんすかー、うーん、なんか5階がオークって報告来てるんすよ」
「オークだとまずいのか?」
「オークって5階まで出るモンスターで最強なんすよ、普通はダンジョンランクE以上じゃないと出ないはずなんすけど…」
「強いのか?」
「所詮5階なんでそこまでなんすけど、推奨レベル10って感じなのと5階毎のフロアボスってそのフロアのモンスターの強化版なんすよ、4階までとの格差がやばいかなーって感じっす」
「うん、分かった、ありがとう。
5階行く時は慎重に判断するよ」
笹かま良いやつだな。
俺、ちょっと誤解してたかな。
そう思いながら、3階に向かう。
3階も草原で、ここに居るのはホーンラビット。
3階からはレアドロップもあるらしく、ホーンラビットのレアドロップは肉らしく、結構ウマイらしい。
4階はゴブリンだ、魔石は相変わらず10円、ドロップ品の臭い布も10円、レアドロップの錆びたナイフは1000円らしい。
試しにパチンコを当てたが、全く鉢巻の効果を実感出来ない。
さっさと5階に行く。
くる時に貰ったオークの価格表では、魔石200円、ドロップ品の鼻50円、レアドロップの肉が5000円らしい。
さて、稼がせてもらうとするか。
この時俺は、笹かまの忠告は綺麗さっぱり忘れていた。
【後書き】
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と少しでも思ってくださった方はお気に入り登録していただけると作者が喜びます。
動きが鈍いので練習にはちょうど良い。
やってて、疑問に思ったのが最初のスリングショットの0ダメージに乾坤一滴の効果が乗らない。
なんでだろう?
カードゲームでよく言う、タイミングを逃すなのかな?
攻撃、回復、ダメージを与えるまでに乾坤一滴の効果が割り込めて無い。
うん、なんかそんな気がする。
そんな事を考えながらスライムを倒していく。
モンスターの強さは個体というより階層の影響が強いらしい。
同じスライムでも、1階で出るより5階に出る方が強い。
当たり前と言われればそうなんだが、この辺のどのモンスターが何階に出るかがダンジョン毎に違うらしく、素材集めなどでは、何階以下の〇〇の素材みたいな指定があるらしい。
ちなみに1階に出るスライムの素材、スライム液は無価値だそうだ。
魔石しか価値が無いらしい。
その魔石も1個10円って言われたんだけどね。
サイズが極々小になるらしい。
スリングショットにも慣れたし、2階に行くかな。
協会では3階まで調査は終了してるらしく、モンスターの情報も貰っている。
現状の暫定ダンジョンランクはGだそうだ。
下から2番目のランクで、初心者用になるらしい。
「こんな僻地の初心者用にわざわざ来るもの好きも居ないから、殆ど剣崎さん専用っすね!」
と、笑顔で言われたが、なんかバカにされた気がするのは考えすぎか?
2階はヴァルチャーで、素材の羽は10円、魔石も10円だそう。
1階よりは狭いがここのセーフティゾーンも広い。
そこを抜けると、見晴らしの良い草原だった。
誰も討伐していないせいか早速襲ってくる。
ヴァルチャーの攻撃は空中から一直線にこちらに突撃してくるので、狙いやすい。
そして当たれば、1秒もかからずに削り切る。
スリングにも慣れたし、特に大きな問題もなく探索を終える。
問題はないが収入もない、今日の稼ぎは720円だった。
早い段階でもう少し下の階層に行かなければ生活できなくなる。
若干の焦りを感じつつ帰宅した。
翌日、注文していた装備が届く。
『連撃の鉢巻』
効果 10連打する毎にダメージを倍にする。
解説 10回攻撃が当たればダメージが倍になる。
しかも効果は重複するという夢のようなアイテムである。
では、なぜ地雷なのか?
“連打”の基準に問題がある。
連打とは1秒以内に当たった攻撃の数なのである。
現状発見されているスキルで可能な組み合わせは格闘系のクラスが習得する、5連衝、3連打、双牙を集中をかけて発動までの時間を縮めた上で、間髪入れず放つだけである。
どれも発動MPが大きいスキルなので、1戦闘での消費MPが非常に多くなる。
しかも、ここまで与えたダメージは通常通り、10連打が確定しただけなので、これ以降のダメージからが倍なのである。
これだけの手間をかけるなら、単発でダメージの大きいスキル使った方が手っ取り早い。
更にこの装備は鉢巻なのだが、これはアクセサリーではなく頭部の防具になるのである。
他のヘルメットなどを付ければこの効果は発動しない。
頭部の防御を犠牲にして得る効果としては割に合わなすぎる。
まるで俺の為にあるような装備だ。
意気揚々とダンジョンに向かう。
「あ、剣崎さん今日はどこまで潜る予定っすか?」
相変わらず軽い。
「うーん特に決めていないけど、1回どこまで行けるか試してみようかなとは思っている」
「あーそうなんすかー、うーん、なんか5階がオークって報告来てるんすよ」
「オークだとまずいのか?」
「オークって5階まで出るモンスターで最強なんすよ、普通はダンジョンランクE以上じゃないと出ないはずなんすけど…」
「強いのか?」
「所詮5階なんでそこまでなんすけど、推奨レベル10って感じなのと5階毎のフロアボスってそのフロアのモンスターの強化版なんすよ、4階までとの格差がやばいかなーって感じっす」
「うん、分かった、ありがとう。
5階行く時は慎重に判断するよ」
笹かま良いやつだな。
俺、ちょっと誤解してたかな。
そう思いながら、3階に向かう。
3階も草原で、ここに居るのはホーンラビット。
3階からはレアドロップもあるらしく、ホーンラビットのレアドロップは肉らしく、結構ウマイらしい。
4階はゴブリンだ、魔石は相変わらず10円、ドロップ品の臭い布も10円、レアドロップの錆びたナイフは1000円らしい。
試しにパチンコを当てたが、全く鉢巻の効果を実感出来ない。
さっさと5階に行く。
くる時に貰ったオークの価格表では、魔石200円、ドロップ品の鼻50円、レアドロップの肉が5000円らしい。
さて、稼がせてもらうとするか。
この時俺は、笹かまの忠告は綺麗さっぱり忘れていた。
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