オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将

文字の大きさ
上 下
7 / 52

第7話 オッサン齢53歳にして調子に乗る。

しおりを挟む
初挑戦の翌日、パチンコじゃなくてスリングショットの命中精度を上げるべく、スライムを的に練習していた。

動きが鈍いので練習にはちょうど良い。

やってて、疑問に思ったのが最初のスリングショットの0ダメージに乾坤一滴の効果が乗らない。

なんでだろう?

カードゲームでよく言う、タイミングを逃すなのかな?

攻撃、回復、ダメージを与えるまでに乾坤一滴の効果が割り込めて無い。

うん、なんかそんな気がする。

そんな事を考えながらスライムを倒していく。

モンスターの強さは個体というより階層の影響が強いらしい。

同じスライムでも、1階で出るより5階に出る方が強い。

当たり前と言われればそうなんだが、この辺のどのモンスターが何階に出るかがダンジョン毎に違うらしく、素材集めなどでは、何階以下の〇〇の素材みたいな指定があるらしい。

ちなみに1階に出るスライムの素材、スライム液は無価値だそうだ。
魔石しか価値が無いらしい。
その魔石も1個10円って言われたんだけどね。
サイズが極々小になるらしい。

スリングショットにも慣れたし、2階に行くかな。

協会では3階まで調査は終了してるらしく、モンスターの情報も貰っている。

現状の暫定ダンジョンランクはGだそうだ。

下から2番目のランクで、初心者用になるらしい。

「こんな僻地の初心者用にわざわざ来るもの好きも居ないから、殆ど剣崎さん専用っすね!」
と、笑顔で言われたが、なんかバカにされた気がするのは考えすぎか?

2階はヴァルチャーで、素材の羽は10円、魔石も10円だそう。

1階よりは狭いがここのセーフティゾーンも広い。

そこを抜けると、見晴らしの良い草原だった。

誰も討伐していないせいか早速襲ってくる。

ヴァルチャーの攻撃は空中から一直線にこちらに突撃してくるので、狙いやすい。

そして当たれば、1秒もかからずに削り切る。

スリングにも慣れたし、特に大きな問題もなく探索を終える。

問題はないが収入もない、今日の稼ぎは720円だった。

早い段階でもう少し下の階層に行かなければ生活できなくなる。
若干の焦りを感じつつ帰宅した。

翌日、注文していた装備が届く。

『連撃の鉢巻』
効果 10連打する毎にダメージを倍にする。

解説 10回攻撃が当たればダメージが倍になる。
   しかも効果は重複するという夢のようなアイテムである。
   では、なぜ地雷なのか?
   “連打”の基準に問題がある。
   連打とは1秒以内に当たった攻撃の数なのである。
   現状発見されているスキルで可能な組み合わせは格闘系のクラスが習得する、5連衝、3連打、双牙を集中をかけて発動までの時間を縮めた上で、間髪入れず放つだけである。
   どれも発動MPが大きいスキルなので、1戦闘での消費MPが非常に多くなる。
   しかも、ここまで与えたダメージは通常通り、10連打が確定しただけなので、これ以降のダメージからが倍なのである。
   これだけの手間をかけるなら、単発でダメージの大きいスキル使った方が手っ取り早い。
   更にこの装備は鉢巻なのだが、これはアクセサリーではなく頭部の防具になるのである。
   他のヘルメットなどを付ければこの効果は発動しない。
   頭部の防御を犠牲にして得る効果としては割に合わなすぎる。

まるで俺の為にあるような装備だ。

意気揚々とダンジョンに向かう。

「あ、剣崎さん今日はどこまで潜る予定っすか?」
相変わらず軽い。

「うーん特に決めていないけど、1回どこまで行けるか試してみようかなとは思っている」

「あーそうなんすかー、うーん、なんか5階がオークって報告来てるんすよ」

「オークだとまずいのか?」

「オークって5階まで出るモンスターで最強なんすよ、普通はダンジョンランクE以上じゃないと出ないはずなんすけど…」

「強いのか?」

「所詮5階なんでそこまでなんすけど、推奨レベル10って感じなのと5階毎のフロアボスってそのフロアのモンスターの強化版なんすよ、4階までとの格差がやばいかなーって感じっす」

「うん、分かった、ありがとう。
5階行く時は慎重に判断するよ」
笹かま良いやつだな。

俺、ちょっと誤解してたかな。

そう思いながら、3階に向かう。

3階も草原で、ここに居るのはホーンラビット。
3階からはレアドロップもあるらしく、ホーンラビットのレアドロップは肉らしく、結構ウマイらしい。

4階はゴブリンだ、魔石は相変わらず10円、ドロップ品の臭い布も10円、レアドロップの錆びたナイフは1000円らしい。

試しにパチンコを当てたが、全く鉢巻の効果を実感出来ない。

さっさと5階に行く。

くる時に貰ったオークの価格表では、魔石200円、ドロップ品の鼻50円、レアドロップの肉が5000円らしい。

さて、稼がせてもらうとするか。

この時俺は、笹かまの忠告は綺麗さっぱり忘れていた。

【後書き】
 お読み頂き、ありがとうございます。
 この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と少しでも思ってくださった方はお気に入り登録していただけると作者が喜びます。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~

川嶋マサヒロ
ファンタジー
 ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。  かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。  それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。  現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。  引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。  あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。  そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。 イラストは ジュエルセイバーFREE 様です。 URL:http://www.jewel-s.jp/

望んでいないのに転生してしまいました。

ナギサ コウガ
ファンタジー
長年病院に入院していた僕が気づいたら転生していました。 折角寝たきりから健康な体を貰ったんだから新しい人生を楽しみたい。 ・・と、思っていたんだけど。 そう上手くはいかないもんだね。

処理中です...