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終章
Epilogue
しおりを挟む降り続いた雪は止み、厚い雲は風に吹かれた。
今はただ柔らかな陽の光と鳥のさえずりだけの穏やかな世界。
それは地上も天界も同じ。
「お仕事終わらないねぇ……」
「神様も……どこに行っちゃったんだろう」
地上から遠く離れた空の上、手には色とりどりの細い糸。
「あ、光った、これとこれ!! 」
「こっちも! きれいだなぁ」
天使達の仕事は糸と糸を一つにすること。
光り輝く二つの糸は、天使達の手の中で輝きを増し、やがて一つの糸となり消えていく。
「どうなったのかなぁ……あの二人」
「この中にあるといいのにねぇ」
二人の天使はまた光る糸を合わせて一つにする。
「ねぇ! お仕事終わったら見に行こうよ」
「うん、そうしよう! 」
天使達は満面の笑みで約束をして、また糸を撚り合わせる。
神は稲妻の生まれる所、暗い影を地に落とす雲の上に座る。
驕れる者、侮る者、傷つける者達の末路。
神は深く嘆いた。
咳払い、共に強烈な稲光が地上を襲う。
逃げ惑う黒い点。
神の怒りをかう所業は決して許されるはずもなく稲妻が突き刺し、炎の果てにやがて燃え尽きた。
人の運命を狂わせる。
犯してはならぬ罪を罰するのは人でなく神だ。
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