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生命の炎
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黒い炎と魔犬に挟まれ、それでもアナスタシアは歩みを止めずレイディアに詰め寄る。
「キールは何処」
「なんなのよあんた…!あいつなら魔王様が連れて行ったから魔王様の部屋よ!」
「そう」
アナスタシアはもうレイディアに用はないといった様子で部屋から出ようとする。
「待ちなさいよ!あたしを無視しようなんて良い度胸ね!」
そして黒い炎が燃え上がり、魔犬もアナスタシアに飛びかかった。
「邪魔をしないで」
アナスタシアが纏う金の炎は黒い炎を弾き、魔犬のことも飲み込む。
魔犬は悲鳴をあげあっさり消滅した。
「どういうことよ!なんで人間にそんな力があるの!」
「貴女に関係ないわ。わたくしはキールのところに行かなくてはいけないの、邪魔をするなら貴女も燃えなさい」
「負けるわけない…このあたしが人間なんかに!」
レイディアから黒い炎が立ち登り、部屋全体を包み込むように燃え広がる。
「うっ…アナ様…!」
いくら外傷に強いとはいえ燃やされては死んでしまう、サーラが悲鳴を上げた。
アナスタシアは部屋に広がる黒い炎を見渡し、一つため息をつくとサーラの元へ戻った。
「大丈夫よサーラ、少し目を瞑っていてね」
アナスタシアの言葉に合わせて金色の炎が光のように広がり、黒い炎を飲み込んでいく。
「馬鹿な…どうして人間がその炎を扱えるのよ!」
輝く炎が揺めき、鳥のような鳴き声が聞こえた気がした。
レイディアがそう思った時すでに彼女の体はアナスタシアの炎に包まれており、
「あああああ…魔王様…!」
彼女は焼き尽くされ消滅する。
炎が消えた部屋には、アナスタシアとサーラしか残されていなかった。
そこへケインとトーマが駆けつける。
「大丈夫か?!」
「キール様は??」
二人は魔物達を倒して通路へ出たが、そこにいるはずのキール達がおらず焦って追ってきたのだ。
「わたくしが追います、皆さんは後から来てください」
アナスタシアは静かにそう言うと炎を纏い消えてしまった。
「アナスタシア様?!」
城の最上階目指して消えていく金色の炎を追い、ケイン達も駆け出す。
「サーラ、いったい何があった?!」
「私にもわかりません!突然キール様が魔王に連れて行かれて、アナ様が…金色の炎を出して…」
「金の炎ってまさか、不死鳥??」
混乱しながら階段を駆け上がるケイン達。
最上階はまだ上だ。
「キールは何処」
「なんなのよあんた…!あいつなら魔王様が連れて行ったから魔王様の部屋よ!」
「そう」
アナスタシアはもうレイディアに用はないといった様子で部屋から出ようとする。
「待ちなさいよ!あたしを無視しようなんて良い度胸ね!」
そして黒い炎が燃え上がり、魔犬もアナスタシアに飛びかかった。
「邪魔をしないで」
アナスタシアが纏う金の炎は黒い炎を弾き、魔犬のことも飲み込む。
魔犬は悲鳴をあげあっさり消滅した。
「どういうことよ!なんで人間にそんな力があるの!」
「貴女に関係ないわ。わたくしはキールのところに行かなくてはいけないの、邪魔をするなら貴女も燃えなさい」
「負けるわけない…このあたしが人間なんかに!」
レイディアから黒い炎が立ち登り、部屋全体を包み込むように燃え広がる。
「うっ…アナ様…!」
いくら外傷に強いとはいえ燃やされては死んでしまう、サーラが悲鳴を上げた。
アナスタシアは部屋に広がる黒い炎を見渡し、一つため息をつくとサーラの元へ戻った。
「大丈夫よサーラ、少し目を瞑っていてね」
アナスタシアの言葉に合わせて金色の炎が光のように広がり、黒い炎を飲み込んでいく。
「馬鹿な…どうして人間がその炎を扱えるのよ!」
輝く炎が揺めき、鳥のような鳴き声が聞こえた気がした。
レイディアがそう思った時すでに彼女の体はアナスタシアの炎に包まれており、
「あああああ…魔王様…!」
彼女は焼き尽くされ消滅する。
炎が消えた部屋には、アナスタシアとサーラしか残されていなかった。
そこへケインとトーマが駆けつける。
「大丈夫か?!」
「キール様は??」
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「わたくしが追います、皆さんは後から来てください」
アナスタシアは静かにそう言うと炎を纏い消えてしまった。
「アナスタシア様?!」
城の最上階目指して消えていく金色の炎を追い、ケイン達も駆け出す。
「サーラ、いったい何があった?!」
「私にもわかりません!突然キール様が魔王に連れて行かれて、アナ様が…金色の炎を出して…」
「金の炎ってまさか、不死鳥??」
混乱しながら階段を駆け上がるケイン達。
最上階はまだ上だ。
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