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悪意
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ニッコリと笑顔を見せるキールは、真っ直ぐに目の前の男を見つめ迷いなくその名前を口にした。
「主神メージェ信仰第11支部のパトリック・シーだよね」
王子が自分を把握していることに驚き、そして自分は王子の顔を知らなかったと焦るパトリック。
その額から汗が噴き出す。
「は、はい…私を知っていてくださったとは、恐縮です」
「聞きたい事があるんだ。近くの村で住人が突然死した事件についてなんだけど」
キールが言うと、ピクリと笑顔を引き攣らせながらパトリックが頷いた。
「もちろん存じております、罪なき人々が魔物に襲われた気の毒な事件でした…あの場を清めるために私も訪れたのですよ」
「現場に行ったんだね。なにか不審なことに気づかなかったかい?」
パトリックは汗だくになりながら笑顔を貼り付け答える。
「不審な点ですか?なにも気になるところはございませんでしたよ」
とぼける気らしい、どう攻めようかとケインが考えた瞬間。
「実は毒殺らしいんだ!誰か毒に詳しい人に心当たりはあるかい?」
アッサリとキールが伝えてしまい、ケインは頭を抱える。
(一瞬でも実は凄い方だと思ったのが間違いだった!)
パトリックの名前と所属がパッと出てきた時は感心したのに。
毒という言葉に周囲は騒然となる。
「ど、毒殺?!」「一体誰がそんなことを…」「魔物ではないのか?神官様は魔物のせいだと言っていたぞ」
ザワつきが大きくなる中、パトリックはコホンと咳払いして大袈裟に両手を広げた。
「ははは、王子は面白いことをおっしゃる。あれは魔物の仕業ですよ、私が確認したのですから間違いありません」
自信満々のパトリック。
ホッとした様子の人々に向けて笑顔で語りだす。
「皆さん驚かれたでしょう、キール王子は初めての旅できっと混乱しておられるのです。見慣れない魔物の痕跡を毒と勘違いなさったのですね」
さりげなく王子を下に見ている無礼な言動に、ケインがたまらず口を開いた。
「無礼であるぞ、王子のそのお言葉を疑うのか」
「これはこれは騎士殿、私は決してそのようなつもりではございませんよ」
ニヤニヤと嫌な笑いを張り付けるパトリックにケインがさらに抗議しようとするが。
「…貴方が毒を使った、違いますか」
トーマが静かに追求を始めた。
「主神メージェ信仰第11支部のパトリック・シーだよね」
王子が自分を把握していることに驚き、そして自分は王子の顔を知らなかったと焦るパトリック。
その額から汗が噴き出す。
「は、はい…私を知っていてくださったとは、恐縮です」
「聞きたい事があるんだ。近くの村で住人が突然死した事件についてなんだけど」
キールが言うと、ピクリと笑顔を引き攣らせながらパトリックが頷いた。
「もちろん存じております、罪なき人々が魔物に襲われた気の毒な事件でした…あの場を清めるために私も訪れたのですよ」
「現場に行ったんだね。なにか不審なことに気づかなかったかい?」
パトリックは汗だくになりながら笑顔を貼り付け答える。
「不審な点ですか?なにも気になるところはございませんでしたよ」
とぼける気らしい、どう攻めようかとケインが考えた瞬間。
「実は毒殺らしいんだ!誰か毒に詳しい人に心当たりはあるかい?」
アッサリとキールが伝えてしまい、ケインは頭を抱える。
(一瞬でも実は凄い方だと思ったのが間違いだった!)
パトリックの名前と所属がパッと出てきた時は感心したのに。
毒という言葉に周囲は騒然となる。
「ど、毒殺?!」「一体誰がそんなことを…」「魔物ではないのか?神官様は魔物のせいだと言っていたぞ」
ザワつきが大きくなる中、パトリックはコホンと咳払いして大袈裟に両手を広げた。
「ははは、王子は面白いことをおっしゃる。あれは魔物の仕業ですよ、私が確認したのですから間違いありません」
自信満々のパトリック。
ホッとした様子の人々に向けて笑顔で語りだす。
「皆さん驚かれたでしょう、キール王子は初めての旅できっと混乱しておられるのです。見慣れない魔物の痕跡を毒と勘違いなさったのですね」
さりげなく王子を下に見ている無礼な言動に、ケインがたまらず口を開いた。
「無礼であるぞ、王子のそのお言葉を疑うのか」
「これはこれは騎士殿、私は決してそのようなつもりではございませんよ」
ニヤニヤと嫌な笑いを張り付けるパトリックにケインがさらに抗議しようとするが。
「…貴方が毒を使った、違いますか」
トーマが静かに追求を始めた。
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