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婚前旅行
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魔王討伐の旅を婚前旅行にする、だと?
ケインとサーラは耳を疑った。
そんな彼らの心境など想像もしないバカップル、完全に二人の世界に入り込む。
「なんて素晴らしいんだろう、愛する君と何日も一緒にいられるなんて!」
「本当ね、キール!わたくしも幸せだわ♪」
「そうだ、まだ紹介してなかったね!彼らは父上に選ばれし騎士ケインと、魔法使いサーラ!」
「まあ!陛下がお選びになったなんて優秀なのね!わたくしのことはアナと呼んでちょうだい、よろしくね♪」
邪気のかけらもないような二人に笑顔を向けられ、ケインもサーラも苦笑いするしかない。
そもそもアナスタシアは小さなカバン1つしか持っていない様子…これからどうするつもりなのだろうか。
(勘弁してくれ…ここまで脳足りんだとは)
予想以上の有様にケインは頭を抱えた。
彼らを守りながら、魔王軍と戦い、更には魔王城を目指す?
なんの冗談か。
サーラはサーラで、何も言わず困り顔でオロオロするばかり。
かなり気が弱い性格なのだろう、戦闘ができるとは思えない。
お世辞にも幸先がいいとは言えない一行の旅は、悲しいほど澄み渡る晴天の下に始まった。
数日分の食料などは城が用意してくれたため、キールの馬の他に馬車を一台連れている。
馬車を引くのもケインの仕事になってしまい、こんな状況で敵に襲われたらひとたまりもないことは一目瞭然だ。
しかたなく次の街で人を雇うことにした。
「着いたぞ!商人の街アキナール!」
なんとか日が暮れる前にたどり着くことができた一行は、まず宿の確保へと向かう。
ちなみにキールの格好はというと、金ピカ帽子に真っ赤なマント、真っ青なシャツに緑のズボンという謎のファッション。
そしてアナスタシアもお嬢様全開のフリフリ帽子にフンワリとしたワンピース姿。
ヘンチクリンな一行を、街の人々が不審な目で見るのも無理はない。
街に入ってすぐ大きな宿屋が目に入ったため、キールたちは扉を叩いた。
「たのもー!!」
「いや道場破りか」
仮にも王子相手に素で突っ込んでしまうくらい、ケインの心労は1日でピークに達している。
ケインとサーラは耳を疑った。
そんな彼らの心境など想像もしないバカップル、完全に二人の世界に入り込む。
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「本当ね、キール!わたくしも幸せだわ♪」
「そうだ、まだ紹介してなかったね!彼らは父上に選ばれし騎士ケインと、魔法使いサーラ!」
「まあ!陛下がお選びになったなんて優秀なのね!わたくしのことはアナと呼んでちょうだい、よろしくね♪」
邪気のかけらもないような二人に笑顔を向けられ、ケインもサーラも苦笑いするしかない。
そもそもアナスタシアは小さなカバン1つしか持っていない様子…これからどうするつもりなのだろうか。
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彼らを守りながら、魔王軍と戦い、更には魔王城を目指す?
なんの冗談か。
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かなり気が弱い性格なのだろう、戦闘ができるとは思えない。
お世辞にも幸先がいいとは言えない一行の旅は、悲しいほど澄み渡る晴天の下に始まった。
数日分の食料などは城が用意してくれたため、キールの馬の他に馬車を一台連れている。
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しかたなく次の街で人を雇うことにした。
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ヘンチクリンな一行を、街の人々が不審な目で見るのも無理はない。
街に入ってすぐ大きな宿屋が目に入ったため、キールたちは扉を叩いた。
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仮にも王子相手に素で突っ込んでしまうくらい、ケインの心労は1日でピークに達している。
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