6 / 6
神々の娯楽
しおりを挟む
一連の出来事を眺めていたのは、人間の世界を生み出した神アーヴィア。
そしてもう一人、魔王と勇者の世界を生み出した神イーヴィン。
『ふむ。我の世界が滅んだか…まあよい、人間以外は生き残っているからな』
アーヴィンが言うと、
『あの子供に鍵を与えた時点で結末は見えていただろう』
イーヴィンは欠伸をしながら言った。
『そうでもないぞ。もしも勇者の輝きに惹かれ、あの親を許していたら。違う演目が見られたであろう』
『許す可能性など無さそうだったがな』
『人間とは不安定な生き物だ。そのように創り出したのだからな…予想外のものを見られる楽しみのために』
アーヴィンとイーヴィンにとって、世界は暇潰しの道具。
『また人間を生み出すのか?生命が少ない世界では糧にならぬだろう』
繋がりを完全に断たれてしまうと、神といえども滅ぶ。
『しばらくはこのままにしておくさ。静かな世界も悪くない』
『我の世界には干渉してくるなよ、次の勇者を生み出さねばならぬのだから忙しいのだ』
魔王達の世界にも普通の人間は五万といる。
次の勇者を選定し、争いを続けさせなくてはならない…それがイーヴィンが世界を作った時の決まり事だから。
『我はのんびり過ごさせてもらうぞ、イーヴィン』
『ボケる前にまた話をしよう、アーヴィン』
二人の神は、とてもよく似た双子。
それぞれ別の世界を生み出し、管理している。
完全に滅びない程度に遊び続けるアーヴィンとイーヴィン。
悠久の時を生きる彼らの手のひらで踊る生命達は、自分達の世界が神の気分ひとつで滅びと再生を繰り返していることなど知らない。
アーヴィンは人類が滅んだ世界を見渡し呟く。
『ああ…我が世界は今日も平和だ』
己の世界に戻ったイーヴィンも、世界を見渡ししみじみと思う。
『やはり我が世界が一番美しい…殺し合う人間と魔族。今日も平和だな』
神曰く、世界は今日も平和らしい---
そしてもう一人、魔王と勇者の世界を生み出した神イーヴィン。
『ふむ。我の世界が滅んだか…まあよい、人間以外は生き残っているからな』
アーヴィンが言うと、
『あの子供に鍵を与えた時点で結末は見えていただろう』
イーヴィンは欠伸をしながら言った。
『そうでもないぞ。もしも勇者の輝きに惹かれ、あの親を許していたら。違う演目が見られたであろう』
『許す可能性など無さそうだったがな』
『人間とは不安定な生き物だ。そのように創り出したのだからな…予想外のものを見られる楽しみのために』
アーヴィンとイーヴィンにとって、世界は暇潰しの道具。
『また人間を生み出すのか?生命が少ない世界では糧にならぬだろう』
繋がりを完全に断たれてしまうと、神といえども滅ぶ。
『しばらくはこのままにしておくさ。静かな世界も悪くない』
『我の世界には干渉してくるなよ、次の勇者を生み出さねばならぬのだから忙しいのだ』
魔王達の世界にも普通の人間は五万といる。
次の勇者を選定し、争いを続けさせなくてはならない…それがイーヴィンが世界を作った時の決まり事だから。
『我はのんびり過ごさせてもらうぞ、イーヴィン』
『ボケる前にまた話をしよう、アーヴィン』
二人の神は、とてもよく似た双子。
それぞれ別の世界を生み出し、管理している。
完全に滅びない程度に遊び続けるアーヴィンとイーヴィン。
悠久の時を生きる彼らの手のひらで踊る生命達は、自分達の世界が神の気分ひとつで滅びと再生を繰り返していることなど知らない。
アーヴィンは人類が滅んだ世界を見渡し呟く。
『ああ…我が世界は今日も平和だ』
己の世界に戻ったイーヴィンも、世界を見渡ししみじみと思う。
『やはり我が世界が一番美しい…殺し合う人間と魔族。今日も平和だな』
神曰く、世界は今日も平和らしい---
0
お気に入りに追加
11
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

冷徹義兄の密やかな熱愛
橋本彩里(Ayari)
恋愛
十六歳の時に母が再婚しフローラは侯爵家の一員となったが、ある日、義兄のクリフォードと彼の親友の話を偶然聞いてしまう。
普段から冷徹な義兄に「いい加減我慢の限界だ」と視界に入れるのも疲れるほど嫌われていると知り、これ以上嫌われたくないと家を出ることを決意するのだが、それを知ったクリフォードの態度が急変し……。
※王道ヒーローではありません
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

はずれのわたしで、ごめんなさい。
ふまさ
恋愛
姉のベティは、学園でも有名になるほど綺麗で聡明な当たりのマイヤー伯爵令嬢。妹のアリシアは、ガリで陰気なはずれのマイヤー伯爵令嬢。そう学園のみなが陰であだ名していることは、アリシアも承知していた。傷付きはするが、もう慣れた。いちいち泣いてもいられない。
婚約者のマイクも、アリシアのことを幽霊のようだの暗いだのと陰口をたたいている。マイクは伯爵家の令息だが、家は没落の危機だと聞く。嫁の貰い手がないと家の名に傷がつくという理由で、アリシアの父親は持参金を多めに出すという条件でマイクとの婚約を成立させた。いわば政略結婚だ。
こんなわたしと結婚なんて、気の毒に。と、逆にマイクに同情するアリシア。
そんな諦めにも似たアリシアの日常を壊し、救ってくれたのは──。

前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。
これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。
それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる