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第6章〜過去〜
第59話
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アイクたちの治療が一通り終わったところで、追ってきていた海軍の戦艦へ反撃し海に沈めた一行。
北の海を目指して船を進めていた。
「ゴードン達の船はアイルド共和国の近くにいるって」
シリウスが世界地図を広げながら航路を確認する。
ゴードンというのは、先代船長亡き後に分けた船を任せている男。
先代への忠誠心が高かった船員達40名ほどを連れて別行動をしている。
「そうか…久しぶりに会うことになるかもな」
北の海域を中心に活動している彼らとは、船を分けて以来一度も会っていない。
先代を慕っていた彼らがヴィンの下にいることを拒んだのではと言われているが、話し合いを行ったヴィンとシリウスが何も言わないため詳細は不明だった。
「いい加減除名してしまっては?」
ヴィンを慕わない様子の彼らのことをよく思っていないイクスは、以前からゴードンたちの除名を求めている。
「ゴードン達には北の海の情報を貰っている。定期連絡は欠かさず仕事をしているのだから何も問題はない」
「…海軍も追ってきてないみたいだし、このまま北へ行くなら備えをしないとね」
気温も下がってくるため、衣類、食料、燃料など備蓄を増やさなくてはいけない。
いくつか島を越えたところで一度上陸する計画を立て、会議は終わった。
「…ヴィン、本当に北の海域を進むの?」
二人きりになってからシリウスは声を掛ける。
ヴィンの表情は変わらないが、本当に大丈夫なのかと心配だった。
「ああ。しばらく滞在することになるだろうが、アイクたちの体を休めるためにも海軍の目を避けたいからな」
極寒地域に近づけば海軍も少ない、敵襲の恐れが減るはず。
「ヴィンが許可するつもりだとしても、レークライドにだけは近づかないからね」
極寒の国レークライドを思い浮かべ、シリウスは険しい顔になる。
世界一の女王を自称する女が統治する、女尊男卑の激しい国…繋がれた男、殴られる子供達。
脳裏に浮かんだ姿を振り払い、ヴィンは船長室を後にした。
船内を見渡せば、怒りのオーラを纏いながら船の修理をするガイル、カーシャに引きずられながら食堂に入っていくライアンとついていくミュフィ、甲板で昼寝をするジェイ、そんなジェイを睨んでいるイクスなど仲間達の姿。
(…大丈夫、全員守れる)
見上げた空は澄み渡っていた。
北の海を目指して船を進めていた。
「ゴードン達の船はアイルド共和国の近くにいるって」
シリウスが世界地図を広げながら航路を確認する。
ゴードンというのは、先代船長亡き後に分けた船を任せている男。
先代への忠誠心が高かった船員達40名ほどを連れて別行動をしている。
「そうか…久しぶりに会うことになるかもな」
北の海域を中心に活動している彼らとは、船を分けて以来一度も会っていない。
先代を慕っていた彼らがヴィンの下にいることを拒んだのではと言われているが、話し合いを行ったヴィンとシリウスが何も言わないため詳細は不明だった。
「いい加減除名してしまっては?」
ヴィンを慕わない様子の彼らのことをよく思っていないイクスは、以前からゴードンたちの除名を求めている。
「ゴードン達には北の海の情報を貰っている。定期連絡は欠かさず仕事をしているのだから何も問題はない」
「…海軍も追ってきてないみたいだし、このまま北へ行くなら備えをしないとね」
気温も下がってくるため、衣類、食料、燃料など備蓄を増やさなくてはいけない。
いくつか島を越えたところで一度上陸する計画を立て、会議は終わった。
「…ヴィン、本当に北の海域を進むの?」
二人きりになってからシリウスは声を掛ける。
ヴィンの表情は変わらないが、本当に大丈夫なのかと心配だった。
「ああ。しばらく滞在することになるだろうが、アイクたちの体を休めるためにも海軍の目を避けたいからな」
極寒地域に近づけば海軍も少ない、敵襲の恐れが減るはず。
「ヴィンが許可するつもりだとしても、レークライドにだけは近づかないからね」
極寒の国レークライドを思い浮かべ、シリウスは険しい顔になる。
世界一の女王を自称する女が統治する、女尊男卑の激しい国…繋がれた男、殴られる子供達。
脳裏に浮かんだ姿を振り払い、ヴィンは船長室を後にした。
船内を見渡せば、怒りのオーラを纏いながら船の修理をするガイル、カーシャに引きずられながら食堂に入っていくライアンとついていくミュフィ、甲板で昼寝をするジェイ、そんなジェイを睨んでいるイクスなど仲間達の姿。
(…大丈夫、全員守れる)
見上げた空は澄み渡っていた。
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