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第4章〜お節介〜
第28話
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ジンとディアナとは、共に三十代の船員でいつのまにか惹かれ合い、結婚したいと申し出て来た。
当時船員が100人を超えて手狭だったため、そろそろ船を分けようと決め2人を中心に20名ほどを別部隊に任命したのだ。
他の海賊の動きを探るなどし、定期的に連絡を取り合っている。
ちなみに、先代の頃に分けた部隊も別行動中だ。
「恋愛ごとは自然の流れに任せている。無理に盛り上がる必要はない」
そもそもヴィンは色恋沙汰に疎く、積極的に介入する気など無いのだ。
しかしライアンは引かなかった。
「嫌よぉ、派手な物とは言わないから、新しいお洋服買ってあげて~!」
両手を握りしめて熱い眼差しで目の前まで迫ってくるライアン。
「…わかった、それぞれ1着2着くらいなら買ってもいいだろう」
珍しくヴィンが折れた。
「ありがと船長~♪だぁいすき♡」
抱きついて来ようとするライアンを手で制し、ヴィンは予算表を書き直すのであった。
なんとかライアンを退室させ、ヴィンは自分とシリウスの分のコーヒーを淹れる。
「全く…最近ライアンは変だな」
そう、やけに恋愛話をしてこようとするのだ。
「…誰か気になる子でもできた、とか?」
シリウスも首を捻る。
「ライアンに限ってそれはないと思うが」
ライアンは人の恋路にはお節介を焼くが、自身は恋愛をしない。
ああいう格好を好むのは完全に本人の趣味趣向で、女のような話し方をするからといって男が好きなわけではない。
かといって女と恋愛したと言う話も聞いたことがないのだ。
「ライアンのことは俺もよく知らないからな…あいつはオヤジが拾ってきたし」
よほど問題がない限り、来るもの拒まず受け入れるアルメリア海賊団。
とある街で別行動をしていた先代が、突然連れてきたのがライアンだ。
初めてあったときからあの様子で、お喋りだが過去のことを語ろうとしない。
謎に包まれてる度で言えば上位に入る。
なぜか恋のキューピッド作戦に熱意を見せるライアンを不思議に思いながら、ヴィンとシリウスはコーヒーを啜るのであった。
当時船員が100人を超えて手狭だったため、そろそろ船を分けようと決め2人を中心に20名ほどを別部隊に任命したのだ。
他の海賊の動きを探るなどし、定期的に連絡を取り合っている。
ちなみに、先代の頃に分けた部隊も別行動中だ。
「恋愛ごとは自然の流れに任せている。無理に盛り上がる必要はない」
そもそもヴィンは色恋沙汰に疎く、積極的に介入する気など無いのだ。
しかしライアンは引かなかった。
「嫌よぉ、派手な物とは言わないから、新しいお洋服買ってあげて~!」
両手を握りしめて熱い眼差しで目の前まで迫ってくるライアン。
「…わかった、それぞれ1着2着くらいなら買ってもいいだろう」
珍しくヴィンが折れた。
「ありがと船長~♪だぁいすき♡」
抱きついて来ようとするライアンを手で制し、ヴィンは予算表を書き直すのであった。
なんとかライアンを退室させ、ヴィンは自分とシリウスの分のコーヒーを淹れる。
「全く…最近ライアンは変だな」
そう、やけに恋愛話をしてこようとするのだ。
「…誰か気になる子でもできた、とか?」
シリウスも首を捻る。
「ライアンに限ってそれはないと思うが」
ライアンは人の恋路にはお節介を焼くが、自身は恋愛をしない。
ああいう格好を好むのは完全に本人の趣味趣向で、女のような話し方をするからといって男が好きなわけではない。
かといって女と恋愛したと言う話も聞いたことがないのだ。
「ライアンのことは俺もよく知らないからな…あいつはオヤジが拾ってきたし」
よほど問題がない限り、来るもの拒まず受け入れるアルメリア海賊団。
とある街で別行動をしていた先代が、突然連れてきたのがライアンだ。
初めてあったときからあの様子で、お喋りだが過去のことを語ろうとしない。
謎に包まれてる度で言えば上位に入る。
なぜか恋のキューピッド作戦に熱意を見せるライアンを不思議に思いながら、ヴィンとシリウスはコーヒーを啜るのであった。
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