契約婚で公爵夫人始めます!〜貴族社会のゴタゴタ?ブラック企業の百倍マシよ〜

歌龍吟伶

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第50話:エレナと新たな取り巻き

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王妃主催の茶会から一週間、シズリアはジークハルトと共に王子アルベールの誕生パーティーに呼ばれていた。

初めはシズリアの側にいたジークハルトだったが、友人を見つけて少し離れたと思ったら他の人々に捕まり戻れなくなっている。

シズリアが一人になるのを待っていたかのように取り囲むのは、エレナと新たな取り巻き四人。

取り巻きの一人エリザベスは、先日の茶会で会った財務大臣の娘らしい。


「お久しぶりですわねシズリア様、お身体は宜しいのですか?」

「お久しぶりですエレナ様。最近は安定してきたようで落ち着いておりますわ」


妊娠九ヶ月を迎えるシズリア、ゆったりとしたドレスに包まれた腹部は布を押し広げて存在を主張している。

胎動も激しくなってきており、ずっと見ていれば服の上からでも分かるくらいだ。

エレナはにこやかに話しかけてくるが、何を企んでいるか分からない。

警戒するシズリアに、エリザベスが話し掛ける。


「あら、そちらの耳飾りが例の大切な方から贈られたというお品ですの?お母様から聞きましたわ」

「素晴らしい方から頂いた大切な物、です」


エレナはそれが王妃からの贈り物であると気づいている、しかしシズリアの評判を落とすためにわざとこの話に乗っているのだ。

言えないような特別な相手がいるのではないか、と印象付けるために。


「ジークハルト様という素敵な方がいらっしゃるのに、他の方からの贈り物を身に付けるなんて…わたくしには理解できませんわぁ」

「本当に。ジークハルト様がお可哀想」

「あら。これはお守りなのです。主人からも出かける際はつけているようにと言われておりますのよ」


そう言ってジークハルトの方を見たが、先程まで見える範囲で誰かと話していたのに見当たらない。

見失ってしまったのかと不安になったシズリア、その肩に手が乗せられる。


「!!」

「大丈夫か、シズリア」


いつの間にか後ろに回っていたらしいジークハルトが戻ってきていた。


「ジークハルト様…」

「離れてすまなかった」

「お話は終わりましたの?」

「終わらせた。身重の妻を長く放置するわけにいかん」


シズリアがエレナ達に囲まれている事に気づき、会話を切り上げて戻ってきてくれたらしい。

ジークハルトはシズリアの腰に手を回し寄り添うと、エレナ達を見下ろす。


「お久しぶりですね、エレナ嬢」

「え、ええ。お会いできて嬉しいですわジークハルト様」


ジークハルトが近くに来た事で、エレナは本当に嬉しそうだった。


(好きな気持ちは本物なんだろうけど…)


恋する乙女の顔になっているエレナを見て複雑な気持ちになるシズリア。

しかしエレナを見下ろすジークハルトの目は冷たく、すぐに彼女から目を逸らしシズリアを見つめた。


「疲れたのではないか?少し座らせて貰おう」


会場の隅には椅子もある、国王の挨拶中などでなければ座ることが許されるのだ。
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