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第13話:油断は怪我のもと
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新人達の訓練が終わり、リューファは待ちきれずに訓練場に足を踏み入れる。
「教官!お願いしまーす!」
「少し休ませてくださいよ」
「教官が回復しちゃったら勝てないじゃない」
教官トラメア・ディーンは国内屈指の戦士。
目の前で息子が死ぬのを見てしまい戦場に立たなくなったが、若い戦士達を息子のように死なせたくないとの想いから教官として軍に関わり続けている。
リューファが勝てない数少ない相手だ。
「王女様が卑怯な事を言うものではありませんよ」
口調は厳しいがその目は優しく、トラメアは教え子と向き合う。
「本日は素手になさいますか、それとも武器を使われますか」
「今日は剣が良いわ!」
リューファは訓練場の剣を借り構える。
多少の傷はすぐに治るので、訓練でも真剣を使う。
竜化出来ない場合を想定して肉弾戦や剣技も学んでいるリューファ。
教官との練習試合が始まった。
「それでは、始め!」
護衛隊長ジェネの掛け声で一気に斬りかかるリューファ、その一撃をトラメアは軽々と避ける。
「瞬発力は上がりましたね、しかしまだ隙が大きい。改善されていませんよ」
その後も繰り出されるリューファの攻撃を軽く受け流すトラメア。
新人達は感動しながら食い入るように見つめている。
「凄い、さすが教官」
「王女様も凄い…教官相手にあの動き」
トラメアは身軽に避けてばかりだが、時折軽く反撃を見せる。
それをリューファはギリギリで避けていたのだが。
「あっ」
攻撃を避けられ体勢を崩しながら、更に深追いしようと剣を振ったリューファ。
軽く反撃したつもりだったトラメア、しかしその剣先がリューファの肩に当たってしまう。
「申し訳ございません姫、大丈夫ですか」
肩口から流れる血を見てトラメアは慌てた。
昔から訓練相手を務めて何度も投げ飛ばし、アザだらけにした事はあるが剣で切ってしまったのは初めてだったのだ。
ジェネも駆け寄る。
「平気平気、大丈夫よ。掠っただけすぐ治るわ」
「申し訳ございません、私とした事が」
「気にしないで、私が未熟なだけ。訓練に付き合ってくれてありがとう教官」
むしろリューファのほうが慌てて手を振った。
いつも自分が訓練に割り込んでいるのに付き合ってくれる教官、罰せられるようなことになったら大変だ。
「みんな内緒ね、わたくしのヘマだから」
リューファは片目を瞑り笑顔でその場を後にする。
ジェネに付き添われて医務室へ逆戻りだ。
「あら姫様、どうされました?」
「軽く怪我しちゃって、全然大丈夫なんだけどね」
「あらま珍しい」
応急処置を受け、ジェネの上着を羽織らされリューファは部屋に戻る。
そしてその夜、報告を受けたルードヴィッヒに叱られるのであった。
「教官!お願いしまーす!」
「少し休ませてくださいよ」
「教官が回復しちゃったら勝てないじゃない」
教官トラメア・ディーンは国内屈指の戦士。
目の前で息子が死ぬのを見てしまい戦場に立たなくなったが、若い戦士達を息子のように死なせたくないとの想いから教官として軍に関わり続けている。
リューファが勝てない数少ない相手だ。
「王女様が卑怯な事を言うものではありませんよ」
口調は厳しいがその目は優しく、トラメアは教え子と向き合う。
「本日は素手になさいますか、それとも武器を使われますか」
「今日は剣が良いわ!」
リューファは訓練場の剣を借り構える。
多少の傷はすぐに治るので、訓練でも真剣を使う。
竜化出来ない場合を想定して肉弾戦や剣技も学んでいるリューファ。
教官との練習試合が始まった。
「それでは、始め!」
護衛隊長ジェネの掛け声で一気に斬りかかるリューファ、その一撃をトラメアは軽々と避ける。
「瞬発力は上がりましたね、しかしまだ隙が大きい。改善されていませんよ」
その後も繰り出されるリューファの攻撃を軽く受け流すトラメア。
新人達は感動しながら食い入るように見つめている。
「凄い、さすが教官」
「王女様も凄い…教官相手にあの動き」
トラメアは身軽に避けてばかりだが、時折軽く反撃を見せる。
それをリューファはギリギリで避けていたのだが。
「あっ」
攻撃を避けられ体勢を崩しながら、更に深追いしようと剣を振ったリューファ。
軽く反撃したつもりだったトラメア、しかしその剣先がリューファの肩に当たってしまう。
「申し訳ございません姫、大丈夫ですか」
肩口から流れる血を見てトラメアは慌てた。
昔から訓練相手を務めて何度も投げ飛ばし、アザだらけにした事はあるが剣で切ってしまったのは初めてだったのだ。
ジェネも駆け寄る。
「平気平気、大丈夫よ。掠っただけすぐ治るわ」
「申し訳ございません、私とした事が」
「気にしないで、私が未熟なだけ。訓練に付き合ってくれてありがとう教官」
むしろリューファのほうが慌てて手を振った。
いつも自分が訓練に割り込んでいるのに付き合ってくれる教官、罰せられるようなことになったら大変だ。
「みんな内緒ね、わたくしのヘマだから」
リューファは片目を瞑り笑顔でその場を後にする。
ジェネに付き添われて医務室へ逆戻りだ。
「あら姫様、どうされました?」
「軽く怪我しちゃって、全然大丈夫なんだけどね」
「あらま珍しい」
応急処置を受け、ジェネの上着を羽織らされリューファは部屋に戻る。
そしてその夜、報告を受けたルードヴィッヒに叱られるのであった。
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