最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~

まーくん

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第14章 そして神になった

【怪盗スペルチ団3】

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<<マリス視点>>



「ねえねえ、聞いたぁ。



また怪盗スペルチ団が現れたみたいだね。

今度は西地区の宝石店だって!」



「あー、わたしも聞いたー。

トラファルガ宝石店でしょ。

あそこってさあ、悪どく儲けてたって聞いたことがあるー。



まあ、スペルチ団が襲ったんだから確定だねー。」



「ホント、ホント。

スペルチ団ってさー、本当に義賊って感じだよね~。」



「そうそう、でさー、この前スペルチ団の団長って人の似顔絵が貼られてたんだけどさ~、むっちゃかっこよかったのよねー。」



「ところでさー、工作課のサブレ君ってイケてるって思わないー。」



「え~あんた彼を狙ってるの。やめときなよー、彼はねー………」








「ハーー…」

異世界管理局の本部ビル3階の給湯室で、若い娘達が話している声を、たまたま通り掛かったマリスは溜め息と共に聞いていた。



「本当にお気楽で良いわね。



あの子達きっとここを婚活場所だと思ってるのよ。絶対そうよ!」



「マリス、心の声が駄々漏れよ。」



「そうよ、わたし達だってあの子達とそんなに変わらないじゃない。」



シールとポーラが呆れ顔で突っ込んでくるけど、わたしの苛立ちは収まらない。



「でも分かるわよ。だって最近のマリス忙しすぎるものね。」



「そーなのよ!だってラスク星が大成功して、いきなり好評価されちゃったじゃない。



嬉しくってさー、頼まれるままにいろんな依頼を受けちゃったんだけどね、こんなに忙しくなるなんて思わなかったんだよね。



そしたらアシスタントをしてくれてたセラフがランス君のところに行ったままになったでしょ。



あの娘ったらラスク星から帰って来てからなんだか寂しそうだったからさー、軽い気持ちで「ランス君のところへ行ってきたらー」って言ったら、嬉しそうに出ていったの。



そしたらね、マサルさんが真面目な顔をして、セラフをランスの嫁に欲しいって言うのよねー。



どうしようかって迷ったんだけどね、マサルさんがこっちに来た時に約束していた3個の約束の最後のひとつって言われたら断れなくなったの。



まあ、あのセラフに先を越されるなんて考えもしなかったけど、珍しいマサルさんの頼みだし。



そろそろ新しいセラフを入れても良いかなって思ったから、ランス君のところに送ってあげたのよ。



ちょっと悔しかったんだけどね。」



「マリスにしては大人の対応じゃない。」



「そうでしょ。でもね、新しく入ったセラフなんだけど、最新型って言うから期待してたのに、全然ダメなのよ。



気が利かないって言うかね。



前のセラフだったら、何も言わなくてもやってくれてたことが全く出来ないのよ。



セラフ管理課に聞いても異常なしって言われるし。



いまさらランス君にセラフ返してとも言えないからさー。



だから自分でやらなきゃいけないことが馬鹿みたいに増えちゃって、今むっちゃ忙しいのよ。」



「なるほどね。その上あてにしてたマサルさんが別の部署に配属されちゃったしね。」



「失礼ね、あてになんかしてないわよ。



協力してもらおうとは思っていたけどね。」



「それをあてにしてるって言うのよ。」



シールが肩を竦めながら笑ってる。



「さあ、そろそろ行くわよ。運営課会議が始まっちゃうわ。」



「そうね、がんばらなくちゃね。」





<<スペルチ団団長カリナ視点>>



「お頭、上手くいきましたね。」



「ああ、ご苦労様。」



わたしの名前はカリナ。



父親から引き継いだスペルチ団を率いて半年。



漸く癖のあるメンバーを纏めあげることが出来てきて、スペルチ団にとって今回の仕事は久しぶりの大仕事になったのだ。



それだけに達成感が疲労を高揚に変えてくれている。



「しかし天下のトラファルガも大したことありませんでしたね。」



「お頭の周到な準備には感心しましたぜ。



前のお頭は力業に頼ることが多かったですけど、女性らしさっていうんですかね。」



「わたしは親父みたいにとんでもない剛力を持ってたわけじゃないしね。

頭を使うしかないんだよ。



それにね、あの頃よりも警察も賢くなったから、今までのやり方じゃこれからは難しいと思ったからね。」



「さすがはお頭。前お頭も先見の明をお持ちだったわけだ。」



「ハシリ、うちの頭脳であるお前がいてくれるから、安心して行動出来るんだよ。



そして他の皆んなも忠実に実行してくれるからの成功じゃないか。



皆で達成した勝利だな。」



「じゃあお頭、いつものように戦利品を換金して半分を施設に分配してきますぜ。」



「ああ、ヤスハ。頼んだよ。」



ハシリとヤスハは、先代からウチの番頭役として頑張ってくれている古株のふたりだ。



ハシリは盗みに入る場所の事前調査や仕事に関する計画調整全般を担当してくれている。



長い経験から細かいところまで気付き、まだ日の浅いわたしを助けてくれる頼もしい参謀役だ。



ヤスハはいろんな人脈をもつ不思議な男だ。盗品の換金だけでなく、警察や役所の様々な情報を仕入れてきてくれる。



今回のトラファルガの一件も、トラファルガ宝石店に税務調査がはいるとの情報を仕入れたヤスハが、隠し財産として確保されているヤバ目の宝石類を西地区の小規模店舗に密かに移動していることを突き止めてきたおかげで襲うことにしたのだ。



おかげで侵入不可能と言われる本店に忍び込むことなく彼らの本当のお宝を手に入れられたわけだ。



もちろん、トラファルガの奴らも隠し財産を盗まれたなんて言えるわけも無く、ちんけな宝石を盗まれたとしか警察にも言っていないだろう。



まあ、あいつらが保険金として受け取る額の方が被害総額よりも大きいかもしれないがな。


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