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第14章 そして神になった
【次元の狭間4】
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<<マサル視点>>
局長に続いて局長室から現れたのはユウコさんだった。
「紹介しておこうか。彼女はユウコ君。この調査室で働いてもらうことになった。
マサル君は面識があるんだったね。
さて、これで全員集まったから、この部署について説明しておこうか。」
4人で部屋の奥にある会議エリアに移動する。
ユウコさんは俺の隣に座った。
悪戯が成功した子供みたいに顔が綻んでいる。
「さて、この部署のミッションについてだが、正直に言うとよく分かっていないんだ。
その分かっていないところを探してもらうことから始めることになる。
マサル君、君が先日救ったアースの子供達の件があっただろう。
ある意味あれがこの部署をつくるきっかけとなった。
これまでも召喚途中で次元の狭間に落ちてしまう召喚者はいたのだが、数が少なく救いようもかもなかった為、事故として放置していたのが現実だ。
ただ今回は君の活躍で貴重なアースの若者を200人も救い出すことが出来た。
そして、何者かによる明確な攻撃を受けたね。
これにより、今回初めて次元の狭間に介在する何者かの存在が明らかになったのさ。
となると、我々が事故だと結論付けていた次元の狭間への転落は意図されていたものではないか、との話しになる。
実は監査部でも以前から調査していたみたいで、今回のことを契機に協力して本格的な対策に当たろうということになったのだよ。
監査部はあくまで秘密組織だからおおっぴらに活動するのは難しい。
それで異世界管理局内に部署を新設し、監査部からユウコ君に来てもらうことになったんだ。
ユウコ君自己紹介でもどうだ。」
「ユウコです。マサルさんと同じアース出身の転移者です。
わたしの場合は異世界管理局から召喚されたわけではなく、山陰で起こった大地震の際に次元の狭間に落ちそうになったところを、監査部のエージェントに助けてもらいそのまま召喚者として監査部に協力していました。
マサルさん同様、あの狭間に入れるのがわたしだけだったので、この前はお手伝いさせて頂いたんです。」
「異世界管理局以外からの召喚ですか?」
「そうです。あまり詳しくは言えないんですけど、監査部はあらゆる場所にエージェントを配置して様々な監視をしています。
その中で異世界管理局が関与しない転移を何件も突き止めています。
そしてそのほとんどが次元の狭間に落ちているのも認識していました。」
「そういうわけだ。ちなみに我が運営課で召喚している最中に次元の狭間に落ちてしまい事故として扱ってきた。
だが今回の件で事情が変わった。
何者かが関与して召喚を妨害していることが明確になったからだ。
明らかに我々の邪魔をするのであれば排除するしかないだろう。」
微笑む局長の顔が怖い。
局長が出ていった部屋に残った3人。
「ねえ、マサルさん。ランチまだでしょ。一緒にどう?」
ユウコさんが俺の腕を取って甘えてくる。
「室長もまだですよね。ご一緒しませんか?」
「ああ、ユウコ君申し訳ないね。おじさんも同席させてもらうよ。」
「えーー、あっ大丈夫です。3人で行きましょう。」
どうやらユウコさん、これが素らしい。
まあ見た目も女子高生ぽいっしな。
3人でランチを食べて事務所に戻ると早速作戦会議を始める。
まあ、作戦会議って言っても情報交換だけだけどね。
ユウコさんが次元の狭間に落ちそうになった時のこと。
そこから助け出された時の話しや、その後監査部での業務内容等々。
言いにくそうに口ごもることもあるけど、それはしょうがない。
ただ漂う気配や匂い、視覚などの感覚的なものについてはこの前経験したものと似通っていた。
それが次元の狭間が全てそうなのかどうかは分からないが少なくとも判別の材料にはなるだろう。
どうも次元の狭間は時間がおかしい。
というのも、この世界は時間軸はたくさんあり自由に行き来出来るのだが、ベクトルは全て一定方向だと考えられている。
だがこの前行った次元の狭間では時間がループしているように感じた。
いや実際には微妙に変化しているので一方向に流れているのであろうが、基本は一定期間でループしていた。
この前のケースでは修学旅行の5日間が1週期になっていたのだ。
俺もユウコさんに指摘されていなければ気付かずにそのまま抜け出せなかったかもしれない。
「さあ、そろそろ今日の所は終業にしようか。初日なのだから本当はパアーっと行きたいところなのだが、調査室ということを踏まえればあまり目立つのもな。
今日はおとなしく帰るとするか。じゃあまた明日。」
室長はそういうとスーーッと転移して消えてしまった。
「じゃあ俺も。」
「ちょっと、マサルさん、一緒に晩御飯でも。ランチはお邪魔虫がいたしね。」
「今日は家で家族が就職祝いをしてくれるらしいんだ。」
「じゃあわたしも一緒に行っていい?わたし独り暮らしだから家に帰ってもつまらないのよねー。」
ユウコさん、腕にしがみ付いて放してくれそうにない。
「わかりました。じゃあウチで食事会にしましょうか。」
「わーーい。マサルさん、やっさしーー!」
俺達はそのままラスク星にある自宅に転移したのだった。
局長に続いて局長室から現れたのはユウコさんだった。
「紹介しておこうか。彼女はユウコ君。この調査室で働いてもらうことになった。
マサル君は面識があるんだったね。
さて、これで全員集まったから、この部署について説明しておこうか。」
4人で部屋の奥にある会議エリアに移動する。
ユウコさんは俺の隣に座った。
悪戯が成功した子供みたいに顔が綻んでいる。
「さて、この部署のミッションについてだが、正直に言うとよく分かっていないんだ。
その分かっていないところを探してもらうことから始めることになる。
マサル君、君が先日救ったアースの子供達の件があっただろう。
ある意味あれがこの部署をつくるきっかけとなった。
これまでも召喚途中で次元の狭間に落ちてしまう召喚者はいたのだが、数が少なく救いようもかもなかった為、事故として放置していたのが現実だ。
ただ今回は君の活躍で貴重なアースの若者を200人も救い出すことが出来た。
そして、何者かによる明確な攻撃を受けたね。
これにより、今回初めて次元の狭間に介在する何者かの存在が明らかになったのさ。
となると、我々が事故だと結論付けていた次元の狭間への転落は意図されていたものではないか、との話しになる。
実は監査部でも以前から調査していたみたいで、今回のことを契機に協力して本格的な対策に当たろうということになったのだよ。
監査部はあくまで秘密組織だからおおっぴらに活動するのは難しい。
それで異世界管理局内に部署を新設し、監査部からユウコ君に来てもらうことになったんだ。
ユウコ君自己紹介でもどうだ。」
「ユウコです。マサルさんと同じアース出身の転移者です。
わたしの場合は異世界管理局から召喚されたわけではなく、山陰で起こった大地震の際に次元の狭間に落ちそうになったところを、監査部のエージェントに助けてもらいそのまま召喚者として監査部に協力していました。
マサルさん同様、あの狭間に入れるのがわたしだけだったので、この前はお手伝いさせて頂いたんです。」
「異世界管理局以外からの召喚ですか?」
「そうです。あまり詳しくは言えないんですけど、監査部はあらゆる場所にエージェントを配置して様々な監視をしています。
その中で異世界管理局が関与しない転移を何件も突き止めています。
そしてそのほとんどが次元の狭間に落ちているのも認識していました。」
「そういうわけだ。ちなみに我が運営課で召喚している最中に次元の狭間に落ちてしまい事故として扱ってきた。
だが今回の件で事情が変わった。
何者かが関与して召喚を妨害していることが明確になったからだ。
明らかに我々の邪魔をするのであれば排除するしかないだろう。」
微笑む局長の顔が怖い。
局長が出ていった部屋に残った3人。
「ねえ、マサルさん。ランチまだでしょ。一緒にどう?」
ユウコさんが俺の腕を取って甘えてくる。
「室長もまだですよね。ご一緒しませんか?」
「ああ、ユウコ君申し訳ないね。おじさんも同席させてもらうよ。」
「えーー、あっ大丈夫です。3人で行きましょう。」
どうやらユウコさん、これが素らしい。
まあ見た目も女子高生ぽいっしな。
3人でランチを食べて事務所に戻ると早速作戦会議を始める。
まあ、作戦会議って言っても情報交換だけだけどね。
ユウコさんが次元の狭間に落ちそうになった時のこと。
そこから助け出された時の話しや、その後監査部での業務内容等々。
言いにくそうに口ごもることもあるけど、それはしょうがない。
ただ漂う気配や匂い、視覚などの感覚的なものについてはこの前経験したものと似通っていた。
それが次元の狭間が全てそうなのかどうかは分からないが少なくとも判別の材料にはなるだろう。
どうも次元の狭間は時間がおかしい。
というのも、この世界は時間軸はたくさんあり自由に行き来出来るのだが、ベクトルは全て一定方向だと考えられている。
だがこの前行った次元の狭間では時間がループしているように感じた。
いや実際には微妙に変化しているので一方向に流れているのであろうが、基本は一定期間でループしていた。
この前のケースでは修学旅行の5日間が1週期になっていたのだ。
俺もユウコさんに指摘されていなければ気付かずにそのまま抜け出せなかったかもしれない。
「さあ、そろそろ今日の所は終業にしようか。初日なのだから本当はパアーっと行きたいところなのだが、調査室ということを踏まえればあまり目立つのもな。
今日はおとなしく帰るとするか。じゃあまた明日。」
室長はそういうとスーーッと転移して消えてしまった。
「じゃあ俺も。」
「ちょっと、マサルさん、一緒に晩御飯でも。ランチはお邪魔虫がいたしね。」
「今日は家で家族が就職祝いをしてくれるらしいんだ。」
「じゃあわたしも一緒に行っていい?わたし独り暮らしだから家に帰ってもつまらないのよねー。」
ユウコさん、腕にしがみ付いて放してくれそうにない。
「わかりました。じゃあウチで食事会にしましょうか。」
「わーーい。マサルさん、やっさしーー!」
俺達はそのままラスク星にある自宅に転移したのだった。
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