最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~

まーくん

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第14章 そして神になった

45【この世界の果てで6】

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<<ダイス視点>>



旅に出てからどのくらい経ったのだろうか。



通りすがりの街で冒険者登録をしながら旅費を稼いでの旅暮らし。



数多の魔物を討伐し、数えきれないくらいの街や村を救ってきた。



救った街村ではどこも歓待してくれた。



ムサシさんは "据え膳食わぬは"云々と言うが、俺も健全な男の子。



戴くものは頂いた。



どこでも強い男の血は欲しいのだろう。







変わったことと言えば、最近あちらこちらで勇者の噂を聞くようになった。



勇者と呼ばれる強者がちらほら現れるようで俺が討伐する必要性もかなり減ってきているのだ。



俺の故郷よりも世界のこちら側には、強者が多いのだろうか?



既にここまでの旅で俺の収納には有り余る金貨が入っているから、もう稼ぐ必要も無い。



勇者がいるなら任せておこう。



勇者がいなきゃ討伐依頼を受けて、据え膳を戴くだけだ。



しかし世界は広いものだな。



俺も60歳をいくつも越えている。

こんな生活を続けているのに、長生きしたものだな。



しかし50年以上旅を続けても世界の果てにたどり着かないとは、いったい世界とはどれほど広いんだろう。






<<異世界管理局運営課ディール視点>>



この世界に召喚者を送り届けて50年くらいになるかしらね。



武蔵君ったら、宿主が死ぬような目にあった時には、自我を持って宿主を乗っ取るように言ってあったのに、旨く理解できていなかったみたいね。



でもまあ上手く共生してくれているみたいだから結果オーライね。



宿主のえーとなんて言ったっけ、あっそうそうダイス君。彼が旅に出るって言ってくれて本当に良かった。



彼が「世界の果てを見たい」とか言った時は何この子?って思ったけど、結果的に世界中を10周以上も周り続けてくれたおかげで、自然発生的に勇者がたくさん生まれたのは、予想外だったけど。



まあ、わたしの加護を付けたムサシ君の子種を女の子達の生殖器に付けてあげたからだけどね。



とにかく、武蔵君の役目もこれで終わりにできそう。



武蔵君にはサービスで次の希望を聞いてあげなくっちゃね。



ダイス君は、そろそろ寿命みたい。彼はほんと頑張ってくれたわ。



そろそろ旅も終わりにしてあげようかしらね。





<<ムサシ視点>>



ダイスと行動を共にして50年にもなるか。



あのひ弱だったダイスも立派な面構えになりおった。



しかしすっかり歳をくってしまって、もう爺さんじゃないか。



さっき女神ディール様からお告げがあったが、そろそろ俺もお役御免らしい。



ダイスも頑張ってくれて、この世界での俺の人生も楽しいものだった。



ディール様に次の人生をどうするか聞かれたから、「また違う世界で同じような経験が良い」と答えておいた。



少し苦笑いしていたが、快く「いいわよ」と言ってくれていたので、次の人生も楽しめるはずだ。




<<ダイス視点>>



昨日からムサシさんの声が聞こえなくなった。



そろそろこの旅を終えろということか。



次の街を残り少ない終の住処にしようと思った。



街に入ると、見たことのある風景がある。この50年、世界中のあらゆるところを歩き回ったから、よく似た風景があってもおかしくないのだが、妙に懐かしさを感じるのだ。



とりあえず、冒険者ギルドを探そう。



冒険者ギルドへ向かう途中で、墓地が見えた。



ひと際大きな墓標が目についたので、なんとなくお参りに行く。



その墓には ”ジネン伯爵家の墓” と書かれていた。



俺は世界の果てを探していたはずだ。そして50年かけて歩き続けた結果、この生まれ育った場所にたどり着いたのだ。



なるほど望郷の念が溢れるのも仕方あるまい。



この街を終の住処に決めて本当に良かった。



これも神様の思し召しだろうか。



しかし、存外なこともあるものだ。



灯台下暗しというべきか、俺の生まれ育ったこの街が世界の果てであったとはな。






この世界の果てで 編 完



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いつもお読み頂き有難うございます。



今回は戦闘シーンも少し入れてみました。つたない表現で申し訳ないです。



召喚者が異世界を知らない場合、どんな風になるのか考えていて、今回のストーリーが浮かんできました。



ムサシは江戸時代の剣豪をイメージしていますが、彼は天動説しか知らなかっただろうし、地面は象が支えていると思っていたんじゃないかと。



そしたら、同じように思っているダイス君と、世界の果てを目指してもおかしくないかなって思ったんです。



また次回も別のストーリー展開で書いていきますので感想等頂ければ嬉しいです。
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