最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~

まーくん

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第14章 そして神になった

43【この世界の果てで4】

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<<ムサシ視点>>



なぜこの男の意識の中にいるのかは分からん。



そしてここが日ノ本でないことも。



しかも俺が依るところの男ダイスはどうやら自分の居場所がなくなってしまったようだ。



死後の世界というモノがこういった異界の若者に依ることなのであれば、儂は甘んじてこれを受け入れ、彼の為に尽くしてやるのが必然なのであろうな。



『さてダイスよ、地の果てに向かうは良いが、路銀は落ち合わせておるのか?』



『あっそうだ、お金が無いや。ムサシさん、少し戦ってもらうこともありますが宜しいでしょうか?』



『戦うとは?果し合いのことか?』



『いえ、冒険者として魔物と戦って頂くのですが。』



『魔物とは魑魅魍魎のことか。』



『その魑魅魍魎というのはよく分かりませんが、大きなクマの化け物とか竜とかですかね。』



『そんなものがこの地にはおるのか。これは腕試しにちょうど良いではないか。ハハハハーーー』



『まあ、戦って頂けるのであれば冒険者ギルドに登録します。

冒険者になれば魔物を倒せばお金を手に入れることができますし、移動したとしても現地の冒険者ギルドで続けられますからね。』



『ならば冒険者とやらになるのが良かろう。』




よくは分からぬが、冒険者というのはどうやら流れの用心棒のようなものらしい。



代官所のようなところに張り出される討伐依頼を達成したり、商人どもの旅の護衛をしたりすれば路銀を稼ぐことが出来るというのだ。



これなら移動しながらでも簡単に路銀も稼げるに違いない。






<<ダイス視点>>



冒険者ギルドに入った。これまでなら絶対来ることのなかったであろう場所だ。

あのオオカミの傷を見る限り、素人の俺でもムサシさんが剣の達人であることは想像がつく。



実際に身体を動かすのが俺だから、体力的にもかなり不安があるのだが、地の果てを目指すことにしたのだから、甘えてもいられない。



どうせ、俺を知る者はこの時代にはいないのだろうから甘えようもないしね。



新規登録の受付に並ぶんでいると俺の番が回ってきた。



ジネン・ビ・ダイスと書こうとして手が止まる。



そうだ、この人物はもういないんだった。



氏名欄に”ムサシ”とだけ書いた。



庶民に苗字は無いからこれで十分だろう。



幾つかの説明を受け体力検査を受ける。



ムサシさんがいる影響か身体が異常に軽いし、鉄製の長剣でも軽々と振り回せるようになっている。



C級冒険者相手に対戦し、数回刀を合わせたところで勝ってしまった。



筆記試験の問題も難なくクリアし、D級冒険者として登録されたのだ。

一番下がF級なので2級上から始められることになるのだ。



早速、依頼掲示板にD級の依頼を探しに行く。



「山賊討伐、ブルードッグ退治、ゴブリン村殲滅....いろいろあるなあ。」



『最初は単体の動物退治とかが良かろう。人間相手ではたとえ山賊とは言えど、感情が追いつかぬかもしれぬしな。』



よしブルードッグ退治だ。



依頼書を受付に渡し、討伐証明の場所を教わる。

ブルードッグの討伐証明になるのは、しっぽのようだ。



その他にも毛皮や肉はギルドが買い取ってくれるということだから全て持ち帰るようにしようと思う。



幸いにも俺は収納(小)の魔法が使えるからね。



『さてムサシさん、行きましょうか。』



『うむ』



俺達は武器となる長槍を購入すると、ブルードック退治の依頼が出ているスキーニ村へと向かう。



スキーニ村までは徒歩で2日ほどの距離なのだが、身体が軽くなった俺は街を抜けたところで走り出した。



飛ぶようにとまではいかないが、いつもの速度の3倍は出ているだろう。



しかも既に30分以上走っているが息切れもしない。



走り続けること10時間。夕刻にはスキーニ村へと到着した。



スキーニ村は粗末な囲いに囲まれている。



『なかなかしっかりとした防備であるな。最低限であるとはいえ反撃するには都合が良いように考えられておる。



しっかりとした指導者がおるようだな。



敵が襲ってきたとしても時間稼ぎをして体制を整えるには十分な備えであると思うぞ。』



よく分からないがムサシさんが言うんだからそうなんだろうな。




「あのー、冒険者ギルドでブルードッグの討伐依頼を受けてきたんですけどー。」



門も前で警備している若者に声を掛ける。



怪訝そうに俺を見る若者。こんな奴が?って感じで見てるよ。



「まだ若いな。お前ブルードックの討伐経験はあるのか?」



「いえ、まだ。冒険者になったばかりですから。」



「ふっ、そんなのでここの依頼がこなせると思うのか。バカにしてるのか!」



男は持っていた槍をこちらに突き出してきた。



あっぶね!



ムサシさんが身体をずらしてくれたおかげで、間一髪避けられたよ。



「ふっ、なかなかやるじゃねえかよ。よし、中へ入れ。奥に村長がいるからそこで聞くんだな。」



取り合えずは第一関門突破ってかな。



「ムサシって言います。冒険者ギルドで依頼を受け取ってやって来ました。よろしくお願いします。」



「ほお、ヤリスが通したということはそれなりの実力者と認められた方ですな。

儂は村長のヤイトといいますじゃ。



ブルードッグの奴ら、数が増えてきて困っておるのじゃ。



早速じゃが、警備に加わってくれるかの。おい、ジャニ。ムサシ殿を連れて行って説明してやってくれんか。」



「村長、分かりました。」



どうやらこのジャニって人が俺の担当みたいだな。
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