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第14章 そして神になった
27【地球誕生秘話2】
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「どこから手を付ければいいのかしらね、ゼウス。」
「そうだな、まずは人間が住める環境を整えるところからだな。俺は人間達がこの世界でどう過ごしているのかをずっと観察していた。
まず温度だな。この世界は少々彼等にとって熱すぎたようだ。せいぜい10~40度くらいに抑えないとダメみたいだ。」
「実際にそんな細かな調整って可能なの?
今はー10~60度くらいにコントロールするのが精いっぱいよ。」
「そうだな、大気を少しいじってみるか。この大気も彼等には住みにくそうだった。
恐らくこの重い気体、二酸化炭素だな、これが多すぎるのだ。
植物を発生させるために大量に生成したが、量が多すぎると人間には呼吸がままならないようだな。
酸素量を増やしてみるか?」
「待って、そんなことをしたら植物が育たなくなるじゃない。
植物は二酸化炭素を吸って酸素を放出するわ。だから植物をもっと増やしましょ。」
「しかし、既に陸地には植物がいっぱいになっていて、これ以上大幅には増やせないぞ。
そうだ上に伸ばすことは出来ないだろうか。」
「そうね、じゃあわたしは陸地を持ち上げて表面積を増やすわ。あなたは植物が高く育つようにして。」
「よし、そうしよう。」
こうして高い山があちこちにでき、様々な木が育っていった。
隆起した山の表面は地表の面積を数倍に増やし、高い木に多く生えた枝から伸びる葉はそれまでの草原の草と比較しても膨大な面積となった。
これにより大気を覆う二酸化炭素は大幅に減少し、酸素量が増えた。
そして気温が安定してきた地表には生物達が増えてきたのだった。
「かなり地表に生物が増えてきたわ。とりあえずは成功みたいね。」
「そうだな、二酸化炭素と酸素のバランスは難しいが、少しずつバランスを保つように植物と生物を育てていこう。」
こうしてさらに時は経って大型の低知能生物が大量に跋扈するようになってきた。
当初目的としていた気温、湿度、大気もまだまだ発展途上ではあるが、何とか当初の目標内に収まるようになってきた頃、悲劇が起こるのである。
そう、隕石の衝突による氷河期の到来であった。
その頃、運営課では王様ゲームという遊びが飲み会の席ではやり出していた。
カードゲームの一種で番号もしくは王様と書かれたカードがあり、誰がどのカードを引いたのかは、わからない。
王様カードを引いたものが適当な2つの番号を言い、ふたりにやらせたいことを言う。
その番号を引いたものは王様の命令通りに実行しなければならないという単純なゲームだ。
その命令を実行出来なければ罰ゲームとなる。
罰ゲームは初期の頃にはしっぺ等が多かったが、そのうちエッチなものへと変わっていく。
しかし女性達のブーイングにより、その内容は自ら作った星の一部破壊という過激なものへと変化していった。
そして最近の罰ゲームのはやりは隕石を落とすことである。
ある日の飲み会で1人の男性社員に隕石落としの罰ゲームが言い渡される。
その社員を酔った勢いのまま実行するが、酔いが手元を狂わせたのか、隕石は逸れていったのだった。
無情にも隕石が直撃したアースは、その大地に大きな衝突痕を残し、そこから発生した粉塵は何年も何年も大気を覆う。
せっかく人間が生存可能な状態に近づいていたのに、全てが無となってしまったのだ。
「もう駄目だわ。何があったのかわからないけど、ここが引き際じゃない。
今ならここを離れても誰も責めたりしないわ。
ねえゼウス、一緒に戻らない?」
「そうだな、君の言うとおりだと思うよ。
でもね、俺はもう少し頑張ってみようと思うんだ。
悪いんだけど君ひとりで帰ってくれないか?」
「そう、わかったわ。あなたはそう言うと思ったわ。
頑張ってね。じゃあね。」
ガイヤはひとりで異世界管理局に戻って行った。
「さーてと、大気中の塵掃除から始めるかな。」
星全体を厚く覆っている数多の塵を取り除くのは骨の折れる作業ではあったが、ゼウスは粘り強く作業を続けた。
少しずつ晴れ間が覗くとそれに呼応するように、僅かずつにでも木々が芽吹いてきたのだった。
やがて地表の環境が隕石衝突前に戻った時、ゼウスは道具箱の端に置かれている箱を手に取った。
箱を開けるとそこには仮死状態になった幾種かの生き物が入っていた。
「上手く生き返って繁殖してくれたら良いのだが。」
隕石の衝突間際の一瞬の間に、ゼウスは手の届く範囲の生物達を魔法で仮死状態にして保護していたのだ。
箱から全ての生物を取り出すと、魔法を掛けて仮死状態を解除する。
果たして、再び無事に生を取り戻した彼等は元気に地表を散らばって行く。
そして逞しくも繁殖していくのだった。
「そうだな、まずは人間が住める環境を整えるところからだな。俺は人間達がこの世界でどう過ごしているのかをずっと観察していた。
まず温度だな。この世界は少々彼等にとって熱すぎたようだ。せいぜい10~40度くらいに抑えないとダメみたいだ。」
「実際にそんな細かな調整って可能なの?
今はー10~60度くらいにコントロールするのが精いっぱいよ。」
「そうだな、大気を少しいじってみるか。この大気も彼等には住みにくそうだった。
恐らくこの重い気体、二酸化炭素だな、これが多すぎるのだ。
植物を発生させるために大量に生成したが、量が多すぎると人間には呼吸がままならないようだな。
酸素量を増やしてみるか?」
「待って、そんなことをしたら植物が育たなくなるじゃない。
植物は二酸化炭素を吸って酸素を放出するわ。だから植物をもっと増やしましょ。」
「しかし、既に陸地には植物がいっぱいになっていて、これ以上大幅には増やせないぞ。
そうだ上に伸ばすことは出来ないだろうか。」
「そうね、じゃあわたしは陸地を持ち上げて表面積を増やすわ。あなたは植物が高く育つようにして。」
「よし、そうしよう。」
こうして高い山があちこちにでき、様々な木が育っていった。
隆起した山の表面は地表の面積を数倍に増やし、高い木に多く生えた枝から伸びる葉はそれまでの草原の草と比較しても膨大な面積となった。
これにより大気を覆う二酸化炭素は大幅に減少し、酸素量が増えた。
そして気温が安定してきた地表には生物達が増えてきたのだった。
「かなり地表に生物が増えてきたわ。とりあえずは成功みたいね。」
「そうだな、二酸化炭素と酸素のバランスは難しいが、少しずつバランスを保つように植物と生物を育てていこう。」
こうしてさらに時は経って大型の低知能生物が大量に跋扈するようになってきた。
当初目的としていた気温、湿度、大気もまだまだ発展途上ではあるが、何とか当初の目標内に収まるようになってきた頃、悲劇が起こるのである。
そう、隕石の衝突による氷河期の到来であった。
その頃、運営課では王様ゲームという遊びが飲み会の席ではやり出していた。
カードゲームの一種で番号もしくは王様と書かれたカードがあり、誰がどのカードを引いたのかは、わからない。
王様カードを引いたものが適当な2つの番号を言い、ふたりにやらせたいことを言う。
その番号を引いたものは王様の命令通りに実行しなければならないという単純なゲームだ。
その命令を実行出来なければ罰ゲームとなる。
罰ゲームは初期の頃にはしっぺ等が多かったが、そのうちエッチなものへと変わっていく。
しかし女性達のブーイングにより、その内容は自ら作った星の一部破壊という過激なものへと変化していった。
そして最近の罰ゲームのはやりは隕石を落とすことである。
ある日の飲み会で1人の男性社員に隕石落としの罰ゲームが言い渡される。
その社員を酔った勢いのまま実行するが、酔いが手元を狂わせたのか、隕石は逸れていったのだった。
無情にも隕石が直撃したアースは、その大地に大きな衝突痕を残し、そこから発生した粉塵は何年も何年も大気を覆う。
せっかく人間が生存可能な状態に近づいていたのに、全てが無となってしまったのだ。
「もう駄目だわ。何があったのかわからないけど、ここが引き際じゃない。
今ならここを離れても誰も責めたりしないわ。
ねえゼウス、一緒に戻らない?」
「そうだな、君の言うとおりだと思うよ。
でもね、俺はもう少し頑張ってみようと思うんだ。
悪いんだけど君ひとりで帰ってくれないか?」
「そう、わかったわ。あなたはそう言うと思ったわ。
頑張ってね。じゃあね。」
ガイヤはひとりで異世界管理局に戻って行った。
「さーてと、大気中の塵掃除から始めるかな。」
星全体を厚く覆っている数多の塵を取り除くのは骨の折れる作業ではあったが、ゼウスは粘り強く作業を続けた。
少しずつ晴れ間が覗くとそれに呼応するように、僅かずつにでも木々が芽吹いてきたのだった。
やがて地表の環境が隕石衝突前に戻った時、ゼウスは道具箱の端に置かれている箱を手に取った。
箱を開けるとそこには仮死状態になった幾種かの生き物が入っていた。
「上手く生き返って繁殖してくれたら良いのだが。」
隕石の衝突間際の一瞬の間に、ゼウスは手の届く範囲の生物達を魔法で仮死状態にして保護していたのだ。
箱から全ての生物を取り出すと、魔法を掛けて仮死状態を解除する。
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そして逞しくも繁殖していくのだった。
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