最強魔法戦士は戦わない ~加藤優はチートな能力をもらったけど、できるだけ穏便に過ごしたいんだあ~

まーくん

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第11章 ランスの恋

18 【悪巧みを阻止するのだ。2】

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<<スリトー王国カンナ王女視点>>
国際連合とカトウ運輸のお陰で、我が国スリトー王国は、独立した国家として、大陸中の国々に認めて頂きました。

当然外交の機会も増え、外務大臣としてヤマトー侯爵が任命されました。

これまでのナーカ教国との折衝を一手に引き受けてもらっていた実績を買ってのことです。

しかし、これが間違いの元だったのです。

ヤマトーは、初めこそ真面目に外務大臣の職務を全うしていましたが、王やわたし達が安心して任せ出した途端、正体を現します。

外務大臣としての職権を濫用して、輸出入に関する不正を始めました。

基本的に我が国でも輸出入に関しては、他国同様にカトウ運輸に一任していたのですが、ヤマトーは、賄賂を受け取り裏取引をしていました。

当然扱う品物は、国際連合でご禁制に指定されている薬品や、希少動物等でした。

中には獣人やエルフの奴隷等、亜人大陸に知られれば戦争になってもおかしくないものも含まれていました。

わたしがそれに気付いた時には、すでに国内はヤマトー派が大多数を占めており、それを暴くのは王族であっても難しいところまで来ていました。

いつの間にか、豊富な資金を使って派閥を強化していくヤマトーは、我等王族にとって脅威となっていたのです。

わたしは一計を案じ、ナーカ教皇に手紙を書くことにしました。

ナーカ教皇であれば、国際連合にこの手紙を届けて戴けると思ったのです。

わたしは、侍女のベスタに手紙を持たせて、ナーカ教皇の元へ秘密裏に送り出しました。


だが、いつの間にバレたのか、ベスタはヤマトーの放った刺客に追われて、その命を散らしてしまったのです。

わたしの認めた手紙は、無事にわたしの手元へと戻って来たことだけが不幸中の幸いでした。

カトウ運輸のマクベス殿が、ベスタを襲った賊を捕まえて下さっていたので、その者達にヤマトーの指示であることを吐かせることに成功しました。

しかし、その時にはすでに、ヤマトーの腹心であったサリー子爵の部下が勝手に盗賊の真似事をしていたとして、サリー子爵への刑が執行された後でした。

全てはヤマトーの仕業でした。

裏から司法当局に賄賂を撒いて、サリー子爵の単独犯罪として、結審させていたのです。

王族と言えども、司法当局が結審した内容を覆すには、確固たる証拠が必要でしたが、賊の供述だけでは力不足です。

結局ヤマトーは、なんの罪にも問うことが出来ず、今に至ります。

さすがに、あの騒動後はヤマトーも不正を控えていたようですが、今度はマサル共和国の希少鉱石に目を付けたようです。

国際連合総会を利用してマサル共和国に入り、息子に鉱石商人を取り込まさせて、自らの裏取引の手先にしようとしたのでしょうね。

その企みはまたもやマクベス殿によって防がれました。

国際連合にて取引条件のついた希少鉱石に手を出そうとしたのですから、ヤマトーのみならず、我が父スリトー国王も総会の席上、平謝りするしか無かったそうです。

しかし、ヤマトーはまたしても息子を切り捨てて、自らは知らぬ存ぜぬを貫き通したようです。



<<マサル視点>>
国際連合総会終了後に、俺はキンコー王国宰相のヘンリー様に呼び止められた。

「マサル殿、ちょっといいかな?」

「お義父様、如何されましたか。」

「いやな、実はスリトー国王のことなのだが。」

「1日目の総会終了後のことですか?」

「そうなんだが、本質はもっと根深いところにあるようでな。

あのヤマトーって外務大臣なんだが、王国の実権を奪おうとかなり悪どいことをやっているそうなのだ。

しかし狡猾な奴らしく、尻尾を見せないらしい。

王国がおかしくなる前に何とかならないか悩んでいるそうだ。

スリトー王もな、あれで結構苦労人なんだよ。

力になってやりたいんだが、わしの立場ではな。

とは言え、君の立場も似たようなものなんだがな。」

「そうですね。とりあえず何か策を考えてみます。」

「悪いな。無理ばかり押し付けてしまうが。」

「いえ、とりあえず時間を頂けますか。」

俺自身が動けば楽なんだけど、今の立場を考えると、他国の問題に首を突っ込む訳にもいかない。

まだ何も起こっていないのだから、内政干渉も甚だしい。

夕食を皆んなで食べながら、そんな話しをしていると、ランスが『僕が行こうか?』って言い出した。

「お前もイリヤも、何度もスリトー王国に行っているじゃないか。

顔も知られているし、お父さんと変わらないよ。」

ランスもイリヤも、近頃は有名人で、様々な国々に招待されてかなり顔が売れている。

リズに関しては言わずもがなだが……


「じゃあ、われが行ってやろう。」

セイルが手を挙げる。

「お前じゃ無理だ。そんな小さい姿じゃ、入れてももらえぬわ。」

ハリー、お前が言うな。

「何を!ハリー表へ出ろ!」


「ふたり共いい加減にする!!」
一触即発になりかけた時、セラフがふたりの間に入って止めた。

「ふたり共そんなに喧嘩早くっちゃ、潜入調査なんて出来ない。

マサル様、わたしが行く。

わたしなら、顔も知られていないし、いざとなったらクララになることも出来る。」

なるほど、良い考えかも知れない。

「セラフちゃ、様、本当によろしいのですか?」

「大丈夫、任せて。」

セラフ様は楽しそうにガッツポーズで答えてくれた。






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