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第10章 ダンジョン攻略
12 【探索は続くよ、どこまでも】
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<<冒険者ギルド長グリル視点>>
カトウ運輸に任せた素材の販売は大成功だったと言えるだろう。
カトウ運輸はダンジョン産の様々なものを実に上手く捌いてくれている。
世界各国で均一な価格で購入出来るため、多くの国で定番商品として定着している商品も多いと聞く。
ほとんどの商品は安定した利益を維持しており、それらの生産元である冒険者の生活も安定してきた。
無理をして実力以上の深さに挑戦するバカもかなり減り、その安定感から、他国の冒険者ギルドから我がギルドに移籍してくる者も絶えない。
ギルド設立当初150人だったのが、6ヶ月経った今では、500人に膨れ上がり、最近は入会テストを行うようになった。
ダンジョンの攻略も順調に進んでいる。
今探索済みの最深部は、50階層を越えた。
相変わらず100人体制で最深部の攻略を行なっているが、その他の者達は実力に見合った階層で狩りを行なっている。
当初メンバーが講師となり、魔法や出現魔物、剣術等の研修会も定期的に実施して、全体的な底上げもしている。
いや、実に良い状況である。
「グリルさん、ご無沙汰しております。」
久しぶりにヤングさんが訪ねて来た。
「ヤングさん、こちらこそご無沙汰してます。
ところで、ヤングさんご自身が来られるのは珍しいですな。」
「ええ、おかげ様で最近は特に忙しくて、腰が重くなっていますよ。」
「それで今日は?」
「そうでした。今日は、来月のオークションについての話しに来ました。
おかげ様で、毎回オークションは大人気でして、入場制限が必要なほどの盛況ぶりです。
来月のオークションは、通算10回目になりますので、庁舎内の競技場を使って大々的にに実施しようかと。」
「そこに出す目玉商品が欲しいと。」
「その通りです。
お客様の数もいつもの3倍は入れますから、出品も増やして頂きたいと思っています。
いかがでしょうか?」
「冒険者達も喜ぶと思います。
ここのダンジョンは難易度も高いですが、その代わり素晴らしい素材を手に入れることができます。
中には稀に古代の遺物のようなものも発見され、マサル様に鑑定・買取して頂いている物もありますからね。
マサル様はなんでもかんでも買い取るのではなく、危険性の高いものや冒険者本人が買取を希望する場合のみ買取をして下さいますので、冒険者によってはオークションを心待ちにしている者も多いです。
既に、何回も出品されているのでご承知だとは思いますが。
45階層を越えてからは、ますます出土品も増えております。」
「それは楽しみですね。
グリルさん、目録は出来ていますでしょうか?
それとオークションに出品する商品については鑑定書が必要ですが、皆さんお持ちですか?」
「目録はここにあります。来月までに追加になることがあるかも知れないので、オークション開催の1週間前に再度確定版をお出ししたいと思います。
鑑定書については、今のところ鑑定できるのがマサル様だけですので、マサル様の鑑定を頂いたものしか、目録に乗せていません。」
「わかりました。マサル様の鑑定結果であれば、全く問題ないでしょう。
目録については現時点の物を一旦複製させて頂いて、オークション1週間前に確定とすることにしましょう。
いやあ、今回のオークションは大変期待が持てますな。
わたしも楽しみです。
ではグリルさん、わたしはこれで失礼しますね。」
ヤングさんは楽しそうな笑顔を浮かべながら深深と頭を下げて部屋を出て行った。
来月のオークションは非常に楽しみなものになりそうだ。
<<冒険者ナルン視点>>
今日もダンジョンに潜っている。
この国の冒険者ギルドに所属する冒険者も500人を超えて、まだ増え続けている。
その中には各国から精鋭と呼ばれている者も少なくない。
ただ、彼らも今の俺達の中に入ると、中堅レベルにしかならないのだが。
この国の冒険者はかなり強くなっている。
定期的なランス様による魔法の研修に加え、ダンジョンの難易度が非常に高いため、経験値を上げ易いのが原因だろう。
俺と同じように初期から潜っている奴等は、各国の水準でいうとS級に分類されるだろう。
それでも、このダンジョンでは最低でも数10人単位で潜らないと厳しい。
今も最深部は100人体制で臨んでいる。
他の冒険者達はその能力に合わせた階層で数10人のパーティーを組んで挑んでいる。
毎月選抜試験があり、そこでクリアした者が、最深部への参加を認められるため、皆その栄誉を得ようと必死だ。
もちろん、全ての冒険者がダンジョンに潜れるわけではない。
いくら研修を受けても成果の出ない者や、ダンジョンに潜るだけの力量の無い者もいる。
彼らは日々ダンジョンから出てくる素材の解体等、裏方として頑張ってくれている。
こうして日々探索は続けられていくのだ。
しかし、50階層を越えた今でも、まだ底が見える気配がしない。
いったいこのダンジョンはどこまで続くのだろうか?
時折、過去の文明の遺跡のようなものが発見される。
ちょうど50階層目に一際大きな遺跡が見つかった。
俺にはさっぱり分からないが、一緒に来ているヤルトが、ひどく興奮していたから、珍しいものなのだろう。
マサル様に報告すると、モーリスという爺さんがやって来た。
ヤルトが爺さんを見て泣き出した。
有名な先生らしい。
なんでもサクラを発見した偉い学者先生だそうだ。
俺達は、ヤルトと数名を残して先に進んだ。
カトウ運輸に任せた素材の販売は大成功だったと言えるだろう。
カトウ運輸はダンジョン産の様々なものを実に上手く捌いてくれている。
世界各国で均一な価格で購入出来るため、多くの国で定番商品として定着している商品も多いと聞く。
ほとんどの商品は安定した利益を維持しており、それらの生産元である冒険者の生活も安定してきた。
無理をして実力以上の深さに挑戦するバカもかなり減り、その安定感から、他国の冒険者ギルドから我がギルドに移籍してくる者も絶えない。
ギルド設立当初150人だったのが、6ヶ月経った今では、500人に膨れ上がり、最近は入会テストを行うようになった。
ダンジョンの攻略も順調に進んでいる。
今探索済みの最深部は、50階層を越えた。
相変わらず100人体制で最深部の攻略を行なっているが、その他の者達は実力に見合った階層で狩りを行なっている。
当初メンバーが講師となり、魔法や出現魔物、剣術等の研修会も定期的に実施して、全体的な底上げもしている。
いや、実に良い状況である。
「グリルさん、ご無沙汰しております。」
久しぶりにヤングさんが訪ねて来た。
「ヤングさん、こちらこそご無沙汰してます。
ところで、ヤングさんご自身が来られるのは珍しいですな。」
「ええ、おかげ様で最近は特に忙しくて、腰が重くなっていますよ。」
「それで今日は?」
「そうでした。今日は、来月のオークションについての話しに来ました。
おかげ様で、毎回オークションは大人気でして、入場制限が必要なほどの盛況ぶりです。
来月のオークションは、通算10回目になりますので、庁舎内の競技場を使って大々的にに実施しようかと。」
「そこに出す目玉商品が欲しいと。」
「その通りです。
お客様の数もいつもの3倍は入れますから、出品も増やして頂きたいと思っています。
いかがでしょうか?」
「冒険者達も喜ぶと思います。
ここのダンジョンは難易度も高いですが、その代わり素晴らしい素材を手に入れることができます。
中には稀に古代の遺物のようなものも発見され、マサル様に鑑定・買取して頂いている物もありますからね。
マサル様はなんでもかんでも買い取るのではなく、危険性の高いものや冒険者本人が買取を希望する場合のみ買取をして下さいますので、冒険者によってはオークションを心待ちにしている者も多いです。
既に、何回も出品されているのでご承知だとは思いますが。
45階層を越えてからは、ますます出土品も増えております。」
「それは楽しみですね。
グリルさん、目録は出来ていますでしょうか?
それとオークションに出品する商品については鑑定書が必要ですが、皆さんお持ちですか?」
「目録はここにあります。来月までに追加になることがあるかも知れないので、オークション開催の1週間前に再度確定版をお出ししたいと思います。
鑑定書については、今のところ鑑定できるのがマサル様だけですので、マサル様の鑑定を頂いたものしか、目録に乗せていません。」
「わかりました。マサル様の鑑定結果であれば、全く問題ないでしょう。
目録については現時点の物を一旦複製させて頂いて、オークション1週間前に確定とすることにしましょう。
いやあ、今回のオークションは大変期待が持てますな。
わたしも楽しみです。
ではグリルさん、わたしはこれで失礼しますね。」
ヤングさんは楽しそうな笑顔を浮かべながら深深と頭を下げて部屋を出て行った。
来月のオークションは非常に楽しみなものになりそうだ。
<<冒険者ナルン視点>>
今日もダンジョンに潜っている。
この国の冒険者ギルドに所属する冒険者も500人を超えて、まだ増え続けている。
その中には各国から精鋭と呼ばれている者も少なくない。
ただ、彼らも今の俺達の中に入ると、中堅レベルにしかならないのだが。
この国の冒険者はかなり強くなっている。
定期的なランス様による魔法の研修に加え、ダンジョンの難易度が非常に高いため、経験値を上げ易いのが原因だろう。
俺と同じように初期から潜っている奴等は、各国の水準でいうとS級に分類されるだろう。
それでも、このダンジョンでは最低でも数10人単位で潜らないと厳しい。
今も最深部は100人体制で臨んでいる。
他の冒険者達はその能力に合わせた階層で数10人のパーティーを組んで挑んでいる。
毎月選抜試験があり、そこでクリアした者が、最深部への参加を認められるため、皆その栄誉を得ようと必死だ。
もちろん、全ての冒険者がダンジョンに潜れるわけではない。
いくら研修を受けても成果の出ない者や、ダンジョンに潜るだけの力量の無い者もいる。
彼らは日々ダンジョンから出てくる素材の解体等、裏方として頑張ってくれている。
こうして日々探索は続けられていくのだ。
しかし、50階層を越えた今でも、まだ底が見える気配がしない。
いったいこのダンジョンはどこまで続くのだろうか?
時折、過去の文明の遺跡のようなものが発見される。
ちょうど50階層目に一際大きな遺跡が見つかった。
俺にはさっぱり分からないが、一緒に来ているヤルトが、ひどく興奮していたから、珍しいものなのだろう。
マサル様に報告すると、モーリスという爺さんがやって来た。
ヤルトが爺さんを見て泣き出した。
有名な先生らしい。
なんでもサクラを発見した偉い学者先生だそうだ。
俺達は、ヤルトと数名を残して先に進んだ。
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