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第4章 リザベートの結婚狂想曲
15 【もどかしい恋の行方1】
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<<リザベート視点>>
「ハァ~、またため息が出ちゃった。」
日々、視察やら講演会やらで忙しくしています。
そんな中、今日も結婚式の招待状を頂きました。
今月に入って何回目だろう。
アカデミー時代の友人や仕事を通して知り合った方々からです。
忙しくって、全部は行けませんが、出来るだけ出席するようにしています。
だって大切な人達なのですもの。
ネームバリューを狙って招待してくる、よく知らない方からのものもありますが、祝辞だけで満足してもらえるらしいので、紙に認めて送ってもらうことにしています。
もちろん、わたしの書いたサンプルで代筆してもらうのですよ。
全部書いていたら、これが仕事になってしまうくらいあるのです。
何故そんなに結婚式が多いのかって?
そんなの決まっているじゃないですか。
お義母様とマサルさんのせいです。
婚活パーティーなんて余計なことを考えるから、王都は今結婚ラッシュです。
そのおかげで様々な効果がでており、ネクター王やクラークおじ様、お義父様、お義母様、そしてヤングさんなんかも、大喜びです。
効果の一例です。
・結婚式により、貴族の貯蓄が市井に回る。
・貴族同士がその豪華さを競い合い、もっとお金が回る。
・大商人達も、真似をして、更にお金が回る。
・派閥を超えた結婚が増え、派閥が弱体化してきている。
・結婚を機に家督を継ぐのが流行り、一気に若い貴族が増えて、風通しが良くなった。
ざっとこんな感じです。
わたしも、領主や領主夫人の友人が増え、仕事がはかどるようになったので、悪いことではなかったと思っています。が、心中は複雑ですよ!
この気持ちわかってくれますか。
結婚式に参加すると、マサルさんによく会います。
マサルさんは主にカトウ運輸絡みが多そうです。
会っても席が遠くて話しが出来ないことの方が多いのが少し残念です。
マサルさんとは、ほぼ毎日トランシーバーで話しをしていますが、やっぱり会って甘えたいじゃないですか。
マサルさんがお見合いしたことも聞きました。
商会の都合だとはわかっていても、やっぱり心穏やかではありません。
マサルさんってば、わたしの気持ちわかってくれているのか不安になります。
初めて会ったのが、25歳と14歳だったから、今でもマサルさんの中では、わたしは子供のままなのかも知れませんね。
もう20歳なんですけどね!!
<<マサル視点>>
自分で蒔いた種とはいえ、毎日毎日、結婚式に参列するのは、正直疲れる。
特に、見たこともない人達の式に参列して、主賓扱いされるのは本当に困る。
ヤングさんが嬉々として俺のスケジュールを埋めているのを見ると、殺意すら覚えてしまう。
殺さないけどね。でもそういう時ってあるよね。
例えば、昼を抜いてまで急ぎの仕事に追われている時に、隣で彼女と呑みに行く約束をしてるやつとか。
話しはそれたが、とにかく忙しい。
今日は、ターバ領の代官のライス君とシルビアさんの結婚式に来ている。
珍しくリズと同じテーブルになった。
ライス君とシルビアさんは、リズの先輩でハーバラ村の改革の時に学生として手伝いに来てくれていた。
卒業後、ライス君はターバ領の代官としていち早く自領の改革に着手し、カトウ運輸の出荷センター設置についても、ナーラ領に続いて国内2番目という早さだった。
ライス君の頑張りもあり、ターバ領は飛躍的に発展した。
2人はすぐに結婚するかと思っていたのだけど、ライス君があちらこちらから招聘され、技術指導に奔走していたこともあり、今になったわけだ。
久しぶりに会ったリズは、だいぶ大人びていて、ちょっとドキッとした。
いつまでも子供扱いは出来なさそうだ。
リズの気持ちには気付いてる。
それが命を助けられた吊り橋効果なのか、本当の愛情なのかはわからない。
俺自身も異世界人がこの世界に子孫を残して良いのかの迷いがある。
どちらにせよ、リズの年齢も考えたら猶予はあまり無いだろう。
「マサルさんどうしたの?」
リズの呼び掛けに我に返る。
「いや、ちょっと考え事をしていた。」
「また余計なことを考えていたでしょう。
マサルさんが何か考えると、いつもわたしが被害を被るんだからね。」
「あぁ、婚活パーティーの件か。
あれは悪かった。俺もこんなことになるなんて思っていなかったんだ。」
「そうだよね。でもマサルさんのやることって、いつも神懸かっているわよね。
やっぱり、マリス様の加護じゃないの?」
「わからないけど、案外そうだったりして。
あの女神様、よくこちらを覗いている見たいだしな。」
《誰がいつも覗いているって!
わたしがいつも暇みたいじゃない。》
頭の中にマリス様の声が響く。
《やっぱり暇なんだ。》
《失礼な。たまたま覗いたら、マサルさんが、失礼なことを考えていただけでしょう!》
《わかりました。そういうことにしておきます。
ところで何か用ですか?》
《そうそう、ちょっと困ったことがあってね。
相談したいなぁって。》
《もうすぐ俺の挨拶があるので、後でも大丈夫ですか?》
《わかったわ。時間が出来たら呼び掛けてね。
じゃあね。》
「ハァ~、またため息が出ちゃった。」
日々、視察やら講演会やらで忙しくしています。
そんな中、今日も結婚式の招待状を頂きました。
今月に入って何回目だろう。
アカデミー時代の友人や仕事を通して知り合った方々からです。
忙しくって、全部は行けませんが、出来るだけ出席するようにしています。
だって大切な人達なのですもの。
ネームバリューを狙って招待してくる、よく知らない方からのものもありますが、祝辞だけで満足してもらえるらしいので、紙に認めて送ってもらうことにしています。
もちろん、わたしの書いたサンプルで代筆してもらうのですよ。
全部書いていたら、これが仕事になってしまうくらいあるのです。
何故そんなに結婚式が多いのかって?
そんなの決まっているじゃないですか。
お義母様とマサルさんのせいです。
婚活パーティーなんて余計なことを考えるから、王都は今結婚ラッシュです。
そのおかげで様々な効果がでており、ネクター王やクラークおじ様、お義父様、お義母様、そしてヤングさんなんかも、大喜びです。
効果の一例です。
・結婚式により、貴族の貯蓄が市井に回る。
・貴族同士がその豪華さを競い合い、もっとお金が回る。
・大商人達も、真似をして、更にお金が回る。
・派閥を超えた結婚が増え、派閥が弱体化してきている。
・結婚を機に家督を継ぐのが流行り、一気に若い貴族が増えて、風通しが良くなった。
ざっとこんな感じです。
わたしも、領主や領主夫人の友人が増え、仕事がはかどるようになったので、悪いことではなかったと思っています。が、心中は複雑ですよ!
この気持ちわかってくれますか。
結婚式に参加すると、マサルさんによく会います。
マサルさんは主にカトウ運輸絡みが多そうです。
会っても席が遠くて話しが出来ないことの方が多いのが少し残念です。
マサルさんとは、ほぼ毎日トランシーバーで話しをしていますが、やっぱり会って甘えたいじゃないですか。
マサルさんがお見合いしたことも聞きました。
商会の都合だとはわかっていても、やっぱり心穏やかではありません。
マサルさんってば、わたしの気持ちわかってくれているのか不安になります。
初めて会ったのが、25歳と14歳だったから、今でもマサルさんの中では、わたしは子供のままなのかも知れませんね。
もう20歳なんですけどね!!
<<マサル視点>>
自分で蒔いた種とはいえ、毎日毎日、結婚式に参列するのは、正直疲れる。
特に、見たこともない人達の式に参列して、主賓扱いされるのは本当に困る。
ヤングさんが嬉々として俺のスケジュールを埋めているのを見ると、殺意すら覚えてしまう。
殺さないけどね。でもそういう時ってあるよね。
例えば、昼を抜いてまで急ぎの仕事に追われている時に、隣で彼女と呑みに行く約束をしてるやつとか。
話しはそれたが、とにかく忙しい。
今日は、ターバ領の代官のライス君とシルビアさんの結婚式に来ている。
珍しくリズと同じテーブルになった。
ライス君とシルビアさんは、リズの先輩でハーバラ村の改革の時に学生として手伝いに来てくれていた。
卒業後、ライス君はターバ領の代官としていち早く自領の改革に着手し、カトウ運輸の出荷センター設置についても、ナーラ領に続いて国内2番目という早さだった。
ライス君の頑張りもあり、ターバ領は飛躍的に発展した。
2人はすぐに結婚するかと思っていたのだけど、ライス君があちらこちらから招聘され、技術指導に奔走していたこともあり、今になったわけだ。
久しぶりに会ったリズは、だいぶ大人びていて、ちょっとドキッとした。
いつまでも子供扱いは出来なさそうだ。
リズの気持ちには気付いてる。
それが命を助けられた吊り橋効果なのか、本当の愛情なのかはわからない。
俺自身も異世界人がこの世界に子孫を残して良いのかの迷いがある。
どちらにせよ、リズの年齢も考えたら猶予はあまり無いだろう。
「マサルさんどうしたの?」
リズの呼び掛けに我に返る。
「いや、ちょっと考え事をしていた。」
「また余計なことを考えていたでしょう。
マサルさんが何か考えると、いつもわたしが被害を被るんだからね。」
「あぁ、婚活パーティーの件か。
あれは悪かった。俺もこんなことになるなんて思っていなかったんだ。」
「そうだよね。でもマサルさんのやることって、いつも神懸かっているわよね。
やっぱり、マリス様の加護じゃないの?」
「わからないけど、案外そうだったりして。
あの女神様、よくこちらを覗いている見たいだしな。」
《誰がいつも覗いているって!
わたしがいつも暇みたいじゃない。》
頭の中にマリス様の声が響く。
《やっぱり暇なんだ。》
《失礼な。たまたま覗いたら、マサルさんが、失礼なことを考えていただけでしょう!》
《わかりました。そういうことにしておきます。
ところで何か用ですか?》
《そうそう、ちょっと困ったことがあってね。
相談したいなぁって。》
《もうすぐ俺の挨拶があるので、後でも大丈夫ですか?》
《わかったわ。時間が出来たら呼び掛けてね。
じゃあね。》
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