11 / 20
驚きの連続2
しおりを挟む
メイクの終わったわたしは、メアリちゃんが待つ部屋に向かいました。
メアリちゃんに声を掛けるとキョトンとされました。
「メアリちゃん?」
「あっ、ミルクさんだ。
顔が違ったから分からなかったよ。」
どうやら化粧で、顔が分からなかったみたいですね。
「メアリちゃんも綺麗になったわよ。」
わたしはメアリちゃんを鏡のあるところへ連れて行きました。
「あっこの人は誰ですか?
わ、わたしの真似をしています。」
そっか、メアリちゃんは鏡を見るのが初めてなのですね。
「これはね、鏡って言うのよ。
そして、目の前に写っているのが、メアリちゃんだよ。」
「ヘェ~、この人がメアリなの!?」
何か微妙な顔をしています。
そりゃそうよね。
鏡を見たことが無ければ、自分の姿を見ることなんて無いもの。
その後案内された部屋には食事が用意されていました。
メグ伯爵家で用意していたような料理が並んでいます。
いくらキンコー王国がハーン帝国よりも経済水準が高いとはいえ、とても平民が食べられるようなものでは無いと思われるような料理です。
メアリちゃんも初めて見る豪華な料理に、最初は恐る恐るでしたが、ひと口食べると夢中になって頬ばっていました。
食べ終わってひと息つくと、別の部屋に案内されました。
そこは舞踏会でも開けるほど広い部屋で、連れてこられたほとんどの人が集まっていました。
前方の舞台の上には、あの青年が立っています。
「皆さん、お疲れ様でした。
わたしはマサルと言います。
既にお聞きの方もおられると思いますが、キンコー王国では少し前に奴隷解放令が出されました。
皆さんはもう自由です。いくところのある方は、もう行っていただいても結構です。
もし行くところが無ければ、わたしのところで働いていただくこともできますが、どうしますか?
子供達についてはわたしの商会で作る予定の学校に通ってもらいます。
もちろん、衣食住はこちらで負担します。」
わたしは、メアリちゃんと一緒にいるために、青年の商会に雇ってもらうことにしました。
ほとんどの人が、商会に雇ってもらうことにしたようです。
そりゃ、奴隷になるくらいだから貧困だったわけで、今自由になったって、生活出来ないですものね。
わたしもお父様やお母様、そしてマクベスさんが心配ですが、今は自分とメアリちゃんの生活が最優先です。
「では商会に来て頂ける方達は、わたしについて来て下さい。」
青年、いや、マサル様の後には大勢の人々がついて行きます。
「子供達は、こっちに集まってねぇ~。」
子供達は別のようです。
メアリちゃんは少し不安そうでしたが、わたしが微笑みながら頷くと、他の子達と一緒に呼ばれた方に走って行きました。
わたし達は、机がたくさん並んだ部屋へ案内されました。
「これから皆さんには学力テストを受けて頂きます。
テストの成績が悪いからといって、辞めて頂くことはありません。
わたしの商会ではたくさんの職業が必要なので、皆さんがどの仕事に適しているかを見させて頂くだけです。
では、用紙が配られたら始めて下さい。」
わたしは、問題用紙を見ていきます。
計算や読み書き等の初級学校レベルから、帳簿のつけ方、歴史、地理、挙句には料理やマナーまで様々な問いがありました。
わたしは、中等教育まで受けていたので、帳簿のつけ方なんかは得意です。
後2年間侍女をしてたのでマナーも問題ありませんでした。
テスト後、部屋を出るとメアリちゃんが待っていました。
「皆さん、今日はお疲れ様でした。
寮を用意していますので、そちらに移動して下さい。
部屋割りは、こちらを見て下さいねー。」
わたしはメアリちゃんと同じ部屋でした。
商会が配慮してくれたようです。
寮の部屋に入ると、生活に必要な物は全て揃っていました。
もしかすると、メグ家での生活の時より充実しているかもしれません。
柔らかいベッドと暖かい布団に興奮したメアリちゃんを宥めるのが大変でしたが、目まぐるしい1日は安らかに眠るメアリちゃんの寝顔と共に過ぎて行ったのでした。
メアリちゃんに声を掛けるとキョトンとされました。
「メアリちゃん?」
「あっ、ミルクさんだ。
顔が違ったから分からなかったよ。」
どうやら化粧で、顔が分からなかったみたいですね。
「メアリちゃんも綺麗になったわよ。」
わたしはメアリちゃんを鏡のあるところへ連れて行きました。
「あっこの人は誰ですか?
わ、わたしの真似をしています。」
そっか、メアリちゃんは鏡を見るのが初めてなのですね。
「これはね、鏡って言うのよ。
そして、目の前に写っているのが、メアリちゃんだよ。」
「ヘェ~、この人がメアリなの!?」
何か微妙な顔をしています。
そりゃそうよね。
鏡を見たことが無ければ、自分の姿を見ることなんて無いもの。
その後案内された部屋には食事が用意されていました。
メグ伯爵家で用意していたような料理が並んでいます。
いくらキンコー王国がハーン帝国よりも経済水準が高いとはいえ、とても平民が食べられるようなものでは無いと思われるような料理です。
メアリちゃんも初めて見る豪華な料理に、最初は恐る恐るでしたが、ひと口食べると夢中になって頬ばっていました。
食べ終わってひと息つくと、別の部屋に案内されました。
そこは舞踏会でも開けるほど広い部屋で、連れてこられたほとんどの人が集まっていました。
前方の舞台の上には、あの青年が立っています。
「皆さん、お疲れ様でした。
わたしはマサルと言います。
既にお聞きの方もおられると思いますが、キンコー王国では少し前に奴隷解放令が出されました。
皆さんはもう自由です。いくところのある方は、もう行っていただいても結構です。
もし行くところが無ければ、わたしのところで働いていただくこともできますが、どうしますか?
子供達についてはわたしの商会で作る予定の学校に通ってもらいます。
もちろん、衣食住はこちらで負担します。」
わたしは、メアリちゃんと一緒にいるために、青年の商会に雇ってもらうことにしました。
ほとんどの人が、商会に雇ってもらうことにしたようです。
そりゃ、奴隷になるくらいだから貧困だったわけで、今自由になったって、生活出来ないですものね。
わたしもお父様やお母様、そしてマクベスさんが心配ですが、今は自分とメアリちゃんの生活が最優先です。
「では商会に来て頂ける方達は、わたしについて来て下さい。」
青年、いや、マサル様の後には大勢の人々がついて行きます。
「子供達は、こっちに集まってねぇ~。」
子供達は別のようです。
メアリちゃんは少し不安そうでしたが、わたしが微笑みながら頷くと、他の子達と一緒に呼ばれた方に走って行きました。
わたし達は、机がたくさん並んだ部屋へ案内されました。
「これから皆さんには学力テストを受けて頂きます。
テストの成績が悪いからといって、辞めて頂くことはありません。
わたしの商会ではたくさんの職業が必要なので、皆さんがどの仕事に適しているかを見させて頂くだけです。
では、用紙が配られたら始めて下さい。」
わたしは、問題用紙を見ていきます。
計算や読み書き等の初級学校レベルから、帳簿のつけ方、歴史、地理、挙句には料理やマナーまで様々な問いがありました。
わたしは、中等教育まで受けていたので、帳簿のつけ方なんかは得意です。
後2年間侍女をしてたのでマナーも問題ありませんでした。
テスト後、部屋を出るとメアリちゃんが待っていました。
「皆さん、今日はお疲れ様でした。
寮を用意していますので、そちらに移動して下さい。
部屋割りは、こちらを見て下さいねー。」
わたしはメアリちゃんと同じ部屋でした。
商会が配慮してくれたようです。
寮の部屋に入ると、生活に必要な物は全て揃っていました。
もしかすると、メグ家での生活の時より充実しているかもしれません。
柔らかいベッドと暖かい布団に興奮したメアリちゃんを宥めるのが大変でしたが、目まぐるしい1日は安らかに眠るメアリちゃんの寝顔と共に過ぎて行ったのでした。
0
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
オークションで競り落とされた巨乳エルフは少年の玩具となる。【完結】
ちゃむにい
恋愛
リリアナは奴隷商人に高く売られて、闇オークションで競りにかけられることになった。まるで踊り子のような露出の高い下着を身に着けたリリアナは手錠をされ、首輪をした。
※ムーンライトノベルにも掲載しています。
【R18】助けてもらった虎獣人にマーキングされちゃう話
象の居る
恋愛
異世界転移したとたん、魔獣に狙われたユキを助けてくれたムキムキ虎獣人のアラン。襲われた恐怖でアランに縋り、家においてもらったあともズルズル関係している。このまま一緒にいたいけどアランはどう思ってる? セフレなのか悩みつつも関係が壊れるのが怖くて聞けない。飽きられたときのために一人暮らしの住宅事情を調べてたらアランの様子がおかしくなって……。
ベッドの上ではちょっと意地悪なのに肝心なとこはヘタレな虎獣人と、普段はハッキリ言うのに怖がりな人間がお互いの気持ちを確かめ合って結ばれる話です。
ムーンライトノベルズさんにも掲載しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
雨宮課長に甘えたい
コハラ
恋愛
仕事大好きアラサーOLの中島奈々子(30)は映画会社の宣伝部エースだった。しかし、ある日突然、上司から花形部署の宣伝部からの異動を言い渡され、ショックのあまり映画館で一人泣いていた。偶然居合わせた同じ会社の総務部の雨宮課長(37)が奈々子にハンカチを貸してくれて、その日から雨宮課長は奈々子にとって特別な存在になっていき……。
簡単には行かない奈々子と雨宮課長の恋の行方は――?
そして奈々子は再び宣伝部に戻れるのか?
※表紙イラストはミカスケ様のフリーイラストをお借りしました。
http://misoko.net/
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
【完結】後宮の秘姫は知らぬ間に、年上の義息子の手で花ひらく
愛早さくら
恋愛
小美(シャオメイ)は幼少期に後宮に入宮した。僅か2歳の時だった。
貴妃になれる四家の一つ、白家の嫡出子であった小美は、しかし幼さを理由に明妃の位に封じられている。皇帝と正后を両親代わりに、妃でありながらほとんど皇女のように育った小美は、後宮の秘姫と称されていた。
そんな小美が想いを寄せるのは皇太子であり、年上の義息子となる玉翔(ユーシァン)。
いつしか後宮に寄りつかなくなった玉翔に遠くから眺め、憧れを募らせる日々。そんな中、影武者だと名乗る玉翔そっくりの宮人(使用人)があらわれて。
涼という名の影武者は、躊躇う小美に近づいて、玉翔への恋心故に短期間で急成長した小美に愛を囁いてくる。
似ているけど違う、だけど似ているから逆らえない。こんなこと、玉翔以外からなんて、されたくないはずなのに……――。
年上の義息子への恋心と、彼にそっくりな影武者との間で揺れる主人公・小美と、小美自身の出自を取り巻く色々を描いた、中華王朝風の後宮を舞台とした物語。
・地味に実は他の異世界話と同じ世界観。
・魔法とかある異世界の中での中華っぽい国が舞台。
・あくまでも中華王朝風で、彼の国の後宮制を参考にしたオリジナルです。
・CPは固定です。他のキャラとくっつくことはありません。
・多分ハッピーエンド。
・R18シーンがあるので、未成年の方はお控えください。(該当の話には*を付けます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる