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驚きの連続2

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メイクの終わったわたしは、メアリちゃんが待つ部屋に向かいました。

メアリちゃんに声を掛けるとキョトンとされました。

「メアリちゃん?」

「あっ、ミルクさんだ。
顔が違ったから分からなかったよ。」

どうやら化粧で、顔が分からなかったみたいですね。

「メアリちゃんも綺麗になったわよ。」

わたしはメアリちゃんを鏡のあるところへ連れて行きました。

「あっこの人は誰ですか?
わ、わたしの真似をしています。」

そっか、メアリちゃんは鏡を見るのが初めてなのですね。

「これはね、鏡って言うのよ。
そして、目の前に写っているのが、メアリちゃんだよ。」

「ヘェ~、この人がメアリなの!?」

何か微妙な顔をしています。

そりゃそうよね。

鏡を見たことが無ければ、自分の姿を見ることなんて無いもの。

その後案内された部屋には食事が用意されていました。

メグ伯爵家で用意していたような料理が並んでいます。

いくらキンコー王国がハーン帝国よりも経済水準が高いとはいえ、とても平民が食べられるようなものでは無いと思われるような料理です。

メアリちゃんも初めて見る豪華な料理に、最初は恐る恐るでしたが、ひと口食べると夢中になって頬ばっていました。

食べ終わってひと息つくと、別の部屋に案内されました。

そこは舞踏会でも開けるほど広い部屋で、連れてこられたほとんどの人が集まっていました。

前方の舞台の上には、あの青年が立っています。

「皆さん、お疲れ様でした。
わたしはマサルと言います。

既にお聞きの方もおられると思いますが、キンコー王国では少し前に奴隷解放令が出されました。

皆さんはもう自由です。いくところのある方は、もう行っていただいても結構です。

もし行くところが無ければ、わたしのところで働いていただくこともできますが、どうしますか?

子供達についてはわたしの商会で作る予定の学校に通ってもらいます。
もちろん、衣食住はこちらで負担します。」

わたしは、メアリちゃんと一緒にいるために、青年の商会に雇ってもらうことにしました。

ほとんどの人が、商会に雇ってもらうことにしたようです。

そりゃ、奴隷になるくらいだから貧困だったわけで、今自由になったって、生活出来ないですものね。

わたしもお父様やお母様、そしてマクベスさんが心配ですが、今は自分とメアリちゃんの生活が最優先です。

「では商会に来て頂ける方達は、わたしについて来て下さい。」

青年、いや、マサル様の後には大勢の人々がついて行きます。

「子供達は、こっちに集まってねぇ~。」

子供達は別のようです。

メアリちゃんは少し不安そうでしたが、わたしが微笑みながら頷くと、他の子達と一緒に呼ばれた方に走って行きました。


わたし達は、机がたくさん並んだ部屋へ案内されました。

「これから皆さんには学力テストを受けて頂きます。

テストの成績が悪いからといって、辞めて頂くことはありません。

わたしの商会ではたくさんの職業が必要なので、皆さんがどの仕事に適しているかを見させて頂くだけです。

では、用紙が配られたら始めて下さい。」

わたしは、問題用紙を見ていきます。

計算や読み書き等の初級学校レベルから、帳簿のつけ方、歴史、地理、挙句には料理やマナーまで様々な問いがありました。

わたしは、中等教育まで受けていたので、帳簿のつけ方なんかは得意です。

後2年間侍女をしてたのでマナーも問題ありませんでした。


テスト後、部屋を出るとメアリちゃんが待っていました。

「皆さん、今日はお疲れ様でした。

寮を用意していますので、そちらに移動して下さい。

部屋割りは、こちらを見て下さいねー。」

わたしはメアリちゃんと同じ部屋でした。

商会が配慮してくれたようです。

寮の部屋に入ると、生活に必要な物は全て揃っていました。

もしかすると、メグ家での生活の時より充実しているかもしれません。

柔らかいベッドと暖かい布団に興奮したメアリちゃんを宥めるのが大変でしたが、目まぐるしい1日は安らかに眠るメアリちゃんの寝顔と共に過ぎて行ったのでした。

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