【R18】美少女を寝取っているつもりが俺が寝取られていた件

なつのさんち

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その7 『今から恋人とエッチ!』

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 真っ直ぐ自分の部屋に帰った。時々後ろを振り返り、のっぺりとした黒い影がついて来ていないか確認をしながら。
 先ほどの早百合さゆりさんではないが、ガクガクと足が震えているのが分かる。上手く歩けなくて何度も躓いた。

 玄関の鍵を開けて扉を開き、すぐに閉めて鍵を掛ける。普段は使わないチェーンも掛けた。倒れ込むように玄関に座り込む。

「マジかよ……」

 寝取られプレイがこんなに怖いモノだとは思ってもみなかった。俺からしたら寝取りプレイだが、あんな正体も分からんモンが、俺達のセックスを終始見ていたと言う。

 どんな精神構造をしているのか……。俺であれば飛び出て間男を殴り飛ばすだろう。例え俺が望んでそのプレイをさせたとしても。
 いやいや、前提がおかしい。そもそも俺にそんな性癖はない。恋人を他人に差し出して喜ぶような変態の考える事など想像も出来ない。

 寝取るという事がとても興奮する事だと今回改めて分かったけれど、実際に人に頼まれて合意の上で寝取りプレイをするという事に対して言い表せないほどの怖さを実感した。あれは人に頼まれてするモンじゃない。

 クローゼットに隠れて見てた? 正気じゃない。頭おかしい。早百合さん、そんな恋人で大丈夫なのか?
 一度抱いた女だ、変な奴に捕まっているんであれば何とかしてやりたいが……、ヤった後の俺が言い出すのはお門違いもいいところだな。

 ここに2人で住んでんの、そう早百合さんは言っていた。言っていたのを聞いて今思い出した。あの部屋には全く男の気配がなかった。
 玄関には男物の靴はなかったし、浴室には女性物のシャンプーやリンスしかなかった。まぁ男全てが俺のように男性用シャンプーを使っている訳ではないが。
 それと寝室。ベッドは大きく枕も2つあった。他にベッドの置いてある部屋はなかった。あそこで恋人と2人で寝ているのは間違いない。しかし寝室の雰囲気は女の子の私室その物で、お香のいい匂いこそすれ男の体臭や形跡が全く見られなかった。

 早百合さんは金持ちの愛人で、あの部屋を与えられ囲われているのであれば説明が付かない訳でもない。週に何度か来て、セックスをしてすぐに帰る。そんな淡泊な男であれば有り得る。
 万が一奥さんがあの部屋に踏み込んで来たとしても、旦那の私物が一切ないのであれば言い逃れが出来るかも知れない。その為に何の形跡も残さないのが早百合さん達のルールなのであれば俺も納得出来る。

 ここに2人で住んでんの、そう早百合さんは言っていた。しかしあの部屋で生活を共にしていると言う男の形跡が全くなかった。俺達があの部屋へ向かっている途中、早百合さんが恋人に連絡をしていた。その際に全て隠したのか?
 俺が男の気配がある部屋で、男が踏み込んで来るのではないかと警戒する可能性を減らす為?

 どうしても目の前で自分の恋人が寝取られているのを見たかった。初めて連れて来た俺がそれに応じるとは思えなかったから、俺に隠れて見る為にクローゼットに忍んでいた。辻褄が合わない訳ではない。しかし、どうしても違和感を覚える。

 そんなド変態であると思われる早百合さんの恋人にしては、早百合さんの反応が初心過ぎる。開発されてなさ過ぎる。躾けられていなさ過ぎる。
 S寄りのノーマルである俺であっても、それなりに女性に教え込んだり責めて身体に覚えさせたりして来たもんだ。しかし早百合さんにはその形跡がない。
 ゴムがないと分かった時もそうだ。避妊という目的のみに反応して、ピル飲んでいるから大丈夫だと言っていたが、ゴムの役割はそれだけじゃない。性病感染予防としても、初めてセックスする相手とはゴムをするべきなのだ。
 他人に恋人を抱かせるというのに、ゴムを用意していないというのはどういうつもりなんだろうか……。

 まさか、托卵さえも寝取られプレイの範疇だとか……!? 


 あいつやべぇ、あいつらやっべぇ……。うっわ、電話番号教えてしまった。あ、拒否ればいいか。もう何だか急にどっと疲れて来た。本当は喫茶店でコーヒー飲んだ後、映画でも見に行こうかと思っていたが、とてもそんな気分じゃないわ。もう寝よう、そうしよう。


 ~~~♪♪♪

 ビクッ!! はっ……、LINEのトーク受信音か。スマホを取り出して確認すると、そこには高野たかの早百合さゆりと表示されていた。
 ひぃっ!? LINEのトーク画面を開くべきかどうか迷う。どうしよう……、怖い怖い怖い……。

 とにかく玄関で開く事はない。まずは部屋に入り、洗面所で手を洗ってうがいする。うん、ついでに歯磨きもしておくか。
 いつも以上に丁寧に歯を磨き、顔を洗ってサッパリ。ふぅ~。
 キッチンへ移動し、レギュラーコーヒーの用意をする。我が家にポットはないので電気ケトルをセットしてコーヒーを落とす用意をする。

 ~~~♪♪♪

 グッ!? 追加でトークを送信してんのか、こっちのリアクションがないからって急かしてんのか?
 焦るな、向こうのペースに合わせる必要はない。ゆっくりと丁寧においしいコーヒーを淹れよう。喫茶店ではコーヒーを台無しにしてしまったからな、今の俺にはカフェインが必要だ。
 はぁ~~~、いい香り。この匂いを嗅いでいるだけで落ち着く。何かいいお茶請けあったかな。大学の友達がくれたフランス土産のチョコがあったか。あったあった、食べる前に冷蔵庫から出して常温で少し置いておくのが美味しいからとか言ってたな。何個か小皿に移して置いておこう。

 ~~~♪♪♪

 大丈夫、冷静に冷静に。コーヒー飲んでから見ればいい。あ、先に着信拒否とブロックとをしておけば良かったな。何てこった、まぁいい。
 よし、コーヒーが入った。ソーサーなんて上等なモンは使わん。カップとチョコを乗せた小皿を持ってダイニングテーブルに置く。
 ずずずっ、っふ~。美味い。チョコを齧る。あ、中にアーモンド入ってるじゃん。美味い。

 ~~~♪♪♪

「だぁぁぁ~~~!!! 分かった分かった! 見る見ますもう見るから止めてくれ……」

 スマホを取り出してロック解除。通知バーからLINEを起動してトーク画面を開く。

『今日はありがとうございました。今から恋人とエッチ!』

「ゲホゲホゲホッ!!」

 アーモンドの欠片が喉に引っかかった。何だその報告! いるの!? 必要!!?
 メッセージはこれだけじゃない。新着トークを表示させると、何と写メが送り付けられている。先ほど俺と早百合さんがセックスしていたベッドに仰向けになってダブルピースしている早百合さん。俺を送り出した時の下着姿のままだ。表情は笑顔、無理に笑っているような感じではない。むしろ、どことなく挑発的な雰囲気か。

 何てモンを見せるんだ……。明らかに撮影者はクローゼットに隠れていた早百合さんの恋人。寝取った相手に今からこいつを抱くぜと見せ付けるかのような写メ。これではどちらが寝取り、どちらが寝取られているのか分からない。
 心臓がバクバクと鼓動を早め、額から汗が染み出す。これ以上見たくない。しかしまだ画面下に画像があるのは分かっている。
 ゆっくり、ゆっくりと画面をスクロールして行く。

 次の写メは真っ黒なバイブ? いやディルドか。可動部分がないので恐らくディルドだろう。そのディルドを口いっぱい広げて咥えている早百合さんの顔がアップで写されている。
 ディルドの咥えているところ……? 何で自分のモノをフェラさせて撮影しないんだ。いやそんな事どうでもいいんだけど。

 そして最後の写メ。早百合さんの股間のどアップ。M字開脚していて、自らの手でショーツのクロッチを横にズラし、先ほど俺が中で出した残りが漏れ出ている様子が写されていた……。

 ~~~♪♪♪

『まだ中に残ってた。今からお掃除させるね☆』



 あいつら頭おかしい……。俺は返事もせずに既読無視のままスマホを放り投げた。

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