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その6 「次もお願いね? い・ち・ほっ」

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 脱衣所で脱がされたまま放置されていた服を着て、トレイを借りてから寝室へ戻る。ベッドに手を付いて、未だ仰向けのままぐったりしている早百合さゆりさんの脇をペロっと舐めると、ひゃぁっ……、という可愛らしい声と共に早百合さんが目を覚ました。
 目を覚ましたはいいがまだやり残した事がある。脇から脇腹へ舌を這わせ、お腹をツンツンと突きながらおへそへと向かう。

「な、何してんの……?」

 声に力はなく、抗う気力はないがとりあえず声を掛けたという雰囲気の早百合さんの声。構わずツンと澄ましたおへそに吸い付く。

「んぁっ……!」

 へぇ、おへそでも感じるのか。とりあえずやり残した事はもうないので、お暇する事を伝えよう。

「帰るわ」

「あ、帰るんだ……」

 早百合さんは残念そうな、ホッとしたような顔でそう呟く。もう1回戦ヤるのかと思って期待したけど、正直自分の身体が保つかどうか分からないからこれ以上ヤられなくて済むと安心したってところかな。
 まぁ俺はもう服を着てる訳だから、もう1回脱いでさぁヤるぞって展開は予想してなかっただろうけど。

「シャワー借りてサッパリしたわ、ありがと」

 んじゃ帰るかとベッドから手を離そうとすると、パッとその手を握られた。

「ごめん、起こしてくれる?」

 手を引き早百合さんの身体を起こしてやる。ぷるんと胸が弾むのを見て、やっぱもう1回くらいイっとくか? という気持ちが沸き上がる。

「あっ……、出て来た……」

 身体を起こして腹圧が掛かった為か、ティッシュで拭き切れなかった精液が膣内部から漏れ出て来たようだ。こんなに出したの……、とティッシュで拭き拭きする早百合さん。恋人とはいつも中出ししているはずなのに、その反応は初心過ぎると思う。
 あ、早百合さんの恋人の事を思い浮かべたらもう1回って気分じゃなくなった。ま、いいけど。

 いつまでも全裸でいる訳にもいかず、早百合さんはベッドに置いておいたブラジャーを身に付けてからベッドを降り、俺の腕に掴まりながらショーツに足を通す。自分の精液が付着したショーツを履く美少女。
 そしてまだ残っているであろう膣内の精液でまた汚れるんだろうなと思うとグッと来た。
 って言うかそこにあるクローゼットから着替えを出せばいいんじゃないの? まぁ汚れた下着だけを身に着ける姿っていうなかなか見れないもんを見させてもらってるからこのままでいいんだけど。

「ねぇ、連絡先交換しよっ」

「え、何で?」

「何でって、またお願いするだろうから」

 お願い……? 今日だけでなく何度も寝取られるつもりなのか。そう言えば定期的にうんぬん言ってたっけ? 
 早百合さんはパタパタと寝室を出て行き、スマホを手に戻って来た。

「なぁ、本当に早百合さんは強要されてる訳じゃないんだな?」

 見た感じ、早百合さんはセックスを受け入れていたし、ものすごく感じていたと思う。乱れに乱れ、我を忘れて嬌声を上げていたのを見る限り、本当の意味で寝取る事も可能なんじゃないだろうかと思っている。
 が、あくまで早百合さんは恋人の性癖に付き合っている訳で、俺としては早百合さんの本心を確認せずにはいられない。

「うん、正直ここまで興奮するとは思ってなかったし、その……、めちゃくちゃ気持ち良かったよ……。
 だからまた会ってほしいなっ、ダメ……?」

 あ~、美少女に上目遣いでまた抱いてなんて言われれば、俺としてもやぶさかではないんだけども。
 スマホを取り出して連絡先を交換する。電話番号とLINEのIDを交換し、これで本当に用事はなくなった。

「基本的に私達の方から連絡するから。今からお前を抱きたいって言われても、ホイホイとは行かないからね?」

「分かった分かった」

 あくまで俺は付き合わされる側であり、主導権は早百合さんとその恋人にあるって事ね。了解。
 でも絶対に行かない、ではなくホイホイとは行かないって言い方からして、俺に呼び出されて渋々身体を許し……、って展開を期待しているようなニュアンスを伝わる。俺の妄想かも知れないけど。
 どっちにしても俺としては無理やりにでも早百合さんを奪おうと思っている訳ではないし、ヤりたければヤれそうだし、深入りするのは止めておいた方が良さそうだな。

 寝室を出て玄関へ向かう。玄関と廊下を隔てる扉が擦りガラスになっているのに今さら気付く。ここに来てあの向こうに誰かいるんじゃないだろうかと不安になったが、思い切ってドアノブを捻り扉を開ける。誰もいない。ふぅ~。
 玄関というか玄関ホールって表現の方がピッタリ来るな、ここは。姿見に下着姿の早百合さんが映り込んでいる。ちょっと内股になってるな。この鏡の前でガンガン突いてやるのもいいかも知れない。玄関の外にまで聞こえるぞ? なんて言って声を我慢させるとか。

 キョロキョロと玄関ホールを見回していると、扉を背にした早百合さんが靴べらを渡してくれた。

「あれだけヤってよく普通に歩けるね、私まだ足が震えてるんだけど」

「そうか? じゃあ次は腰抜かして立てなくなるまでヤってやるよ」

 きゃー! なんてやり取りをしつつ靴を履いていると、遠くからバタンッという扉を閉めたような音が聞こえた。えっ、何怖い……。

「立ちバックがあんなに辛いとは思わなかったなぁ……」

 早百合さんは音に気付いていないのか、先ほどの寝取られセックスを振り返っている。俺の気のせいだろうか……。
 まぁいいや、さっさと帰って家でゆっくりしよう。明日は講義もあるし……。


 次の瞬間、俺は頭の先からサーッと血の気が引いていくのを感じた。

「う、うしろ……」

 早百合さんが背にしている擦りガラス、その向こうに透けて見える黒いシルエット。頭から黒いパーカーを羽織っているのか、全く体格が分からない。扉から一歩離れているようで、肌の色や服装等全く分からないのっぺりとした黒い影のようで不気味だ。
 俺の言葉を受けて後ろを振り返った早百合さんは、「あぁ~」と何でもないように俺へと向き直る。



「私の恋人だよ。一穂いちほさんが後ろからガンガン突いてた時、私が身体を支えてたクローゼットの扉の向こうに隠れてたんだ~。ここに2人で住んでんの。
 寝取られだもん、現場にいないと意味ないでしょ? でも一穂さんが帰るまで出て来るなって言い付けてたのに。怖がらせたら勃つもんも勃たなくなっちゃうじゃんね~?
 後でちゃ~んと叱っとくから、次もお願いね? い・ち・ほっ」


 
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