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父上はバンバンする
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「切った髪の毛をエテピシェ伯爵へ送り付けた!?
何という事をしたんだ!!」
屋敷で母上と父上へ帰還報告をすると、父上に滅茶苦茶怒られた。
俺がやった事は、かなりマズい行為らしい。
「エテピシェ伯爵とヴォワザン子爵を呼び出す、か。
それも当主でも次期当主でもないアルティが。
うーん、子供のやった事ですからって言おうかしら?」
「言えるはずないだろう!!」
父上がテーブルを叩く。
ここまで怒っているのは見た事がない。
夕方にこの街に帰還し、前回の反省から真っ先に屋敷を目指した。
ユニオーヌの連中を全滅させた直後に、俺と姉上は無事だという事だけを取り急ぎ報告するよう伝令を送っていた。
夕食前に軽く報告を、と思い母上の執務室で両親と姉上、義兄上を相手に状況を説明したら叱責を受ける事になった。
俺の隣にはエティーが俺に抱き着く形で座っている。
俺が怒られた事で委縮したりしょげたりしないように、癒しの魔法を掛けてくれている。
優しい妹だ。
「申し訳ありません」
エティーの魔法がなくとも、俺がここで逆ギレしたり、泣き喚いたりはしない。
あ、この世界の価値観では許されない事をしてしまったのだな、と受け止めるのみ。
そして次からはしないよう気を付け、これからどうすれば良いか考える。
ある意味、アルティスラという人間を客観的に見ていると言ってもいいだろう。
何にせよ、アルティスラとは俺である事は間違いない。
俺のせいでユニオーヌと全面戦争になるかもしれない。
俺はこの後どのように動けば良いだろうか。
「何でアヴィは止めなかったんだ!?」
矛先は姉上へ。
みんな平気な顔をしているが、父上から怒りの感情が伝わって来ている。
心中穏やかではないはずだ。
父上の魔力にやられている訳ではなく、父上が感情を制御出来なくなるほどに怒っているという事実に。
父上はどちらかというと母上を止める役割だ。
これほどの怒りを漏らす父上を、誰が止めに入るべきか。
少なくとも俺じゃないのは分かる。
「今回の指揮官はアルティです。
私はやってしまった事よりも、成した事を讃えたい。
私の弟は素晴らしい魔法使いであると報告したい。
例えユニオーヌの連中が束になって攻め込んで来ても、アルティならば全て殲滅してしまうでしょう。
ですので、今はアルティの戦勝祝いを……」
「だからそれが問題だと言っているのだ!!」
バンバンバン!!
机を激しく叩く父上。
このバンバンバン、はリズムを刻んでいるはずなのに、何故この世界の人々はリズム感がなくそして音痴なのだろうか。
不思議でならない。
何という事をしたんだ!!」
屋敷で母上と父上へ帰還報告をすると、父上に滅茶苦茶怒られた。
俺がやった事は、かなりマズい行為らしい。
「エテピシェ伯爵とヴォワザン子爵を呼び出す、か。
それも当主でも次期当主でもないアルティが。
うーん、子供のやった事ですからって言おうかしら?」
「言えるはずないだろう!!」
父上がテーブルを叩く。
ここまで怒っているのは見た事がない。
夕方にこの街に帰還し、前回の反省から真っ先に屋敷を目指した。
ユニオーヌの連中を全滅させた直後に、俺と姉上は無事だという事だけを取り急ぎ報告するよう伝令を送っていた。
夕食前に軽く報告を、と思い母上の執務室で両親と姉上、義兄上を相手に状況を説明したら叱責を受ける事になった。
俺の隣にはエティーが俺に抱き着く形で座っている。
俺が怒られた事で委縮したりしょげたりしないように、癒しの魔法を掛けてくれている。
優しい妹だ。
「申し訳ありません」
エティーの魔法がなくとも、俺がここで逆ギレしたり、泣き喚いたりはしない。
あ、この世界の価値観では許されない事をしてしまったのだな、と受け止めるのみ。
そして次からはしないよう気を付け、これからどうすれば良いか考える。
ある意味、アルティスラという人間を客観的に見ていると言ってもいいだろう。
何にせよ、アルティスラとは俺である事は間違いない。
俺のせいでユニオーヌと全面戦争になるかもしれない。
俺はこの後どのように動けば良いだろうか。
「何でアヴィは止めなかったんだ!?」
矛先は姉上へ。
みんな平気な顔をしているが、父上から怒りの感情が伝わって来ている。
心中穏やかではないはずだ。
父上の魔力にやられている訳ではなく、父上が感情を制御出来なくなるほどに怒っているという事実に。
父上はどちらかというと母上を止める役割だ。
これほどの怒りを漏らす父上を、誰が止めに入るべきか。
少なくとも俺じゃないのは分かる。
「今回の指揮官はアルティです。
私はやってしまった事よりも、成した事を讃えたい。
私の弟は素晴らしい魔法使いであると報告したい。
例えユニオーヌの連中が束になって攻め込んで来ても、アルティならば全て殲滅してしまうでしょう。
ですので、今はアルティの戦勝祝いを……」
「だからそれが問題だと言っているのだ!!」
バンバンバン!!
机を激しく叩く父上。
このバンバンバン、はリズムを刻んでいるはずなのに、何故この世界の人々はリズム感がなくそして音痴なのだろうか。
不思議でならない。
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