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第十六章:なぎなみ動画始動
YourTunesへの対応
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「どんにゃにグッズが売れても副社長が生配信する方がいっぱいお金もらえるにゃ」
イリヤはグッズ収益よりも、もっと伊吹が配信した方が儲かると訴える。
現在、VividColorsはYourTunesでの生配信を行っておらず、「なぎなみ動画」の見逃し動画を編集し、見どころだけを繋げた動画を投稿している。
「なぎなみ動画」では試用段階である事を理由に、投げ銭機能をまだ実装していないので、イリヤはYourTunesで投げ銭を貰った方が稼げる、と言いたいのだ。
「投げ銭での収益って実はそんなに多くないんだよね。アーカイブ動画や切り抜き動画が再生された方がより多くの広告を見てもらえるから、そっちの方が稼げるんだ。
投げ銭の分で、CD買ってもらったりグッズ買ってもらったりした方が、YourTunesにピンハネされないし」
伊吹はYourTunesでの「月明かりの使者」の楽曲百二十曲の公開と、VC副社長とVC社長、VC専務の結婚披露宴の生配信をする事で、YourTunesのサーバが脆弱であるというネガティブキャンペーンを試みた。
結果、想像以上にYourTunesへダメージが入り、AlphadealはVividColorsとの騒動前の六十五パーセントにまで株価を落としている。
Alphadealは自社株を買って、自己株を消却する事で何とか株価を戻そうとしているが、VividColorsが生配信をしなくなった事と「なぎなみ動画」という競合サービスの登場、そして喧嘩を売った相手が大日本皇国の皇位継承者である事が発覚し、株価は低迷を続けている。
「YourTunesへの対応はどうすんの?
今のまま放置するんか、どっかでトドメ刺すんか」
マチルダは母親であるメアリー宛に毎日のようにGoolGoalから電話が掛かって来ているのを知っており、伊吹が現状をどう思っているのか母親の為にも聞いておきたかった。
「別に、こっちからアクションを起こすつもりはないよ。全てにおいて向こうが突っかかって来た訳だし、こっちから謝罪しろだ何だと難癖付けた訳じゃない。向こうが勝手にごねごねしてるだけだ。
まぁ、メアリーさんには毎日対応してもらって済まないとは思ってるけどさ」
世論が自分の味方であるとはいえ、伊吹はGoolGoalやYourTunesへ強気で交渉しようなどとは考えていない。
自分の身分が皇族であると発覚してからは、あまり無茶な対応をして国の品位を落とす訳にはいかないな、と伊吹は思っている。誰に言われた訳でもないが。
「いえ、私はその為に雇われた訳ですし……。
ちょうどまた掛かって来ました。出てもよろしいでしょうか?」
噂をすれば影、というほどでもないが、タイミング良くメアリーのスマートフォンへGoolGoalから電話が入ったようだ。
伊吹が頷き、メアリーが着信に出て英語で対応する。メアリーはすぐに通話を保留にし、伊吹へ向き直って確認をする。
「先方の経営陣から可能な限り早く副社長と会って話がしたいとの申し出なのですが、如何なさいますか?」
「うーん……、さすがに僕だけでは決められないね。
近い内に返事するって言っといてくれる?」
GoolGoalからの面会要請に対し、社内で協議するとして一度メアリーに電話を切らせ、伊吹は藍子と福乃と打ち合わせした後、年明けの一月五日を指定した。
イリヤはグッズ収益よりも、もっと伊吹が配信した方が儲かると訴える。
現在、VividColorsはYourTunesでの生配信を行っておらず、「なぎなみ動画」の見逃し動画を編集し、見どころだけを繋げた動画を投稿している。
「なぎなみ動画」では試用段階である事を理由に、投げ銭機能をまだ実装していないので、イリヤはYourTunesで投げ銭を貰った方が稼げる、と言いたいのだ。
「投げ銭での収益って実はそんなに多くないんだよね。アーカイブ動画や切り抜き動画が再生された方がより多くの広告を見てもらえるから、そっちの方が稼げるんだ。
投げ銭の分で、CD買ってもらったりグッズ買ってもらったりした方が、YourTunesにピンハネされないし」
伊吹はYourTunesでの「月明かりの使者」の楽曲百二十曲の公開と、VC副社長とVC社長、VC専務の結婚披露宴の生配信をする事で、YourTunesのサーバが脆弱であるというネガティブキャンペーンを試みた。
結果、想像以上にYourTunesへダメージが入り、AlphadealはVividColorsとの騒動前の六十五パーセントにまで株価を落としている。
Alphadealは自社株を買って、自己株を消却する事で何とか株価を戻そうとしているが、VividColorsが生配信をしなくなった事と「なぎなみ動画」という競合サービスの登場、そして喧嘩を売った相手が大日本皇国の皇位継承者である事が発覚し、株価は低迷を続けている。
「YourTunesへの対応はどうすんの?
今のまま放置するんか、どっかでトドメ刺すんか」
マチルダは母親であるメアリー宛に毎日のようにGoolGoalから電話が掛かって来ているのを知っており、伊吹が現状をどう思っているのか母親の為にも聞いておきたかった。
「別に、こっちからアクションを起こすつもりはないよ。全てにおいて向こうが突っかかって来た訳だし、こっちから謝罪しろだ何だと難癖付けた訳じゃない。向こうが勝手にごねごねしてるだけだ。
まぁ、メアリーさんには毎日対応してもらって済まないとは思ってるけどさ」
世論が自分の味方であるとはいえ、伊吹はGoolGoalやYourTunesへ強気で交渉しようなどとは考えていない。
自分の身分が皇族であると発覚してからは、あまり無茶な対応をして国の品位を落とす訳にはいかないな、と伊吹は思っている。誰に言われた訳でもないが。
「いえ、私はその為に雇われた訳ですし……。
ちょうどまた掛かって来ました。出てもよろしいでしょうか?」
噂をすれば影、というほどでもないが、タイミング良くメアリーのスマートフォンへGoolGoalから電話が入ったようだ。
伊吹が頷き、メアリーが着信に出て英語で対応する。メアリーはすぐに通話を保留にし、伊吹へ向き直って確認をする。
「先方の経営陣から可能な限り早く副社長と会って話がしたいとの申し出なのですが、如何なさいますか?」
「うーん……、さすがに僕だけでは決められないね。
近い内に返事するって言っといてくれる?」
GoolGoalからの面会要請に対し、社内で協議するとして一度メアリーに電話を切らせ、伊吹は藍子と福乃と打ち合わせした後、年明けの一月五日を指定した。
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