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第十四章:結婚式に向けて
バンド名とレーベル名
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マチルダが前世世界で活躍していたバンドを次々に挙げていくが、伊吹はしっくり来ていない様子で首をひねる。
「そもそも実在していたバンド名は気後れするしさ、それに完全に前世の記憶を持ってる転生日本人に見られたら赤っ恥かくよ」
「ほな自分で考えてんかっ」
セッションを間近で聞いており、自分も気分が高揚していたマチルダだったが、伊吹に水を差されて拗ねてしまう。
「ビートルズ自体が造語だから、和訳出来ないしなぁ。
ん? 和訳か……」
そして、伊吹はDVDに添えられていた手紙を思い出した。
「DVDの送り主が手紙の中で月明かりの紳士って自称してたから、それにあやかって『月明かりの使者』にしようか。
Mr.Moonlightの日本語訳と言えなくもないし」
伊吹は、自分の父親らしき人物のお陰でビートルズの曲をこの世界で再現出来たので、少しでも関連する形で名付けがしたいと思ったのだ。
今すぐ顔を合わせる事が出来ない事情があるにしろ、月明かりの使者を動画配信を通じて見る事になるはずだ。
「まぁかぐや姫も月から来たんやし、並行世界からの使者って意味にも出来るからええかもなぁ」
マチルダも伊吹の名付け案に賛成した。
「四人でデビューするにしても、僕だけ手ぶらなの居心地悪いな」
「ギターお教えしましょうか?」
「べ、ベースもどうですか?」
「今ならドラムもつけますよ!」
すかさず自分の担当楽器を教えると申し出る三人。ギターはまだしも、ベースとドラムが二人いるバンドはそういないだろう。
「まぁ、とにかく今はレコーディング作業が最優先かな。
それが終わったら教えてもらう、かも」
「それよりお姉さん達、全曲弾ける?
四人でデビューするって事は、レコーディングは全部三人が演奏するって事やで?」
マチルダの指摘を受けて、ようやくバンドデビューするという実感が出て来た三人。
「「「すぐに練習に取り掛かります!!」」」
「すみません、誰かこちらの三人が練習する部屋を用意してもらえませんか?
いつ来ても練習出来るように、専用の部屋にしてもらえると助かります」
伊吹の要望はすぐに通り、月明かりの使者の総合マネージャーと個人担当マネージャーも早急に決める事になった。
「あ、三人と藍吹伊音房で改めて契約しとかないと。
楽曲作りの契約とデビュー契約じゃ内容が違うだろうし」
伊吹は智枝に後を任せ、他の楽曲の仮録音をする作業へ戻る。
月明かりの使者が所属するレーベル名は藍吹伊音房と正式に決まっている。音房とは音楽工房の略だ。
藍吹伊音房は宮坂紡音というレコード会社に所属するレーベルで、VividColorsは宮坂紡音の株式の五割の譲渡を受けている。
「蔵人《くらうど》サービスを早く開始させたいな。
それまではYourTunes上で音楽を公開する事になるだろうけど、使い勝手が良くないんだよな」
「もしかしてサブスク開始しようとしてるん?」
伊吹はCD出版の他に、藍吹伊音房の楽曲を全て定額利用制度で聞き放題にするつもりでいる。
月額もしくは年額で一定額を支払えば、サービス内の全ての楽曲を無制限聞き放題にするサービスで、伊吹も前世では利用していた。
「YourTunesはまだ音楽に最適化されたサービスになってないし、先にそこの領域に手を出してしまおう。
その分利用が集中してサーバ負荷が大きくなるだろから、しっかりと事前対策しておかないとな」
「その仕組み、どうやって構築するか分かる?」
「あー、またあーちゃんに技術者の面接してもらわないと……」
「そやって頼る時だけ甘えた呼び方してからに。
もう子供やないんよ?」
「オカンかよ……」
「そもそも実在していたバンド名は気後れするしさ、それに完全に前世の記憶を持ってる転生日本人に見られたら赤っ恥かくよ」
「ほな自分で考えてんかっ」
セッションを間近で聞いており、自分も気分が高揚していたマチルダだったが、伊吹に水を差されて拗ねてしまう。
「ビートルズ自体が造語だから、和訳出来ないしなぁ。
ん? 和訳か……」
そして、伊吹はDVDに添えられていた手紙を思い出した。
「DVDの送り主が手紙の中で月明かりの紳士って自称してたから、それにあやかって『月明かりの使者』にしようか。
Mr.Moonlightの日本語訳と言えなくもないし」
伊吹は、自分の父親らしき人物のお陰でビートルズの曲をこの世界で再現出来たので、少しでも関連する形で名付けがしたいと思ったのだ。
今すぐ顔を合わせる事が出来ない事情があるにしろ、月明かりの使者を動画配信を通じて見る事になるはずだ。
「まぁかぐや姫も月から来たんやし、並行世界からの使者って意味にも出来るからええかもなぁ」
マチルダも伊吹の名付け案に賛成した。
「四人でデビューするにしても、僕だけ手ぶらなの居心地悪いな」
「ギターお教えしましょうか?」
「べ、ベースもどうですか?」
「今ならドラムもつけますよ!」
すかさず自分の担当楽器を教えると申し出る三人。ギターはまだしも、ベースとドラムが二人いるバンドはそういないだろう。
「まぁ、とにかく今はレコーディング作業が最優先かな。
それが終わったら教えてもらう、かも」
「それよりお姉さん達、全曲弾ける?
四人でデビューするって事は、レコーディングは全部三人が演奏するって事やで?」
マチルダの指摘を受けて、ようやくバンドデビューするという実感が出て来た三人。
「「「すぐに練習に取り掛かります!!」」」
「すみません、誰かこちらの三人が練習する部屋を用意してもらえませんか?
いつ来ても練習出来るように、専用の部屋にしてもらえると助かります」
伊吹の要望はすぐに通り、月明かりの使者の総合マネージャーと個人担当マネージャーも早急に決める事になった。
「あ、三人と藍吹伊音房で改めて契約しとかないと。
楽曲作りの契約とデビュー契約じゃ内容が違うだろうし」
伊吹は智枝に後を任せ、他の楽曲の仮録音をする作業へ戻る。
月明かりの使者が所属するレーベル名は藍吹伊音房と正式に決まっている。音房とは音楽工房の略だ。
藍吹伊音房は宮坂紡音というレコード会社に所属するレーベルで、VividColorsは宮坂紡音の株式の五割の譲渡を受けている。
「蔵人《くらうど》サービスを早く開始させたいな。
それまではYourTunes上で音楽を公開する事になるだろうけど、使い勝手が良くないんだよな」
「もしかしてサブスク開始しようとしてるん?」
伊吹はCD出版の他に、藍吹伊音房の楽曲を全て定額利用制度で聞き放題にするつもりでいる。
月額もしくは年額で一定額を支払えば、サービス内の全ての楽曲を無制限聞き放題にするサービスで、伊吹も前世では利用していた。
「YourTunesはまだ音楽に最適化されたサービスになってないし、先にそこの領域に手を出してしまおう。
その分利用が集中してサーバ負荷が大きくなるだろから、しっかりと事前対策しておかないとな」
「その仕組み、どうやって構築するか分かる?」
「あー、またあーちゃんに技術者の面接してもらわないと……」
「そやって頼る時だけ甘えた呼び方してからに。
もう子供やないんよ?」
「オカンかよ……」
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