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第十二章:安藤真智デビュー
好きな事で生きて行ける世界
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「ママの許可が出た!」
事務所に入るなり伊吹へと抱き着くマチルダ。
もう見慣れた光景になってしまったので、誰も何も言わない。
「そうか、良かったね。
で、どうする?
アバターを用意してもらうか、実写で出るか」
マチルダをモデルに安藤真智というキャラのアバターを用意するか、マチルダの活動者名を安藤真智にするか、伊吹がマチルダへと問い掛ける。
伊吹としてはマチルダが顔出しのYourTunerとしてデビューしてくれれば、いずれ自分が顔出しした際にその経験を活かす事が出来るだろうと考えている。
「アバターは用意してほしいけど、基本は実写で活動したい。
メイクのビフォーアフター動画を出したいし、コスプレの衣装合わせしてるとことか、コス撮影の裏側とかを公開してコスプレイヤー人口を増やしたいから」
伊吹はマチルダの要望をそのまま受け入れ、藍子に安藤真智のチャンネルを開設するよう指示を出した。
「でな、もううちのイラスト描いて呟いてくれてる人がいたの!
もう嬉しくていいねしたったった!」
YoungNatterの安藤真智の公式アカウントはマチルダ自らが管理している。
誹謗中傷などは前世で慣れているという謎の主張を受け、伊吹と母親のメアリーが説得された形だ。
もちろんDMで個人的なやり取りなどをしないと約束した上での許可となっている。
「それでね、このイラストを投稿してもらうサイトを作らない?
イブイブはクリエイターが好きな事で生きて行ける世界にしたいんでしょ?」
マチルダはイラストレーターがイラストを投稿し、気に入ったユーザーがそのイラストレーターのパトロンになったり投げ銭したり、イラストの製作依頼が簡単に出せる仕組みを作りたいと言い出した。
現在企画中の安藤家のグッズを売り出す催しとも相性が良い為、伊吹はすぐに宮坂家から派遣されている秘書達を招集した。
場所を大会議室へ移し、皆がマチルダの発言を聞き逃すまいとメモを取っている。
「デジタルで良いならクレジット決済後すぐにダウンロード出来るような仕組みにしたいの。
印刷所と提携すれば製本された状態で家に届くようにするのも良いかもね。
カラーだと色味が違うとかトラブルになりそうだけど、そこは前もって確認と調整が必要でしょうね。
そうそう、クリエイターがこのサイトで得た収益から三割をシステム使用料として徴収するの。
ただし、VividColorsがこの絵をあらかじめ定められた規約の範囲内で使用する事を許可してくれれば、二割に減額出来るようにしましょう」
「あらかじめ決められた範囲の使用方法って?」
伊吹が質問すると、マチルダは顎に人差し指を当て、上を見ながらあざとらしく答える。
「イベントの公式パンフの表紙にするとか、メディア露出する際にイラストを紹介させてもらったりとか、あとは……」
考え込んで黙ってしまったマチルダを見て、秘書の一人が手を挙げて質問する。
「パンフというのは何でしょうか?」
「あぁ、パンフレットって日本語で何て言ったらいいんだろう、小冊子とか?」
「いえ、失礼しました。パンフレットで分かりました」
ついつい前世持ち同士の会話で横文字や略語を使ってしまうので、周りがついて行けない場面が出て来る。
「いや、分からない事は分からないと言ってくれた方が助かるよ」
別の秘書が手を挙げて発言する。
「イラスト以外のクリエイターで、パトロンや投げ銭の仕組みで活躍出来るような対象は何かございませんか?」
秘書達は宮坂家から二家が追放されて以来、より積極的な働きを見せている。
先に派遣された紫乃と翠と琥珀が宮坂家所属を離れVividColors所属に変わった事、そしてすでに伊吹の寝室へ呼ばれている事と、内縁の妻だと思っているとまで言われた事で、自分も成果を上げて伊吹に認めてもらいたいと躍起になっているのだ。
「それやったら小説やな。個人で考えた小説を掲載出来るサイトを立ち上げたらええねん。
大手出版社も巻き込んで、コンテストを開催して優秀な作品には出版の確約をするね、するのよ」
「VividColorsはどのような形で収益を上げるのでしょうか?」
「スマホやパソコンで見る際に広告を表示して、その広告主から広告出稿料を受け取るの。
全部ビビカラで受け取るんじゃなくって、作者にも毎月収益を分配する方が良いでしょうね。
この仕組みはすでにGoolGoalでもYourTunesでもやってるから、そう難しくないはずだわ」
こうしてこの世界にイラストコミュニケーションサービスと小説投稿サイトが誕生する事となった。
事務所に入るなり伊吹へと抱き着くマチルダ。
もう見慣れた光景になってしまったので、誰も何も言わない。
「そうか、良かったね。
で、どうする?
アバターを用意してもらうか、実写で出るか」
マチルダをモデルに安藤真智というキャラのアバターを用意するか、マチルダの活動者名を安藤真智にするか、伊吹がマチルダへと問い掛ける。
伊吹としてはマチルダが顔出しのYourTunerとしてデビューしてくれれば、いずれ自分が顔出しした際にその経験を活かす事が出来るだろうと考えている。
「アバターは用意してほしいけど、基本は実写で活動したい。
メイクのビフォーアフター動画を出したいし、コスプレの衣装合わせしてるとことか、コス撮影の裏側とかを公開してコスプレイヤー人口を増やしたいから」
伊吹はマチルダの要望をそのまま受け入れ、藍子に安藤真智のチャンネルを開設するよう指示を出した。
「でな、もううちのイラスト描いて呟いてくれてる人がいたの!
もう嬉しくていいねしたったった!」
YoungNatterの安藤真智の公式アカウントはマチルダ自らが管理している。
誹謗中傷などは前世で慣れているという謎の主張を受け、伊吹と母親のメアリーが説得された形だ。
もちろんDMで個人的なやり取りなどをしないと約束した上での許可となっている。
「それでね、このイラストを投稿してもらうサイトを作らない?
イブイブはクリエイターが好きな事で生きて行ける世界にしたいんでしょ?」
マチルダはイラストレーターがイラストを投稿し、気に入ったユーザーがそのイラストレーターのパトロンになったり投げ銭したり、イラストの製作依頼が簡単に出せる仕組みを作りたいと言い出した。
現在企画中の安藤家のグッズを売り出す催しとも相性が良い為、伊吹はすぐに宮坂家から派遣されている秘書達を招集した。
場所を大会議室へ移し、皆がマチルダの発言を聞き逃すまいとメモを取っている。
「デジタルで良いならクレジット決済後すぐにダウンロード出来るような仕組みにしたいの。
印刷所と提携すれば製本された状態で家に届くようにするのも良いかもね。
カラーだと色味が違うとかトラブルになりそうだけど、そこは前もって確認と調整が必要でしょうね。
そうそう、クリエイターがこのサイトで得た収益から三割をシステム使用料として徴収するの。
ただし、VividColorsがこの絵をあらかじめ定められた規約の範囲内で使用する事を許可してくれれば、二割に減額出来るようにしましょう」
「あらかじめ決められた範囲の使用方法って?」
伊吹が質問すると、マチルダは顎に人差し指を当て、上を見ながらあざとらしく答える。
「イベントの公式パンフの表紙にするとか、メディア露出する際にイラストを紹介させてもらったりとか、あとは……」
考え込んで黙ってしまったマチルダを見て、秘書の一人が手を挙げて質問する。
「パンフというのは何でしょうか?」
「あぁ、パンフレットって日本語で何て言ったらいいんだろう、小冊子とか?」
「いえ、失礼しました。パンフレットで分かりました」
ついつい前世持ち同士の会話で横文字や略語を使ってしまうので、周りがついて行けない場面が出て来る。
「いや、分からない事は分からないと言ってくれた方が助かるよ」
別の秘書が手を挙げて発言する。
「イラスト以外のクリエイターで、パトロンや投げ銭の仕組みで活躍出来るような対象は何かございませんか?」
秘書達は宮坂家から二家が追放されて以来、より積極的な働きを見せている。
先に派遣された紫乃と翠と琥珀が宮坂家所属を離れVividColors所属に変わった事、そしてすでに伊吹の寝室へ呼ばれている事と、内縁の妻だと思っているとまで言われた事で、自分も成果を上げて伊吹に認めてもらいたいと躍起になっているのだ。
「それやったら小説やな。個人で考えた小説を掲載出来るサイトを立ち上げたらええねん。
大手出版社も巻き込んで、コンテストを開催して優秀な作品には出版の確約をするね、するのよ」
「VividColorsはどのような形で収益を上げるのでしょうか?」
「スマホやパソコンで見る際に広告を表示して、その広告主から広告出稿料を受け取るの。
全部ビビカラで受け取るんじゃなくって、作者にも毎月収益を分配する方が良いでしょうね。
この仕組みはすでにGoolGoalでもYourTunesでもやってるから、そう難しくないはずだわ」
こうしてこの世界にイラストコミュニケーションサービスと小説投稿サイトが誕生する事となった。
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