171 / 243
第十一章:GoolGoalとのゴタゴタ
入金確認
しおりを挟む
「入金確認したよ」
「じゃあYoungNatterで入金があった事を報告して、視聴者さんに安心してもらおう」
「分かった」
結局、藍子がYourTunesからの振り込みを確認したのは、通常振込日の二日後となった。
伊吹が生配信で入金が遅れている事を公表した時点で、YourTunesないしGoolGoalがすぐに誠意ある対応をしていれば、こんな騒動にもならなかっただろう。
いや、そもそも入金が遅れた事自体が作為的であり、こうなる事は最初から決まっていたのかも知れないが。
伊吹は藍子にYoungNatterで呟くよう指示した内容は、YourTunesから収益の振り込みがあった事、YourTunes側に対して何かを求めるつもりはない事、振り込みがずれた理由の説明も不要である事とした。
ただし、伊吹としては、これ以上向こうがこちらに対して何も仕掛けて来ないのであれば、という前提での話だが。
藍子が伊吹から指示された内容をYoungNatterで呟いた後、アメリカのGoolGoal幹部が「今回の騒動はVividColorsの登録手続きが正しく完了されていなかった為であると確認が取れた」と呟いた。
「やっぱり根性が腐ってるね。嫌になるよ」
口調とは裏腹に、ご機嫌な様子の福乃。すでにAlphadealからのおかわりをどれだけふんだくるか脳内で計算しているのだ。
「何で昨日の今日でどうなるか想像出来ないんでしょうね」
伊吹もニヤニヤしている。
伊吹は先ほど、宮坂家から結納代わりにこのビル周辺の土地、通称藍吹伊通り一丁目の、さらにその一回り外側の土地を新たに報酬として受け取った。
もちろん宮坂家が手に入れたAlphadealの空売り収益の分配金として、だ。
そして案の定GoolGoalは、今回の騒動の原因はあくまでもVividColors側の不備であると主張した。
このGoolGoal幹部の呟きに対して、今夜の生配信でVividColorsの手続きは完全に問題ないと訴える事で、Alphadealの株価は下がる。正しくは、下げる理由になる。
「お祭りは継続ですねぇ」
「お代わり自由だなんてGoolGoalも太っ腹だねぇ」
VividColorsはYourTunesを通して収益を上げている会社だ。
GoolGoalとしては恐らく、自分達が強気な態度を見せれば、VividColorsは折れるしかないだろうと考えたのだろう。
しかし、VividColorsの背後には宮坂財閥という超巨大資本が控えており、全面的に戦争を仕掛けて来た。
GoolGoalの持ち株会社であるAlphadealも、当然空売りを仕掛けて来ているのが宮坂家の関係者である事は予想を付けている。
が、Alphadeal自体も超巨大資本であり、その背後には米国有数の資産家が控えている。
空売りをされた結果、不当に安くなった価格帯で自分達が株を購入し、売らずに握り締めておきさえすれば、いずれは元の株価へと戻る。
Alphadealの経営陣はこの騒動を比較的楽観視していた。
見誤っていたとすれば、この騒動の中心人物が男性であるという事。
そして、その男性に喧嘩を売った企業の価値は著しく低下するという事。
さらには、その男性は世界中に子猫と呼ばれる熱狂的な支持者を抱えているという事。
「じゃあYoungNatterで入金があった事を報告して、視聴者さんに安心してもらおう」
「分かった」
結局、藍子がYourTunesからの振り込みを確認したのは、通常振込日の二日後となった。
伊吹が生配信で入金が遅れている事を公表した時点で、YourTunesないしGoolGoalがすぐに誠意ある対応をしていれば、こんな騒動にもならなかっただろう。
いや、そもそも入金が遅れた事自体が作為的であり、こうなる事は最初から決まっていたのかも知れないが。
伊吹は藍子にYoungNatterで呟くよう指示した内容は、YourTunesから収益の振り込みがあった事、YourTunes側に対して何かを求めるつもりはない事、振り込みがずれた理由の説明も不要である事とした。
ただし、伊吹としては、これ以上向こうがこちらに対して何も仕掛けて来ないのであれば、という前提での話だが。
藍子が伊吹から指示された内容をYoungNatterで呟いた後、アメリカのGoolGoal幹部が「今回の騒動はVividColorsの登録手続きが正しく完了されていなかった為であると確認が取れた」と呟いた。
「やっぱり根性が腐ってるね。嫌になるよ」
口調とは裏腹に、ご機嫌な様子の福乃。すでにAlphadealからのおかわりをどれだけふんだくるか脳内で計算しているのだ。
「何で昨日の今日でどうなるか想像出来ないんでしょうね」
伊吹もニヤニヤしている。
伊吹は先ほど、宮坂家から結納代わりにこのビル周辺の土地、通称藍吹伊通り一丁目の、さらにその一回り外側の土地を新たに報酬として受け取った。
もちろん宮坂家が手に入れたAlphadealの空売り収益の分配金として、だ。
そして案の定GoolGoalは、今回の騒動の原因はあくまでもVividColors側の不備であると主張した。
このGoolGoal幹部の呟きに対して、今夜の生配信でVividColorsの手続きは完全に問題ないと訴える事で、Alphadealの株価は下がる。正しくは、下げる理由になる。
「お祭りは継続ですねぇ」
「お代わり自由だなんてGoolGoalも太っ腹だねぇ」
VividColorsはYourTunesを通して収益を上げている会社だ。
GoolGoalとしては恐らく、自分達が強気な態度を見せれば、VividColorsは折れるしかないだろうと考えたのだろう。
しかし、VividColorsの背後には宮坂財閥という超巨大資本が控えており、全面的に戦争を仕掛けて来た。
GoolGoalの持ち株会社であるAlphadealも、当然空売りを仕掛けて来ているのが宮坂家の関係者である事は予想を付けている。
が、Alphadeal自体も超巨大資本であり、その背後には米国有数の資産家が控えている。
空売りをされた結果、不当に安くなった価格帯で自分達が株を購入し、売らずに握り締めておきさえすれば、いずれは元の株価へと戻る。
Alphadealの経営陣はこの騒動を比較的楽観視していた。
見誤っていたとすれば、この騒動の中心人物が男性であるという事。
そして、その男性に喧嘩を売った企業の価値は著しく低下するという事。
さらには、その男性は世界中に子猫と呼ばれる熱狂的な支持者を抱えているという事。
120
お気に入りに追加
512
あなたにおすすめの小説
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
異世界に転生したと思ったら、男女比がバグった地球っぽい!?
ぱふ
恋愛
ある仕事終わりの帰り道、主人公前田世一は連勤の疲れが祟って車に轢かれてしまった。朦朧とする意識の中、家族や今世での未練に悔見ながら気を失ってしまった。そして、目が覚めると知らない天井でいつもと違う場所でにいて、さらに調べると男女比がバグっていた!?これで前世の未練や夢を叶えることができる!そう思って様々なことに挑戦していこうと思った矢先、ある少女と出会った。ぱっとみは可憐な少女だったが中身はドMでやばいやつだった!?そんな、やばめな少女から逃げようと別の子に話しかけたら次はドSなやばい少女がいて、愛が重い少女に監禁されかけて、ドロドロに甘やかしてくれるお姉さんに溶かされて、この世界の洗礼を受けていく。「助けて〜!この世界やばい人しかいないんだけど!」そんな悲痛な叫びが鳴り止まない過激なラブコメが始まる。*カクヨム様ハーメルン様にも掲載しています*
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
貞操逆転世界ではキモデブの俺の遺伝子を美少女達が狙っている!!!!
お小遣い月3万
恋愛
貞操逆転世界ではキモデブのおっさんでもラブコメ無双である。
美少女達が俺の遺伝子を狙っていて、ハーレムどころの騒ぎじゃない。
幼馴染の美少女も、アイドル似の美少女も俺のことを狙っている。
痴女も変態女も俺のことを狙っている。
イモっこいお嬢様ですら俺のことを狙っている。
お前も俺のことを狙っているのか!
美少女達とイチャイチャしたり、痴女に拉致されたり、変態女に襲われて逃げたり、貞操逆転世界は男性にとっては大変である。
逆にモテすぎて困る。
絶対にヤレる美少女達が俺を落とすために、迫って来る。
俺は32歳の童貞だった。アダルトビデオに登場するようなブリーフ親父に似ている。しかも体重は100キロである。
働いたら負け、という名言があるように、俺は誰にも負けていなかった。
だけどある日、両親が死んで、勝ち続けるための資金源が無くなってしまった。
自殺も考えたけど死ぬのは怖い。だけど働きたくない。
俺の元へ政府の人間がやって来た。
将来、日本になにかあった時のためにコールドスリープする人間を探しているらしい。コールドスリープというのは冷凍保存のことである。
つまり絶望的な未来が来なければ、永遠に冷凍庫の隅っこで眠り続けるらしい。
俺は死んでも働きたくないので冷凍保存されることになった。
目覚めたら、そこは貞操逆転世界だった。
日本にとっては絶望的な未来だったのだ。男性は俺しかいない。
そんな日本を再生させるために、俺が解凍されたのだ。
つまり俺は日本を救う正義のヒーローだった。
じゃんじゃんセッ◯スしまくって女の子を孕ませるのが、正義のヒーローの俺の役目だった。
目覚めた俺は32歳なのに17歳という設定で高校に通い始める。謎展開である。学園ラブコメが始まってしまう。
もしかしたら学生の頃のトラウマを払拭させるために17歳という設定を押し付けられているのかもしれない。
そして俺は初恋である幼馴染の遺伝子を持った女の子と同じクラスになった。
あの時ヤリたかったあんな事やこんな事をしまくれる。絶対に幼馴染とヤレるラブコメ。
目覚めたらハーレムどころの騒ぎじゃなかった。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる