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第七章:安藤さん家の四兄弟チャンネル始動

二回目の生配信の成果

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「でも視聴者はお兄さんの権利を侵害されたって怒ってるよ。
 YourTunesユアチューンズYoungNatterヤンナッターアカウントにうちの視聴者っぽい人達がバンバン返信してる」

 燈子とうこ伊吹いぶきにスマートフォンを見せる。

「うわぁ、炎上してるね。
 あーちゃん、視聴者さん達にYourTunesへ攻撃するのを止めるよう呟いてくれない?
 安藤家としては問題だと思ってないし、視聴者さん達にそんな事をしてほしくないって」

「分かった。文章考えるから、投稿前に確認してもらえるかな?」


 藍子が安藤家視聴者へ向けて、伊吹のお気持ち表明の呟きを投稿した後、二回目の生配信としての収益結果の報告に移る。

「昨夜の配信での投げ銭の合計額が九千五百万円。
 最高同時接続数が百二十五万人。
 生配信中にチャンネル登録者四百万人突破。
 順調過ぎて怖いくらいだよ」

 藍子はYourTunesのアカウント管理画面を元に資料を作成する際、何度も間違っていないか確認したのが、未だに信じられないようだ。

「それは僕もそう思う。
 でもこの勢いも、いつまでも続く事じゃないから、常に新しい何かが出来ないか考えておく必要があるね」

 生配信二回分の収益合計が一億七千五百万円となった。
 ただし、ここからYourTunesの収益配分が引かれるので、実際にVividColorsヴィヴィッドカラーズへ支払われる金額としては一億三千万円弱となる。

「二日で一億とか……。とんでもないね、お兄さんは。
 まるで錬金術師みたい」

 驚いている燈子に、伊吹がやや現実的な視線で今後の収益予想を話す。

「仮に一年間毎日生配信し続けたしても、年間で何百億円になる事はあり得ないと思うよ。
 視聴者さん達も無限に投げ銭が出来る訳じゃないんだし、ある程度で落ち着いて来るんじゃない?
 今はチャンネル開設おめでとう期間みたいなもんだよ」

 生配信の見逃し動画も再生数が増えて続けている為、そちらから入る広告収入と合わせて、二ヶ月後にYourTunesから支払われる予定だ。

「あ、俺が歌ったところを切り取って動画投稿してくれてありがとうね。
 対応が早くて助かるよ」

「まぁ歌ってる箇所を切り抜いて投稿しただけだけどね。
 でもやっぱり専門の人にお願いしてほしいわ。私もずっと夏休みって訳じゃないし」

 燈子は大学生であり、今は夏休みで時間があるとはいえ、課題の提出など色々と忙しい身である。
 切り抜き動画の編集者については、すでに藍子が当たりを付けている。

「今日動画編集が出来る人を紹介してもらう予定になってるから、ちょっと出て来るね。
 場合によってはまたこのビルの空いているフロアで作業してもらうかもだけど、大丈夫?」

「僕としては大丈夫だよ。警備の人達が問題ないって判断するなら、そっちの方向で考えよう。
 3DCGと動画編集と、このビル内でどんどん出来る事が増えていくといいね。
 色んな部署間で交流を持ってもらったら、切磋琢磨してどんどん技術が向上してったりしないかな。
 それと、音楽関係というか録音技術の関係者の知り合いがいたら話を聞きたいんだけど、例えばさ……」

 伊吹は前世知識チートを惜しみなく使っていく。
 周りはその勢いに着いて行けず若干引いているが、やりたい事を口にして興奮状態になっている伊吹は気付かなかった。
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